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Another story of Kirby [6]



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投稿時間:01/12/30(Sun) 03:08
投稿者名:ゲームの番人中西


「リップルスターに行く人は何か、回復できる能力を持ってる人がいいんだけど…」
カービィが言った。
「何で?」
竜轡が尋ねた。
「だってリップルスターの妖精さん達…ケガしてたら僕だけじゃどうにもならないし…」
「…俺もリップルスターに行こう。」
番人が名乗りをあげた。
「魔法も得意なんでな、多分対処できるだろ。」
番人はグーイと菊花の横に移動し、二人にだけ聞こえるように呟いた。
「言って置くが、俺の目が離れてるところで時を操作しても俺には十分わかるからな。」
「そういう事態にはしませんよ、絶対に。」
グーイはそう答えた。
       

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投稿時間:01/12/30(Sun) 10:07
投稿者名:みらまた


ザァァァァ・・・・。
動き出した運命の歯車。
ポップスターの空は悲哀な思いを抱いているせいか、
雨空より透明な泪を降らした。
別行動に移ったクーとピッチの二人の体は濡らして行く。

「これはちょっと本降りになりそうだな・・・。」
当てもなく歩く二人。頭から落ちてくる雨垂れを拭いながらクーは問う。
「なぁ、ピッチ。俺達どうやってホロビタスター、行けばいいだろ。」
「・・・・飛んで行く。とか?」
・・・・・。
ピッチのあまりにも突拍子な言葉にクーは黙り込んだ。
雨音だけが響く、誰の気配も感じられない大草原。
虚しさは募るだけ。

「飛ぶ、か・・・。」
クーは行き場のない思いに苦笑い。
つられて何も分かってないピッチも笑顔を浮かべた。
・・・虚しい・・・。
クーは思わず心でそう呟いた。

・・・その時。
一筋の光彩がクーとピッチを照らし出す。
「・・・ん、眩しい・・・。」
天を覆っていた雨雲は一瞬裂けた。
裂け目から、何やら一直線上に黒く細い長いものが虚空に浮かぶ。
黒い物体はクーとピッチのいる延長線上へと
方角を変え、音速を思わせるほどの速度で突っ込んできた。

「なんだ・・・アレ?」
ピッチは訝しげに突然現れた異様な物体眺める。
「こ、ここに居るとヤバイぞ!」
クーはピッチを抱きかかえてその場を離れようとした。
そして・・・。

カッ!
二人はすぐ背後に鋭利な刃物を地面に突き刺すような音を耳にする。
「・・・・!!」
動揺を隠しきれない鳥類コンビは暫し呆然とし、
恐る恐る後ろに振り向く。

・・・うるしを塗ってあるような漆黒の色、
柄の部分を取り囲むように施された蛇の装飾、
杖の上部には黒光りする魔獣の羽が象っていると思われる。
そして中心部に彫られた謎の紋章。
何やら悍ましい容姿の杖が大地に突き刺さるよう立っていた。
杖から上がる煙が衝撃の凄まじさを物語る。

「これは・・・なんだ?」
クーは吸い寄せられるように杖を何の躊躇いもなく掴み、
大地から引きぬく。
ピッチも興味津々で杖を眺める。

と、その刹那。
柄に絡み付く蛇の彫刻が一瞬にやりと不気味な笑みを浮かべた。
杖より突然淡い紫の光が溢れだし、クーとピッチを包み込む。
「わっ!この光は一体・・・。」
怪しい光は二人を取り囲み、回転を増した。
「くっ・・・何がどうなってんだ!!」
ビュン。
取り囲んだ光は急激に縮小をし、
二人を乗せたまま空の彼方へと光速に匹敵するスピードで
飛び去って行った・・・。

大気圏を一気に抜け、二人を乗せた光は宇宙を突き進む。
推定光速で1時間は掛かるポップスターにもっとも近い惑星、
宇宙に浮かぶ廃墟「ホロビタスター」へと照準を合わして・・・。

≫NEXT
       

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投稿時間:01/12/30(Sun) 13:19
投稿者名:な〜ビィ


…カービィ達が動き出したのも、
世界が闇に呑まれかけているのも分からぬまま、
無に等しい感覚にとらわれている者が二人…。
「…あの…」
全く状況の分からないリボンは、
素直に目の前の人(?)に質問の言葉を投げかける。
それとほぼ同時に、初流乃の声が響いた。

「気に入っていただけましたか?」
慌てて周りを見回すが、初流乃の姿はどこにもない。
そんなこともお構いなしに、な〜ビィは大声で叫んだ。
「気に入るわけないでしょ!?大体…」
その言葉を最後まで待たずに、初流乃は答える。
「困りましたね…。
今の僕には、これ以上の部屋は用意できないんですよ。
お願いしますから、
どうかその部屋で我慢していただきたい」
皮肉めいた――少なくともな〜ビィにはそう聞こえた――言葉は、そこで途切れた。
もう何を言っても聞こえない事を察し、側にあった椅子にドカッと座り込む。

な〜ビィはそんなやりとりを呆然と見ていたリボンにようやく気付き、
手招きをする。
リボンはそれを見てな〜ビィの方へ飛び寄り、
さっきの質問の続きをする事にした…。

「つまりは、閉じ込められてるんだよね、簡単に言っちゃうと…」
疑問はその答えで全て解消されたらしい。
いや、厳密には、全て、じゃないのだが。
クリスタルの行方、星々の状況…。
とにかく、この場にいては分からない事が多すぎた。
「どうすれば…」
リボンが呟いたその時、な〜ビィが『あ』と声を上げ、こう続けた。
「ぜぼしんって奴が、ここに来ると思うんだ。
んで、その時に、空間の穴があくはずだから…」
そこから、リボンに耳打ちする。
リボンの表情は、不安げな物に変わったが、
説明の間に出てきた『スナッチ』と言う力を信じる事にした。

「おぉい、来てやったぞ初流…ごふぅ!」
「あぁぁ、頼むからここではあまり吐血しないで…」
「コントロールできれば楽なのだろうが…
して、面白い物とはどれなんだ?」
「こっちだよ、ちょっと待ってて…」

空間があの時と同じように開きだした。
今回は、吸い寄せる力は無いようだが。
確かなのは。
『あの』空間の中から見て、その瞬間は最大のチャンスだった…。

       
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投稿時間:01/12/30(Sun) 13:28
投稿者名:竜轡 


「‥で、後の人はどうするの?」
少しばかり辺りを見回してカービィが言う。
「…んじゃま、あたしはリック達と一緒に行くねぇ♪」
次に名乗りあげたのは竜轡。そんな彼女を見てリックが一言。
「何だか不安な気がする…。」
「な、何よ〜!あたしだって魔法はまぁまぁ使えるし、
特殊能力の1つやそこらは持ってるんだから!」
押し切るような形で納得させている。
「まぁ、リックよりはマシじゃないナゴ?」
わざと言ったようなその言葉をきっかけに、その後取っ組み合いになったとか。

       
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投稿時間:01/12/31(Mon) 01:12
投稿者名:カビラス


〜〜〜ポップスター〜〜〜

赤い帽子を被って、緑の服を着ているアドレーヌと
仮面を被って、剣を腰にかけているメタナイトが
行くあても無しに、ずっと歩き続けていた・・・・・。
「ダークマター、いないわねぇ・・・」
「ここに来るのは間違い無い!!そのうち必ず来る!!」

二人が夢の泉に近づいた時、
双眼鏡を覗いている少し変わった奴がそのそばにいました。
そっと近づいてみるとメタナイトはふと気づいた。
「(ま、まさか・・・)」
すぐさま後ろを振り向いた
「どうしたの?メタナ・・・」
「名前を言うな!!!」
「え?メタナイト!?」
すると、双眼鏡を覗いていた少年は一気にメタナイトの所に行った。
「いやあ、また会えたなんて・・・よかった、よかった!!」
「(かかわりあいたくない奴が来た・・・)」
「あなた、誰?」
「え、僕? 僕はカビラス。この前「次元空間移動装置」を発明したんだ」
「何それ?」
「まあ、簡単に言えばワープマシンみたいな物だよ」
「じゃあ、あんたはそのマシンでリボンちゃんの居場所を・・・」
「いやあ、それがねー、リボンさんの居場所はだいたい分かったんだけど、
 そこへ行くのに必要な電圧はなんと6億ギガボルト!!!
 そんな馬鹿でかい電圧をかけると行く前に木っ端微塵になってしまいます。
 だから、ここに来てどうしたら行けるのか調べるために双眼鏡を覗いていたんです。」
「そうなの
 ・・・って、メタナイトは?」

カビラスとアドレーヌが話している間、メタナイトはさっさと行ってた。
「待ってよ〜〜〜!!実は渡したい物があるんだよ〜〜〜!!!」
カビラスはそう言って、やむおえずメタナイトは立ち止まった。
「はい、どうぞ!!」
「これは・・・!!虹の剣じゃないか・・・!!!」
「ま、まあ・・・」
「でも、どうして持ってるの?」
「実は・・・これ・・・偽造した物なんだ・・・
 一回虹の剣を見たことがあって、それを真似たんです
 本物ほどじゃないけど、結構強いと思うよ」
「そうか・・・」
メタナイトは虹の剣を腰にかけた。
「それじゃ僕は・・・」
「どこへ行くの?」
「まあ、そこら辺をぶらぶらと・・・」
「え?じゃあ、暇なの?」
「まあ・・・そう言う事になるかな?」
「じゃあ、いっしょに行く?」
「!!!」
メタナイトはアドレーヌの言葉に少し冷や汗をかいた。
「でも・・・、僕は戦闘はあまり好きじゃないし得意じゃないから・・・
 どうしてもって言うのなら別だけどね」
「じゃあ、決まりね」
「!!!!!」
メタナイトは今度は体が震えた。
「それじゃ、アイテムの整理するね
 クリスタルサーベル、スーパースコープ、水晶鏡、鍵縄、暗黒爆弾、
 ウォーターリーフにツッコミハリセンそれから・・・」
アドレーヌはこの時初めてメタナイトの気持ちが分かったような気がしました。
「と、とりあえず早く行きましょ」
「はい!!・・・でも、その前に・・・」
カビラスはいきなりコップを出し水を入れ更にさっきの爆弾の火薬を入れ、
何か調べています。
「う〜〜〜ん、やっぱりな・・・」
「どうしたの?」
「・・・いやいやいやいや別に何も無い!!!」
カビラスは呆然としているメタナイトとアドレーヌと一緒に進みました。
ただ、カビラスは夜空を見ています。
「(三時間前の闇の濃度は1、72%さっき計った闇の濃度が3、51%
  そろそろかな?)」
メタナイトは首を傾げてるカビラスに少し疑問に思った。
       

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投稿時間:02/01/01(Tue) 15:28
投稿者名:ひでぶ


荒涼とした岩砂漠に、クーとピッチは、自身の知らぬ間に
訪れていた。辺りを見回しても、試しに飛んで遠くを眺めても、
ポップスターのような瑞々しい樹木の森は見つからなかった。
生き物は生息している気配はあるが、砂の中で生活をしているのか、
目に映るのは殺風景な砂の色と点々と生えているサボテンの色だけ。
空中には、巨大な菱形の黒鎧の姿が佇んでいる。
間違いなく、ここはホロビタスターだ。

「あの杖の力か?」
「おそらく…それにしても、一体何だったんでしょ?」

「あれは、この星からの通行手段じゃな」
突然の声に、2匹はやや後方へ飛び退いた。
だが、よく見てみると、敵ではない。顔見知りの老人だった。
「Ωさん、こっちに来ていたのか」
Ωは、しゃがれた声で笑った。
「ここはな、遠い遠い過去に、宇宙の理を科学により完全に
解明しようとした星の成れの果て。終焉じゃ。
己が知識欲の為に、宇宙に創生された絶妙な均衡すら実験台にして、
この星とその生き物たちは滅びたんじゃな」

Ωは、ゆっくりと歩き始めた。
老人の歩く速度にあわせて飛ぶのはかなり大儀なので、
クーとピッチも、歩きながら進んだ。

「じゃあ、今ここに住んでいる生き物は、みんな他の星から
やってきたわけかい?」
クーは砂に足を取られながら、慣れない足を動かした。
橙色のブロントバートの群れが、大空を羽ばたいている。
Ωは空を仰いで、それを指さした。

「あのブロントバートはの、元々ポップスターにしか生息して
なかったんじゃよ。それが、長い年月をかけて、
ここにやってきたんじゃな」
「ブロントバートは、宇宙を渡れるってことですか?」
「そういうことじゃな」

菱形の黒鎧は、近くから見ると、その巨大な体積を、
より一層引き立たせた。
「星の戦士殿が古代の産物と戦った場所……。
わしは、ここに今の状況を打破するのに必要な力が
あると思う。さ、クー殿、ピッチ殿」
2匹は頷いた。
『行こう!』

菱形の黒鎧は、その下方の先端部分を分離させ、
堂々とそれを地上に降ろした。
       

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投稿時間:02/01/01(Tue) 21:29
投稿者名:レモン


〜ポップスター〜
こっちは、カビラスの謎の発明品の数々によって貧血ぎみのメタナイトとアドと、カビラスとレモンが居た
「で…結局お前はこっちに残るんだな?」
メタナイトがレモンに向かって聞く
「ん?ああ〜まあねぇ…マルクとかその元凶とかを血祭りにあげようと…」
「(血祭りって…)」
アドが言う
「血祭り?だったらこの…」
バックをあさるカビラスに
「これ以上ださないでぇ!!(泣)」
「こっちが倒れる!!!」
っと、メタナイトとアド…
「それより…この雲がある限り…いつダークマターが来るか分からないよ!」
剣の手入れをしながらレモンが言う
「そうだな…気を引き締めていこう…」
「スカッとしたいならこの飴を…」
「いい加減にしろよ…(死)」
なんだかしっちゃかめっちゃかなポップスター…こんなんでいいのかぁ?!
       

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投稿時間:02/01/03(Thu) 01:36
投稿者名:ゲームの番人中西


…初流乃とぜぼしんがいる空間にて。
「ほら、これだよ。」
初流乃がそう言い、な〜ビィ達のいる空間を覗きこんだ時だった。
凄まじい速さでな〜ビィが空間の穴から飛び出した。
それと同時に、初流乃が吹っ飛ぶ。
な〜ビィはそのまま、走り去っていった。
「今のが初流乃の言ってた面白い物か…
ゲフゲフ…大丈夫か?初流乃。」
ぜぼしんが初流乃に歩み寄った。
初流乃は埃をはたき、立ちあがった。
「今のはスナッチの能力………やりますね、アニマルレイスの姫君な〜ビィ。悪いけど、ちょっと待っててください。
それと、この部屋で吐血しないように。」
初流乃はそう言うと、空間から姿を消した。
「そう言われても困るのだが…」
ぜぼしんはポツリと呟いた。

「成功よ!このまま出口まで突っ切る!!」
リボンを背中に乗せたな〜ビィがそう呟いた。
「早く外に出てカービィに伝えなきゃ…」
(…カービィ?)
な〜ビィはどこかで聞いた名だな、と思ったが、
今はそんなことを考えている場合ではなかった。
「あ、あれ見て!!」
何かに気づいたリボンがな〜ビィに言った。
「何?」
「ほら、あそこ!」
リボンが指差した先には切り取ったかのような空間の割れ目があった。
恐らく外に通じているだろう。
な〜ビィがそこに向かい、走ろうとした瞬間。
彼女等の前に初流乃が現れた。
「困りますよ…勝手に外に出て行かれては。」
初流乃が笑みを浮かべて言う。
「この人は…!!」
リボンは驚愕の表情を浮かべた。
「…チッ!!」
な〜ビィは舌打ちし、目の前に立っている初流乃を睨みつけた。
       

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投稿時間:02/01/03(Thu) 04:11
投稿者名:ひでぶ


冷ややかな初流乃の視線と、窮地におかれ昂ぶったな〜ビィの視線が、
両者のほぼ中間でぶつかり合い、まるで今にもそこに閃光が生じるかの
ようだった。瞬間とも永遠ともいえる不思議な間が、『ダークスター』と
名付けられた異次元空間の城のとある回廊で流れていた。
な〜ビィも、リボンも、初流乃もその場から動こうとはしない。

だが、そんな張りつめた緊張に疲れたかのように、初流乃は言った。
「ここからどうやって逃げ出そうとしているのです?
あの空間の裂け目はあなた達の望む『外』ではない。
このダークスターを創った時にできたバグです。僕ですら、
どこに通じているかさえ分からない。もちろん、あなた方を
逃すつもりはありませんが。万が一、もし、あそこから
脱出できたとしても、あなた方に待つものは……」
冷厳な視線を放ったまま、初流乃は口だけ笑わせて言う。
「死、だけです」

死。
その言葉に、な〜ビィは恐怖を覚えた。

―でも、このまま、この初流乃っていう奴に捕まっていても、
いずれは絶対に殺される。何もしないで殺されるくらいなら、
まだ、何かを遂げて死んだほうがマシってもんだわ。
……それにはまず、どうしたらいいか。

リボンは、今にも泣きそうな顔をして、両者の表情を窺っている。
そんなリボンを見たな〜ビィが、彼女に向かって微笑んだ。
(大丈夫)
口には出していなかったが、リボンには、その言葉が伝わったようだった。
彼女の表情が、打って変わって凛々しいものとなったから。
再び初流乃を見据え、額に汗を浮かべたな〜ビィはそれを拭い去り、
同時に恐怖という感情も振り払った。

「あなたとは、まだ一度も真っ向から勝負してなかったよね?」
それを言ったな〜ビィは、不思議と自信が湧いてきた。
「犠牲にした生き物達の生命の重さ、思い知らせたげる!」

「おやおや」
銀髪の少年は首をかしげた。
「戦うつもりですか、殊のほか勇敢なお姫様だ。
どれ、いいでしょう……久しぶりに楽しめそうな一戦だ」

初流乃の前に、蒼白の光球が現れた。発光がやや収まり、
その光球の中心に姿を映し出したのは、同色の薄手のグローブ。
片一方だけ現れた蒼白のグローブは、彼が左手をかざすと吸い付くように
装着された。少年は右手でそれの口を馴染ませるかのように引っ張る。
革が窮屈な音をたてた。
皮膚と革が一体になる、その音を聞きながら、
初流乃は力強く左手を握り締める。

「さあ、命の尊さ、教わりましょうか」
他人事のように言い放った初流乃に、な〜ビィは怒りをあらわにして
跳びかかった。右手の拳に、空色に光る数本の巨大な爪が出現し、
彼女はそれを思いっきり振りかぶった。

空気を裂く音が、闇の城の回廊に響き渡った。
そして、それと同時に、金属にぶつかったような音も。
手応えの無い右の拳をハッと見てから、な〜ビィは
真正面を睨んだ。初流乃は動いていない。その場で、
いつもの氷の微笑を浮かべている。
「もう終わりですか?」

な〜ビィは再び初流乃に向かい、『獅子』のスナッチ・スキルを
解放した。今度は両手に、空色に光る爪が現れる。
初流乃を引き裂くつもりで、両方の拳を交互に連続で繰り出すが、
光の爪は初流乃まで届かない。あの金属音を発する何かが邪魔をして、
彼は掠り傷1つすら負わなかった。

別に、何があるわけでもない。初流乃とな〜ビィの間には、
全くの『空』であるはずなのに、彼女の爪は当たらなかった。

―空!?

な〜ビィは、両者を阻んでいるのが『空』という存在であることの重大さに
気付いた。初流乃が笑う。
「やはりあなたは賢いですね。もう少し一緒にいたかった」
グローブをはめた手を、初流乃は素早く押し出した。
今まで阻んでいたその空間が、不気味に歪む。そして。

ドゥン!
歪んだ空間が訂正される時に創り上げられる衝撃波が、な〜ビィを
吹き飛ばした。数十尺空中に放り出され、ようやく床に叩きつけられると
彼女は受け身を取れずに全身を打撲しながら転がってしまった。
ゆっくりと、初流乃はな〜ビィの元へ向かった。
息はあるが、彼女の意識はない。それを分かっていて、初流乃は言った。
「空間触という、空間を圧縮したり、捻じ曲げたりする、空間操作の
初歩です。なかなか使い勝手がいいでしょう?さて、どうしたものか……」

ふと他所を見ると、すぐ横に『バグ』である空間の裂け目が
あることに気がついた。
「実に惜しいですが、あなたの存在はもうゼロ様に気付かれている。
かといって、あなたを殺すようなことは、僕はできない。
ですから、こうしますね」
右手でな〜ビィの胸座を掴み、持ち上げると、初流乃は彼女を
空間の裂け目に放り込んだ。

放り込んだ瞬間に、そこからいきなりマルクが空間移動で現れた。
「のわ〜〜!!」
空間の裂け目に飲み込まれそうになったマルクは、慌てて翼を羽ばたかせる。

「あ、危ないのサ!何でこんなところにこんなものがあるの?」
「マルクさん、一体どうしたんですか?」

ふん、と。マルクは初流乃から顔を背けた。
「お前がダークスターで部外者狩りをやっているみたいだったから、
手柄を横取りしてやろうと思ったのサ」
「あはは……それはご苦労なことで」

あたりを見回して、それらしき者がいないと気付くと、
マルクは自分が無駄骨を折ったことを知った。
彼のイライラは、そのまま初流乃にぶつけられた。
「全く、お前の作った空間は欠陥だらけ!
これだから部外者が入ってくるんだ。
さっさとこの城だけでも裂け目を補修するのサ!あーもう……」

初流乃が表情を変えずに尋ねた。
「ところで、マルクさんは今までいったいどこに?」
「コレカラスター!暇つぶしにヨガンに喝をいれてきたのサ!
どこに行こうとボクの勝手でしょ!?」

「コレカラスター、ね」
マルクが去った後、怪訝そうに、初流乃は空間の裂け目を見た。
かつてホロビタスターで栄えた『科学』という力による空間操作は、
移動元と移動先の物体を交換して行うものだったらしい。
ごく稀に、同じ症状が自分の使う空間操作に現れることがある。
本当にごく稀に、だが。

―まさかな。
初流乃はな〜ビィを放り込んだはずである空間の裂け目を、操作能力で
完全に閉じた。
「願わくばお姫様。……永らえますように」

一部始終見届けていたリボンは、もう、動くことさえできないでいた。
 
       
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