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Another story of Kirby 第二部 [32]



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投稿時間:02/09/06(Fri) 15:18
投稿者名:ひでぶ


(ポップスター脱出1日目=レモン死亡からちょうど2年)

―――――

「言ってしまうと、ノヴァが全力推進すればケビオスまで5秒も
かからない。……でも、それをしてしまうと、まず間違いなく
ゼロツー軍の索敵レーダーにサーチされちゃいます。今はノヴァの
出す不思議な粒子と低出力運転で、敵に見つからないまま行動
できていますけど」

妙にシュールなブリーフィングルームで、カビラスが
『ノヴァ・まにゅある』なるものを開きながら説明する。

「このままの速度でケビオスに行くとすれば、
大体どれくらいかかるんだ?」
部屋のせいで何だか落ち着かない時の番人が、壇上のカビラスに問うた。
「えっと……このまま直進すれば、ケビオス到着は6時間後ですね。
もう少し速度を上げても大丈夫ですけど、それでも5時間かなぁ」

「5秒と5時間か……大分違いますね」
と、グレン。
「でも、ケビオスがポップスターの二の舞を踏むことになるのは
避けたい所だから、まぁ、仕方がないか」
「肉眼でさえ捕らわれなければ、粒子が放出されている間は問題ないです。
幸い、ノヴァ内部は『無室』状態なんですから。千里眼や水晶球での
シフト・ピーピングとか、空間的な介入はされないとは思うのですが」

「『空の知識』は……?」
不意に、リグレットが口を開けた。
「空の番人には、私達の行動は分かるのでしょうか?」
カビラスが口篭もり、黙ってしまうのを見て、時の番人が
代わりに彼女に説明した。

「『空の知識』は、無室の影響を全く受けない。あれは、今現在
起こった事を全て空の番人に知らせる。俺の『時の記憶』の
ように、全てをストックしているわけではないが……どのみち、
初流乃には俺達の行動は筒抜けだ」

リグレットが震え出すのを見て、番人は溜め息をつき、
静かに首を横に振った。
「……俺は、敵に見つからない速度でケビオスまで行くことに賛成だ。
できるだけ戦闘は避けたい。遠回りするのならそれでもいい」

彼を皮切りに、パーティのメンバーは次々と賛成し、
ノヴァは最も安全な迂回ルートを航路とした。


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投稿時間:02/09/07(Sat) 23:52
投稿者名:星のカーヴィ


俺の座っている椅子。俺が手を乗せている机。そして、俺のいるこの部屋。
見るもの、触るもの全てがサイケデリックな形をしている。
色彩も鮮やかなものから、どこかグロテスクな物。
どこか落ち着かない雰囲気だ。
そんな異質な空間なのに、ターツときたらぷかぷか煙を浮かばせている。
今日はゴージャスに葉巻のようだ。
「それにしても、よっぽどの物好きな輩が造ったんだな」
俺はシックなテーブルに乗せていた自分の腕を、
額に二本の指を突き立てた姿勢で問い掛けた。
やつはカジュアルなソファにどっかりと座り、
足をテーブルに乗せた姿勢で応える。
大股で行儀が悪い。
「そんなこと、自分に言われても解決できる事じゃないさ。
それに、住めば都というだろ。体裁に拘るな。
かつて、ディケランジェロに降り立ったセラフがこう行った。
『知らぬが仏でいることは不幸。知らぬが仏でいないことも不幸』
たとえば、このノヴァを造った人はどんな顔だったか?
ブスだったら、多少は鬱だろう。失礼だがね。
造った目的は?もし、それが戦争目的ならば俺達は悲しむ。
知っていなかった過去が懐かしい。
だが、過去はもう二度と戻ってこない。
時術使いでない限りはな……」

窓から見える光景、ゆっくりすぎる星の移動。
彼是二時間が経つ。時を操る身でありながらの、情緒。
そして、俺達の行動は全て初流乃に筒抜け。
ありすぎる不安。ありすぎる不確定要素。ありすぎる苦痛。
それが互いに相互作用しあい、干渉し、
ジレンマという走馬灯を造ってゆく。
ふとそれから解消されたときの爽快感。
優越感……感動。ありとあらゆるプラス要素が、
一気に走馬灯から零れ落ちる。
だから俺はこの困難な仕事でもやれてきた。
最近の宇宙の発展は目覚しいものがある。
無論、それが全て善い方向へと導かざるを得ないのが俺の仕事。
今までずっとそうだった。何の躊躇いもなかった。
ユートが殺されるまでは……。
あれからかな。自分の仕事に自信が無くなったのは。
生涯唯一無二の友人であったユート。
ひょっとしたら、恋をしていたのかもしれない。
だが、護るべきものを護れずして奴は逝ってしまった。
この事件に巻き込まれてからというものの、
己の存在にまで不安を抱かせたのは記憶に新しい。
こういうリラックスしたとき、話し相手がいると助かる。
近くにいるリグレットだ。
こいつにはどうも初対面から親しい雰囲気があった。
原因不明とでも言おうか。
そして、ユートにしか話していなかった俺の本名。
まあいい、そんな不安が締め付けるのは仕事としては好物だが、
リラックス状態では滅ぼさねばならない敵である。
Something……とは、『何か』の事だ。
ブルブルスター一帯で使われていた、古代文字らしい。
そう、俺とリグレットを引き付けているものは正しくSomethingなのだ。
ユートとリグレットを見比べても、あまり重なる点は見られない。
身長は低い。年齢もだ。それに髪の色も違う。声も違う。
「愚かなる果てにか……」
ふと俺が呟く。クスッ……リグレットが笑う。
「何考えてるんです?」
はっきり言って、今現在俺の考えている事をリグレットに言えば
どこか分かってくれるような気がした。
しかし、相手はまだ十代前半。
あどけなさがまだたっぷりと、いやらしく言ってしまえばロリータか。
って、違う。俺はロリコンなんかではない。
リグレットを好きなだけなのだ。
いや、待ってくれ好きとかそういう問題ではなく、それを超越し……
「顔が真っ赤ですよ。熱でもあるんですか?」
駄目だ。自分の回路はショートしてしまった。
其処から先はあまり覚えていないが、多分毛布を掛けてくれたんだと思う。
今、ここにあるのだから。

「こういうことがなかったか?」
「何が?」
俺とカビラスとの会話。宇宙空間、星空が見える。
もっとも、ここは床にある出入り口以外全てガラスでできた球形の展望台。
三百六十度パノラマとは素晴らしいと、
カビラスが発見時言っていたのを思い出す。
二年は前だったかな。宇宙船だよ。
俺がそう言うと、カビラスは相槌を叩く真似をした。
「そういえばありましたありました。」
「其処で一人目の犠牲者だ。」
俺の何気ない一言で、カビラスは酷く落ち込む。
最も、予想していたがな。
続けて、俺は問答する。
「もし、自分が自分ではないと思ったことはあるか?」
「よくあるよ。ほら、自分の祖父の事の時。」
「そんなことは夢であってほしかったよな。」
「うん。」
カビラスは、汚れた眼鏡を拭こうとめがね拭きを取り出した。
何の造作もないこの行動。
後に影響する事になろうとは……。
「でも、それが夢だったりするんです。」
「何故?」
「現実だという証拠は何処にも無いんだから。」
この言葉のどこかに、革新的サインが
ばらばらになってはめ込まれているような気を、俺は感じた。
「もしかしたら、是は夢。だって、
見ても、触っても、其の感覚が真実である証拠は無い。
見ている場合、それは自分の頭に映っている虚像かもしれないし、
触っていてもそれは錯覚かもしれない。
同時に、是が夢である証拠も無い。」
カビラスは、半径がそれほど無い
この円柱状の展望台の中で、ぐるぐると円を描くように回り始めた。
「例えばこの僕。この僕は実在すると思う?番人さん。」
「そりゃあそうだろう。見ていて、其処にいる。声も聞こえる。」
「だけど、見ているのは幻の虚像。声は幻聴だとしたら?
そして、触ってもそれが本当でしょうか?そうとは言えない。
感覚をコントロールする機械も、今となっては身近になりつつあるしね。
無論、自分がさっきやった眼鏡を拭く行為。
是だって、証拠は無いんだから。」
「それだったら、全部信じられなくなるじゃないか!
不確定要素ばかりの世界で生きていくというのか!」
「信じられなくなるからこそ、信じるんです。
不確定要素ばかりだから、生きていくというのです。
信じる事を忘れない人間が、僕にとって羨ましかった。
信念であり、希望であり、そう夢があった。
今じゃ何処も、疑いの空気でいっぱい。
どの惑星も、民主主義による裏の荒廃。
自己崩壊寸前の貧民。
間違った君主主義社会……。
皆、信じる事を忘れてる。
僕にとって、信じるって事は凄く有意義。
信じずに、乾いた日常を送るよりも、自分も信じて夢に飛び込んだほうが
生きていて幸せだから」

其の晩は、星空を眺めて俺は床についた。
俺は俺だ。それ以上でもそれ以下でもない。

そう、俺に命令できるのは、俺しかいないから……


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投稿時間:02/09/07(Sat) 23:06
投稿者名:レモン


……ふぅ。

ベンチの前にある観葉植物を煙で揺らしながら、ターツはタバコを吸っていた。
ため息をつき、灰皿にタバコを押し付けた。
…なんやかんやで、半禁煙状態にまでもち込まれそうになったこともあり、
ノヴァの中でタバコを吸う時間が(強制的に)少なくなった…っと言う理由もあるが…。
灰皿にあるタバコの量は…常人ではない。
そんなことお構いなく、取り出したタバコにまた火をつける。

ふと思いつきで、タバコの煙を円状にして浮かせてみた。
だが、円状の煙はすぐに壊れ、元の煙へと変わってしまった。
「…風か?」
今まで気がつかなかったが、微かに風が通っている。
ターツは、タバコを床に近づけてみた。

…………ュゥゥ……

意識して音を聞かなければ、きっと見逃してしまうだろう。
ベンチの下にある床から、風が流れ出ている。
「(隠し扉…ってもんか?)」
火をつけたばかりのタバコを灰皿へと押し付け。両手で扉のとってを探した。
「きっと、こっちの方に…とって見たいなやつが……。…ん?」
ガツッ
片手が、何か溝のような物にあったった。
ターツはそれを、思いっきり開け……
「タァツゥゥゥーーーー!!!」
「どぅおわぁ!!」
ターツは急いで溝から手をはなした。カビラスが「ノヴァ・まにゅある」を両手で持ち、ターツの方へとやって来たからだ。

「ん?ターツ。どうしたの?」
「いや…別に…!なんでもにゃ……。じゃなくて!なんでもない!!」
「………にゃ?」
「だぁ!そこは気にしなくていい!!!」

早口で口調がおかしくなったなんで、恥ずかしくて絶対言えない!!
ターツはこのときそう思っただろう…。

「あ、そうそう。ちょっとターツに聞きたいことがあるんだけどさ」
「なんだ?」
「えっと、ここ。「ノヴァ・まにゅある」に書いてあるノヴァ全体図なんだけどね」
そこには、ノヴァの断面図・大きさ・内部の地図が書かれているページだった。
「この階のこの場所だけ、白紙になってるんだ」
「(?!)」
ターツは横目で、とっての部分を見た。
「(白紙…?だとしたら……ここは?)」

好奇心…というものではないことはたしかだ。しかし…心のそこからこみ上げる…この感情は?

「…ターツ。どうしたの?なんかおかしいよー?」
「別になん…」「別になんでも!は、なしだよ」
「………………;」







…自然とは人間の想像を軽く越えてしまうことがある。
     
                       by闇からの傍観者

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今回の↑の「闇からの傍観者」は、使ってもいいし使わなくてもいいです。
(レモンの支配下ではありませんので)でも、本編にはなるべく関わらないようにしてください。
ぽろっと、名前が出てくるぐらいで。


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投稿時間:02/09/08(Sun) 21:55
投稿者名:シルフィード


「ラーク!大丈夫か!?」
気がつくと、ラークは誰かに助け起こされていた。
しかし…自分の体を持ち上げているはずの、誰かの姿が見えない。
 どうなってんだ?と彼は一瞬思ったが、すぐに一人…いや、一個体だけ、
その条件に当てはまるものがいたことを思い出した。
 そう、自分の主人だった―――
 「ナイトメア…様…」
 彼は驚いた。どうやってカメラであるナイトメアがラークを助け起こせたのか疑問だが、
まさかこんなところで助けられるとは。
 「全く…心配かけさせおって…『なくした物を探しに行く』と言って旅に出たっきり、
 連絡も途絶えてたから…もうくたばってしまったかと思ったではないか」
 勝手に殺さないで下さいよ、俺は大丈夫ですから。ラークはそういってから空を見上げた。
 
 失くした物は、まだ見つかっていない…。俺の……涙……。
さっき、あの植物達に襲われたときも…苦しくて苦しくてしょうがなかったのに…涙は…で…なかっ…た……。


 戻ってこないのか―――?それは―――?
 それは俺が―――ツミビトだからか―――?


 「ひどい怪我だな…。これは回復に相当時間がかかるぞ…。
ラーク、ひとまず我々の船へ行こう。どのみちその怪我じゃ、旅を続けることは出来ないからな。
夢見る者、ラークを運ぶのを手伝ってくれ」
 その声にラークは振り返った。そこには3人の、やや異質な組み合わせの男女がいた。
 「承知しました」
それはレクイエムと夢見る者、それから初めて見る顔の少女だった。
 その少女は一見するとただ弓使いのようだが、
体のあちこちに紋様のようなものが、うっすらと見えるのが、わずかに気にかかる。
 「…初めて…見る顔だな。名前は?」
 「慧美です。高木慧美。…ラークさんですよね?ナイトメア様から話は聞いています…よく…生きてますね…」
 無理もない。ラークの怪我はひどいものだ。
あちこちの関節が奇妙な方向に曲がり、所々肉がえぐれ、内臓が見えている。
こうして喋っていること自体、奇跡であった。
 
 遠くでうごめいていた植物がこちらに向かって動き出したのはその直後だった。
 「おい、早く逃げろ!植物が襲い掛かってくる!」
 レクイエムが叫んだ。ナイトメアは慌てて彼の手元へ避難し、
夢見る者はとっさに結界をはってラークを守る。
 だが、慧美だけは何の防御手段もとることが出来なかった。
やろうと思えば近距離の瞬間移動で何とかなったのかもしれないが、足がすくんで動けなかったのだ。
 「やばっ……!きゃあああっ!!」
 為す術もなく、彼女はつるに絡めとられる。
 「慧美!」
 そう叫んだのはナイトメアか、レクイエムか。
 「困りましたね…。レクイエムさん、私はラークを船まで連れて行きます。慧美さんの救出をよろしくお願いします」
 「分かった!頼む!」

 彼女の意識は、その間にも薄らいでいく。
 
 こんな…ところで…

 まだ…あたしにはやるべきことも、やりたいこともたくさん…。

 「カー………ビィ………」

 何…?それは…誰?

 
 ―――我を傷つけしものよ―――滅びを与える―――


 「意識が戻ったようだぞ!」
 ナイトメアが叫んだ。それを聞き、レクイエムは手榴弾を投げる手を止めた。
確かに、慧美が呪文らしきものを唱えているのが見える。
 「しかし、何か変じゃありませんか?」
 「そうか?・…あ!」
 ……ソーサリー・グラフが黒く染まっている!
 2人は驚愕した。普段、それは皮膚の色に比べてわずかに黒い色でしかなく、
かなり接近しなければわからないほどなのだ。
 それが今は、ここから見ても分かるほど、真っ黒に染まっている―――!
 「どういう事ですかあれは!」
 「わ、分からん!とにかく避難したほうがいい!」
 そういって2人は駆け出した。
 
 彼らが船の入り口にたどり着くのと、慧美が呪文を発動させるのは全く同時だった。

 「サイコ・エクスプロージョン!」
 彼女の周りで精神エネルギーの大爆発が起こり、次の瞬間、彼女を締め付けていたつるは跡形もなく消滅した。
 彼女はふわっと地面に着地し、植物に向かって言い放った。
 「あんたらに、滅びを与えてあげる…」
 
 再び、彼女は呪文詠唱に入った。
 その間にも植物は彼女を絞め殺そうと襲い掛かってくるが、
その攻撃はことごとく、彼女の手前ではじき返されていた。
 まるで、見えないバリアに守られてるかのように。

 「レヴィアタン!」
 言葉とともに、彼女の周りに闇が沸き出で、二匹の蛇が出現する。
 「欲望に染まりし者たちよ、欲望に喰らい殺されるがいい・・・。」
 二匹の闇色の蛇が、巨大植物に襲い掛かった―――

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慧美、ハイパー化(謎爆)
もっとしゃれた名前を検討中です…。
 とにかく、こうなっちゃったらもう目の前の敵を全部殲滅するまで暴れつづけます。禁呪放ちまくりです。
 このときの魔力はバス○ードのダーク○ュナイ○ー並み。(分からない人のほうが多いと思いますが…)
 全部の敵を倒せば気絶し、2〜3日は眠りつづけます。目覚めると通常の状態に戻ります。
 では、ガンガン暴れさせちゃってください(笑) 


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投稿時間:02/09/08(Sun) 23:59
投稿者名:ソルビィ


今から数刻前。深い緑に覆われた島・ルックグリーンで。
「…じゃあ、行ってくるね。」
どこからか少女の声が聞こえる。
「気をつけていってくるにゃよ。」
また一人、別の方向から声が聞こえた。
「<調達>ならこの前の場所にいくつかいいものがあるみたいよ♪キャハハハ♪」
「せっかくだからお土産も持ってきてくれよな♪」
「あ、はーい。」
最初に声を出した茶髪の少女が、植物の根に包まれてどこかへ行こうとする。

「あ、くるみちゃんちょっと待ってぇ。」
黄色髪の少女が、彼女を引きとめた。
スルスルと降りてきた根に彼女も掴まり、くるみの前に立つ。
そして彼女に1つの種を渡した。
「これ、『キューティーハニー』の種。人手足りなかったらこの子使ってあげてw」
「うん、ありがと♪」
少女達の楽しそうな声が響いていた。
何気ない会話だが、その実態はとてつもなく恐ろしかった。


――時間進行を元の位置に戻して。
リップルフィールド上空を、1隻のヴイトールが飛んでいるのが見えた。
機体にはデデデ大王のマークでもあるピースサインが描かれている。
ディーラ達、偵察部隊だ。

「…爆発があったのはこっちで間違いないのか!!?」
「大丈夫ダス!!レーダーにもくっきりと巨大なエネルギー反応がでてるダスよ!!」
「よし!急いでくれ!!」
ディーラは焦っていた。自分にも分からない何かに。
そんなことには目もくれず、
マルクは強化ガラス越しに見えるリップルフィールドの街並みを眺めていた。
…あちらこちらが植物に侵食され、残っているのは瓦礫の山だけだった。

「これがあの優越の薔薇のなれの果て…。酷いのサ…。」
「…あなたが言えた口?」
横から突然、白い竜が顔を出す。
「…竜轡。」
「今は一応任務中だし…オレンジオーシャンでも話す時間無かったけど…
 グレープガーデンに帰ったらゆっくり話そうね。」
「…こうなった以上、仕方ないのサ。」
マルクは口もないのにどうやってかため息をつく。少しだけ、嬉しそうだった。



一方リップルフィールド市街地跡。
10代前半の少年が、一人瓦礫や植物を飛び移りながら走っている。
背中には旅荷物を背負っていた。正直動きが鈍くなっている。
「…なんで俺まで襲われるんだよぉ!!!」
背後から迫る植物の群れから逃げながら、彼は叫んだ。
だが、そんな願いが届くはずも無く、追い討ちをかけるかのように彼の目の前から
さらに数本の根が現れる。不意をとられた彼は為す術も無く根に捕われた。

「ぁっ…」
ギシギシと体が締めつけられる。思わず叫ぶが音にならない。

「ぐぅ…<エアロ・ブレード>!!!」
少年は痛みを堪えて中級呪を唱えた。
彼を中心に現れた空気の刃が高速回転し、植物の根を切り裂いた。
開放された彼はしりもちをつきながら着地、すぐに体勢を整えてその場から離れた。
「…逃げるしかないか。」
少年は体を宙に浮かせ、迫る植物をグングン引き離し空に上がった。

「…ふぅ。一安心かな。」

下方ではまるで獲物を探す蛇のように蠢く植物の根が見えた。


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