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Another story of Kirby 第二部 [27]



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投稿時間:02/08/16(Fri) 22:24
投稿者名:シルフィード


 ・・・・・・・・・・・キャメラ様改造中・・・・・・・・・・・・・
 きゅいいいいぃん!ずががぁ〜ん!!ぎゅぎゅうううううううううんっ!!
 「っがぎゃああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!」
 

             改造終了。
 
 
 薄暗い、要塞の地下で、慧美は目を覚ました。
 「あ……」
 「…お目覚めですか?」
 最初に声をかけたのは、夢見る者だった。
 「失礼ですが…どなたですか?」
 まだ状況がよく飲み込めていないらしい。
 「これは失礼。自己紹介がまだでしたね。私は夢見る者」
 「ゆめみるもの…ですか。あたしは慧美です。高木慧美」
 「慧美さん…いい名前ですね」
 などと二人がいい雰囲気になっていた、その時。
 「おお、覚醒したか。慧美よ」
 「なんだなんだ?研究中に呼び出すとは」
 なにやら焦臭い臭いを放つ傷だらけのピンクカメラと、
 チェーンソーやら手榴弾やらガスバーナーやらを持った男が、どやどやと部屋に入ってきた。
 ナイトメア・・・レクイエムに何をされたのだろうか。
 「ナイトメア様」
 慧美は一目でカメラの正体を見抜いた。
 「起き掛けのところ悪いが…早速、カオスの絶対神を復活させてくれないか?」
 「いきなり大仕事ですね…」慧美は苦笑した。「了解しました。やってみましょう。ただし……」
 「何だ?」
 「復活するまで、この部屋に入らないで下さい」

 3人がいなくなった後すぐ、彼女は目を閉じて意識を集中した。

 「無限に広がりし精神の世界よ…扉を開き、我を迎え入れよ」

 右も左も上も下もない精神世界に、彼女はいた。
 距離という概念が存在しないこの世界で望む相手を見つける方法はただ一つ。「感じる」事だ。
 (カオスの絶対神…あなたの精神がまだご健在のようなら、私のことを感じてください…)
 
 やがて、彼女はカオスの絶対神のもとへたどり着いた。
 (カオスの絶対神…)
 かつて、ロウの絶対神から受けた傷がいまだいえないらしく、精神がかなり弱っている。
 (今…お助けします)
 「我が精神に眠りし力よ…カオスの絶対神に安らぎを与えよ・…」
 言葉とともに、彼女からあふれる柔らかな光が、カオスの絶対神の精神を包む。
 と同時に、慧美は急速に脱力感を感じた。
 (…さすがに…回復させるにはかなりのエネルギーが必要だったみたいね…
でも…これだけ回復させれば…)
 その時だった。
 ―――私を眠りより呼び覚まし、傷を癒したのはそなたか―――
 (!?)
 ふいに、声がした。
 「カオスの…絶対神?大丈夫ですか?」
 ―――そなた……なのだな。もう大丈夫だ。助かった。礼を言う―――
 「・・・・・・それはよかったです」
 慧美はほっとした。
 
 ―――全く・……ロウの絶対神――余計なことを―――
 「・・・何か、ロウの絶対神におかしなことでもされたのですか・・・・・・?」
 絶対真の言葉が気になり、笑みは言った。
 ―――ロウの絶対神は私を倒したあと、最初のときと空の万人に対し、私に封印を施すよう命じた―――
 私が復活するのを恐れてな―――
 「封印…?一体どんな封印を……?」
 ―――時の番人は、私が目覚めても、100年間は直接手を下せないという封印を―――
―――空の番人には私を精神世界に縛り付ける封印を施した―――
 ―――封印さえ解ければ、今度こそ私がロウの絶対神を倒してやるというものを―――
 「それじゃあ…」
 それではナイトメアの言っていた、「カオスの絶対神を降臨させて攻撃」することは出来ない。
 (完全復活は………無理そうね……)

 ―――さて……そなたは何故、我を復活せしめようとした?―――


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投稿時間:02/08/17(Sat) 07:24
投稿者名:ひでぶ


「……消滅させられたカオスの絶対神を復活させること
なんて、できるんですかね?」
慧美の部屋の前にて、夢見るものがレクイエムに問う。
あっけにとられたレクイエムが慌てて聞き返した。
「夢見るもの、知らないんですか?」
「え……な、何がでしょう?」

レクイエムは「私も、あまり魔道学は詳しくないんですが」と
前置きして、おもむろに話し始める。

「そう、カオスの絶対神は知ってらっしゃる通り、完全にこの世から
消滅した存在です。ロウとぶつかった時、残留思念も残らず掻き消えた。
ですが、精神界には、絶対神関連の記憶が根強く残っているでしょう?
それを使って、無の状態からカオスの絶対神を呼び寄せるみたいですよ。
だから、正確に言うと復活ではなく『創造』だとか。……まぁ、魔道学では
どちらも『復活』とまとめられているらしいですが。
……にしても、夢見るもの、夢も魔道も使うのに、何故知らないんです?」
「む。どうせ僕は絶対神関連は畑違いですよぅ……」

いじける夢見るものをフォローしつつ、レクイエムは分厚い本を
彼(彼女)に1つ差し出した。
「魔道学ってわけでもないですが。絶対神学の本です。……著者は
随分昔に火炙りになってますけどね。でも、これが一番真実に近いかと」
手にとって、夢見るものは一枚一枚、ページをめくってみた。

「レクイエムって創世神話の信者だったんですか。へぇ……意外」
「よく言われます」

ちょうど、夢見るものが開いている序章のページを見て、
レクイエムは言う。
「絶対神の対立があったのは今から150億年以上も前。ニュートラルの
考えでは、ビッグバンの説が有力ですけど。番人や守護神の存在を知って
しまえば、創世神話を信じてしまいますね」


創世神話の序章を、レクイエムは本を見ずに語り出した。
どうやら彼は、その文を暗記しているらしい。



この宇宙は、最初は何もない状態で、
「光」と「闇」が共存していたらしい。

「光」と「闇」は恒久不滅の存在で、
お互いがぶつかり合わない限り生き続ける
ことができた。

しかし、永い時間を生き続けることにより、
「光」と「闇」は自分の思想を持つようになった。

2人ぼっちで暮らすことを寂しく思い始めた、
「光」の思想はこうだった。
『2人で生命を作り出して、みんなで幸せに暮らそう』

この平穏が永遠に続くことを祈る、
「闇」の思想はこうだった。
『生命など作り出さず、この美しい宇宙で共に暮らそう』


お互いの主張は、どちらも折れる事無く続いた。



ある日「光」は、「闇」が眠っている間に髪の毛を一本抜いた。
「光」が触れると、「闇」の髪の毛は小さな星へと姿を変えた。
「闇」は同意しなかったが、それは2人の間での子供の
ような存在だった。

「光」はその星を我が子のように慈しんだ。


生まれた星が「光」には隠しきれないほど大きくなった時、
「闇」は「光」が自分に訊かずに星を創ったことに
気づいて、ひどく怒った。

そして、「闇」は「光」が創った星を掻き消した。


どちらから考えても理不尽な行動。
どちらから考えても頷ける行動。
2人の衝突は、避けられぬほど大きくなった。


同じ時に、2人は戦うことを決意した。
「光」は転じて「ロウの絶対神」と名乗り、
「闇」は転じて「カオスの絶対神」と名乗った。

ロウとカオスの絶対神は、敵を抹消するための兵士を、
お互い自分の力のみで創った。


勝負はそれほど長くなかった。
ロウの兵士とカオスの兵士は、ぶつかり合うと消滅した。
だから、余分に力を注がれた者以外、
生き残ることはなかった。


ロウの絶対神も、カオスの絶対神も、覚悟を決めていた。
「光」と「闇」は表と裏なれど同じ存在。
ぶつかり合えば、どちらも消滅する。

お互い、怖さに震えながらぶつかり合った。


ロウとカオスが重なった。
互いの剣は互いの懐を深々と貫いている。
無数の血飛沫が混じりあい、多くの星を生んだ。
絶対神同士の争いは、相討ちにて終わるはずだった。


だが、カオスは、かつて「闇」と名乗っていた時に、
「光」と名乗っていたロウに髪の毛を一本抜かれていた。
そのせいで、カオスの力はロウより劣っていたのだ。
カオスの絶対神だけが消滅し、ロウの絶対神だけが
この宇宙に残った。


永年共に生きてきた者を、自分の手で
殺してしまったうえに、自分だけが残ってしまったと、
ロウの絶対神は大いに嘆いた。傷心のあまりに、
「この宇宙では二度と暮らさない」と
誓い、どこか別の場所へと向かった。


去り際にロウの絶対神は、自分の力が無くとも、
生き残った者達だけで暮らせるような不思議な
力を与えた。


最も功多き者に、『この宇宙の均衡を管理する力』を。
両方の絶対神が目を見張った者に、『制約を司る力』を。
戦うことを拒み、和解した者に、『1つの界に触れる力』を。
その他の者に、『自らの住まう星を守る力』を。

また、それぞれは自分に力を貸してくれる者を探し、
それらに力を分けた。

こうして人は、絶対神のいなくなった宇宙で
時を過ごすこととなった。
生きる為に与えられた力は、持つ者が生命を終えても、
必ず誰かに受け継がれていった。


「光」と「闇」が混ざり合った星で生まれた生き物は
「ニュートラル」という存在で、「光」と「闇」が
ぶつかり合うと消滅するなどと言うことは知らなかった。

絶対神から力を得て、消滅することを知っている者でさえも、
やがて大増殖した「ニュートラル」が星を治めるように
なってからは、多くを語らなくなった。そうして忘れられた
「光と闇の衝突の末路」は、知ったかぶった者によって、
いつの間にか書き換えられた。書き換えられたことにより、
真の結果さえも変わらざるを得なかった。





両極同士の衝突での消滅を忘れ去った宇宙の民。
殆んどの星が、争いを繰り返した。時折平穏が訪れたが、
それは次の争いの為の空白の期間に過ぎなかった。


忘れてはならない。
自分がニュートラルであることを。
そして、ロウでもカオスでもあることを。


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投稿時間:02/08/17(Sat) 08:09
投稿者名:yuletear


序文を暗誦し終えたレクイエムは、
ページを繰る夢見る者と、慧美の部屋の扉を交互に見やった。
そして、おもむろに設置してある時計へと目を向ける。
「キャ…ナイトメア様にも申し上げた通り、
カオスの絶対神は髪の毛一本の差で、ロウの絶対神に劣っているのですよ。
それは、創造されたとて同じ事…。
まあ、戦力を削ぐにはちょうど良いかも知れませんがね。」
なんにしろ、ナンセンスなのですよ。とレクイエムは嘆息した。


一方、慧美とカオスの絶対神との対話は続く。
「…私は、ナイトメア様に貴方の復活を頼まれただけなんです。」
「そうか、何にせよ。両番人の封印が解けねば、私は戦えぬ。
それに…。」
カオスの絶対神の言葉を、慧美は神妙な面持ちで聞いている。
「そなたの力により癒されたとはいえ、私はまだ本来の力を取り戻せてはおらぬ。
 今 暫く、この地にて眠りにつかせてもらおう。」
慧美の言葉を待たず、カオスの絶対神はその姿を溶かしていった。
「あ…待って、待って下さいっ!それではロウの絶対神は…っ!!」
『私を、『求めしもの』と思うのなら、近い未来に『求めしもの』は現れる。
私は…そのものが、現れるまでの代わり…。』
慧美は必死にひきとめようとした。
しかし、もう慧美の声に答える声も気配も何処にも無かった。


沈痛な面持ちで、慧美が部屋から姿を見せる。
「どうでした?」
夢見る者が読書をやめ、問いかけた。
「復活は…なされました。でも…」
慧美はカオスの絶対神との会話をレクイエムと夢見る者に事細かに説明した。

「ふむ………。つまりは、無駄だった。ということですね。」
レクイエムがさらりと流し、夢見る者がたしなめるような視線を向けた。
「まあ、良いでしょう。」
落ちこむ慧美の肩を叩き、レクイエムは言った。
「そんな事よりも、貴方には一つやってもらいたい事があるのです。
落ちこむのは後にして下さい。さあ…試し撃ちですよ。」
仮面の下で笑みを浮かべ、レクイエムは二人を急き立てた。
二人が廊下の向こうへ消えたのを見て、彼は一人呟く。
「仮にも絶対神と呼ばれる程の存在が…
たかだか時・空の番人の封印などという言魂に怯える筈が無いでしょうに。
恐らくは、消滅寸前時の極度の混乱と力のフィードバックを利用した刷り込み。
やはり、髪の毛一本は大きかったという事ですかね。
ありもしない事を信じ続ける、落ちたものです。
しかし、誰もそれを架空の事実だと証明することは出来ない…と。
やはり全てはロウの絶対神の手の上。ということですか。
腑に落ちませんね。まあ…良いでしょう。
私には関係の無い事です。」
再び時計を見、レクイエムは軽い足取りでその場を後にした。

トワイライト発射、数分前…。


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投稿時間:02/08/19(Mon) 17:57
投稿者名:ソルビィ


「さて…他の者達はどうする?」
メタナイトがまだ意見を行っていない者達のほうを見る。

「俺は残る。俺はメタナイトに雇われた。メタナイトについていく。」
壁に寄りかかっていたディーラが発言する。
「分かった。」
メタナイトは何も言わずにそのまま紙に書き留めた。

「私も残る。まだこっちでやり残した事があるし。それに…。」
竜轡はチラリとマルクのほうを見た。

「じゃあ…僕は宇宙だね。いつまでもポップスターにいたってしょうがないし。」
「僕も宇宙に出ます。02の野望を止めるためにも積極的にいける方を選びます。」
グレン、ピックは宇宙に出る気らしい。

「よし…決まりだな。それぞれ準備をはじめてくれ。
 脱出グループは急いで宇宙船の発進準備!!
 滞在グループもワープスター発着場へ!!」



―――ブルブルスター。
研究所の扉は自然に開いた。
まーびぃは特に警戒をする様子も無く、中へ入っていった。
「……。」
通路に沿って彼女は進む。
研究所の規模はなかなか大きく、一人の人間が暮らすには広すぎた。
だが、フロントに案内板があったのでそれをメモっておけばあまり迷う事は無かった。
チャイムを鳴らしても全く返答が無かった事は気になるが、留守ということもある。
…それでもカギはかけないというのは多少無用心な気もするが、
とりあえず思い当たる部屋をかたっぱしから当たっていく事にした。

もう研究所に入ってから10分は経っただろうか。
「これは…。」
…立ち入った格納庫を見て彼女はいよいよ警戒せざるを得なかった。

そこにあったのは分解されたHR−Hの姿だった。
しかも一部一部、無理矢理破壊された痕跡がある。あきらかに誰かが荒らした証拠である。
「…これは一体…。」


――場面は戻り、ポップスター。

出発前の宇宙船。もう完全に発進準備は整っていた。既に乗員はみんな乗りこんでいる。
カービィだけが外にいた。

「カービィ…お前にこれを渡しておこう。」
メタナイトは一振りの剣をカービィに手渡した。剣先が虹色に光っている、両刃の剣だ。
「これは…本物の虹の剣!!!でもなんで僕に…。」
メタナイトはカービィの肩に手を乗せた。(というか腕に。)

「…お前の相手は02だ。一つでも強力な武器はあったほうがいい。」
「でもそうしたらメタナイトは…。」
メタナイトは体を横に振る。
「安心しろ。私にはカビラスに昔もらった複製虹の剣がある。これでも充分戦える。…頑張れよ。」
「…うん!!メタナイトもポップスターのこと頼んだよ!!!」
そしてカービィも宇宙船に乗りこむ。
「よし!!出すぞ!!!」
番人の合図と共に、宇宙船は宇宙(そら)へと飛んでいった。

それを見送り終えたメタナイトが振り返って叫ぶ。
「よし!!我々も急ぐぞ!!」
メカデデデMk−Uに乗り込んだメンバーはオレンジオーシャンを出発し、
まずはヨーグルトヤードへ向かって飛ぶ。


――再びブルブルスター。
「1年半、やっと来客か…。」
「!!!」
まーびぃはハッと後を振り返る。
そこにいたのは紛れも無い、その星の守護神の姿だった。
だが、何か彼の様子もおかしかった。丸っきり違う髪の色と瞳。
白衣。そして右手には何故か槍を持っている。1年半前とはまるで違う格好だった。

「…ソルビィ君、これは…?それになんでそんなすがt」
その言葉を遮るように彼は突きを放つ。
一瞬油断していたまーびぃは避けるタイミングを外し、槍が脇腹をかすった。

「え…?」
「ちっ…外したか。」
少年は舌打ちした。そして立て続けに突きを放つ。
まーびぃはそれを跳んで避ける。そして着地するなりレイ・ブレードを構えた。
(…ソルビィ君!?違う…誰なんだ…?)

「1年半、誰も来なくってよ…しかもあいつのせいで法力も使えないから星外にもでられん。
 はっきりいってつまんなくてしょうがねえ。だから…楽しませてくれよ。」
少年は怨めしそうな言い方をする。そして槍を構え、まーびぃに迫った。

「く…戦う前に聞きたい!!この星の守護神が今どうしてるか教えろ!!彼の居住地はここのはずだ、お前何か知ってるんだろ?」
「あぁ…守護神ね。…こういう武器を使う奴か?」
彼は白衣を脱ぎ捨て、一丁のショットガンを取り出した。
まーびぃは驚きの表情を隠せない。
「それは…ソルビィ君の『ガ―ディアン』…。」

「…この姿と今の状況を見れば奴が今どうなってるか分かるだろう。覚悟するんだな。」
「戦うしか…ないのか…。」
まーびぃがやむなく剣を握り締める。
「そういうことだ。…俺の名前はレヴァリス、かつてゼロ様に仕えていたダークマタ―の一人だ。」
レヴァリスと名乗った守護神の体が、まーびぃに襲いかかった。



――
メンバー報告。
1.ポップスターに残る。
メタナイト、ナゴ、クー、ピッチ、デデデ、マルク、グリル、グーイ、
柳、エスト、シルト、季節風、ディーラ、竜轡

計:14人

2.宇宙に出る。
カービィ、リック、カイン、チュチュ、アドレーヌ、ワドルディ(64)、
時の番人、ターツ、ディッセ、リグレット、ピック、グレン

計:12人


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投稿時間:02/08/20(Tue) 09:21
投稿者名:くるみ


海の上を、走るようにして育つ植物たちをたどっていくと、レモンの故郷が見える。
ただし、そのころの面影は、ない。
その中で、東が、一本の木の下に立っていた。
東は、上を見て、

 思いっきり蹴った!!

ガサンッ
「にょぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜????」

前者の音ならわかるが、後者は誰だ?
東が首をかしげていると、

ガサバキゴソバキッガササドカブゥワサバキドガゴベスコッ

騒々しい音をかき鳴らし、木から、獣が落ちてきた。
な〜ビィだ。
「にゃぅぅ……ててて…」
後頭部を抑えてるが、何とか大丈夫のようだ。
東はびっくり。
「げ、な〜ビィさん。ごめん。」
「東ぁー。一声かけてから蹴ってよぉ…」
「でも、な〜ビィさんも悪いよ。桃の木の上で寝るなんて。」
「だって、いい香りするんだもん。」
頭をさするな〜ビィ。東は、木の下に落ちている、赤い果実をとった。これがお目当てだったらしい。
「はい。な〜ビィさん♪」
差し出したのは、赤い桃。ピンクではない。血のような、真紅の桃。
「サンキュー。」
袖で、軽く拭き、かぶりついた。果汁がたれる。
「おいし♪」
二人が、桃を満喫していると、鉢を動かして、菊花がやってきた。
「な〜びぃさぁん。東さぁん。また不法侵入ですぅ。」
「へぇ〜。また?あ、菊花さんも食べる?」
「いただきますぅ。」
菊花は、東が投げてよこした桃を、葉で器用にキャッチした。
「で、不法侵入は、何者なのにゃ?」
「形だけかっこいいハエですぅ。飛行機ですけど。」
「ふぅん。見に行こっと。」
東は、葉を動かした。座ると、葉は、エレベーターのように動き出す。
東と一緒に、菊花、な〜ビィも、観客席へとあがっていった。

「ユシアァ〜〜!!おまえ、何が見える〜〜!!」
「ホラーファンが飛び上がって喜びそうな光景〜〜!!
ア〜ンド、映画の特撮なら、星一個買ってもおつりが来そうなお金を使うだろう思われるこうけ〜い!!!」
ルックグリーンの上空。ゼイ、ユシアは、ホラー界に入ったような気分でいた。
樹海。海の上を伸びていく植物。そして、

化け物フラワー(in食虫植物)。

「ゼイさぁん!!これなんだか知ってますかぁ!!!!」
「知るかぁぁぁ!!!突然変異した草だろぉぉぉぉぉぉ!!!!」
捕まえようと空に伸びる蔦を避けつつ、大声で話をする二人。器用だ。
ベリープリティーの猛攻撃を避けつつ、反撃する二人。
しかし、効き目は全くナシ。当たり前だ。ぜぼしんの吐血が効かないのだから。
踊る。風に舞う木の葉のように、舞う戦闘機。特撮映画のワンシーンの様…いや、そのもの。

ユシアの翼に、蔓がかすった。バランスを崩す。
ここぞとばかりに、蔓が飛ぶ。
「あぶねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
ゼイの戦闘機から、弾丸が雨あられと飛ぶ。蔓には影響はなかったが、爆風で、起動をそらす事が出来た。
「ユシア!!!てめぇ気をつけろ!!!!02に目玉喰らうんだぞ!!!俺が!!!」
「ごめん!!!!ありがとう!!!」
その後も、攻防戦は、進展が見られない。
そろそろ、二人に疲労の色が見え隠れし始めた。
「ねぇ!!!どうします!!!このままじゃ、疲れるばかりですよ!!!!」
「どーするもこーするも…強行突破でもするか?!!!!」


「風の精霊よ。彼の者たちの翼を奪いたまえ。」


『…え?』
ユシアは、後ろを向いた。聞き覚えのある声だったから。
しかし、強い風で、分からなくなってしまった。
ゼイの周りにも、目に見えるくらい強い風が、荒れ狂っている。
「やべぇ!!!!身動きが!!!」
風の向こうで、ベリープリティーが、葉をあげた。
葉が、変形する。
変形後の葉は、野球のベースに、取っ手をつけたもののようだった。『あれ』そっくり。

「「  …はっ!?  」」

ベリープリティーの、口(?)の端が上がった。
あれ…そう、『はえたたき』型の葉は、ゼイたちに向かって、残像が出来るくらい速く向かってきた。

ベシィィィィィイィィィイィィィイィィィン

こだまを響かせて、ユシアとゼイは吹っ飛んでいった。


「キャハハハハハハハ♪」
「あっはははははは!!!」
「ヒ〜〜。おなか痛いですぅ。」
「ニャハハハハハハハハハハハ。ニャハ、菊花ちゃん大丈夫?」
大きすぎる葉の上で、レモンたちは、転げまわって笑っていた。
レモンも、この騒ぎを聞きつけてきたのだろう。
そこへ、くるみが飛んでくる。
「どーだった?」
「くるみさんサイコ〜♪」
東が、親指を立てる。
「キャハハ♪疲れちゃった。」
レモンが、葉の上に寝転がった。
それぞれが、葉の上で、寝そべったり、座ったり。
「ねぇ。次何しよっか?」
「そうだね〜。誰か誘う?」
「いいかも♪」
そこに、赤い何かが落ちてきた。鮮血…否、赤すぎるほどのラズベリー。
「育ててみたんだ〜♪食べてみて。」
「いい香りですぅ。」
「ブラックベリーも育ててみたんだけどね〜。赤くなっちゃった。」
しばらく、たわいのないおしゃべりが続く。
「で、次のお客さんは、誰にしよっか?」
「そうねぇ。あの子なんかいいんじゃない?」
「賛成ですぅ。」
「では、レモンさん。ターゲットの最終決定をどうぞ。」
スパンと、薔薇が切れ、レモンの手元へと落ちてきた。
血が滴るような、赤黒い薔薇。
「次の子は…」
幹に、写真が張ってあった。全員の写真。
薔薇が飛んだ。

写真に、薔薇が刺さった。


   ―――ふふふふふ
    ―――きゃはははは























どこか知らないところで、
  いくつもの光の粒子が集まっていた。

 ―風。
  どうだった?―

 赤っぽい光が光る。

 ―うん。大丈夫。
   戦闘機の方は保障できないけど、
    乗ってる人は、ちゃんと守っておいたから―

 黄緑の光が、答えた。 

 ―炎。
   あなた、光殿の真似をしないの?―

 青い光が、意地悪そうに光った。

 ―だって、くるみを安心させるための、一時的な物なんだろ?
   あれ疲れるんだよ。―

 赤い光が、強く光る。

 ―カービィおニイちゃんのほうに、ボクたちがイったってわかれば、
   くるみおネエちゃん、アンシンしてくれるもんね―
 
 黄色と、黒の、マーブル模様の光。黄色い方が光った。

 ―くるみとよく共にする私たちの中で、私と、光。
   それから、時と空間が、一番強いからな―

 黄色の片割れ、黒が光る。

 ―くるみの自我が、隠れてしまうまでの間…か―

 空色の光がつぶやく

 ―でも、じぶんより私たち…
   もっと、頼りにされたいなぁ―

 黄緑の光が、寂しそうに光った。

 ―いつも、我らの力を借りているから…
   その恩返し…なのかもしれんな―

 空色の光が、光る。

 ―もしかしたら、私たちを、友達…
   『家族』と思っていてくれているのかもしれない―

 深い、藍色の光が、言った。

 ―ま、それはくるみに直接聞くとして
   くるみの方、どうなってるんだ?―

 赤い光が聞く

 ―くるみおネエちゃんのヒトミ…
   ジュカイのカゲとおんなじイロになっちゃった…
    フカくて、コワいミドリ…―

 ―場所は、わからない…
   でも、呪われた場所って事は確か…
    カービィ殿のほうは?―

 青い光が言った。

 ―あぁ、負け戦らしい
   二手に分かれ、チャンスを待つらしい
    カービィは、宇宙に行く方だそうだ―

 水色の光が。

 ―こうやって話すのが、難しくなりそうね…
   空間、私
    すぐに、いろんなところへ行ける私たちがこっちじゃ、
     そちらで何かあったとき、連絡するのが遅くなるかもしれない…―

 藍色の光が言った。

 ―カービィ君の、水を持ってもらえばいいんじゃない?
   そうすれば、水ちゃんが、そっちにいけるもの―

 黄緑の光が、くるっと回った。

 ―いい考えだけど…
   少しの間しかつかえないわ―

 ―なんでだ?―

 青い光に、赤い光が問う。

 ―この頃、花の香りが、鼻につくのよ
   森殿が最初に呪われ、次に、大地殿、くるみちゃんと来れば、
    三人に関連している私は、すぐに、のろいの餌食となるわ―

 ―そんな…―

 ―もともと、ボクタチ、くるみおネエちゃんとは、キってもキりハナせないカンケイ…
   くるみおネエちゃんになにかあったら、ボクタチにも、スクなからずナニかある―

 ―少しずつ、仲間が減っていく…
   早く何とかした方がいいみたいだ―

 黄緑の光の声に、マーブルの光が言った。

 ―まず、風ちゃんが出した案を使いましょう
   その後のことは、また…―

光が、それぞれのいるべき場所へと、飛んでいった。


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