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Another story of Kirby 第二部 [24]



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投稿時間:02/08/11(Sun) 01:24
投稿者名:ひでぶ


メインキャラの追加です。

シルト(リボン奪還のため)
柳(自分の右目を取り戻すため)
ディッセ(ソルビィの代理のため)
ディーラ(レモンを元に戻すため)


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投稿時間:02/08/11(Sun) 08:33
投稿者名:ひでぶ


「……彼の地を治めし崇高なる眷族の帝。其の力を以ち、我、反旗の
愚者を打ち砕かん。灼熱の魔王・竜炎、旋風の魔王・風隼。
……今、ここに姿を現せ!」
眩しく光る陣の中から、あの上級召喚獣・竜炎と、竜炎と同じく、
人間の頭部ほどしかないが、冷めた群青のからだをした鳥の召喚獣が
出現した。

風隼と呼ばれた召喚獣は翼を広げながら、術者とその仲間達の周りを
囲む異形の者達を見て、笑う。
「全く。ご主人に呼び出される時はいつも敵の数が多い。
まぁ、それだけ僕を頼ってくださっているってことでしょうけどね」
「うん、風隼、竜炎。ボクに力を貸して。マテリアルフュージョンだ」
「2身合体ですね……お望みとあらば」

風隼は光の珠と化して、術者の頭上へと向かう。
竜炎もまた、同じようにしてその場所へ。重ね合わさった2つの光は、
一瞬縮んだかと思うと、即座に膨れ上がり、その輝きで
異形の者達の目を眩ませた。

その場に存在したのは、不思議な絵が施された、多角多面の物体。
それは、蒼く厳めしい電光を纏っている。
「威霊・雷醒、こいつらをやっつけちゃえ!!」
合体して、雷醒となった召喚獣は、群がる敵に向け電圧砲を放つ。
黄金色に光る電圧の柱は、食らうように異形の者達を飲み込み、
吹き飛ばした。チャージアクション無しで次々と向かう敵に
電圧砲を放つ雷醒の真下、撃墜しそこなった異形の者を
術者スラリンが採魂の鎌で斬り捨てていく。


両手の全ての指先から闇の呪縛を放出し、敵を捻り潰していくハイン。
狂気に魅入られたその生物達の意思は、何らダークマターと変わらない
ようである。予知できるそれらの攻撃を的確に回避し、反撃を続けながら、
彼は大彗星の存在に舌打ちをした。

―あれは多少のことでは壊れないだろうが……。

ハインが体全体から光の気を放つと、彼を包囲していた敵達はそれを直接
浴びることになった。光の熱を完全に浴びた敵に、すぐさま闇の冷気が
襲い掛かる。光と闇の極度の変化に耐え切れなくなった異形の者達は、
凍った食器に熱湯を注いだ結果の如く砕け散った。

間髪入れず、直線に隊列を組んで向かってくる次の敵に、詠唱を終えた
魔道を放つ。最前列から順番に肉塊に化していき、それはしんがりに
まで行き届く。だが、それでも一向に減らない周囲の敵を眺め、ハインは
再び舌打ちをした。


本人はなんら気にしていないが。
この戦いの始まりから、桜の悪魔が発する『狂気』が変貌していた。
今も尚彼女に忠実ではあるが、敵の精神に影響を与えるに留まっていない。
亡者か何かの思念が、その者が肉体に収まっていた頃の姿を、おぼろげに
だが象っており、それら1つ1つが凝り固まって不気味な怪物を
形成している。桜の悪魔の背中から生え出した7匹の怪物は、彼女に
近づく者を容赦無く食らい殺した。

返り血が顔にかかり、それを拭った手の先を舐めると、彼女もまた
悦に浸り、壊れるくらいに笑い出す。
「もっと……もっとだよ!あなた達の想い、もっと欲しい!!」

捕食される者の恐怖をも食らうかのように、7匹の怪物はより肥大に、
より醜悪になる。やがて、桜の悪魔を包んでいた『狂気』すらも、
1匹の怪物の形をとった。……さながらそれは、八つ首の竜。


「おっと!?」
自分の背後に回った敵に気づき、スラリンは大鎌を構えながら身体を
振り向かせる。が、両者がぶつかりあう前に閃光弾が異形の者へと
命中し、掻き消えた。カビラスだ。
「不本意だけど……僕も戦う。スラリン君、背中貸してよ」
「……おっけー!」


「既に3千以上の半次元生命体が戦闘不能に陥っています。
バイド帝星のほうも、同程度の戦力を失っているかと」
アイギス艦内。伝令に来た若者が、そう告げた。

「……やりよる」
一騎当千などという言葉を、長老は思い浮かべた。

―ただ単に強き力を持つ者では、まるで勝ち目の無い戦いのはず。
余程知識に長けた者が、あの4人の中で統率をしているに違いない。
……闇の師か。下等な兵士達など、数にならぬのかもしれぬな。

「独房から海月達を出すのじゃ。投入する」
「了解しました」


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投稿時間:02/08/11(Sun) 13:13
投稿者名:ネレイドキラー


「スラリン君、あれは・・・!?」
「!?」
突如バイド帝星の前面に宇宙船が出現した。
ネレイド達の船が亜空間移動してきたのだ。

「バイド帝星を封印するぞ!!」
ディバイン・クリスタルを放出し,すぐさま次元干渉のスイッチを押した。
すると、クリスタルから波紋が広がり,バイド帝星が急速に縮まっていく。
やがて、完全に消えた。

「バイド帝星が・・・」
「これでもうこの世界には用は無い」
「海月。出撃命令は取り消しだ。最後に奴等と話しておけ」


ネレイドの船に通信が入る。
「・・・やあ。ネレイド君、元気かい?」
「海月・・・」
「時間がないから手短に言うよ。もう僕等はこの件に関しては一切手出ししない」
「そうか・・・海月!」
「なんだい?」
「戦いが終わったら必ずお前達に会いに行くからな!」
「待ってるよ・・・」
そして通信が切れ,アイギスは宇宙に溶けこむように消えた。

「ハイン達はどうします?」
「今は戦うべき時じゃない。戻るぞ」

ネレイド達の宇宙船も消える。


「・・・訳がわからないけど,終わったようだね・・・・・・!?」
スラリンがそう呟いた時、それは突如どこからともなく出現した。
直径50m程の黒い球体が直径250mほどの赤く,透明で、バリアのような球体に包まれている外見。
本体とバリアの間には長さ40mほどの赤いオタマジャクシ
(ただし尾の部分は鼠の尻尾のような形状)のような生き物が数十体も蠢いている。
その全てを飲みこみそうな黒の球体は全てを押し潰してしまいそうな威圧感と、
ともすれば夜深すらも気圧されてしまいそうな狂気を纏っていた。

桜の悪魔が攻撃を仕掛ける。
しかし、赤い球体にはまったく効いていない様だ。
だが、桜の悪魔の狂気で構成された怪物は急速に大きくなり、強大になっていく。
まるで攻撃される方が狂気を分け与えているような印象すら持てる。

「貴様・・・何者だ!?」
ハインの問いにオタマジャクシ達が答える。

"狂気を生み出す者"
"狂気を与える者"
"破壊する者"
"狂気を,破壊を望む者"
"全てを無に帰す者"
"もの言わぬ無への先導者"
"その身はビッグクランチすら受けつけぬ"
"我等が父にして母"
"我等が王にして主"
"バイドの王・・・バイドコア様"


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投稿時間:02/08/11(Sun) 20:49
投稿者名:シルト・レヴァーニ


「絞め殺しイチジクって、知ってる?」
レモンがマーテルに尋ねるが、こんな状態で喋れるわけがない。
「じゃあ教えてあげる♪」
無邪気に笑うが、その顔には限りない狂気があった。
「小さな葉の上に種がのってね、
その葉っぱが成長すると種は成長した木の養分を吸っていって成長するの。そして木に絡み付いていって養分を吸うの。
そして枝や根が太くなっていって絞め殺す・・・面白いでしょ?」
そしてマーテルの髪の中になにかを忍び込ませた。


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投稿時間:02/08/11(Sun) 22:00
投稿者名:St@Na


「・・・・・絶対許さない」
カービィは地上で炎上する戦艦ハルバードを見て悔しがった。
「大丈夫か?エスト」
「ええ・・・何とか・・・」
「しかし・・・くるみ達が・・・」デデデは嘆く。
「暴走した精霊は結局全て消滅したのか・・・?」と番人。
「・・・・・・・恐らくそうだろう」ターツが言う。

「バイドコアだと・・・バイドは今消えた!何故ここに貴様が!」
”我等だけが封印される前に脱出した”
”ネレイドはこの事に気付かなかったようだ”
ハインの問いに『オタマジャクシ』が答える。
「そりゃあっ!」
ブニュオッ。
バリアが奇妙な音を立てスラリンの鎌を押し戻す。
「・・・・・・気味が悪い」


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投稿時間:02/08/11(Sun) 23:09
投稿者名:ひでぶ


転移したその瞬間から、アイギス艦内は混乱した。
何かの誤動作か、何者かの罠か、その艦は目的地とは全く
違う場所に訪れたのだ。

「すぐに場所を割り出せ!」
艦の司令が怒鳴る。
「やっています!……ですが、未探索区域ですここは!!」
「馬鹿な、異空間とでも言うのか!?」

司令に、クルーに、何か凄まじい寒気が走った。

ブリッジの、超強化ガラスを挟んだその先に、何らかの法衣のフードを
目深に被った者が、その姿を漂わせている。
「あ、あ……!?」
叫びに出せない恐怖を、そこにいた者達は覚えた。

見える口元だけが冷たく笑うと、その者はフッと姿を消した。
そして、アイギスも彼を追うようにして、消えた。



「なるほど……」
ハインはおもむろに呟いた。

―精神界の司祭にも封じることのできない存在か。

「私達の前にその姿を現して、どうするつもりだ?」

"全てを無に帰すには、体が必要だ"
"こころ強き肉体、それが王の望み"
"その者を支配して、王は滅ぼす。全てを"
"全ての世界とつながりのあるこの世界で"
"最も強き志を持つ者……それは"


「うわぁっ!?」
スラリンを、カビラスを、桜の悪魔を、そして、ハインを、
怪異達は束縛した。
「……くっ」
特にハインを、上下左右包むようにして取り囲む。

"誰よりも勝るその意志"
"欲しい"
"そのこころとからだが、欲しい"

ハインの思念の中に、それは入り込もうとした。
彼は、抗う。
「無駄だ……私は、私だ!貴様らになど支配されん!!」

"あなたは、ヒト"
"ヒトには超えられないものがある"
"そのあなたに、我らが王の干渉から逃れられるはずがない"


「……ぐ、お、お!!」
ハインの烙印から、出血が伴う。その感覚に、彼は驚愕し、憎悪を覚えた。
烙印は、ある1つの存在に関連する事柄以外には、反応しないはず
だったから。そうして、彼は悟った。

このバイドの王を自分にけしかけたのは、間違いなく、その存在。
恐らく、私の目的を阻むために……!!

―絶対神!!


憎しみ満ちて、怒号するハインの背後から。
不思議な黒き光が、注がれた。

そして。
嘘のように、ハインを包んでいた者達が、スラリン達を束縛していた
者達が、塵となって掻き消えた。

体の自由を取り戻した4人、それと、大彗星がいるその場所は。
漆黒の、あの異空間。

「ぬかりましたか?ハイン」
微笑混じりのその言葉が、彼らの背後から聞こえた。
声の主の姿を見、カビラスは、スラリンは、桜の悪魔は、ハインは。
言葉を飲み込む。


銀髪の少年が、その深々と被っていたフードを脱いだ。
……そう、空の番人・初流乃だ。


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投稿時間:02/08/12(Mon) 00:57
投稿者名:星のカーヴィ


レク総帥と合作なり〜


――――要塞アイギス内部
独房から看守に連れられてゆく、海月兄弟。
腕には手錠、看守のゴム袋をした手には電機鞭が握られている。
片時も二人は喋らずに、唯黙々と歩いていった。

「長老。」
「時は迫っている。早く行くが良い。」
大きな会議室に、呼び出されたのも束の間。
戦闘の身支度をしろと、時間を与えられる始末。
「海星……。」
ふと海月が海星を抱き抱える。彼はそのまま話し始めた。
「ここから逃げろ。」
「え?そんな、私も戦力になるよ。」
「いいから行け!」
海月は海星を抱えたまま、脱出用カプセルに押し込んだ。
そして、エスケープボタンを彼が押す。
「お兄ちゃん!」
「さらばだ……妹よ。」
カプセルと部屋が隔離された。
そして、アイギスから一つの脱出用カプセルが放たれる。
行き先は、ポップスターだった。


「巨大な物質反応が2つとも消失!同時に、
大きなエネルギー反応を同座標にて確認!」
オペレーターの一人が叫ぶ。
メックアイの中央管理室は小さな狂騒に包まれていた。
余談だが、"巨大な物質反応"はアイギスとバイド帝星。
"大きなエネルギー反応"はバイドコアである。
ギャラクティック・ノヴァは、
それらとは微妙にはなれた位置に存在している。
「消失?ワープか何かですか?」
指揮官用の椅子(可変式背もたれ・標準装備。肘掛が着脱可能。
レクイエムが経費で購入)に座ったレクイエムが聞き返す。
「片方は"消失"。もう片方はワープか何かと思われます」
「そうですか・・・残ったエネルギー体とは?」
「大きさはそれほどでもありません。大きさのわりに、
強いエネルギーをもっていますが」
それを聞き、レクイエムは考え込む。
内容は、撃つか撃たざるか、であろう。
「あのさ・・・あたしはどうすればいいわけ?」
慧美だ。
彼女にいろいろ教えたらしきナイトメアだが、
どうも機械がらみはあまり深くは教えなかったようだ。
専門知識の飛び交うこの場所は、暇で暇で仕方ない。
「そうですね・・・あなた、ナイトメア様に"第一の試練"などと
課せられてますし、トワイライトの試し撃ちもしたいですし・・・」
「じゃあ?」
ぶつぶつつぶやくレクイエムに慧美が問う。
「派手に一発、撃ちましょう。各員、発射準備!」
鶴の一声。レクイエムの言葉に、中央管理室が慌ただしくなる。
「全動力炉、異常なし」
「通路の遮断、完了しました。」
「発射口、開きます」
整備士の一人が大きなレバーをおろす。
――揺れた。メックアイがだ。
メックアイの裏側――赤黒い色のほう――の地表部分がスライドし、
大きな口をあける。
その巨大な口から、やはり巨大な円柱状の物体がせり出す。
メックアイの直径にほぼ等しいそれは、
さながら巨大な砲身・・・いや、実際に砲身なのだろう。
「砲身をターゲットへ」
メックアイの各部が火を噴き、砲身がハーフムーンの方角を向く。
「安全装置解除。シリンダー内にエネルギー注入開始!」
「基本照準はフェルス・ロブ空域の高エネルギー体!
慧美さん、準備はよいですか?」
「ちょっと待って・・・ロックオン!オッケーだよ」
レクイエムの問いにターゲットスコープを覗いたまま慧美が答える。
天性の才能でもあるのだろうか?あっという間にロックオンして見せた。
そのスピードに、レクイエムもひそかに驚く。
「シリンダー内出力上昇!120%突破!」
「最終ロック解除!トワイライト、発射準備完了!」
中央管理室にひときわ大きな声が響き渡る。そして・・・
「トワイライト、発射!」
レクイエムが叫び、慧美がトリガーを引いた。
光が放たれた。黄昏色の光が。
5秒間にわたって放たれ続けた一条の巨大な光は、
漆黒の宇宙空間を文字通り光の速度で駆け抜けていった。



時は少し遡る――――


ファイナルスターからさほど遠くない場所の宇宙空間。
一つの底面が広い四角錐のような形をした物体が、
八つの長い棒の形をした物体に
囲まれて、共に進んでいる。この兵器の名は、マターアサルト。
ポップスター近辺を徘徊していた、ダークマターファイターより
謎の二つの物体が確認されたからだ。
暗い部屋。コンピュータのライトと、
古い有機ELディスプレイの燈が寂しく光っている。
カタカタとキーボードを手際よく叩くのは、黒縁眼鏡に
ガリガリの体。おまけに出っ歯と長らく手入れしていないであろう
ぼさぼさに伸びた髪の毛。
オタク症状全快の彼は、背後から主任と呼ぶ声に全く気付いていなかった。
「主任!」
そう呼ばれた彼は素っ頓狂な声を挙げ、振り向く。
背後に居たのはブレックスだった。
彼は空調機で快適な温度に保たれている部屋で、
冷や汗を拭うために小汚いハンカチを手に取り額に当てる。
「例の謎の物体は?」
「やはりね、あの物体ね、軌道からして
ポップスターに向かってるんやね。」
「陛下に身の危険が?」
「そやね。見た目からしてえげつないでっから。
それに、偵察隊を行かしても戻ってきたのはたった二機やで。
十六機も行かせたねんけどな〜。」
長々と喋っている主任。ブレックスはそれを無視し、
一人暗い部屋を出る。小さな無線機を使い、
マターアサルトを本格的に出動させた。

モニターをまじまじと見つめるブレックス。
数々のグラフやパラメータが、変動を繰り返す。
「艦長。謎の物体が二つとも消失しました。」
「消えた?消えただと?」
「正確な映像は捉えられませんがエネルギー源が消失し……
待ってください!……新たなエネルギー源をキャッチしました。」
ブレックスの見ているモニターに、
X線で捕らえられたバイドコアが映し出される。
バリアと本体の間にある御玉杓子のような物体が、
うじょうじょと動く気色悪い姿は、X線でも明確に見える。
「この物体の軌道は?」
「ギャラクティック・ノヴァの近くを通り過ぎ、
ポップスターの核へと迫っています。」
「善ならぬ、闇は急げだ。照準を、謎の第三物体に矛先を向けろ。」
「イエッサー!」
マターアサルトの本体である四角錐の先端部分から、
八つのプラズマ発信砲が顔を出す。
一つの中心のプラズマコンデンサーの周りに、
幾つもの拡張装置がつけられたそれは、
高電圧、高威力のプラズマを発し、八つの副砲の受信装置に受けられる。
是により、九つの砲塔は一つの巨大兵器と化した。

――――司令塔
「動力炉に異常は?」
数々の指揮官が、慌しく連絡を取り合う。
「異常無し。第一次副砲塔準備良し。第一次点火!」
「第二次、第三次、第四次、第五次……。」
マターアサルトの副砲塔が次々と点火してゆく。
「発射口展開!」
各砲塔に居る整備員が、ボタンやレバーを引き、
メーターが激しく上昇する。
マターアサルトの各砲塔の発射口のドームが、
六つに割れてアンテナ状に広がった。
「ターゲット。ロックオン!」
「第二次点火!」
「安全装置解除。」
「鍵を。」
ブレックスが、手持ちの秘書に皮製の高級バッグの中身を開けさせる。
赤色の羽毛に埋もれるようにして佇む、一つの鉄製の鍵。
ブレックスがそれを手に取ると、自分の親指を指紋適合装置に向けて押す。
すると鍵穴が顔を出し、ブレックスがそれに鍵を差し込む。
そして、右に曲げた。「発射」という言葉と共に……

マターアサルトの副砲塔から黄緑色の不思議な光が放たれ、
本体の砲塔から放たれる方向に留まる。
全ての副砲塔から放たれた光が、其処に留まった。
そして、本体の砲塔から極太の光が放出された。
「終わりだ。」



ブレックスには、メックアイの方向から黄昏色の光が放たれたと。
レクイエムには、ファイナルスター近くから黄緑色の光が放たれたと。
そして、双方に共通したことがひとつ。
エネルギー源とノヴァ――レーダーには映ってないが、
ハイン達も――が突然消え、代わりに巨大な要塞――アイギスが現れたこと。
突然の事態に困惑の表情を隠せない彼ら。
だが、一度出したものは止まらない。
一直線に進む二つの光の筋。
先に届いたのは、Twilightの黄昏色の光。
その光は黄昏とは程遠いイメージで、アイギスの外郭を柔らかに包み
砕いてゆく。半次元生命体達は抵抗の仕草を見せるものの、
その行為も虚しく、光はバリアを北極と思える方向から浸食してゆく。
その愚かな者達は、は次々と真空空間へと飛び出してゆく。。
それらからは次々に水分が蒸発され、まるで木乃伊と化していった。
重力の無い宇宙空間では、半次元生命体達の亡骸は
四方八方へと進んで行った。
だが、光は外郭を南極と思える方向まで浸食した後、
南極から次々に爆発が起こる。連鎖反応で、
その爆発は要塞全体を覆い尽くした。
アイギスを中心に、衝撃波が回りの惑星へと降りかかる。
爆発の輪が、物凄い勢いで宇宙空間を進んでいった。
哀れな半次元生命体達は次々にふっ飛ばされ、
爆発の高熱で塵に還る者も居れば、
強力な爆風でポップスター太陽系を越えて遥か彼方へと
飛ばされる者も居た。
「科学の力は偉大です。」
レクイエムは、その恐ろしく、悲惨な大爆発を見て、己の力を過信した。
だが、だが、外郭のすべてと要塞の30%ほどを削られながらも、
アイギスはその存在を消失させてはいなかった。
「あの爆発をもってしても、生き残っているのですか!」
レクイエムは、先程過信した己の愚かさを悔やんだ。
慧美が後ろで、「また何か来ますよ。」と叫ぶ。
それは、Twilightの光に遅れて届いたマターアサルトの光。
黄緑色の極太レーザーが、アイギスの残骸を蔑ろにする。
当たった途端、神秘的と思える現象が起こった。
アイギスの赤道付近に亀裂ができ、其処から凄い勢いで衝撃波が広がってゆく。
それから数秒した後、アイギスが吹き飛び、南極、北極から宇宙空間へ、
滑らかな円錐状に緑色の爆風が広がってゆく。
そして、最期の爆発が起こった。
アイギスの破片が、爆発の光に次々と飲み込まれてゆく。
光は一回大爆発を起こした後、少し留まった。
だが、次の瞬間!
失明するほど眩しい光が、宇宙空間を包み込む。
まるで、漆黒の宇宙空間が常識を覆したように白色となったのだ。


その爆発後、宇宙がより透き通って見えた。




その惨劇に言葉も出ない海星……。
だけど聞こえる。お兄ちゃんの電波。
そっか、極楽から話し掛けてくれてるんだ。
彼女は、脱出用カプセルの中で一夜を過ごした。

――――オレンジオーシャン
夜明け直前の空に燃え盛るハルバード。
そして、アイギスの爆発。
チリはポップスターにまでは届かないだろうが、
それは充分に良く見えた。
花火よりも神秘的で、美しく、清々しい爆発……。
02はさぞかし、こう思っていただろう。

――――母艦ハンガー
故障したケミナス9は、ゼイに任せてユシアはぜぼしん達に一目合おうと
廊下を彷徨っていた。だが、幾ら探しても見つからない。
しょうがないので、とある士官候補生に聞いてみると、
ユシアは眉を歪ませた。
なにしろ、彼は先程あった事件を知らないのだ。
マーテルは東に誘拐され、ぜぼしんもその後を追った。
「このままではいけない……。」
第六感でそう悟ったユシアは、全速力でケミナス9へと向かう。
そして、ゼイに事の顛末を話した。
「生憎、ルックグリーンまで持ちそうに無え。
それに俺達は、戦わなきゃならないんだ。」
「だが、ぜぼしんさんは重傷を負っている。
白馬に乗った王子様が待ってるって行ったのは、君だろう。
僕一人でも助けに行く。」
ふと、ゼイがささやかに笑う。
「Niceな心意気だ。それでこそ男だぜ。」
ゼイがグッドサインを出すと、ユシアもそれを返した。
行ってしまったようね……。
自分の間で佇む02。何時になく活気が無い。
まぁ、是も運命でしょう。
この荒廃した世界に平和と秩序を取り戻すためにも!


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