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Another story of Kirby [19]



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投稿時間:02/05/04(Sat) 13:09
投稿者名:レクイエム


――宇宙船内部・ブリッジ――
「アヒル!もう終わりか!」
「その減らず口、たたけなくしてやるぜ!」
デデデのハンマーをラークは剣で受け流す。
1対1では、やはりラークのほうが有利である。
先ほどまで援護していた竜轡とは、今ではダークマターたちに分断されている。
(このままじゃやばいな・・・!)
デデデは小型のハンマーを投げつけるが、すべてラークにかわされる。
「無駄だ無駄だ!お前じゃ俺に勝てねえよ!」
「・・・・・・クソッ!」
ラークの剣戟をデデデは受けきるので精一杯である。
ラークの剣にデデデのハンマーが宙にはじかれる。
「しまっ・・・」
デデデが言い終わるより早く、ラークの横なぎの一撃がデデデの胸を切り裂いた。
「・・クッ・・・・」
「残念だったな」
床に崩れ落ちるデデデの胸に、ラークの言葉が響いた。


「チッ・・・小癪な・・・」
「おぬしも、あきらめが悪いのぅ」
Ωがまたダークマターたちを消し飛ばした。
ダークマターたちがΩとナゴを囲み、それをΩが消し飛ばす。
こんなことを何度繰り返しただろうか。
すでに最初からレクイエムの周りにいたダークマターはいない。
今いるのはすべて、レクイエムが作り出したものだ。
「・・・コードD!」
その言葉に反応し、今まで5体1組だったダークマターが3体1組になり、
3体のミラクルマターがレクイエムを取り囲み防御壁を展開する。
「なっ・・・何ナゴ!?」
「・・・むぅ!」
いつのまにか2人を取り囲んだ4組のダークマターが黒いビームを時間差で放ってくる。
Ωはそれをかわしつつ、ダークマターを攻撃する。
ナゴはビームを危ういながらも回避する。
Ωはすさまじいスピードでダークマターを撃破してゆく。しかし・・・
「私の勝ちです。ヘヴンズ・ケィジ」
詠唱を終えたレクイエムがΩとナゴに向け手をかざす。
呪詛によって生み出された闇は2人を取り囲む。
闇が消えた後には、2人は黒い水晶状の物質に閉じ込められていた。
「この『闇』は『闇』以外では壊せない。自然に解けるまでおとなしくしてるのですね」
レクイエムの嘲りの混じった声が響いた。


戦いは、ディーラの有利であった。
万全の状態でない夢見る者では、一流の戦士であるディーラの相手はきついものがあった。
夢見る者が灰色の物体で攻撃するが、ディーラはそれを軽くかわす。
懐に飛び込んだディーラの攻撃を手のひらに収束した『力』でかろうじて受けきり、間合いを開ける。
やがて、ディーラは夢見る者を追い詰めた。
「もらった!」
ディーラは勝利を確信し、大きく振りかぶる。そして・・・
ザシュッ!
・・・倒れたのは、ディーラのほうであった。
背後に忍び寄っていたラークの刃を受けたのだ。
「後ろががら空きだったぜ」
意識が薄れる中、ディーラはそう聞こえた気がした・・・


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投稿時間:02/05/04(Sat) 15:40
投稿者名:ソルビィ


レクイエムが完全に動きを封じられたΩとナゴを見て言う。
「ラークさん、夢見るものさん、そちらのほうは片付きましたか?」
「あぁ。ちょろいもんだぜ。…だらしがねぇぞ夢見るもの。」
「…すみません。おかげで助かりましたよ。」
「まぁそういわないことですラークさん。夢見るものさん…手負いでしょ?」
「…そのとおりです。ですがそのことを理由にする気はありませんよ。私がうかつだっただっただけです。」
「…とにかくこれで虚空の歯車さえいただけば俺達の仕事は終わりって分けだな。」
ラークが足元に落ちてるデデデのハンマーを蹴った。
「さて………そこの竜族の方、覚悟はよろしいですか?」
「くっ……。」
竜轡が周りのダークマターを片付けながらも声のする方へ目をむける。
血を流して倒れているデデデとディーラ、闇の密室に包まれているΩとナゴ…残っているのは自分一人だった。
「…ものども一斉攻撃!!」

パァン!!

「・・・!?」
次の瞬間ダークマタ―の大半が消し飛んだ。レクイエムの背後にはΩとナゴが立っている。
「やれやれ・・・とっておきの技をつかってしまったわい。」
「…いつのまに!?あれは闇でしか破壊できないはず……。」
「わしが聞きたいくらいじゃ。闇の力を持っているとは…どういうことだねソルビィ君?」
「理由なんて・・・無いぜ。自分の持つ能力を使わせてもらっただけだ。人格変わっちまったがな。」
Ωとちょうど反対の位置にはクーと『アレン』を構えているソルビィが立っていた。
『アレン』の銃口からは煙が出ている。
「クー!?傷はもういいナゴ!?」
「あぁ。あとはピッチが完治するまでだ。今スラリン君とリック、ワドルディが足止めをしてくれてるんでな、こっちに加勢させてもらう。」
クーが言った。
「…せっかく運良く手に入った闇の力。どうせ苦しむんなら利用させてもらうぜ!!!」
ソルビィが今度は『デストリー』を構えた。
「ちっ…二人倒して二人増えやがった…。」
ラークが舌打ちする。
「まぁいいでしょう。数ではまだこちらが圧倒的に上です!」

戦いは…続く。


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またでしゃばっちゃって…。
ソルビィの闇の人格の大まかな説明。
闇がある程度溜まると発動可能。言葉遣いが荒くなったり痛みを感じなくなったりします。
普段は稀に魔法の中に混じるような形で出る闇ですが、この状態だと乱発可能です。
しかしそれと同時に闇が抜けていくので一定の量まで減るとまた元の人格に戻ります。


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投稿時間:02/05/04(Sat) 17:27
投稿者名:ゲームの番人中西


「さて、と。」
ラークは刀を構え、彼等と対峙する。
夢見る者は魔法の詠唱に入る。
狙いは力尽きている二人に。
どうやら、殺すつもりらしい。
「我等の邪魔をする者よ、消えるが良い。」
夢見る者がそう言うのを合図に、ラークは彼等に攻撃を仕掛けた。
夢見る者の手に、紫の光が現れる。
それは、倒れて動けないデデデ大王に一直線に向かっていった。
「ぐっ!!!」
夢見る者への、背後からの突然の奇襲。
操作を失った魔法は、あらぬ方向へ飛んで行った。
「チッ…しくじったか。」
奇襲の攻撃をした本人、たろちすとはそう呟いた。
夢見る者の背から、鮮血が流れる。
「たろちすと!!」
ナゴが彼の名を叫ぶ。
「Ω!今のうちにブリッジに行ってくれ!!
くるみがやられた!!」
「何じゃと?わかった、すぐ行く!!」
Ωはとても老人とは思えない速度でブリッジへの道に走っていった。
「危ないナゴ!!クー!!!」
「…!!」
クーは間一髪、自分の命を狙っていた攻撃をかわした。
「あ〜あ…せっかく、楽にしてあげられたのに。」
そこには、かつての仲間…カービィがいた。

「チッ…回復役のΩが消えたとなると、
結構きついかもな…」
そう呟きながら、ソルビィは『デストリー』を構える。
彼の前にはレクイエムが立っている。
「ふふふ、また戦う事になりましたね、ソルビィ君。」
ソルビィは、銃のトリガーを引いた。
しかし弾丸はレクイエムの前で弾かれた。
「バリア…か。」
ソルビィは舌打ちした。
「その通り。
そんな柔な拳銃では、このバリアは破壊できませんよ。」
「それはどうかな?」
ソルビィは拳銃を連射した。

ラークはたろちすとの相手を夢見る者に任せ、
カービィに気を取られているナゴに斬りかかる。
しかし、彼は途中で攻撃を止めた。
1つの包丁が、彼の心臓目掛けて飛んできたのだった。
ラークは、隙を作らない様に左手で包丁の刃を取った。
刹那。
レモンが突然現れ、ラークに突きを放つ。
ラークは右手だけで持っている剣で突きを受け流し、
左手に持っていた包丁をレモンの顔を目掛け、投げた。
レモンは剣で防御に入る。
否、防御できなかった。
ラークは左手で素早くレモンの剣の刃を掴んでいた。
その間に、包丁がレモンの頬を切りつけた。
頬から鮮血が出る。
それと同時だった。レモンは足に激痛を覚えた。
その痛みはラークの攻撃による物だった。
ラークの刀が、彼女の足を深く斬り付けていた。
痛みに顔を歪め、レモンの体勢が崩れる。
その隙を、彼は見逃さなかった。
刀を構え直し、渾身の突きを放つ。
刀の刃は、彼女の胸を貫いた。
崩れ落ちるレモンから刀を抜き、ラークは呟いた。
「死んだか、ルックグリーンの守護者。
…お前が俺の邪魔をするからだ。」
血を流し、血溜まりを作るレモンにを尻目に、彼は夢見る者の加勢に入った。
暫くして、レモンは立ち上がった。
血を吐きながらも、歩き出した。
倒すべき、敵に向かって。

「チッ…」
たろちすとは舌打ちした。
ラークと夢見る者の猛攻を何とか防いではいるものの、
防戦一方であった。
しかし、戦いの流れが変わった。
夢見る者とラークの足元から植物の蔦が出て、彼等を縛り付けた。
「早く…!長くは持たないからッ…!!」
そう叫んだ声の主のレモンを見て、たろちすとは驚いた。
しかし、驚いてる暇などない。
彼は槍を真っ直ぐ構え、目を閉じる。
槍の刃に光が宿り、彼は渾身の突きを放った。
「…終わりだ、ジェノサイドクラッシュッ!!!」
突きを放ったと同時に、夢見る者とラークの背後にある、
宇宙艇の壁が吹き飛んだ。
「潮時だな…俺は戻るぞ。」
「僕もです。」
夢見る者とラークは生きていた。
だが、痛手を負ったらしく、その場から消えた。

辺りはたろちすとの一撃で発生した煙で包まれた。
レモンの意識は、既に朦朧としていた。
彼女の前に、何者かが現れた。
ピンクの丸い体。そう…カービィだ。
クーとナゴの相手をしていたはずの。
「どうしたの?死んじゃいそうだね。」
カービィは微笑みながら、彼女に言った。
「…カービィ…あんた、本当に、闇に染まったの…?」
呼吸が苦しくなって来た。
もう、最期の時は近い。
「そうだよ♪」
「…私には、わかる…あんたは、闇から光に戻る………。」
レモンはそう言い、壁にもたれかかる様にして座りこんだ。
(…優越の薔薇、取り戻せなかったな…
はは、まさか、最期がこんな形になるなんて…。
後は任せたわよ、皆…。)
レモンは目を閉じた。
そして、呼吸も止まった。
「…あれ?死んじゃった?」
カービィがレモンの頬を軽く叩く。
けれども、レモンは動かなかった。
「…確か、僕は一回死んで…それで皆が生き返してくれたんだよねぇ…。
だったら、君の体を何も残らないくらい、壊しちゃえば…もう生き返れないよね?」
カービィは剣を取りだし、闇の力を剣に注ぎ込み、ソードビームを放った。
少女の体は跡形も無く吹き飛び、消え去った。

ルックグリーンの守護者、レモンは死んだ。


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投稿時間:02/05/04(Sat) 18:04
投稿者名:カービィ君


城には修羅場とマヌケを合わせたような空気が漂っていた・・・
カメラになったナイトメアは自分の死を感じた。
なぜなら、ぜぼしんは大鎌を持ち冷徹な笑みを浮かべていた。
セツと獣人国の王はあまりの、ナイトメアのマヌケさに言葉を失っていた。
そして、自分はこんなふうには死にたくないと心から思っていた。
「拙者の勝ちだなナイトメア・・・」
穏やかでそれでいて恐怖を覚える笑顔で、ぜぼしんは迫っていく。
グサッ シュゥゥゥゥゥゥ〜
あまり聞きたくない音が辺りに駆け巡る・・・。
その時だった・・・
「あれ、うちは・・・」
な〜ビィが起きたのは・・・


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投稿時間:02/05/04(Sat) 19:13
投稿者名:ぽ〜すけ


「レモン!!!」
クーの声がこだまし、辺りを包み込んだ。
ナゴの体は震えた。
そばに飛び散った血を見て力なく崩れ去るナゴを見てか、
たろちすとは歯を食いしばった
「ウオオォォォ!!!」
クーはカービィを睨みつけ、我を忘れたように突っ込んで行った。
『昔の』カービィを殺された時、ダークマターでさえしなかった、
「跡形も無く、粉々にする」ということを許さなかった。
たとえカービィでも。

カービィは一度狙ったその命をまた取ろうとし、剣でクーの胸を緋色に染めた。
クーの攻撃もむなしく、『悪』の前に崩れ落ちた。

だんだん薄れていく意識の中でクーは身も凍るような高笑いを聞き、
嘲るカービィの目を見た。


ソルビィから発せられる弾を避け、レクイエムは床に伏せた
バリアが破られていたのだ。
「さっきから聞こうと思っていたんですが…何故このバリアを破けたんですか?」
レクイエムの言葉を聞いてソルビィはデストリーを打ちながらアレンを見せた。
「闇と闇とで打ち消し合ったってわけだ。これで茶番劇はおわりだ。」
ソルビィはアレンの引き金を軽く引いた。
レクイエムは軽く跳び、避けるが……。
「罠ですか…。」
「その通り。空中じゃ身動きだ取れないだろう?」
アレンの銃口から出た弾は、レクイエムの脳天に風穴を開けようとした。
「残念。次からは法ちょっとましな罠をお目にかかりましょう……。」
そこまで言うとレクイエムはダークスターへと消えた。


「クー……?無事ナゴか?」
カービィはクーにトドメをさそうと剣を構えた。
しかし、放てなかった。
たろちすとが槍を突き出し、ソルビィが銃を構えたので、
避けなければならなかったからだ。

たろちすとが槍を使い、カービィを串刺しにしようとしている。
カービィはスラリと身をかわし、ナゴに向かっていった。
その一瞬にしてナゴは蹴られ、壁にぶつかり、すぐ意識を失った。
しかしクーと同じように、致命傷だけは免れた。

カービィがナゴを襲った時にはアレンの弾は発射されていた。
カービィはかろうじて弾を避け、受け身を取った
しかし避けた場所にはスラリンが立っていた。
「もう大丈夫なのか?」
スラリンはたろちすとに向かい、こくりと頷いた。
その直後、カインもピッチと共に駆けつけてきた。
少し送れてチュチュ、いやマルクもやってきた……。


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投稿時間:02/05/05(Sun) 09:04
投稿者名:まーびぃ


こちら、治療室。
くるみの傷はΩの気孔治療によって治ったが、意識は回復しないままだった。治療室には、カビラスと番人とまーびぃが残っていた。
「皆・・・大丈夫かな?」
カビラスのその一言が、雰囲気をさらに重くした。
隅のほうで目を閉じていたまーびぃが、不意に口を開いた。
「なんか・・・闇、かな・・・?いつもと違う感じなんだけど、
 虚空の歯車のそばに感じられるんだ。」
「それは・・初流乃か!?」
番人も声をあげる。
「それは・・・その可能性もある。」
その言葉を聞くと、番人は飛び出していった。
無論、いないはずの初流乃を倒すため。
「行っちゃった・・・」
カビラスがまたつぶやく。
「さて、料理でもつくろっかな〜♪」
こんな非常事態に、足取り軽くまーびぃは部屋を出て行った。
部屋にいる二人は、同時に思った。
『あいつ、料理つくれるのか・・・?』


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投稿時間:02/05/05(Sun) 13:07
投稿者名:ひでぶ


「……う……うん……」
気孔治療からしばらくして、くるみが目を覚ました。
「くるみ君、気がついたのじゃな!」
「あぁ、よかった……一時はどうなるかと……」
くるみは虚ろに辺りをきょろきょろしていたが、
やがて慌てて立ち上がろうとした。その途端、
全身を痛みが蝕む。
「動いちゃダメだよ!Ωさんの気孔で治っただろうケド、
まだ痛みは残ってるじゃないか」
「……くやしかったけど、初流乃の言うとおり、別の場所で
カービィを元に戻そうとしたの。賭けは、成功だった。
でも、最後の仕上げの前に、カービィが目を覚まして、
出口から出ていっちゃって……」
「カービィは元に戻るのじゃな?」
Ωの問いに、くるみが頷く。
「カビラス君、くるみ君を頼む。わしはもう一度、
カービィのところへ行ってくる」
「わかったよ……」
Ωは再び、戦場へと足を運んだ。


「一体どうしたって言うんだ!」
まーびぃによって呪縛から解き放たれたメタナイトとグーイが、
衰弱しきった声で答えた。
「……闇の呪縛でしばられていた……くっ」
「わからない……何故『光』の存在が、『闇』を操ることが
できるんでしょう……」
『光』の存在が、『闇』を操る。
それを聞いただけで、まーびぃがメタナイト達の相手をしていた
者が誰か思い当たった。
「……まさか、ハイン?」
まーびぃの後ろから、とぼとぼと誰かが歩いてきた。
彼女の視点は、まーびぃ達とはどこか違う所に向けられていて、
ぼんやりとしていた。

「菊花さん……」
グーイが、彼女の名を呼んだ。
「あ、あれ?グーイ、無事だったんですね〜」
我に返るように、菊花がグーイの存在に気づき、
嬉しがって駆け寄る。グーイは最初怪訝そうに菊花を
見たが、どこも怪我をしていないし、何よりいつも通りの
菊花だったので、やがて安心した。安心すると、
体から力が抜けたのか、それからすぐに気を失った。
「ちょ、ちょっと、グーイ……しっかりしてください〜!」

まーびぃはグーイを心配する菊花をずっと見ていた。



「あれ、うちは……」
な〜ビィが目を覚まして、自分のいる場所を見回した。
どこか見覚えのある場所。確か自分にとって身近な場所。
とても懐かしい場所。幼い頃、最もお気に入りだったこの場所。
―うちの、客間?

フロアの破片をものともせず、誰かがな〜ビィのもとへ歩いてきた。
「よく帰ってきた、な〜ビィ」
幼き日に母を亡くしたな〜ビィにとって、ただ1人の肉親だった者。
「……お父さん!」
王は、王女と手を取り合った。
「なんで?どうして?……うち、いつ獣人の国に帰ってきたんだろう?」
「何も知らないままでいい、とりあえず、今日はゆっくり休め」

その場にいたぜぼしんは、溜め息をついたかと思うと、
やはり咳き込んだ。セツが彼の背中をさする。
王が振り向くと、ぜぼしんとセツのほうへ向かった。
それと同時に、な〜ビィがぜぼしん達の存在に気づく。
「ぜぼしん!」
な〜ビィの掛け声に、ぜぼしんは手を振った。
王はぜぼしんに一礼をしてから言う。
「私はシャナン。獣人国の王だ。そなた達は、闇の者だな。
この国を救ってくれたことは王として感謝したい。だが、
闇の者は受け入れぬのがこの国の慣わし。……悪いが、
この国から早々に立ち去ってもらいたい」
「ええ!?」
な〜ビィが駆け寄って、シャナンと面を向かわせる。
「よく分からないけど、ぜぼしん達がうちの国を
助けてくれたんでしょう!?闇の者でも、恩には恩を返すのが
慣わしよりも大切じゃない。そんなのってないよ!」
な〜ビィの抗議に対し、王・シャナンは無言だった。
ぜぼしんは暫くな〜ビィの様子を覗っていたが、やがて踵を返した。
「ぜぼしん!」
「拙者のことはいい。……無事でよかった」
去っていくぜぼしんとセツを見て、な〜ビィは下唇を噛んだ。
そして、何かを決意すると、な〜ビィは2人を追った。
「な〜ビィ!」
「お父さんのわからずや!ダメ親父!
それならうちは、ぜぼしん達に一緒についていくから!」
「また家出か……」
シャナンは溜め息をついた。
―ラクチェ、この子は本当にお前にそっくりだ。

「彼らをもう一度つれてきてくれ。城の停泊を許そう。
ただし、真っ当なもてなしができるとは言えないがな」


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投稿時間:02/05/05(Sun) 23:34
投稿者名:ゲームの番人中西


「うるさい…」
誰もいない宇宙艇の通路で、カービィは独り呟いた。
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!」
誰もいない空間に向かい、そう叫ぶ。
もちろん、返事は無い。
『僕は、僕は仲間を傷つけたくはない!!!』
カービィの頭の中に、声が響く。
まーびぃによってほんの少しだが、光に戻った彼の『心』が。
「うるさい…静かにして!!!」
カービィは何も無い空間に、剣を振るった。
声の主に命中するはずもなく、剣は空を切った。

時の番人は、虚空の歯車が安置されている場所に来ていた。
「…ふざけやがって。」
徐に剣を取り、一閃する。
虚空の歯車を奪おうとしていたダークマターを真っ二つにする。
霧散し、消えるダークマターを見て、番人は呟いた。
「…ユート…お前は本当に、あいつを選んだのか…?
それとも、あいつに殺されたのか…?」

ぜぼしんとセツは、ナイトメアによって破壊された建物を直し、
殺された者の供養をしていた。
「セツ、準備は良いか?ゲフゲフ…」
セツが頷くのを確認し、ぜぼしんは闇の力を放つ。
セツは何かの魔術の陣を組み、ぜぼしんの放った闇の力に当てる。
闇の力に命中した後、セツは指をパチンと鳴らした。
するとそこには、壊されていたはずの建物が建っていた。
「これで最後ですね。」
セツは汗を拭い、ぜぼしんは血を拭い取っていた。
「では城に戻るか。ゲフゲフ…」

城に着くと、食事の用意が出来ているらしく、
ぜぼしんとセツは客間に案内された。
食堂では、この国の平和を称えたパーティーが行われているからだ。
そこに彼等が出たならば、混乱は免れない。
「すまないな。
そなた達の存在が他の者に知られると、混乱が起こるのでな。」
客間に入って来たな〜ビィの父、シャナンが彼等に言った。
「別に良い。それより、な〜ビィは?」
「食堂でパーティーに参加している。」
シャナンはそう言うと、彼等の前にある椅子へ腰掛けた。
「…ぜぼしん…と言ったか?
そなたはもしや、私の娘に恋心を抱いているのではないか?」
ぜぼしんは、思わぬ質問に咳き込んだ。
暫くして、彼は言った。
「拙者は恋…と言う物を知らないのでな。
拙者にはな〜ビィといる時の気持ちが恋なのか、良く分からない。
ただ…正直、あの娘の傍にいたいと思っている。」
シャナンは溜め息をついた。
「…君には悪いが、あの娘から離れてもらいたい。
娘も、君に恋をしている。
私は娘が恋をしている者が現れたのは嬉しいと思っている。
交際をしようとも、止めはしない。
だが、君は闇に属する者だ。」
ぜぼしんは黙ってそれを聞いている。
セツは夕飯を食べていたが、箸は止まっていた。
「光と闇は共存出来ない…それは知っているな?」
ぜぼしんは頷いた。
「拙者には、恋など必要無い。
拙者達は今夜、ここを出る。
な〜ビィには伝えないでくれぬか?」
シャナンは頷いた。
そして、彼等に聞こえない様に、小さな声で呟いた。
「すまない…」

シャナンが部屋から出て行って数十分後、セツはぜぼしんに尋ねた。
「ぜぼしん様、本当に良いのですか?」
「構わぬ。あの娘をこれ以上巻き込みたくも無い。
祖国で暮らした方が幸せだろう。」
そう言い、ぜぼしんは窓を開けた。
彼等は、窓から外へ飛び降りた。

な〜ビィは、パーティーから抜け出してぜぼしんがいるはずの部屋の前に来ていた。
扉をノックし、扉を開ける。
「あ、あのさぜぼしん………?」
扉を開けたな〜ビィは呆然とした。
部屋に、ぜぼしん達はいなかった。
窓から吹きつける風が、カーテンを揺らしていた。
「…あの者達なら、去って行った。」
シャナンがな〜ビィの後に何時の間にかに立っていた。
「うち、ぜぼしん達を追いかける!!」
「待てな〜ビィ!!」
追いかけようとするな〜ビィを、シャナンが制止した。
「光と闇は共存する事は出来ない。それを忘れたのか?
彼等は自分の意志でここを去っていったのだ。」
シャナンがそう言うと、な〜ビィは振り向き、言った。
「じゃあうちは、うちの意志でここを出る!!
うちは、あの人達と…ぜぼしんと一緒にいたい!!」
シャナンは溜め息をつくと、な〜ビィに何かを投げた。
な〜ビィはそれを受け取った。
それは、綺麗な修飾が施されたブレスレットだった。
「何よ…このブレスレット?」
シャナンは微笑し、答えた。
「昔、ラクチェが身に付けていた物だ。
お前が持っていた方がいいだろう。」
「お母さんが…?」
「さあ早く行け。彼等を見失ってしまうぞ?」
シャナンはそう言い、部屋から出ていった。
「…ありがとう、お父さん。」
そう言い、な〜ビィは窓から飛び降りた。

「さて、どうしたら良い物か…。」
ぜぼしんはナイトメアとマルクを殺した理由を考えながら歩いていた。
ダークスターに帰れば確実にゼロに理由を聞かれる。
その時の理由を考えているのだ。
彼等はもう国の出入り口の前まで来ていた。
「ぜぼしん様。」
「何だ?」
セツは城のある方向を指差していた。
ぜぼしんがその方向へ向くと、な〜ビィが走って来た。
「やっと追いついた…」
な〜ビィが息を弾ませながら、彼等の目の前まで来た。
「うちを置いて行くなんて、ひどいんじゃない〜?」
彼女の言葉にぜぼしんは苦笑した。
「では戻ろうか、ダークスターへ。」
彼等は、国の出入り口を通り、その場から消えた。


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