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Another story of Kirby 第二部 [40]



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投稿時間:02/10/07(Mon) 22:46
投稿者名:ソルビィ


「プログラム起動…前方、生体反応発見。コード識別チy…」
「稲妻一閃斬!!」

ディッセは雷を纏った一撃を放つ。
ダークモールは傷口からバチバチと音を立てながら、その機能を停止した。
「…間に合ったか。」
ディッセは溜息をつく。せっかくケビオスまで何事も無く辿りついたのだ。
ここで02軍にみつかっては全てが水の泡となる。
どこからこいつらが沸いて出たのかは気になるところだが、とにかく自分達の存在を奴らに知らせてはいけない。
そう考えての行動だった。

「…先、行こうぜ。」
「う…うん。」


入り口付近でダークモールと出会ったあとは、何事も無く先へ進めた。
途中途中、ボンカースやバグジー、ジュキッドといったこの星の荒くれ共に会うたびにガンはつけられたが、
カービィの顔を見るとみな押し黙る。
「ピンクの悪魔」というあまり聞こえの良くない異名は思いのほか知れ渡っているらしい。

そして、星の最深部へ辿りつく。
ここが魔人ワムバムロックの居る場所…であるはず。
だが。

目に入ったものはマジカルスィーパーが数体。
「戦闘プログラム起動。コレヨリ攻撃開始スル。」
金属製の巨体から電子音が発せられる。
それと同時に四人が身構えたその時である。

グシャァッ!!!バキバキバキィ!!!

鈍い音と共にそれらは屑鉄と化す。
そして、その残骸から巨大な拳の形をした岩が現れた。
「…御客人、どういう目的だかは知らぬが遠路遥々御苦労…ちょいとばかし邪魔が入ったが、改めて挨拶を。
 我が名はワムバムロック。この星の主のようなものだ。」
洞窟の奥底から低く、威圧感のある声が響いた。
そして、暗闇から巨大な顔が現れた。そう、この星を守る魔人である。

「わぁ!!ワムバムロックだぁ!!」
カービィが思わず声を上げた。
「…む、もしやカービィ殿か!?」
その声を聞いた魔人もまた、驚きの声を上げた。

「こいつがその魔人ワムバムなんとかなのか?なんか愛嬌のある顔してんなー…。」
リックが呟いた。


――15分後。
数年ぶりの再会を果たしたカービィとワムバムロックは軽い世間話をし、さらにリック達を紹介する。
そして、話を本題に戻し、シルトについてと、ここ数日の出来事について話をした。

「うーむ…シルトはまたポップスターへ行ったままなのか…。少しは、守護神としての自覚と持ってもらいたいものだ…。」
魔人は、ぽりぽりと頭をかく。普段からどうやらシルトの世話を焼いていたらしい。
「あれ?あんたがこの星の守護神じゃなかったのか?」
ディッセの投げかけた質問に魔人はまた困り果てた顔になる。
「…むぅー;あいつはまたそんなことを言ってるのか…ディッセ殿でしたな。貴殿ならば守護神の仕組みは分かっておりますかな?」
「あ…あぁ。守護神ってのは生まれた時からその役目が定められてはいてー、
 しかしその能力が開花する事は真に星への危機が迫った時目覚めるー…って…そういうことか。」
「そういうことって…どういうことだよ?」
ディッセが一人納得したような顔をしたのがリックはどうにも分からないらしい。

「…つまりだ、有り得ないんだよ。守護神が一つの星の中で重複するなんてこと。
 例えその才能が開花してないにしても、生まれた時からその役目は決められている。
 ある代の守護神が亡くなれば、次の代の守護神は自然と生まれてくるんだ。
 『風の旅人』とか種族内での継承とは違うんだよ。根本的に。」
「へぇー…。」
「…もっとも、俺のパターンは少し特別だがな。」
「え?」
「いや…、今は関係ない。で、魔人さんよ、話元に戻すんだけどよ、ここ最近なんか変わった出来事、あったか?」
「そう、本題はそちらであったな。実はだな…。」

「実は?」
「闇の師殿がこの星を訪れたのだ。」


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投稿時間:02/10/07(Mon) 22:41
投稿者名:シルト・レヴァーニ


皆やられた

メタナイト様も

デデデ大王も

皆ヤツ・・・

優越の薔薇に・・・

皆やられる

皆・・・



「うわあぁぁぁぁぁぁ!」
ここで水兵ワドは目が覚めた。
「ん?起きた?」
「あれ・・・?メタナイト様・・・は?」
「会議ナゴ。ナゴは難しいのは苦手ナゴ。」
「僕も余り組。よく寝てたねぇ・・・」
ナゴに、シルト。
「ふぅ・・・う?」
「おっと・・・はい鼻栓。」
「どうも・・・でもこの匂いは何?」
「ミスリルを加工してただけだよ。メタさんの複製虹の剣を強くしてたんだ。騎士に剣は必要だからね。」
「・・・ふーん」


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投稿時間:02/10/08(Tue) 13:13
投稿者名:ひでぶ


ルックグリーンの大穴。底よりも高所に位置するが、やはり深い場所。
琥珀の広間と呼ばれる大部屋がある。樹脂が化石となった琥珀が、その
部屋の壁や床に無数に散りばめられており、島がこうなる前までは、
奇跡そのものであり最高の宝である『優越の薔薇』を敬い、称え、
それが永劫平穏のために使われるよう祈られる場所であった。

祈りも虚しく、薔薇が奪われ暴走を始めたその日から数えると、琥珀の
広間に薔薇に冒された者以外が訪れたのは今日が初めてだ。

「みんなに自慢できるよ」
と、レモン。
「ホントなら男の子は入っちゃいけない場所なんだから。セツ君も、
マーテル君も、姫を取り戻そうとしてやってきたあのヒト達も、Ωって
ヒトを探していた男の子も、私達の遊び場には入れてあげなかった」

無言のまま、レモンの眼を見据える初流乃。な〜ビィも菊花もくるみも、
彼を睨んで微動だにしない。そんな張りつめた間が暫く続いた後、
レモンが不意に笑って、常人の目では捕らえられない速度で右手を振った。
初流乃とレモン達の距離間では、レモンのその手が届くはずなかった。

が。彼女の指は少年の頬を掠めた。赤いものが、そこから垂れる。

「まぁもちろん、君はここから出られないだろうけど?」
手についた初流乃の血をレモンは笑ったまま、舐めた。それを親指で
拭うと、少年がようやく口を開ける。
「薔薇は何処ですか?」
「ん〜……私達。私も入れて、姫も、東も、菊花も、くるみちゃんも、
全員そう。私達が、『優越の薔薇』の役目なの♪」

初流乃は頷いたが、それからすぐに言った。
「ええ。確かに貴女達は優越の薔薇の意思をヒトに伝えることができる。
そう言ってしまえば、貴女達が優越の薔薇であることには変わらないが。
……僕は薔薇本体と話をしにきた。だから、『薔薇』に会わせてほしい」

「薔薇はあなたになんか会いたくないって言ってますよ」
菊花が葉を手のように動かして、からかう。
「どちらにしても、あたし達が会いになんかいかせませんしね〜」
「そうだにゃ。せっかく来たんだし、遊んでもらうにゃ」
な〜ビィは蔓を雲梯にして遊んでいる。
「うん。初流乃がうちにやったこと、32倍にして返してやるにゃ」

「初流乃はここで私達と遊ぶの。死ぬまで」
くるみも初流乃の前に立ち、顔を接近させた。
「ユートのことなんかどうでもいいから。前みたいに一緒に遊びましょ?
友達なんだから……!!」

苦笑して、首を横に振る初流乃。
「あなた達も、薔薇も。まだ気づいていないみたいだ。正直呆れますね」



「変だな。あんたに会うまでずっと一本道だったのに」
λが周りを見回して言った。逃げた時、こんな道は通らなかったのだ。

これまで分かれ道は無かった。樹海の形が、恐らく誰かの手によって
変えられたのだろう。そんなことができるのならば、引き返したところで
無駄。先に進むほかない。

深い森を、道伝いに歩き続け、半刻。ハイン達もまた、木に囲まれた
天然の広場に辿り着く。

「初めましてお兄さん。それと、久しぶり逃亡者君」
東が楼蘭を手に、そこで待ち構えていた。



正面の巨大な琥珀に、ハイン達の姿が映っている。

「ルールは簡単だよ。闇の師のお兄さんと逃げた子が勝つか、東が
勝つか。お兄さん達が勝ったら、私達の負け。そしたら、手加減して
遊んであげるよ。運が良かったら、君だけでも逃げられるかもね。でも、
初流乃君が負けた場合は……血を貰う♪」


銀髪の少年は腕を組んで、一笑する。それからおもむろに、この勝負に
乗る事を肯定するよう頷いた。


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投稿時間:02/10/09(Wed) 18:10
投稿者名:S.A


「・・・割に合わないと思う?」
な〜ビィは初流乃に問う。
初流乃は、微笑したままその問いに答える。
「・・・別に?」
その言葉は、まるで確信しているかの様だった。



東は黙したまま桜蘭を構え、λとハインに向ける。
「・・・殺る気か?」
「もちろん。」
ハインと東の、たった二言。
それが闘いの合図だった。


刹那、東の桜蘭が二人を薙ぎ払おうとするが、二人は難なくかわす。
λも状況にすぐ対応し、構えをとる。




ケビオス。
星の大半が岩で構成されていおり、星全体に空洞が広がっている。
これだけ空洞がありながら地盤沈下しないのは、おそらく頑強な鉱石で構成されているからだと思われるが。

ディッセはしばし思案していた。
(この星にも02軍の手が伸び始めているのか・・・?
 しかしポップスターの制圧も恐らく完了はしていないだろうし・・・この星を狙ってそれだけ利点があるのか・・?
 ・・・それとも・・・・。)
ディッセは、考えるのを止めた。
「まぁ、今は現状を突破するのが先だな。」


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投稿時間:02/10/09(Wed) 21:56
投稿者名:星のカーヴィ


「それが?」
 ディッセが訊ねる。然程大した物事とは思っていないらしい。
「闇の師殿を虚仮にする無かれ。そなたも守護神の身在らば、
 事の重大さを悟る必要もあるであろう」
「生憎、俺は不謹慎な奴でねぇ」
 彼は全く悪びれる様子は無い声で言った。残りの三人は呆れる。
「手短に話そう。闇の師殿一行が訪れた時、灯火を喪いつつあった
 夢の泉に光が燈ったのじゃ」
「待ってよ。それって良い事じゃないの?」
 カービィが問い質すも、ワムバムロックは首を振って答える。
「元来生命の存在しうる確率の無きこの惑星に、
 何故わしの様な生命体が此処に居るのか、
御前たちに説明できるであろうか?」
「テラフォームプロセッサの可能性は?」
アドの返事にも、彼はYesと答えなかった。
「その謎を解明し得る存在は、あれじゃ」
 彼が岩の手で指した向こうに、キラキラと輝く泉が見える。
紛れも無く夢の泉だ。
「カービィ、御前の訪れた時夢の泉に再び輝きが戻ったよの」
「うん」
 カービィが元気よく答える。
「じゃが、あの後夢の泉の光は薄れ、この惑星は再び不毛の地と化した。
 わしらはなんとかして生き延びたがな……」
「其処に、あいつらが来たってわけやな」
 リックが差したのは、ハイン達が夢の泉の灯火を付けたと言う事だ。
「もう一度見よ」
 ワムバムロックは再びカービィ一行の目を、夢の泉へと差し向ける。
「気付かぬのか?」
「いいや。気付いた」
「私も」
「光が……」
「要するに暴走しちょるわけやろ」
 リックが嘲るように嘆く。
やっかいやな……彼は顔を締めた。
「此処に至る時、円盤に遭遇されなんだか?」
「マジカルスウィーパーの事かしら?」
「うむ」
「じゃあ、あのダークモールはなんなんだ?」
 ディッセは、あの時闘った変なダークモールを思い出す。
「昔の遺物であろうに。02と名乗る者と戦った時のじゃ」
 ここにも……カービィの眉間に皺がよる。
「どうか、御前たちの手で夢の泉の暴走を止められぬか?」
 其れを聞いて、リックがこう呟く。
「確率はゼロとは言えへんねんからな」

「ここは……」
 カビラスの目には、小規模な村があった。
ザァッと、水の流れる音も聞こえる。
「やれやれ、煙草売ってる……気配は無いな」
 ターツが顔を顰める。だが、他のメンバーは安堵の息をついていた。
 ドーム状に拡がる洞窟の平地に作られた村に唯一ある、
質素な宿屋。其処に彼らは渇きを癒そうと、リラックスしている。
「お金はよく払えたっスね」
「なに、こんな原始的な集落じゃ貴金属の方が価値が高いだろうし、
 お前の鞄の飾りを引っこ抜いて主人に見せたら、二日間泊まれるってさ」
「……」
 ワドルディは持ってきた鞄を黙視すると、
御呪いのつもりで買っていたエメラルドの飾りが無い事に気付く。
そのまま、彼はターツ達のいるロビーから、
自分たちの泊まっている部屋に足を運んだ。
「酷いんじゃない?」
 カビラスがターツのほうを向いて、喋りかける。
「なに、背に腹は変えられぬ。第一、俺
三十ギットと少々のエメリーしかもって来てねえんだ……」
「ひもじい……」
「五月蝿い。黙れ。兎に角、今は何時だ?」
 ふとカビラスが、ロビーの時計に目をやる。
「もう、夜の十一時ですよ」
 其れを聞いたターツが、溜息を吐きながら身体を持ち上げる。
「全く、体内時計が狂っちまいそうだ」
「ですよね〜」
 そして、彼らは床に就く。

――――朝。といっても、彼らの見慣れた朝ではない。
朝日が昇らないのは、彼らにとって大きな盲点であった。
グレンを除く、ターツ達が起きた時、時計は一時を差していた。
ワドルディは、未だに朝の一時だと勘違いしたらしい。
彼らは大急ぎで、身支度と朝食ならぬ昼食を食べ終え、
偵察に出かけようとした。
が、突然の大声によって事態は急展開を迎える。
「いやーっ!」
 宿屋のホステスが、叫び声を上げて持っていた御茶碗を床に落とす。
茶が床を滴り、玄関へと続く。続いた先に、妙に見覚えのある老人が、
従業員の男性の首を締めていた。
悲鳴に導かれてターツ達が駆け寄る。
「オメ……
 ワドルディの後方で、何かが凄い勢いで物にぶつかる音がした。
「ガ……」
 ターツが壁にぶつかって呟くも、はらりと床に倒れこむ。
オメガは従業員の男の命を奪うと、其の者を軽々と投げ捨て、
彼らに嘆いた。
「感動の御対面。色んな意味でな」
 老人は構えのポーズを取り、玄関から微動だにしない。
グレンとピックは各々の剣を取り出し、
ワドルディとカビラスはターツの様子を見るため赴く。
「良かろう。多勢に無勢という事を身をもって教えてやるわい」
 そう言って、彼は『来い来い』と目線と手で示す。
一番手はピック。身体に似合わぬ大剣が、大きくオメガに振り掛かる。
続いてグレンが、彼を挟み撃ちにするべく襲い掛かった。
「協調性ゼロじゃわい」
 オメガはピックの攻撃を、避けようともせずに
彼に向かって飛び上がり、脳天を通過した頃、
両足で頭を踏みつけてもう一度飛び上がり、天井にへばりつく。
機を見計らってグレンの上に飛び降り、首を足で雁字搦めにし、
ロビーのインフォメーション用カウンターの机の出っ張りに
手をさし伸ばして、その身体からは殆ど想像できないであろう
脚力と腕力でグレンをカウンターに叩き落した。
「それで終わりか?わしの余生はもう少ない。
もっと楽しませてはどうじゃ」
 やああぁっ!と唸りを上げてピックがマジックソードで斬りかかるも、
オメガは身体のうねりを利用して、見事に避ける。
グレンがそれに併せて攻撃するも、
オメガに距離を近づくことなく彼の気孔によって壁に叩き付けられた。
「うおおおおお!」
 ピックが自分の属性を、炎に転換させて向かってきた。
燃える闘魂、燃える球体。オメガはひらりひらりと、避けつつ
宿屋に配置されてある消火器を手に取る。
「遅い!わしに敵うと思うなかれ!」
 オメガは皮と骨しかないような手を握って、
ピックに向かって気孔を放つ。
ピックは金縛り状態になり、空中で身動きが取れなくなった。
「炎属性に転換すれば、消火器が死に到る事も知っておるじゃろうな……」
 オメガが不気味に微笑む。だが、彼は背後に迫る殺気に気がついた。
彼は、溜めた気孔を背後に向かって放つ。
「ぎいっ!」
 クリスタルサーヴェルを握ったまま、カビラスが
二回バウンドして床に叩き落され、そのまま気絶した。
「諸行無常とは是を差す!」
 オメガが怒鳴り散らす。
彼は消火器を脇に捨て、代わりに鎧兜の横に展示されていた
日本刀を念動力で手に取る。
「素晴らしい。かなりの逸品だ」
 彼は日本刀の鞘を抜き、刀に映る自分の顔を見て悲しみに暮れた。
「若い頃は良かったのぉ……人生、善は急げとはよく言ったものじゃ」
 カビラスが、意識を取り戻す。だが、相変わらず悶えは止まらない。
「カオスのお前になんか……」
「ロウでもあるわい」
 カビラスは死を覚悟した。人間、死ぬ間際になると、
急に後悔するってのは本当だったんだなぁ。
僕だって、遣り残した事は沢山ある。
其れが出来なくなるって、寂しい……。
カビラスは、眼鏡の向こうで瞳を閉じた。
「斬り捨て御免」
 オメガは日本刀を振り上げた。その時、
―プシュウウゥゥゥゥ
「ぐはあっ」
 白い煙が辺り一体を包み込む。その発生源では、
ワドルディが消火器を持って無茶苦茶に放出していた。
「カビラスさん!今のうちに!」
 ふと、目を覚ましたカビラスは起き上がると、
一目散にワドルディに駆け寄った。
一方、オメガは老眼で視界を確保しようと、
五里霧中の中四苦八苦している。
「ワドルディ!カビラス!」
玄関の方から、グレン達の声が聞こえてきた。
五人は、一纏まりになる。
「ええい!」
オメガは必死で、気孔を使って消火器の煙を追い払うと、
日本刀を構えて戦闘体制に入った。
すかさず、グレン、カビラスやピックも各々の武器を構える。
ワドルディも、いざとなったら消火器を手に戦うつもりだ。
「お前たち弱者が固まって、何が出来る」
日本刀を震えることなくオメガが構えて、そう言った。
「あんたを倒します」
グレンが、皆の予想を反して答えた。
「弱者がどれだけ集まろうと、弱者は弱者なのだよ」
「違う!そりゃあ、私達は弱者だ。だが、
弱者が集まってこそ強者になる!」
「集まるのは、弱いからだ。そして、誰もが上に立とうとする。
その結果、そういう塊は崩壊するのが掟なのじゃ!
そんなものを強者とは呼ばぬ!」
「五月蝿い!そういう崩壊があってこそ、その塊は固くなる!
雨降って、地は固まるんだ!」
「貴様らに……わしの気持ちが分かってたまるか!」
そう言って日本刀の先をグレン達に向けたオメガには、
どこか虚ろな感じと躊躇いが見られた。
「いやぁ、派手にやってくれましたね。オメガさん」
廊下の奥から聞こえてきた声と共に、オメガは床に倒れる。
「さて、事情聴取と行きますか」
ターツが体を現し、倒れたオメガに目を向ける。
「合点承知の助!」
ピックが駄洒落を述べた。


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投稿時間:02/10/10(Thu) 17:43
投稿者名:ひでぶ


楼蘭が作りあげたシャボン玉が、ひとりでにλを包み込もうとする。
跳び上がったλは気孔の蓄えられた拳でそれを打ち壊し、空中で制止
しては、東に向かって直接回し蹴りを放った。彼女も大袈裟にスウェー
バックして避けるが、上半身が戻る時に合わされた二撃目が見事に
命中した。
「きゃんっ!」
間髪入れずにハインが属性変換した闇の波動を放つ。が、これを東は
蹴り飛ばされた反動を利用して、転がってかわす。

「いくら薔薇に支配されているとは言え、女に2人がかりで手をあげる
というのは……少々気が退けるな」
「なんの。あんた、あいつらがどんなことやってるか知らないから
そんなこと言えるんだよ。俺は手加減しないぜ」
「……まあ、私も目的がある。向かってくる者には容赦はしない」

身体の型を構えるλに、指先からバチバチと黒い光を創り出し始めた
ハインを睨み、東は無数にシャボン玉を楼蘭から放出させた。

―逃亡者君……λって子がこっちに戻ってくるのは誤算だったか。
やっぱり2人相手はきびしいかな。かくなる上は。

楼蘭を胸の前に振って、東はシャボン玉達に出撃命令を出した。無数の
それが、ハインとλに向かって飛んでくる。電撃を纏うもの、毒霧を
含むもの、生命属性の波動を放出するもの、様々なシャボン玉を弾き、
避け、破壊して、2人は応戦した。

しかし、次々と襲い掛かるシャボンの雨に、ハインもλも、手を
休められない。どこかでしくじってダメージを受けることの可能性も
あるが、それよりも、東が自由であることが問題だった。そして、
案の定。
「う、うおっ!」
λの足元から、怪奇植物が伸び上がった。彼は足元からの奇襲に反応
する間も無く、それに掴まれて別の場所へ放り投げられる。着地は
難なくできたものの、目の前には、巨大な怪奇植物が立ちはだかった。

「……」
最後のシャボン玉を潰して、ハインと東との間の空間が再び何も無い
状態になった。東は笑って言う。
「やっぱり、相手をするならお兄さんだろ。優しくしてよね?」
「……言う」



ハイン達の状況が映し出されている琥珀の広間では、両者の仲間達が
戦いを眺めている。初流乃は腕を組み、転移でようやくこちらに
やってきたスラリンは座り込んで。一方レモン達はというと、どこか
から持ってきた果物をつめたバスケットを囲んでわいわいと話を
しながらであった。

「お腹が空いたなぁ……」
スラリンはレモン達の風景を見て、そう呟く。
「りんご、ぶどう、なし……はぁ。食べたいなぁ」

スラリンの発した言葉にレモンが振り向いて、「あげるよ」と
林檎を彼に向かって投げた。喜んでキャッチしたスラリンだが、
掌に当たる柔らかいものに疑問符を浮かべて、ひっくり返す。

にょろりと顔を出す胴の長い虫。

「わわわわわわっ!」
たちまち林檎を放り投げるスラリン。レモン達はそれを見てどっと
笑い出した。そうして、彼は膨れる。

……と。彼が膨れて視線を初流乃の方に向けると、その銀髪の少年は
やはり腕を組みながらずっと琥珀を見据えているのだが、表情が
先程と変わっている。何か、怪訝そうに。

「どうしたの?初流乃」
スラリンが尋ねる。初流乃は顔だけこちらに向けて、彼に聞き返した。
「『神術』……ハインさんから教わったんですよね?」
「うん。そうだよ、ハインさんが使えれば便利だから覚えておけって」

初流乃は頷いて、それからもう一度口を開けた。
「あれは魔道の中でも、絶対神への祈りのようなものなんです。
それだからハインは、自分から僕には教えようとはしなかったんですよ。
……空の番人であるから、もちろん僕も勝手に覚えましたけど」

組んだ腕の片方を開いて、彼は光の珠をその手に生み出す。そして、
それを握り潰した。飛び散る水滴の如く、それは琥珀の広間の床に
落ちて、煙と共に消える。

「闇の師、光の師は、管理人よりも番人よりも司祭よりも、守護神よりも
肉体的な力に能力付与がつかないんです。ですがね」
腕を降ろして前を向き、言葉を続けた。
「……師は、本来絶対的な『神術』の使い手なんですよ。番人でさえも、
管理人でさえも抗えないほどのね」



炎の魔道を使ってシャボン玉を吹き飛ばしたハインに、東が手刀を
加える。まともに入って体勢を崩す彼を、即座に作り出したシャボン
玉に閉じ込めた。だが、それに電撃を流そうと東が触れた瞬間、逆に
彼女が感電した。泡から解放され、ハインは着地する。東がまだいう
ことのきかない身体を上げると、睨む先の闇の師の掌には、魔道で
呼び出された電撃が纏われていた。

「あと少しだと思ったのになぁ……」

構えを整えて、東は再び無数にシャボン玉を作り上げた。
「これ、逃げ場ないでしょ?じわじわとなぶり殺してあげるよ」

ハインは両手から光の気を放出させる。宙に佇んでいた光の気は
たちまち漆黒の闇の気に変換された。そして、2つの闇の気は
中間点、ハインの目の前で、1つの塊となった。


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投稿時間:02/10/11(Fri) 22:44
投稿者名:S.A


λは、怪奇植物にかなり苦戦を強いられていた。
彼は気孔を集中させて攻撃するが、鋼・・・もしくはそれより堅い植物の体にはなかなかダメージを与えられない。
加えて辺りには、怪奇植物が呼吸の際吐き出す瘴気が充満し始めている。

極めて危険だ。

λは再び気孔を掌に集中させて掌底をぶつける。
が、よろめいた程度で決定的なダメージは皆無。
長引けば不利なのは解っているのだが。

ドゴッ!!

相手の体当たりをモロに喰らい、λは近くの大木に叩きつけられた。
「ってぇ・・・」
さらに怪奇植物は、裂けた口にびっしりと並んだ牙で襲い掛かる。
これは難なくかわすが、今の体当たりが少し効いたらしく、少しよろめいている。
「とりあえず離れるか・・!」
相手は地面に根をはっているので動けない、と踏んだ筈だった。
が。

ヒュッ!!

突然、後ろから蛇のように太い根が、足に絡み付いてきた。
「根っ子か・・!」
λは、瞬く間に植物の前まで引っ張られた。
「ちっ・・・俺ってホント、根との相性最悪だな・・・」

(ようするにコイツは、体を分厚い皮膚が守ってるんだよな・・。)
λは少々、ギャンブル的な事を考えていた。
「まぁ、死によかマシか!」
λは拳を構えた。

次の瞬間。

ガボッ!!
なんとλは、自ら怪奇植物の裂けた口に突っ込んでいった。
その際、牙が腕に突き刺さった。赤い血が吹き出る。
λは手足に気孔を集中し、怪奇植物の口をこじ開けるように、グッと力を入れた。

バキバキィッ!!!

怪奇植物の裂けた口は限界までこじ開けられ、それ以上に力を加えられ、さらに裂けるようにして真っ二つになった。


「おー痛てぇ・・・」
血の吹き出る所をバシッと叩き、その場に座った。
―とりあえず、あっちはあいつに任せるか―
λは加勢はせず、とりあえずハインの様子を見る事にした。


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