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Another story of Kirby 第二部 [23]



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投稿時間:02/08/09(Fri) 00:12
投稿者名:ソルビィ


「…悪ふざけにしては度がすぎているな。そういうのは家でやってくれ。」
「!?」
一番後方を飛んでいた女性の半次元生命体の背後に突如男が現れる。
彼女の体は抵抗する暇もなく眩い光につつまれた。
そしてその光の球体は徐々に小さくなっていき、米粒ぐらいの大きさになった時、
一気に膨張して弾け飛んだ。一瞬の出来事だった。
「…家まで送ってやったからよ。」

「でけぇ光の柱が見えて…なんかやばそうな気分になったんで来てみたら…このザマかよ。」
男は着地し、ふぅっと息をはく。
そして口にくわえてた煙草の火を指先からだした大きな水の雫で消した。愛煙家はポイ捨てをしない。
「あとは番人、あんたの仕事だ。…本当はユートの仕事だったのかもしれんがな。
 ったく初流乃は仕事サボりすぎだぜ…別にあいつと組みたい気はないけどよ…。」
そう誰にでもなく愚痴をこぼし、ターツは病院に戻った。


「あらら…あの人還っちゃったか…。」
すぐ間近で起こったことなのにも関わらず、海月は平然としている。
「お兄ちゃん…いいの?あの人のこと…。」
「いいんだよ。海星。それよりも…もうちょっと怖い人がいるな。」
そういって海月はそのままの態勢で地に降りた。その前方ではネレイドとカレスが地に叩きつけられるのが見えていた。

「…番人、お前何のつもりだ!」
ネレイドが服の埃をはたき落としながら、目の前にいる青年を睨む。

「…お前達を時の番人の名の元に裁く。」

青年の目付きはいつもよりも険しかった。
「おいおい…ちょっとまて、なんで俺がそうなるんだ?だいたいお前北部の守りに当たってたんじゃ…。」
「カレスがそっちにいる時点でわかるだろう。こっちは全部片付いた。
ピックのスピードは俺達の中で1,2を争うほどなんだよ。お前達に追いつくなんて造作ない。」
番人の後ろから緑色になったピックが顔出した。

「そうかよ…だが今はそんな場合じゃないだろうが!02の奴を…」
「02よりもお前達だ。」
ネレイドの言葉を遮って番人は言う。

「たしかにお前達の兵力は数に欠ける俺達に有益だった。だが、別次元の者を連れてきたのは間違いだったな。
 俺も最初はそれでも02に対抗できるならそれでも良いと思っていた。裁くのはいつだってできる。
 だがお前はバイドショックやディバインクリスタルの暴走、そういった厄介な問題を次々と起こした。
 …これ以上放って置けば次に何が起こるかわからない。」
さっきまで自分達だけで話してた内容がつつぬけだったことにネレイドは驚く。
「…どうやら俺がこれを知ってることが不自然に思えるようだな。シルトの千里眼だ。」
「!?」
「シルトが全部教えてくれたよ。あいつ、今日の戦いぶりは今まで以上に冴えていた。
 何かにふっきれたみたいにな。だから千里眼の能力もより確かなものになってるんだ。」
「だが…それらの問題は全て解決したんだ。それなら別に支障はないだろ?」

「…支障ならあるぞ。お前のやってきた行為だ。そしてそこにいる異層次元のもの達の存在自体だ。」
「…僕達か。」
「異層次元は俺達と別次元の世界にある。ネレイド、それをお前は呼び出してきたんだ。見事に空の制約を破っている。
 それだけなら俺の仕事ではないが・・・異層次元はおまえの知ってのとおり時の流れ方も明らかに違う。
 それをお前は無理矢理こちらの次元に時間を合わせて干渉をしているんだ。れっきとした時の制約の違反だ。
 だから…俺が裁く。」
「…だが、それで僕達を封印したら君達の戦力はがた落ちするんじゃないか?」
海月が微笑む。
「構わん。放っておけばお前等はまた別の問題を引き起こすのだからな。
 それに、お前達は俺達の次元に干渉しすぎた。
 この世界の問題はこの世界に生きとし生けるもの達で解決する。それが当然なんだよ。
 ここでお前達の手を借りないと勝てないようじゃこの世界は終わりだ。…覚悟を決めろ。」
「そう…でも僕達もここで引き下がるわけにはいかないんだよ!」

海月がその場から消える。そして次の瞬間番人の後ろに回りこんでいた。
だが。
「甘い。」
番人は海月の鳩尾に拳を入れる。そのまま海月は地に伏した。
「お兄ちゃん!?」「海月!!!?」
「くっ…。」
海月は咳き込みながらも起き上がり、「何か」で番人に突きを放つ。
だが番人はそれを素手で掴み、海月から取り上げた。
そして立て続けに数発殴り、さらに左頬を強く殴った。
(…何故防御壁を素通りするんだ!?)
「お兄ちゃん!!」
海星が両手から電磁の網を作りだし、番人に被せる。
「…。」
彼は悠久の剣を構え、振り下ろした。それはその網を掻き消した。
「……え?」

番人は冷ややかに言う。
「…時の制約を犯した者は、時の番人に対して放つ全ての能力を無力化され、また、行動の自由を奪われる。
 俺は…お前達をこの世界から消滅させなければならない。それはお前達の存在事態がこの世界の秩序に反するのだから…。
 異世界からの招かれざる客人達よ、在るべき場所へと・・・・還れ。」
番人が印を組むと光の柱が二人を包み込む。そしてそれが細くなっていき、消える。
海月と海星の姿はもうそこにはなかった。

「海月!!海星!!」
「…あいつらには悪いが郷に入った以上、郷にしたがってもらわなきゃ困るんだよ。
 ここは…あいつらの世界じゃないんだ。ルールには従ってもらう。」
番人の気迫に一瞬ネレイドはたじろいだ。
「よくも海月さんを!!!」
短気な半次元生命体達が一斉に番人に襲いかかった。
だが、彼等の攻撃もまた番人に届く事はなかった。
番人が作り出した光の珠にそれぞれ包み込まれ、それらは消滅する。

そして、最後にカレスとディバイン・クリスタルが番人を襲う。
だが番人が無言で左手をかざすと、それらは全て空中で静止し、落下する。カレスも急に力が抜けたかのように気絶する。

「…番人、貴様本気なのか!何故海月を!!海星を!俺の仲間達を!!」
ネレイドは怒りに任せて斬りかかった。


「いい加減に目を覚ませ。本気かどうか聞きたいのは俺だよ。」


番人はそれをよけようとはしなかった。よけずにネレイドの鳩尾を強く殴った。

「お前は…充分強かった。パーフェクトオーブの力、電波による攻撃、…そして何より仲間を想う気持ち。
 だが…お前は彼等を連れてきた。何故だ!!お前の行動は、お前が生きる世界自体を否定しているに等しいんだぞ!?
 それが分かってるのか!?」
番人は息を荒くして怒鳴る。
「……。」
ネレイドは黙りこくっていた。
しばらく沈黙が続いて、呼吸を整えた番人が口を開く。
「…半次元生命体はその肉体を別世界で失った場合、魂は異層次元へと戻され、再生される。
 この戦いが終わった後、会いに行ってやりな。
 だが…彼等をこれ以上こちらの事に関わらせるな。再び彼等がこちらに来た場合…今度は容赦しないからな。」
「……………………………………あぁ。」

「ディバイン・クリスタル、持ち帰ってくれよ。こっちの世界ではもはやただのでかいだけの水晶だからな。」
番人が付け足して言った。


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投稿時間:02/08/09(Fri) 19:25
投稿者名:ネレイドキラー


宇宙要塞アイギス内部・・・

海月と、海月より少し背が高い男が何かを話していた。
「あーもう、嫌になっちゃうな!」
「落ち着けよ海月・・・」
「落ち着いてなんかいられないよ兄さん・・・。
 確かに今までは殆ど異層次元で暮していたけどさぁ、
 未来の事だとは言え、この世界は僕達の生まれ故郷も同然だよ?故郷を想って来たのに、なんで追い返されなきゃいけないのさ!
 寸前で逃げなきゃ僕と海星は今ごろ死んでたよ!」
「それはそうだが・・・向こうが俺達の事を異世界の住民だと考えてちゃあ仕方無いだろ?制約をダブルで破ったのも本当の事だ」
 それを聞くと海月は側にあるソファーに溜息をつきながら倒れこんだ。
「僕等はどうなるんだろうなぁ・・・」
「さあな?判決は長老達が下すだろうよ。今会議室で会議をしているところだ。・・・マトモな会議だとは信じ難いが」

その会議室では・・・
「さて、先走った海月達の処理はどうする?」
「三日間の独房入りで充分じゃろうて」
「ほい決まり・・・今はそのような事が問題ではない」
「ディバイン・クリスタルか・・・」
「今あれは意識だけが封印された状態じゃ。あれの力は封印する事自体が不可能な代物。神でさえもな。
 つまりあれは今、主人を求める道具同然の存在じゃ」
「バイドがそれに目を付けぬ筈が無いな」
「クリスタルを手に入れたバイドはその力でこの次元の再加工、あるいは破壊を始めるだろう・・・」
「何としてでも阻止せねばならぬ。急いで異層次元から新たなクリスタルをサルベージせねば・・・」
「それだけでは番人どもに粛清されるだけだろう。あらかじめ連絡をしておかねば・・・」
「だが自らの尻は自分で拭わねばな」
「その後は手だし無用じゃな」

「・・・それにしてもつまらぬ世界じゃ」
「制約などと言う物のせいで他の世界と交流を持たぬ。・・・それは何故だ?」
「あやつらが言っておるのは建前にすぎん。本気でそう言っているのならばもっと厳しく取り立てる筈じゃ・・・」
「・・・世界を統べる『秩序』というものが"善"であるかぎりこの世に『荒廃』はありえない・・・」
「それはありえぬな。『秩序』と『荒廃』は表裏一体じゃ。荒廃が無ければ秩序もありえぬ」
「まあ、最後まで聞け・・・だが、『秩序』が"無思考"と"隷属"を要求する時」
「・・・『荒廃』は別の世界の形をとって現れる」
「ふん。この世界は正にそれじゃの。
 "無思考"と"隷属"で腐りきった色彩の無い世界の中で闇の化身どもも、初流乃も、その他大勢もその流れに逆らったまでじゃ」
「だが今の闇の化身は支配欲に包まれた亡者でしか無い。
 そういう意味では初流乃が一番シャンとしている様に見えるが・・・そういうことで私は初流乃に期待している。
 もしかしたら彼がこの世界を良い方向へ導いてくれるやも知れぬ。
 可能性は無に等しいがな」
「ふむ・・・それにしても夜深や薔薇も狂気に支配されては困るのう。それでは"無思考"に身を任せた事にしかならぬわ」
「「「「まったくだ」」」」
「この世界はどんなに自由を望んでるつもりでも結局は呪縛を望んでおるのだよ」
「・・・マゾ?」
そう呟いた者は次の瞬間、腹に波動ビームのような気の塊、
頭にバットスマッシュと炎を纏った鋼鉄ハリセンの洗礼を受け、壁まで"水平に"ぶっ飛んだ。
「・・・そういうギャグは嫌いだからな。二度と言うな」
「うう・・・りょ、了解致しました巡査殿!!このリトルジョン、見事に任務を成功させてご覧になります!!」
「あ〜あ、壊しちゃってどうすんだ」
「・・・気に電波混ぜたのがいけなかったか・・・?」
「さて、これにて会議終了だ」


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投稿時間:02/08/09(Fri) 22:22
投稿者名:レクイエム


機械の星、メックアイ。
機械に包まれたその外観は、かつてはこの星にも高度な文明があったことを示しているのだろうか。
金属が剥き出しの殺風景な風景の中、
今では使われなくなって久しいであろう機械文明の遺産を手にとっているものがいた。
両面黒の襟付きマントに白衣。そして、特徴的な仮面・・・レクイエムだ。
「やれやれ・・・ここに来たのは二ヶ月ぶりでしたかね?」
長々と続く無機質な廊下を進み、独り言。

「ハーフムーン周辺に巨大な物質が二つ?」
半日ほど前、KPシリーズの新作、NKP−002をロールアウトし、
部屋でまどろんでいたレクイエムに伝わってきた報告がそれだった。
「はい。巨大な物体を二つ、人工衛星が確認しました」
16〜8歳ほどに見える青年がレクイエムに言う。
(何か・・・嫌な予感がしますね・・・)
突然現れた巨大な物体・・・
そういえば、諜報部が「突然現れた変な奴らが光の者を援助している」と。
あの時は、「異世界の者では?」などと言った諜報部を笑ったものだが、
今回のこととあわせると、あながち間違っていなかったのかもしれない。
(備えあれば憂いなし・・・一応動くべきか)
「今からメックアイに出向いてきます。作業用ロボと、開発部の人間を数人手配してもらえますか?」
「了解いたしました」
青年がクルリと90度回転し、ドアをあけて部屋から出て行く。
それを見送った彼は、椅子にかけていたマントを着用し、部屋から出て行った。

メックアイ、中心部・・・
星を管理していたマザーコンピューターがあり、機械とコードがひしめき合うこの部屋は、この星の心臓といえよう。
マザーコンピューターのキーボードをレクイエムの手が軽やかにたたく。
それに反応するように、最初はマザーコンピューターが、続き周りのさまざまな機械が色とりどりの灯を放ち、息を吹き返す。
(修理のかいがあったというものです)
静かな音を立てる多くの機械を、レクイエムは満足そうに眺める。
正面の巨大なモニターには紙を手に話し合う人や、黙々と作業を続けるロボたちが映し出されている。
「準備はすぐに整うはず・・・何もおきないのが一番よいのですがね」
モニターに映された光景のひとつ、漆黒の宇宙空間を眺めながら、ひとりごちた。


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投稿時間:02/08/09(Fri) 17:50
投稿者名:ディッセ


目的掲示

名前、ディッセ
目的、現時点ではソルビィの代理、本当の目的はまだ秘密
期間、前者はソルビィの復帰まで、後者はおそらく3部かと・・・・


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投稿時間:02/08/10(Sat) 11:00
投稿者名:ディーラ


目的掲示

でわ、ディーラの目標です♪
目標1、レモンを元に戻す(?
  2、昔の記憶を取り戻す
期間:影薄いのでずっとがいいかなとか思ってみたり…(ォ


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投稿時間:02/08/09(Fri) 23:11
投稿者名:ひでぶ


「あははは」
無限に広がる宇宙空間の中、雑作無く身体を舞わせる
悪魔という種族の少年が1人。スラリンだ。

「どう?カビラス君、少しは慣れた?」
カビラスの前にずいっと顔を突き出したスラリンと違って、
彼はまるで泳ぐように『ばたあし』をしながら、必死にその場所から
進もうと励んでいる。ちっとも成果はでていないが。

「なんか、不思議な感じ。道具も機械も使わないで、こんな風に
宇宙で生きていられるなんて」
「そっかぁ。うん、僕も、機械とかそういうの好きだけど。
今はこっちの方が速く進めるからね。ほら、手ぇ出して。
引っ張ってあげる」

カビラスは、片手を繋ぎ合ったスラリンの纏う正体不明の
推進力に引っ張られて、やがて徐々に進み始める。
速度は増す一方で、すぐにカビラスは目を開けていられなくなった。
しかし、スラリンがはしゃぎながら、「大丈夫だよ」とカビラスに
声をかけたから、恐る恐るではあるが、彼は少しずつ目を開いた。

「うわぁ……」
まるで宇宙が渦潮を巻いたかのように、カビラスの視界に星々が
目まぐるしく行き交う。夢でも見ているかのようなその光景は、
カビラスにとって実に心地よいものに映った。
「ね、綺麗でしょ?」
スラリンがカビラスの方を向いて、楽しげに笑う。

そう。
今のこんな風に、自分に微笑みかけるスラリンを見る度に、カビラスは、
胸の刺が、その奥へ奥へ、深々と突き刺さっていくような感じがした。

―最後の星だったハーフムーンも、スラリン君達は、結局簡単に
願いを込めることができた。今向かっている目的地につけば、
初流乃の居場所が分かってしまう。……分かってしまった時、
スラリン君は、やっぱりハインさん達と一緒に行ってしまうだろう。
そうしたら、今度こそ……。

自分の為に、自分の心配をしなかった。この先、自身がどうなるか、
それはもちろん不安だったが、スラリンと戦いたくない気持ちの方が、
スラリンとずっと友達でいたい気持ちの方が、彼を今、苦しめている。


「見えた。ほら、あそこだ」
先に訪れていたハインと桜の悪魔に合流して、2人は目の前の
宇宙にできている群青の珠を見た。息を飲むのはカビラス。
「……ここから、大彗星が現れるんですか?」
「正確には違う」
と、ハイン。
「大彗星だけが持つ特殊な力を、この珠が引き寄せるらしい。
正真正銘、あれはこの生命界の産物だ」

「う〜ん、やっぱりダイナミックなんだね」
スラリンが感心しながら頷くのを見て、いつもの如く桜の悪魔が笑う。
「で、どうするの?ここで来るの待ってる?」

その問いに、暫くしてからハインは苦笑で返した。
「……どうやら、ただ待っているだけではいかないようだ」


宇宙要塞アイギスとバイド帝星が、彼らを挟むようにして
その場に留まり、そして。
無数の異形の者達が、それらから飛び出した。



「闇の師ハイン、か」
アイギスの中央部にいる長老が、モニターを見つめ、おもむろに言った。
「よもやとは思ったが、そういうことか。……初流乃もまた、
欲求にかられた奴らと変わりないようじゃの」
「どうする?」
「決まっておるじゃろう」
右手の人差し指を立てた長老は、その指で星に見立てたビー玉を弾く。

「……必要のない毒の芽は、摘む」


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投稿時間:02/08/10(Sat) 23:45
投稿者名:星のカーヴィ


――――ベイハワード総合病院
集中治療室のランプが、赤く点灯している。
中では、避難していた医者たちが目まぐるしくディッセを治療していた。
「おぉ、番人。」
流石に病院で煙草は肩が狭いのか、
口にはガムを代わりに食べているターツ。
その場には、チュチュ達が悲痛な面々で唯時がすぎてゆく。
カービィも、打撲と骨折で包帯が巻いてある。
「奴らには奴らのすべき事を、俺たちには俺たちのすべきことがある。
自分たちの蒔いた種は、きちんと処理してもらう必要があるからな。」
「ま、そんな硬くなるな。」
ターツの言葉は、あまり慰めになっていないようだ。
番人はマントを翻し、そのまま外に出て行った。

「メタナイト、それは本当か?」
「偽りを伝えるほど、時間があるとは思えぬだろう。
たろちすと、いや、ターツ君かな。」
病院の椅子で、蹲って腕を突いているターツ。
「爆発でもしていないのに、消えるなんて変だな。」
「それは結界だろう。」ふと番人が現れる。
「丸聞こえだ。重大な話はもう少し、小声で喋るんだな。」二人は頷く。
「俺だって空の番人ユートと仕事仲間だったんだ。
空間の知識ぐらい結構身についている。」
「自慢かよ。」
番人の鋭い目付きが、ターツを厳しい眼差しで見つめる。
そこへ、一人の白衣の医師がメタナイトに声をかけた。
「メタナイト様。ディッセ様の手術が無事成功しました。」
「御苦労。」

ディッセとカービィを治療し終えたメタナイト達は、
一路要塞へと向かう。

――――要塞内部のとある広間
「早く乗れ!」
デデデが叫ぶ中、狭い機内に所狭しとグーイ達が乗り込む。
だが、くるみだけ様子が変だった。
メカデデデ・ファイターに乗り込まないのだ。
「くるみさん!早く乗ってください!」
グーイが乗降口から体を乗り出して言うものの、
くるみは一言も応えようとしない。ぼーっと突っ立っているままだ。
「私、行くとこがあるから。」
そう言うとくるみは、暴走した木の精霊の蔦に巻かれ、
木々の中に埋もれていった。
「くるみさーん!」
グーイが叫ぶも、その声は虚しくも木々の硲へと消えていった。
「やばい。このままでは皆埋もれ死ぬぞ!」
メカデデデ・ファイターは、逆噴射をしてその場を抜け出した。
操縦席から見える恐怖。木々が異常なほどの速さで生長し、
どんどん要塞を侵食していっている。
その木々は、あっという間にダークマターを絞め殺し、
ガーディアンもすら瞬殺した。
要塞の壁や床は剥ぎ取られ、ガスケルの艦隊が塞いでおいた栓をも、
多少は苦労したようだが最期には呆気無く抉じ開けられてしまった。
其処から物凄い勢いで、土に餓えた木々の根が
ぶすりぶすりと突き刺してゆく。その根はまるで、
精気を感じるようにデデデ達の方向へと向かっていった。
「な゛っ!」
木々の枝が伸び、デデデ達を捕まえようとせんとしている。
レーザーで枝を燃やすも、木々は異常な生命力で、
一つ、また一つと、新しい枝を伸ばしてくる。
その生命力は、木々の根にも見られた。
「なんじゃあれは!」
ガスケルが叫んだ先には、どんどんと根を伸ばす
それはそれは恐ろしい光景があった。
四方八方を行く木々の根。その根に砲塔の矛先を向けるが、
焼け石に水。何しろここは土中なのだ。植物にとっては栄養の宝庫である。
「撤退じゃ!」
ガスケルは異変に気付いたのか、すぐさま艦隊を撤退させよう企む。
だが、根は地中にある特別仕様の戦艦をも巻こうとしている。
最大火力を集中して、その根を断ち切りすぐさまその場から
立ち退こうとした。
十二箇所にある機械や方陣も、暴走した木々の前には無力だった……。

「外の様子は!」
デデデが叫びながら、頭と体の連結作業に入っている。
「真っ暗で、雨が土砂降りです!一応、外には出られるようです!」
天候不良か……。仕方ない。
《連結が完了致しました。》
ハンガーに機械の声が響く。
「乗れ!」
その途端、ハンガーのブラストドアが破られた。
もちろん、その犯人は暴走した木の精霊。
デデデが操縦席に乗り込みミサイルで応戦したり、
トライデントナイトとアックスナイトが束で懸かるも、
無念といわんばかりにふっ飛ばされる。
ふと植物の枝の矛先が、腕に包帯がぐるぐるに巻かれたアドに向けられる。
枝がアドの体を縛り付け、ハンガーに悲鳴が響き渡る。
「アドちゃん!」
デデデが大きく叫び、只管にレーザーが発射される。
怨念と怒りに塗れた勢いだった。
「うぉらああぁっ!」
アックスナイトとトライデントナイトが、
一気に近寄った。アドに巻かれた枝が、その不意打ちで解かれる。
隙を見てデデデが飛び降りて、アドを抱きかかえた。
しかし、アックスナイトとトライデントナイトの抵抗も虚しく、
二人は枝に巻かれ、そのまま木々の中へと消えていった。
悲鳴を残しながら……。
「アックスさん!トライデントさん!」
グーイが近寄ろうとするも、デデデの「止めろ!これ以上
彼らの犠牲を無駄にするな!」という言葉により、
思い留まった。涙を浮かべながら……。
発進せんとするメカデデデ。
だが、木々はしぶとく、追う事を止めない。
ドームの開閉を待っていては命は無いと悟ったデデデは、
上昇でドームを突き破った。
その時、要塞の所々から爆発が起こった。
暴走した木々が、燃料倉庫へと入り込み、爆発を起こしたのだ。
途端に、その爆発は連鎖反応で拡がり、最期には大爆発を起こした。
爆風がメカデデデを横殴りにした。
「ぐぅっ。」
あまりにも激しいため、要塞から数百メートルのところに
着陸しなければならなくなったのだ。
着陸しようとすると、メタナイトたちが来ている事にデデデが気付く。
メカデデデは、輸送艦スタイルに変形を施し、
次々とカービィ達を乗せてゆく。
「心配したぞ!」
メタナイトがデデデに声を掛けられる。
「申し訳御座いません陛下。ですが、その台詞は私が申したいのです。」
言われて見ればそうだ。
デデデが悟る。
こうして、メタナイト達はハルバードの援護に向かおうとした。
だが、
さっきの要塞の爆発に負けるとも劣らない大爆発が、
オレンジオーシャン中に響き渡った。
「は、ハルバードが……。」
ハルバードが撃墜されたのだ。
メカデデデ内に、不協和音が響き渡る。

とても静かとはいえないこの草原で、
ネレイドとカレスが静かに佇んでいる。
その傍らにはディヴァイン・クリスタルがあった。
ごろりと俯いている水晶。
そこに、レイヴンとバールが駆けつけた。
「還るぞ。アイギスに。」
ネレイドが三人に同意を求める。
「クリスタルは如何するんだ?」
カレスがネレイドに尋ね寄る。
それに応える事も無く、ネレイドはクリスタルを
浮かばせて自分の宇宙船へと帰っていった。
他の三人と共に。

――――メックアイ
「ふむ。Twilightの砲撃主ですか?」
モニター画面に映るのはナイトメア。
それをまじまじと見つめるレクイエム。
「短期間で是でもか是でもかというほどに、
修行を施した私の愛弟子だ。是は、彼女にとって
第一の試練なのである。それに彼女はもともと腕の立つアーチャーだ。
動きの遅い……その…変な代物にぐらい簡単にロックオン可能であろう。」
「承知いたしました。」
数時間後、その『彼女』は現れた。
薄紫のシャツに白いキュロットパンツ。ひょっとしたら、
可愛らしい男の子ともとれる身形だった。
「ほほう。なかなか研究の余地がありそうですね。」
レクエイムは微笑を浮かべたそうな。

――――LookGreen
惨劇……。是を見てこう言わない者は居ない。
セツの口から血が噴出す。な〜ビィの鋭利な爪はセツの胃に届いたのだ。
口紅を塗ってもいないのに、赤く染まる唇。
止め処も無く腹から出てくる、赤き鮮血。
そのミステリアスな色と、深緑のグロテスクさが混じり、
まさに一流のサディストが飛び上がって喜ぶ光景だった。
な〜ビィは腹を抱えて蹲るセツを尻目に、鋭利な爪を首筋に当てる。
ちくちくと突き刺さる爪。たらたらと流れ落ちる血液。
ふと風が巻き起こり、巻かれた蔦からレモンが姿を現す。
「命乞いしたいでしょ?」
セツは応答できずに、首も触れずにただただ蹲っている。
「分かるよ。大切にしたい人がいるもんね。」
ふと東が植物の陰から姿を現す。セツは驚きの表情を顔に現した。
だが、首筋の痛みと腹の痛みで声もままならない。
「私の仲間になったら、この娘と一生幸せにしてあげる。
拒否するなら……グッバイだよ。」
レモンがセツの頭を掴みながら、悪魔の微笑を漏らす。
「君が死んだら、この娘が悲しむよ……。」
セツは、愛する事を選んだ。
セツの体は蔦に絡まれ、視界が遮られてゆく。
とてもこの先、明るい未来が待っているとは思えないが……。
「えへ。今日は大収穫だね♪東、連れてきて。」
そうやって連れて来られたのは、マーテル。
意識はあるようだが、手足を蔦に縛られまともに動く事すら容易ではない。
「かわいい男の子……。女の子みたい……。」
レモンが近寄ると同時に、マーテルは怯え出した。
「たっぷり可愛がってあげる……。」

「ふむ……。戦力は我が方が圧倒的不利なようだ。」
ハインが落ち着きながら、用意周到に魔法を半次元生命体に向けて放つ。
「それってやばいんじゃないのぉ?」
スラリンが焦りに焦って、敵の猛攻を掻い潜る。
カビラスは不慣れな宇宙空間で、どうすれば
いいのか分からずに戸惑っている。
夜深は相変わらず、狂ったように半次元生命体を倒し続けた。
毎度の事なのだが……。
そんなやり取りが続く間にも、群小の珠は
ギャラクティック・ノヴァを呼び寄せていた。
そして……
終にギャラクティック・ノヴァは姿を現した。


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