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Another story of Kirby 第二部 [38]



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投稿時間:02/10/01(Tue) 09:50
投稿者名:ひでぶ


「ハインさんっ、大丈夫!?ケガはない?」
壁越しにスラリンの声が響く。

ハインは壁となった蔓の群を片手で触れてみた。……通常の生物が
放つ生命属性が感じられないが、植物であることには変わらない。
魔道の力で燃やし尽くせば、合流も難儀ではないはずだが。

彼は視線を足元に降ろした。その先は、蔓の出現で抉れた地面が、
ちょうど下りの階段のように象られている。随分と深そうだ。土埃が
不自然にその中に吸い込まれていく。口元に手を当てて、考えた。

―誘っているのか?

「スラリンさん、ここで待っていてください。転移でハインを
連れてきますから」
空間転移を試みようとする初流乃の声を聞いて、闇の師が言う。
「その必要は無い」

口元に当てていた手を降ろして、ハインは下りの階段のような
ものに足を踏み入れる決心をした。
「自力で合流するつもりだ。お前達は先に進め」

「えっ、そんな……どうして!?」
スラリンの問いを、ハインは答えなかった。

初流乃は何かを考えていたが、結局、
「……お気をつけて」
そう短く言って、踵を進むべき方向へと向けた。

何やら納得のいかない表情のスラリンは、暫くそこで佇んでいたが、
やがて初流乃の後を追っていった。

「さて……」
ハインもまた、その奇妙な階段を下る。



「いぇ〜い、期待通り♪」
「やったね〜!」
レモンとシャボン玉の少女、東は腰のあたりで互いに両手をタッチしあい、
拳を握った腕をくっ付けあって、喜んだ。
「これでハインって男の人は私達のものになったも同然。あと2人だね」
「さぁて、どうしようかな?」

2人のもとに、また、誰かが現れる。
「何してるんですか〜?」
鉢に植えられたフラワー、菊花だ。
「あっ、菊花ぁ、みてみてっ!」

先程とは違い、泉は2つの風景を映し出している。1つはこちらに
向かってくる銀髪の少年と時幻魔の姿を。もう1つは、地下へと進む
男の姿を。……3人のうち2人は、菊花も知っている者だ。

「初流乃じゃないですかぁっ!それにこっちは……宇宙船で
あたしを動けなくした人です〜!何でここに……」
菊花は苛立ちながらも、悪魔的な笑みを浮かべる。
「でも……ここで会ったが100年目です〜。ぢごくのような
苦しみを味わわせてやりますよ〜」

「ダメだよ菊花〜。来てくれた人は大切にもてなしてあげなきゃ。
それに、初流乃君はくるみちゃんのものだしね〜」
レモンはそう言って薄く笑うと、ゆっくりと立ち上がった。
「う〜んと、今度はこの2人だね。どうしよっか?」
「お散歩に出てった姫が初流乃君とスラリンちゃんの近くにいる
みたいだね。……と、いけないいけない。お兄さんの相手してこないと」

「じゃ、行ってくるね〜♪」と、東は植物の蔓に取り囲まれ、
そこからいなくなった。

「姫がいるんだ。よ〜し、じゃ、姫にお願いしちゃおうかな……ふふ」



ふふふふふ……きゃははははは……。

レモンは大声で、止め処なく笑っていた。



初流乃は何やら妙な頭痛を感じた。いや、違う。これは、
彼自身のものではない。彼に憑いている者の、嫌悪感。
桜の悪魔のそれが、彼に頭痛となって伝わったのである。

―一体、何を拒んでいる?夜深……。

足を止めることはなかったが、初流乃はそう、己の中にいる
彼女にそう問い掛けた。

そんな折。

「うぇるかーむ。歓迎するにゃ」
誰かの声が、その場にこだました。

思念通信?……そうではない、気配がある。
初流乃とスラリンは、頭上から降ってくる何かに警戒した。

そして。
「久しぶり〜、初流乃」
彼らの目の前に着地したのは、獣人国の姫。
な〜ビィだった。


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投稿時間:02/10/01(Tue) 13:28
投稿者名:ソルビィ


「はぁ…はぁ…。」
島全体を覆う深い緑の森。見た事もない怪奇植物。
そしてその奥は沸血の処刑場と言い表せそうな場所。
そんな忌まわしい島の中に、少年―λはいた。既に手足を拘束している茨はない。

(あっちのガキばかり甚振って俺をほったらかしにてくれたのは幸いだったが…
 まだ引き下がるわけには行かねぇな。あのΩのジジィがここで何をたくらんでいたのかを見つけ出すまでは…。)

追っ手がこのまま来ないことはまず無いだろう。
…とりあえず、安全地帯と言えそうな場所を探そう。もしくは、まだ彼女達の手の届いていない人を探そう。
どちらも可能性は限りなく低いが、ゼロというわけではない。あっちのガキは可愛そうだが人を見つけてから助けに行ってやるよ。
そう考えたλは、その密林の中を走り出した。
既に彼女達から受けた傷は治療済みだ。


オレンジオーシャン。
ヘブンはすでにゴーストタウンと化したこの島の都市部を歩いていた。

オレンジオーシャンの制圧は既に完了。そこに本部をおき、
現在は各地に散らばっているはずの残存勢力を偵察隊が探し出す毎日。
本隊は発見の報告を受けるまでこの島の駐留基地で待機している。
既にポップスター侵攻作戦の遂行に関する全ての権限が、
アンフィッシャーに移ってしまっているのは気に食わないが
02陛下はどうやらカービィ達の始末を優先する気のようだ。どうやらこっちのことなんかお構い無しだ。
もっとも、自分は所詮戦うために作られた道具に過ぎない。関係無い。
与えられた任務を遂行し、戦いの中で死ねるのならばそれで本望だ。

元はと言えば、この大掛かりな侵攻が始まってしまったのは自分の単独行動が原因である。
それも、勝手に意気込んでポップスターに侵入してしまった下っ端のダークマタ―達を追ってのことだったが。
だが、そのおかげで敵の本隊に相当な被害を与え、自軍は圧倒的な勝利をしたのだからそれはいい。

しかし、それでもヘブンには気になる事があった。

―何故、一度もぜぼしんの工作隊が動いてないんだ?

確かに、彼らの部隊に与えられた当初の任務は、
ダークスター崩壊後のポップスターの情勢を調べ上げる事だった。
戦闘に関する命令は一度も出されていない。

だが、闇の同盟発足時、一番活動をしていたのもぜぼしん隊である。
恐らく、アトランティス軍の中では一番戦績を上げている。
そしてぜぼしん本人の実力もトップクラスの部類であるはずだ。
02陛下直々の作戦ならば参加しないはずがない。
それなのに、今回の作戦で彼らが動いたと言う情報は無い。

今回の戦いはほとんど改造ダークマタ―達や機械兵がひたすら押しつづけ、
そこにミラクルマタ―やガーディアンが追い討ちをかける。
あのダーク三兄弟も相手は悪かったが奮戦はしたようだ。

しかし、事前に先行したヴォ―ルの部隊は全滅。
陛下が実験材料にしたグリボスとかいう奴も結局音沙汰無し。
ガスケルのジジィが率いる部隊も奴らの本拠地を吹き飛ばして壊滅したらしい。
こいつら3人。全員、戦死だ。

ゼイの奴もケミナスを駆って敵艦をやりあったらしいが、撃墜されたようだ。
…もっとも、無事だったのだが。
Ωも出撃はしたらしいが連絡は無い。どうせまたなんか悪知恵働かせてるんだろ。

つまり、結局のところほとんどの奴らが何かしら行動には出ていたのだ。
よりによって、ぜぼしん隊だけが何故?
今のヘブンに思い当たる節は無い。


そんなこんな、いろいろと考えているうちにヘブンの足が止まった。
かつてのメタナイト要塞だ。今は瓦礫の山と化してしまっている。

―これまた派手にやったな。

ヘブンは背中に担ぐハルバードを右手に持つ。
そして、振り下ろした。刹那、彼の頭部は茶色に変色する。
そして戦斧が地につくと、衝撃波と共に地面が隆起した。
瓦礫の山を吹き飛ばす。

「あーらあら…こりゃまたすげえな。」

瓦礫を荒っぽく取り除いた後目に移ったのは巨大な穴。
そして、枯れた植物の根。それも異様なまでの太さの。

こりゃ、ガスケルのジジィが死んだのも無理はないわな。

「これが最近この星全土に名を揺るがす怪奇植物さんの強襲跡か…
 ぜぼしんのやろー、勝手に巻き込まれて勝手に背負い込みやがったな。
 だいたいの想像はつくが。……どうせ最近噂される女の事だろうけどよ。」

―せっかくだ。俺も、混ぜろよ。

軽い笑いを浮かべるとヘブンはぜぼしんがいるであろうキャンプのほうへ走り出した。



場所は戻ってルックグリーン。
λの予測は的中した。―嫌な予測が。

「ちぃ!!気功拳!!!」
右の拳から放つ一撃が襲いくる植物の根を吹き飛ばす。

かれこれ30分。結局こちらの動きはばれていたらしい。
次から次へと植物の怪物が襲ってくる。
休憩時に取った気功操作による治療で体力はほぼ全快だ。
前のようなへまはしない。
しかし、やっぱり敵の数は多い。
追撃をかわしながらとにかく逃げる事を優先するが、結局反撃しないとならない。

「閃光爆裂拳!!」

両の拳に気を溜め、放つ。
二つの光の弾が空中ぶつかり、爆発する。
ひるんだ植物の間をくぐりながら、λは走りつづけた。

しかし、植物達の攻撃の勢いは緩まない。
突如、足元から巨大な根が飛び出す。

「おわっ!!」

λの体が中に放り上げられる。
そして、そこを別方向から来た何故か空を飛ぶ植物が思いっきり一撃を加える。
彼の体は一気に地面に叩き付けられた。

「ぐぅ…。」
口から血を吐き出す。体が思うように動かない。
何体もの怪奇植物がλに飛びかかろうとしたその時。

…そこにいた植物達は、突如現れた漆黒の球体に飲みこまれ、弾け散った。

「…人が、いたとはな。」
黒衣の男はその場に倒れるλを見てそう呟いた。

偶然の出会いだった。


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投稿時間:02/10/01(Tue) 15:57
投稿者名:yuletear


ケビオスの大気圏内に何事も無く入りこんだノヴァ。
そのメインブリッヂで、「ノヴァまにゅある」片手にカビラスが作業をしている。
大気圏突入の次に待つのは、安定した着陸。
着陸地点の地質や大気状態を確認したり、02軍の動向を調査したり…
カビラスの他に、リックやグレン、ピックが甲斐甲斐しく動いている。
カービィ達は会議室でケビオスでの行動の最終確認をしている。

「着陸地点には障害物は無いな。」
「地質、大気、生態系。いずれも異常ありません。」
「いつでもカウント入れるよ、カビラスさん。揺れるかもしんないけどね。」
3人(?)の報告を聞き、カビラスは艦内へその旨を流す。
人口的な音声が響き渡り、そしてまた静寂が訪れた。
聞こえるのはノヴァの起動音だけである。

「いよいよケビオスに到着ですね。」
グレンがオペレーター席から立ち上がり、誰とも無しに言う。
「長かったような短かったような…ま、暇にはならなくてすんだけどね。」
物珍しそうにブリッヂ内部を歩き回っていたピックが楽しそうに跳ねた。
「これからが大変なのに、ノー天気だよな…誰かさんにそっくりだぜ。」
リックは器用に頬袋を一瞬脹らませた。
「会議の方はどうなったんでしょうね。直接、ケビオスの守護神に会いに行くメンバーも決めないといけないし…」
「その点は大丈夫だと思いますよ。カービィさんや番人さんもいることだし。」
手にしていた「ノヴァまにゅある」を閉じ、カビラスはようやく席を立った。
後はノヴァに組みこまれた高性能のAIが着陸までコントロールしてくれる。

「着陸までは少し時間があるし、僕等も会議の結果を聞きに行きましょう。」
カビラスは操作パネルにパスワードを打ち込み、パネルをロックした。
「ケビオスの探査だけじゃ、僕等の目的は達成されない。まだまだ…始まったばっかりですから。」
カビラスの言葉に3人は小さく頷いた。


4人がブリッヂを後にしようとしたその時。

<ポーン………>

まるで飛行機の機内放送開始時のような音が響く。
4人は一斉に音の発信場所へ目を向ける。
周辺のエネルギー探知に何か引っかかったようだ。
「…これは………?」
いち早くグレンが確認に向かう。
「軽度の破損はありますが…これはとんでもないエネルギー体。
…いや、エネルギーを発する機体みたいです。宇宙船では無いようですけど。
着陸地点より西部・53度方向。距離にして約4、7Km…。」
グレンは無言で振りかえった。
「何にせよ無視出来ない存在に変わり無いと思います。
それが、02達の所持する機体にしろ、そうでないにしろ…。」
カビラスは測定された距離や方向、エネルギー数値等をプリントアウトし、
3人を促した。
「着陸までに判断しないと。会議をしてる皆さんに合流しましょう。」



同時刻、会議室では…

「…というわけで、俺達はシルトの依頼により、惑星ケビオスの守護神ワムバムロックとの接触を行なうわけだが…」
番人が今までの所要時間や経路が書かれた板の指しながら、今後についてを話そうとしている。
彼の近くに微かな煙が漂っているが、番人はあえてそれを無視した。

「僕達は02達に追っかけられてたりするから、急がないといけないね。
 ワムバムロックだってピンチになっちゃってるかも知れないし…」
カービィは煙の出所を見上げながら続けた。

「何にせよ、ケビオスに何時までも留まってるわけにもいかねえし。
ノヴァに残るメンバーと出撃するメンバーを振り分けなきゃいけない。ってことだよな?」
ディッセは板に新しい項目を加えながら言う。

「そういうことになるな。
 「ノヴァまにゅある」を持ってるカビラスにはノヴァ待機メンバーの指揮を取ってもらうとして………」
番人が先程より少々苛立ったように言葉を発した。

番人の言葉を遮るように、プシュンという軽い音を立てて会議室の扉が開いた。
「皆さん。異質なエネルギー体がサーチされました。」
カビラスの言葉に一瞬、会議室が静まり返る。
会議室の中に香るその煙の正体を確認し、カビラスは続けた。
「エネルギー保持容量等、どれをとっても無視出来ません。この星の守護神に会う他に、これの調査も出来ませんか?」

「ワムバムロックとの接触、謎のエネルギー体の調査、ノヴァの調整…。
どうやらホントに休んでる暇は無いみたいだな。」
何処か楽しげに白い輪を作るターツを見ながら、
リグレットは無言で、ファンシーな柄の空気清浄機のスイッチを入れた。
「そういうものがあるなら、早く入れてくれ。」
時の番人は小さく咳払いをした。


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投稿時間:02/10/01(Tue) 18:03
投稿者名:ひでぶ


歩み寄るハインに、倒れたままではあるが警戒するλ。
身動きがとれない。この男が奴らの仲間だとすれば、
またあそこへ逆戻りか。心の中で、λは舌打ちをした。

「その様子だと、立つこともままないだろうな」
ハインの片手が、λに迫る。だが、畜生!と観念する彼の
心理とは全く逆の出来事が、彼の身に起きた。

痛みが、消えた。……立ち上がることもできた。

「……何でだ?嘘みたいに、体の痛みが感じられない」
傷は、打撲の跡は残っている。治ったわけではない。
ハインがおもむろに言う。
「気孔術の使い手だろう。これは一時的なものだ。すぐにまた
動けなくなるぞ。その力で早いうちに治しておいたほうがいい」
「あ、ああ……」


気孔治療をしている最中、λは自分を助けた者がかざした片手……
右手を、怪訝そうに眺めていた。金属とも、宝石とも違う、
この世のものではないような、黒い指輪。それが、彼の右手に
嵌められている。

体中の治療が一通り終わると、λは自分の名を明かした。
「感謝したいのはやまやまなんだが、あんたナニモンだ?
この星で、それだけ強いってことはカービィ達の仲間か?」

ハインは少々無言の間を作ったが、静かに答える。
「……星の戦士の仲間ではないが、植物を操る者の仲間
というわけでもない」

「へ?旅人か、何かか?」
λは納得いかない面持ちで更に問う。
「そのようなところだ。仲間とはぐれてしまってな。後を追っている」

腕を組んだλが、「ふーん」と、ハインを見つめる。
光と闇の管理人などよりは正確なものではないが、気孔使いは
相手の『気』を感じとることができる。この男からは、それほど
邪悪な『気』が感じられない。とりあえず、敵ではないようだ。

今度は逆に、ハインが問う。
「君は?こんなところで何をしている?」
「えぇっと……」
とりあえずλは、Ωのことを隠して、ここに訪れた理由を説明した。

「そんなわけで、女達から逃げ出したんだがこのザマだ。
あんた、どこか安全な場所知らないか?」
首を横に振るハイン。
「ルックグリーンにいる以上は、恐らく安全な場所など無いだろう。
君だけでもこの島を脱出するのだな」
「そうは言ってもよぉ……」

ハインが更に続ける。
「私がこの島に訪れた時点で、活動している者は植物を操る者と
その仲間達、そして、私の仲間だけだ。君の追っている何者かが
私の仲間でない限り、君は無駄足だ」
「……それなら、あんたの仲間に会わせてもらおうか。
奴はきっとここに来ているはずなんだ」

ハインは苦笑してから、頷いた。
「このまま君が1人で出口に向かったとしてもあの植物達の
餌食になるだけだろう。私と先に進む方が賢明だな。
……もっとも、君の倒すべき相手が私の仲間であるのなら、
私の敵でもあるのだが。……行くぞ」

ハインの背を眺めて、λは思った。

―良い奴なんだか、悪い奴なんだか、よくわからん。



「まさか貴女まで薔薇に冒されているとは思いませんでしたが」
含み笑いを浮かべて、初流乃が言う。
「ぜぼしんも可哀想です……それで、どうするつもりです?
僕達と戦うつもりですか?」

な〜ビィが獅子の爪を具現させていないことから、初流乃は彼女が
戦う気のないことを悟っていた。敢えて問うたのは、な〜ビィが
拳に握っている何かを『空の知識』で探るためである。

―花びらを丸めたもの?そうか、あれが。

「番人と戦うなんてことはバカげてるなんて一部で了承済みにゃ。
それに、ここでは戦わないで楽しんでもらうのがしきたりにゃしね。
……たとえ、殺すつもりの男の子でも」
少々物語での禁止用語を口にしながら、な〜ビィは笑った。
「楽しませてあげるにゃよ〜」

彼女が握っていた拳を開いた時、初流乃は鋭くそれを睨んだ。
……破裂音。な〜ビィが持っていた丸めた花びらは、
その音と共に砕け散った。

「同義語でしょう。貴女達の『楽しむ』と僕達の『戦う』は」
な〜ビィはきょとんとして、バラバラになって舞った花びらを
眺めていたが、再び笑う。

「そうでもにゃいよ〜?」
その場所に妙な風が吹き、舞った花びらは、地面のとある一点に
重なって落ちた。……刹那。

裂けた口に牙を生やした巨大な植物が、そこに姿を現した。

「ベリープリティーがやると一方的だから」


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