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Another story of Kirby 第二部 [30]



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投稿時間:02/08/29(Thu) 21:03
投稿者名:ディッセ


「そうだ!レモンさんと言えば!!」
カビラスが突然叫んだ。
「どうしたんだカビラス?」
「うん、実は・・・・って、見慣れない人たちもいるけど・・・」
「そうだな、自己紹介が先だな。」
ディッセやグレン達の自己紹介が終わった後、
カビラスがリークから聞いた優越の薔薇の情報に全員驚いていた。
「その話、本当か?」
「うん、あの人が嘘をついてるように見えなかったし・・・」
「メタナイト達に連絡しておいたほうがいいな。」
番人がそう言った時、
「僕のせいだ。」
カービィがつぶやいた。
「僕のせいで、レモンは・・・」
「カー君のせいじゃないよ。」
「僕のせいだよ、僕のせいで・・・」

バキィ

その光景に、誰もが呆然とした。
ディッセがカービィを殴ったのだから・・・・・
「ディッセ君・・・・」
「てめぇ、何一人で背負いこんでんだ?」
「え・・・」
「何に一人で考えこんでんだよぉ!」

ゴキィ

ディッセがもう一発殴る。
「ディッセ君。」
「いくら何でもやりすぎだぞ。」
リック達が止めにはいろうとするが、
「まちな。」
逆にターツに止められた。
「彼奴なりに、考えがあるんだろ。」
ガムをかみながら(宇宙船は禁煙のため)ターツは言った

「さっきから聞いてりゃ、『僕のせいだ。僕のせいだ。』って、
なに一人で悩んでんだ。」
「え?」
「『レモンとか言う奴を殺した。』
いつまでもそんな過去にこだわってんじゃねぇ!!」
「ッ・・・・・」
ディッセの言葉に、カービィは黙ってしまった。
「大切なのは、それをバネに前に進むことだろ。
それにそいつが優越の・・何とかってに操られてるのは、少なくともお前せいじゃねえ。」
そう言った後、ディッセは頭をかいた。
「たく、柄にもなく説教なんかしちまったぜ・・・」
「ディッセ君・・・・・・」
「それに、俺も人のこと言えねえしな。」
そう言ってディッセは部屋を出ていこうとした。

「彼奴、何あんなに荒れてんだ?」
「さあな、それよりもカビラス、」
「何?」
「そのリークとか言う奴、他にも何か言ってなかったか?」
「ッ!!、そうだ実はソルビィ君が・・・」
その言葉に、部屋を出ようとしたディッセがカビラスの元に行った。
「おい、ソルビィがどうしたんだ!?」

「・・と言うわけだメタナイト。」
カビラスが来てから数十分後、番人はメタナイトと連絡していた。
『そうか、実際こちらにも植物に被害がポップスターを襲ってる。』
「十八九中、優越の薔薇によるものだな、」
そして番人は何かを思いだしたかのように言った。
「ところで、シルトはいるか?」
『呼んだ?番人さん?』
「シルト、ケビオスの件だが、ややこしいことになりそうだ。」


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投稿時間:02/08/31(Sat) 04:17
投稿者名:ソルビィ


――ブルブルスター
「・・・まずはそこの乱入してきたガキから逝ってもらおうか!!」」
まーびぃの剣を払いのけ、レヴァリスがやまもちに襲いかかった。
一点にパワーを集中された突きが彼の胴体めがけて放たれる。
彼はすぐさま左に飛んでかわす。
だが突きは絶えず彼を襲いつづけた。
もちろんまーびぃも黙ってみてるわけにはいかない。
背後に回りこんで斬りかかる。
だがレヴァリスはそれを槍で受けとめ、すぐに後方に飛んだ。
そして今度は二人に向かって同時に攻撃をしかけはじめる。
「くっ…やまもち君だっけ!?逃げるんだ!!ここは危ない!!」
まーびぃが叫ぶ。だがレヴァリスの猛攻がそれを許さなかった。
「楽しませろって言ってるだろうがぁ!!!」
瞬時にまーびぃに足払いをかけ、転ばせる。
そしてその場から離れようと扉に手をかけていて隙だらけのやまもちめがけてもう一発突きを放った。
「…え!!!?」
おもわずやまもちは手を前に出す。
するとレヴァリスの槍がその場で静止した。
「何…これは…。」
起きあがって再び斬りかかろうとするまーびぃの気配を察してレヴァリスはあえなく下がる。
そして槍を床につきたてて息を吐いた。
「…どうりで聞いたことがあるわけか。
 そこのガキ…風使いの『シルフ族』だな。
 大気中の風を感じ取り、風を操る一族…違うか?今のも気圧の壁による防護壁…。」
「そうなのか?」
「あらら、知ってるのか…。」
「まぁ…昔は現役だったリアルダークマタ―様だからな。
 ある程度種族やら何やらの知識は主人格よりはある。
 てめぇ…戦い慣れはしてねぇみたいだがやりがいはあるな。
 そしてお前の行動でひとつわかったことがある。それは…」

そういってレヴァリスは拳を床にむけて放つ。

「…特異操作系の能力はこの星の結界からは対象外ってことだぁ!!!!」

その途端、彼を中心に部屋中に吹雪が吹き荒れる。
やまもちもそれに対抗するように風を起こしてまーびぃと自分をガードするが、
冷気は容赦無く二人を襲った。

「…これは!!!ガーディアンズレインフォース…!!?」
「そのとおり、まさか俺でも使うことが出きるとは思ってなかったが…
 かつての仲間の能力で凍え死ね!!!!」
そう言うなりレヴァリスは槍を構えなおし、槍の先端に冷気の渦を発生させた突きを放った。
「…うわ!!!」
突きを避ける二人だが、かわりに背後にあった壁が凍りつき、粉々に砕け散った。

「…くっ、いくら広くてもこの室内じゃ不利だ!!一旦逃げよう!!」
「う…うん!!」
まーびぃは扉を無理矢理斬り裂き、そこから廊下へ駆け出していった。やまもちが後に続く。

「…逃がさん!!!」
すぐさまレヴァリスも後を追う。
だが曲がり角に差し掛かった瞬間…。

ガンッ!!!!!

激しい音を立てて彼はそこに倒れた。

「…成功かな?」
やまもちが呟いた。彼が風の圧力弾をレヴァリスの頭部に打ち込んだのだ。
「…これで意識が戻れば良いけど…。」
気絶したソルビィを二人はしばらく離れた位置から見守る事にした。
まだ彼の髪は


黒い。



…沈黙に包まれた闇の中。
全体を真っ黒な闇の膜に包まれていた少年が立ち上がった。そして歩き出した。
緑の瞳が徐々に赤っぽい茶色になっていく。黒かった髪が、徐々に鮮やかな水色に変わっていく。

今まで2度ぶつかって、2度とも開かなかった扉が開いた。とても冷たく、寂しげな鋼鉄の扉が開いた。
そして少年は出会った。指先から血を流し、怒りに満ちた表情で涙を流し、
ひたすら何かを憎んだ目付きで遠くを見つめている自分を。
負の思念を表すかのようにどす黒い髪をして、僅かな光しか通さないほど濁った緑の瞳を持つ自分を。

そしてしばらくして。少年がそこにいることに気付いた黒い少年は彼を睨んだ。
だけど少年は、ただただその黒い自分を見つめていた。
…黒い少年は邪笑する。

「この程度のまやかしなら応えないか……ならばこれはどうかな。」
黒い少年は少年の前に歩み出た。少年は黙ったままだった。
「…見せてもらうぜ。お前の覚悟を。」
黒い少年がもう一人の自分の頭部を掴んだ。少年は抵抗しようともしなかった。
そして無言で銃を抜き、黒い自分の額にそれをつきつけた。

「ほぉ…。」
黒い少年も抵抗せず、そのままその掴んだ手から何かを放った。
少年は銃の引き金を引かなかった。黒い自分が流しこんでくる何かを、そのまま受けた。


少年の脳裏にはある景色が見えた。あの夏の日。
少年が全てを失うきっかけとなったあの日。
黒い1つ目の球体。おぞましき邪気。燃える街。次々と息絶えていく人々。
少年は逃げた。そしてそこで黒衣の男と出会った。
そして受け取った。だけれど少年は何もできないまま逃げた。

そして失った。大切な人を。巻き込まれていった。戦いの日々に。


少年は一瞬目を背けた。そしてその瞬間、黒い自分に吹き飛ばされて、その見えない壁に叩きつけられた。
その様をみて黒い少年はもう一人の自分を嘲笑った。
「…まだまだだな。貴様のような奴はいつまでも自分の殻に閉じこもっていればいいんだよ。」
そういって闇の中に溶け込んでいった。
その場に座り込んでいた少年は無言で立ち上がる。そして再び歩き出していった。


暖房の効いてない廊下に倒れていた少年の体が動いた。
そしてゆっくりと立ちあがった。
「…ソルビィ…君…?」
まーびぃが恐る恐る近寄る。だが、やまもちは彼女にかまわず、すぐさま彼に体当たりをかました。

「…思ったより判断力あるじゃねーか。」
「嘘…。」
黒い少年の口が妖しげな笑みを作り出した。

「…第2ラウンドといこうぜ…。」


――船内。
シルトにこちらの事情も伝えた番人はそこで一旦通信を切った。
「…とりあえず物事を整理しなおすぞ。一気に色んな方向からどうのこうの言われても話が混乱するだけだ。」」
番人が席から立って言う。
「まず俺達は02の軍勢からの追撃から逃げる途中、ここ、ギャラクティックノヴァに辿りついた。
 そしてかわりにあの初流乃達が通りすぎ、今俺達を追ってきた02の艦隊と交戦中…
 あと数分も経たないうちに方が着きそうだと。」
一瞬特殊ガラス越しにみえる宇宙のほうを見る。次々と眩い光が発生し、
艦隊が消滅していくのが、ここからでも分かった。
「…そしてカビラスが俺達に加わり、これからどうするかを決めるかと。」
ターツが付け加えた。
「で、今の通信でわかった事、それがポップスターの一部が植物による被害を受け、
 それがあのレモンによるものだという噂…。
 また、シルトからの頼みでケビオスに寄って欲しいとのこと。カビラスが得たその…なんだっけ?リー…」
「リーク。」
「…の話でソルビィがカオスに染まった…という話か。」
「いっぺんに色んな情報が入りすぎたな…正直戸惑うな。どうする気だ?」
「…俺達は現在13人。そして戦力はさらにギャラクティックノヴァという強大な物が手に入った…。
 そして俺達の現在の目的は態勢の立て直し…俺の考えを率直に言うと、まずはケビオスに行く事だ。」
「…!!」
ディッセが一瞬険しい表情になる。
「ディッセ、お前がソルビィを思うのは分かるし、カビラスのいってる事が嘘だとは思わない。
 …だが、その前の情報の出所の信憑性が欠けている。たとえそれが「情報屋」という肩書きを持っていてもだ。
 こういうときは少しでも確実な方へ向かった方が良い。」
「で…でもポップスターはどうするの?みんなは?」
「…何のために俺達は二手に分かれたんだ?」
「あ…。」
「…あいつらなら大丈夫だ。メタナイトもいるしディーラもいる。竜轡にシルトだっているんだ。それに…。」
「夢の泉のスターロッドとかもあるし、なによりみんながいるもんね!」
カービィが元気よく答えた。
「…そういうことだ。わかってるじゃねえか。」
番人が軽く笑う。だがディッセはまだ何かイライラとしたままだった。
「ディッセ、俺達がシルトに頼まれたことは『魔神を守ってくれ』…その魔神ってのを俺達に参列させればそれでいいんじゃないのか?
 そうすればすぐにでもブルブルスターへ向かえる…違うか?」
ターツがディッセの肩に手をのせる。
「…あぁ。」
だが結局彼は険しい表情をしたまま部屋に戻ってしまった。

(リーク…さっき俺の部屋に不法侵入してきたおっさんじゃねえかよ…しかも…
 『魔神』が使われたって…あれはとっくに老朽化しててガラクタ同然のはず…なんでいまごろ…。)

――ブルブルスターその2。
まーびぃとやまもちはひたすら廊下を走っていた。
後方からはレヴァリスが冷気の渦と共に襲ってくる。
魔術が使えなくなった彼女には為す術がない。

「くっ…この星の結界さえ解ければ勝ち目だって…。」
「ちょっと!!正面正面!!!」
「え!?」
…行き止まり!!?

「…残念だったな!!闇に沈め!!!!」
勝ちを確信したレヴァリスが二人目掛けて槍を振る。

もうだめだ…!!

だが、二人に槍が届く前に、レヴァリスの動きが止まった。
「ぐ……う………うぉぉおぉ!!!!」

「………?」
二人が唖然としているのをよそに、
彼は槍を捨て、その場から逃げ出していった。
左肩を抑えながら。

「えっと…どうする…?」
やまもちがまーびぃのほうを振り向く。
彼女は無言でレヴァリスの後を追っていった。
通路にはやまもち一人がぽつりと立っていた。
ふと、彼は後ろを見る。

(…風が壁の隙間からもれてる…。)

行き止まりである壁を調べる…

ガコッ…

「…隠し扉!!」
彼が踏みこんだその部屋にあったもの。

「結界石の一種か…これを壊せば…!!」
やまもちは右手に風の刃を生み出す。そして…台座に安置されている結晶体を真っ二つにした。
そして星全体を包み込む見えない光の膜が消えていった。


…沈黙に包まれた闇の中。
そこに二人の少年が向き合っていた。

「まだ来る気か…しつこいなお前も。」
黒い少年が言った。少年は答えなかった。
そして、銃を黒い自分の腹部につきつけた。
黒い少年は、もう一人の自分の胸に手を当てた。
また少年の中にイメージが流れ込んできた。


一人の男性が、数人の仲間と共に侵略者に立ち向かった。
荒れ狂う吹雪の中を行く少年は見てしまった。
その男性の命が消えていくのを。
少年はその時、何も出来なかった。

一人の女性が、少年と共にある地下室を走っていた。
逃げ惑う少年は見てしまった。
自分をかばってくれたその人の灯火が消えていくのを。
少年はその時、何も出来なかった。

「…お前は誰も守れないんだよ。お前の記憶がそう言っている。」
黒い少年は、目の前にいる少年に向かってそう言った。
けれど、少年は何も言わなかった。…何も言わずに、銃の引き金を引いた。
暗闇の中、一条の閃光が走りぬけた。

「過去を見たって…それはもう終わった事なんだよ。レヴァリス。」
「なら…現実にしてやるぜ。」
胴体を吹き飛ばされたはずの黒い少年は霧となって少年に溶け込んでいった。
少年はそれにまったく抵抗しなかった。

――ポップスター
「…通信はこれで一旦切れた。次に連絡ができるかどうかは微妙だが…どうする?我々がすべきことは。」
オレンジオーシャンを離れたメタナイト達はヨーグルトヤード地下にある巨大な洞窟の中で一旦待機していた。

以前ナイトメアが夢の泉に取り付き、スターロッドの力を利用しようとした時。
それをいち早く察したデデデ大王はスターロッドを夢の泉から盗み出し、7つのパーツに分解する事で
ナイトメアを封印した。そして自分を含めた7人にそれぞれのパーツを守るように命じる。
だがその不器用なやりかたはカービィの誤解を招き、彼がスターロッドを全て集めだしてしまい、
ナイトメアは復活、その猛威を奮おうとする。
だがそのカービィの実力に感嘆したデデデ大王は復元されたスターロッドをカービィに託し、ナイトメアと激突させる。
そして激戦の末カービィはスターロッドの力でナイトメアを月まで吹き飛ばし、
プププランドの楽しいお休みタイムを取り戻したのだった。(夢の泉の物語より。)

今、メタナイト達が待機しているその巨大洞窟は、その時期カービィがスターロッド集めに奔走していたとき、
スターロッドを持っていたヘビーモールが砦として使用としていたものだった。(夢の泉の物語Lv5−2・3・4。)

メタナイトはところどころ金属の部分が錆びた折りたたみ椅子に座り、その部屋に待機している者全員の顔を見る。
「…宇宙の事はカービィ達に任せるとしてもだ。我々がすべきことは大きく分けて二つ。
 一つ、現在ポップスターで猛威を奮っている植物達を止める。
 二つ、まだポップスターに残りつづけ侵攻を続けている02の駐屯軍の撃破。
 1つ目も2つ目もどちらを優先すべきか分からないほどの深刻なものだが…」
「俺に提案がある。」
メタナイトの言葉を遮ってディーラが手を挙げた。
「何だ?」
「…数人だ。数人だけその植物に襲われたというリップルフィールドに向かい、調査活動。残りは引き続きここに滞在し、
 グレープガーデンやバタービルディングといった地域と連絡を取り、戦力増強、そして住民全体への厳戒態勢を送る。」
「…そうか、とりあえず無難なやりかただな。で、各地域への伝令は陛下に頼むにしても、誰が調査に行く?
 相手は我々の要塞を一瞬にして粉砕し、リップルフィールドの町を何の前触れもなく滅ぼした得体の知れない物体だぞ?」
「…なぜ俺様が…。」
デデデは壁を向いてブツブツ言っている。だがそれは無視してディーラは言った。
「俺とマルク、そこの魔法使い野郎。」
「グリルだよ!!」
「わりぃ、グリルとそれに竜轡でいく。」
「……!!!!」
マルクはメンバーの名を聞いて驚いた。そしてすぐさま廊下に走り去っていった。
「…何故そのメンバーにしたい?」
メタナイトもさすがに不審に思ったのだろう、一応聞いてみる。だがディーラは黙ったまま答えなかった。
「まあいいだろう。だがあくまで任務は調査だ。深入りはしないでくれ。」
「ありがとよ。」
そういってディーラは竜轡を連れて廊下に出ていった。グリルが慌ててその後を追っていった。

「どういうつもりなのサ?よりによってこの僕を選ぶなんて。まともに戦えるのかどうかは分からないのこのボクに。」
格納庫。マルクはディーラと竜轡に前後を囲まれていた。
「…白々しい事を言うなよ。この面子の名を聞いてお前が何も察しないわけないだろう。
 三年前のあの日。お前がルックグリーンを襲った日。」

――
後半へ。


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投稿時間:02/08/31(Sat) 05:27
投稿者名:ソルビィ


…研究所外。そこでまーびぃとレヴァリスが対峙していた。
レヴァリスの息はかなり荒い。外傷があるわけではないのだが。
「おまぇ……は…そうやってじっと…してれ…ば…いいんだよ…。」
誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。そして、痙攣を起こしている手を雪原の上に乗せた。
まーびぃもその行動に警戒して、一歩感覚を広げた。

「…今、この星の結界…が解けるのを感じた…やっと…暴れられるぜ…。」
途切れ途切れになりながらも喋りつづけた。
「!」
「この白銀の大地を…貴様の血で朱く染めてやる!!!!」

まーびぃの足元に現れた黒い霧が彼女を包み込む。
そして次の瞬間、それが刃となって彼女を斬り刻まんと襲いかかる。
だが…。

パン!パン!!パン!!!

一瞬その黒い刃が光ったかと思うと、全てその場から消滅した。
「…なんだと?お前は一体…。」
「魔法が使えるようになると、僕の方が圧倒的に有利になるよ。この状況だと。」
「何…分けのわからないこと…言ってやがる!!!!」
レヴァリスは立て続けに黒い球体を放った。だが、全て彼女が掌で受けとめると、白い光に変わって消えた。
「属性変換…君が奪ったその体の持ち主は、自分自身の属性を変換する事が出来た。僕は…その逆だ。
 だから君が闇の者であり、その程度の実力ならば…勝ち目は無いよ。」
まーびぃの一言にレヴァリスはカチンと来たらしい。
「…今は…邪魔が入ってるんだよ!!!!!」
彼は右手から黒い霧を発生させ、それを槍状に変化させる。そして力任せについた。
だが、そんなものにまーびぃが当たるわけが無い。
すぐさま受け流し、横から槍をつかみ、それも光に変えて消し去った。

「お前…何者だ!!?」
「…僕の名前はまーびぃ。光と闇の管理人だ。」
レヴァリスはその言葉にはっとする。
「…なるほど…女だったとはな…。」
そして自分で何か納得したような目をしていたが…すぐに右手に槍を作りなおし、まーびぃに斬りかかる。
「もうそれは悪あがきだよ。…ソルビィ君を返してもらう!!!」
ひらりとかわし、まーびぃは空中で両手に黒い塊を生み出す。
そしてそれが薄い黄色の光にかえると、強引にレヴァリスの体にそれを押しこんだ。

「…があぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
断末魔の叫び声と共に彼の髪の黒が急激に水色に変わっていく。
カオスライトの直撃を食らったときに体の属性も無理矢理LAWに変えられたらしい。
憑依していようとダークマタ―であるレヴァリスが苦しみ出すのは当然だ。
体内の闇の物質と共に自分自身も消えかけている。彼の意識そのものが消滅するのも時間の問題だった。
まーびぃはその様子をじっと見詰めていた。


…沈黙に包まれた闇の中。
黒に包まれていた部屋の中が、突然白に変わっていく。
少年にまとわりついていた『黒』は苦しみだし、ひたすら足掻いた。
しかしそんなことでどうにかなるわけでもない。
死を覚悟したその瞬間。少年はその小さく縮んだ黒を、自分の体の中に押しこんだ。

<てめぇ…何のつもりだ…。>
…僕は、君がいないと駄目だから。
<…何だと?>
「君が見せた幻想…いや、僕の記憶。前から、思い出したくないのに思い出しては時々泣いていた。
 だから心を闇に委ねる時が合った…全てを包んで隠してくれるから。
<はっ。ただの甘えじゃねえか。>
そうだよね…。だから君に僕は体を奪われた。
<だが…もうすぐ俺は消えていた。何故助けた?>
…さっきもいったけど、僕は君がいないと駄目なんだ。
<…それがなんでだかわからないんだよ。>
……あれだけ決心したのに、昔の傷を見ればまた弱気になる。今だってまた覚悟はついた。
それでも…やっぱりいつかは心が揺らぐ。でも君が僕の中にいれば…
僕がそうなったとき、君が一発食らわせてくれる。だからいて欲しいんだ。
<…また、いつてめぇの体を頂くか分からないぞ?>
それでも仕方ないさ…それにきっと僕と君の目的の一部は同じだろうから。
<…は?>
いや…まだ知らなくても良いよ。また僕が弱気になったら、いつでも容赦無く喝をいれてね。

そして白に満ちた部屋に新たに現れた扉から、少年は外に出ていった。
<なんか丸め込まれたような気がする…いつか見てろよ。当分出ていけそうに無いけどよ…。>
そして少年の肩にはぽつりと黒い塊が浮かんでいたのだった。


「これで…。」
まーびぃは、雪原に倒れているソルビィの頬に雪の塊を乗せてみる。
冷たさに驚いたソルビィは、飛び起きる。いくら雪国育ちとは言え人は人である。
「…まーびぃさん?」
「ソルビィ君…大丈夫?」
「は…はぁ…。」
まだあまり事情が飲みこめていないソルビィは寝ぼけた顔で曖昧な返事をする。

「えっと…んと……まーびぃさんいつこの星に来たんですか?」
とりあえず何所から聞いて良いのか分からないので適当に聞いてみる。
「…一年半前から…。」
まーびぃが小さく呟く。
「………え?」
まだ話が掴めていない。少々鈍い。

「…というか今、ダークスターでの戦いが終わってから何年経ちました?」

「……ソルビィ君に何があったのかと思ったけど…そういうことね…。」
ボケているようにも見えるソルビィの反応にまーびぃはため息をつく。
「…とりあえず、中で話をしましょうか。」
「そうしよっか…。」

(研究所の中四分の一がボロボロなんだけど…。)

案の定、研究所の様子にソルビィは思わず絶叫。
ついでに客室には既にやまもちが緑茶を入れてくつろいでいたという。


――ポップスターその2.
シルトもまた、その洞窟内の別の部屋にいた。部屋のあちこちには、銀色の金属が転がっている。
そこからは1部1部、機械のようなものが見え隠れする。
シルト本人がオレンジオーシャンから脱出するときに持ってきたものだろう。

彼は掌から細い光の線を発生させる。
そして…天井めがけて撃った。青白く不気味に輝く鉱石でできた天井が、焦げた。
シルトは誰にでもなく呟いた。
「…ここの鉱物ってさ、僕もよく分からないものばっかりでとっても興味があるんだ。
 なんか神秘的っていうのかなんていうのかな?君もそう思わない?…リークのおっさん。」
「…おっさんとは失礼ですね。私はまだ現役32歳ですよ。シルト君。」
低い声がどこからともなく聞こえる。シルトがもう一発微力なレーザーを撃ちこむと、
リークは天井から逆さまになって現れた。

「僕よりよっぽど年上じゃないか。充分おっさんだよ。で、今日は何の用?」
「今日もおもしろいお話を。…そしてその前に少し。」
「?」
「…シルト、本名不明。人間年齢12歳、竜族年齢93歳。
 出身地ケビオス。その星では珍しき竜族だったがために幼少の時期からまわりから虐げられつづけ、
 孤独のまま生き続ける。そしていつのまにか星の支配者である魔神ワムバムロックより守護神だったことを知らされるが、
 事実を拒みつづけ自分のやりたいようにやりつづける。その間に趣味である鉱物の研究で一時期リップルスターに滞在、
 エターナルクリスタルについて少々研究。
 しかし02の侵攻の時に敢え無くその惑星から逃亡。
 それからどうゆう気か故郷に戻り修行にうちこみはじめる。
 そしてポップスター歴○○○年某月某日、闇の同盟結成のことを知り、守護神という身でありながらなぜか参加。
 表舞台には出ずも裏で暗躍。星の戦士カービィらがダークスターに突入した際、自らも闇の同盟から抜け出す。
 そして異空間ダークスター消滅後はポップスターから離れ、
 マキシ=モントゥーマ星のレジスタンス勢力に加担したりなんだり。何かをやっていたようですが…
 それから1年半後、いつのまにかポップスターに再び現れ今に至っていると…違いますか?」
長々とリークは語る。シルトはそれをてきとうに聞き流した。
「…別に。で、他人の過去をペラペラと喋って肝心の用は?しかもその僕のプロフ、1部1部抜けてるし。」
「いえいえ…まさかそれだけのはずが無いでしょうに。特別にこういうものを持ってきましたよ…。」
ドサッとシルトの上に数冊のファイルが落ちてくる。
「なんなのこれは…『ミスリ…加工……』!!!ありがとう、リーク!」
シルトはそのファイルを手にして明るい声を出した。
「喜んでいただければ結構です。では御代を。」
「じゃぁ、手持ちが少ないから…これ。」
そういって彼はリークにむけて小さな結晶体を投げやる。
リークはそれを受け取るとどこかに消えていった。
シルトの目の前にひらひらと1枚の紙切れが落ちてきた。

「領収書
 提供:ミスリルの性質と加工方法
 代金:ケビオス産の宝石の原石
 毎度ありがとうございました。
 またの御利用をお待ちしております。byリーク」

――ブルブルスターその4。
「1年半か…いや…もうすぐ2年近く経つ…。」
ソルビィはまーびぃの旅の話を聞きながら大まかに時間の経過を知った。

「で、やまもち君でしたっけ?どのような用件でこの星に?」
「んー…俺、シルフ族でさ、色んな星旅して回ってるんだけどさ。
 最近どの星も『風』が不自然でさ。その原因を探してたんだけど。
 …この星に来たら魔術が使えなくなっちゃってて帰るに帰れなくて…。」
「僕の設置してた結界石ですね…すみません、
 レヴァリスの事は結構前から気付いてて対策を練ったんですが…
 まさか生身で大気圏突入をするとは思わなかったんで…。」
ソルビィがそう言うのをやまもちは半信半疑の眼差しで見つめた。
そりゃそうだ。相手はさっきまで自分達を襲ってきた人。
それが急にこの星の守護神だったなんて聞いて初対面の相手に信じろと言う方が無理だ。

「でもさ、ほんとここの風って不自然だよね。どうして?これも結界の一種?」
そのやまもちの質問にソルビィはハッとする。
「…結界ではありませんね。一種の絶対的な法力というか…。そう言う点では結界ですかね・・?
 この星は、今僕もわからない何かによって無理矢理気候が変えられています。」
「!」
「僕も守護神としての能力がだいぶ身についてきたのか、
 星を守る力が働いて天候は晴れてであることが増えてきましたが、まだ気温は下がったままです。」
「へぇ…。」
「だから…僕もこの星の異変を一刻も早く元に戻さないとならないんです。そしてその方法が…知りたい…。」
「…その、星に法力をかけているっていう奴を倒せば良いんじゃないの?」
やまもちが、一番安易でもっともな意見を言う。
「…一度は、倒したんですよ。だけど…この星の異常気象は治らなかった。そもそも彼は絶対的な悪ではなかった。」
「そっか…俺にはまだどうすることもできないや…。」
そういってやまもちがたちあがる。
「…これから、どうする気なんです?」
「そうだね…次の星に行ってみることにするよ。この星はどうも情報が止まっちゃってるみたいだから…。」
「…すみませんね;ならば道中に何か必要なものはありますか?」
「うーん…特に無いや。君も頑張ってね。」 
「はい!ありがとうございます!」

やまもちが空の彼方へ向かっていくのを見届けた後、ソルビィはまーびぃの方を振り向いて言った。
「…まーびぃさんは確かハインのこの星での行動について…ですよね。」
「うん。ソルビィ君はこの星の異常寒波の原因、知ってたっけ?」
ソルビィは首を横にふった。
「ゼロじゃなかったんですか?」
「うん…。この星を停滞させたのは…ロウの絶対神だ。」
「…絶対神自ら!!…だからか…。」
ソルビィの脳裏に2つの言葉がよぎった。

5年前、ゼロが言っていたあの言葉。
―私にとって、守護神が目覚めないことは都合がいいが。……『光』に利用されるのも気に食わん―

5年前、ハインが言っていたあの言葉。
―守護神よ、気をつけろ。『闇』にも、『光』にもな―

「まーびぃさん、ちょっとついてきてもらえますか?そこでお話します。」
「…?」

30分ほどして。二人はある場所に来ていた。そこには2つの石碑が立っていた。
ソルビィは、石碑の上に積もっていた雪を掃除し、花束を置いた。

「御無沙汰してました。イル…それにアリエルさん。」

――
多分読んでて「何の事か全然分からない」とかいう人名やシーンがいくつかあるかと思いますが、
全部ソルビィの過去に関係しています。


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