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Another story of Kirby 第二部 [41]



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投稿時間:02/10/12(Sat) 14:51
投稿者名:yuletear


ザッという音と共に、少量の土がはねた。
「こんなもんかな。」
そう言いながら、カビラスは作業の手を止めた。
町外れにある共同墓地。
彼は、Ωによってその命を断たれた哀れな男を埋葬していた。

あの後。
犯人がはっきりしていたこともあって、それ程 大きな騒ぎにはならなかった。
しかし、一つの尊い命が失われたことは紛れも無い事実。
男が殺される必要は、何処にも無かったのだから。


「後は…ターツさん!」
カビラスは、後方で町の方を見ているターツに声をかけた。
ターツはΩを一瞥し、やがてカビラスの隣にやってくる。
「終わったのか?ご苦労さん。」
カビラスを労うと、ターツは墓標の前に跪いた。
「汝、絶対神の名において、永久の幸福と安らぎに導かれん。
………巻き混じまって悪かったな。安らかに眠ってくれよ。」
祈りの言葉を途中で止め、けれども心をこめて、彼は黙祷を捧げた。


「ターツさん。さっきの祈り…」
町に戻る途中、
今まで無言だったカビラスが思い出したかのように口を開いた。
「あぁ。あれがどうかしたか?」
カビラスからもらったミントガムを噛みながら、彼は聞き返す。
「最初だけですよね?ターツさんが言ったの。」
ターツは一瞬 考えるように空を仰いでいたが、やがて頷いた。
「長ったらしくてやってられねぇしな。それに………」
彼は1度言葉を切ったが、静かに続ける。
「言い方は悪いかも知れないけどな、絶対神の加護なんて、
俺達 神界の役目についてる人間にだって齎されるかどうか…」
「一市民なんて、絶対神の歯牙にもかけられない。ってことですか?」
「まあ、簡単に言えばそうだな。」
そんなの…。とカビラスは俯く。

「絶対神の中では、…極端に言えば二つにしか区別されて無いんだよ。」
「え?」
「自分に従う生き物と、従わない生き物。この二つだ。
それは俺達だって例外じゃない。」
「そんな!?そんなのただの我侭じゃないですか!独裁ですよ!
…神というものを、崇め奉ってるわけじゃないけど。
でも、そんなのひどい…。
絶対神を信じて、生きている人達だっているのに…。」
カビラスの声は悲しみを含んでいた。
「だから、俺は序文しか言わないんだ。あんなもん、形式だけの話だからな。
心がこもっていれば、カビラス。お前の祈りの方がよっぽど平穏に導ける。」

言ってから、ターツはばつが悪そうに肩をすくめた。
「こんなんじゃ、光の師失格だけどな。」
「あ…。そうですよ。ターツさんは光の師でしょう?良いんですか?」
カビラスは苦笑しながら言う。
「…言い訳にしかならねえかも知れないけどな、俺は絶対神を信仰したり、
絶対神の役に立つ為にこの役目についたわけじゃねぇ。
俺は、俺の師匠…前の光の師に恩返しの意味も込めてこの役目についたんだ。それに…」
「それに?」
「ポップスターを…ブルブルスターやホロビタスター、コレカラスターの二の舞にはさせたく無いしな。」
ターツは遠くを見つめながら呟くように言った。

「もうこれ以上、無駄な命は消えて欲しくないからな。
…絶対神。神だって…神だからこそ、俺達の痛みも何もわからない。
どんな綺麗事を並べたって、神の視点と人間の視点は違うんだ。
それは多分、番人もよくわかってる。」
「番人さんが?一番仕事熱心で、絶対神に忠実な気がしますけど………」
「あー…まぁ、な。」
昔から職務には忠実だったが、今程の冷ややかさは無かった…気がする。
あの話をしている時の彼は本当に幸せそうで…。
あの話?なんだっけか。思い出せそうなんだけどな。
酒でも飲めば思い出せそうだ。…ノヴァに積んであるか調べてみるか…。


二人が町に戻ってくると、向こうからワドルディが駆け寄ってくる。
「ご苦労様ッス。それで、あの、Ωは…」
ワドルディは瞳だけで、どうしよう?と語っている。
カビラスとターツは頷いた。
「町から離れよう。エネルギー体の調査もしなきゃなんねえが、
Ωから情報も引き出さねえとな。」
「ノヴァに残っているチームに連絡しておきますね。」
カビラスは携帯端末を取り出し、何やら打ち込み始めた。
「じゃあ…改めて。あの手のかかるじいさんにご同行願うかな。」
ターツはワドルディに案内されながら、手持ち無沙汰な右手を振った。


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投稿時間:02/10/13(Sun) 17:37
投稿者名:ぽ〜すけ


「なぜこの星にいる?」
「わしがこの星にいるのが悪いとでも?」
ターツの質問にΩは問い返す。

町から離れた岩場の影でターツが胡座をかいている。
Ωも胡座をかいてはいるが、両手両足が縛られている。
他の者はそれを眺めるだけだった。

「別にそうじゃねぇが。で、どうしてこの星にきたんだ?」
ターツはガムを噛みながら話す。
Ωはこう返した。
「忘れ物じゃよ。それが何かは言えんがな。」
「そうか……なら何で従業員を殺した?」
ピックがΩを見る。
「殺した?いや、違う。死んでおった。」
「…え?」
全員が目を丸くする。
いや…ターツだけは普通に聞き返した。
「どういうことだ?あれは明らかに細い手の絞殺だったぞ?」
「虚ろな目をしとったし、首に手の跡がついておった。
 死んでから何者かが乗り移ったんじゃよ。
 酷いことするもんじゃ。わしの首を締めてきおった。」
見ると、Ωの首にちょっとした痣がついてる。
「そうか…じゃあ最後にひとつ。お前の最終的な目的はなんだ?」
あたりが静まり返る。
しばらくしてΩが口を開く。
「………王政復古。」
そういいながら気孔で縄を解き、腕を振る。

カビラスの服の袖が少し切断された。
「クッ…さっきの日本刀…。」
ターツがまわし蹴りを放つ。
いッ………!」
見事にその足はΩの腰にあたり、激痛を与えた。
「覚悟!」
ピックが大剣を振り下ろす。
Ωは岩山に気孔を飛ばし、爆破させる。
あたりを砂埃が包む。
砂埃の中から咳払いとともにこんな声が届いた。

「それじゃ、このロープを送るから5秒後にでるからそれを使うのじゃぞ」

それは紛れもなく
ピックがいつも聞いていた声だった。

「……神様?」


砂埃が消えてからあたりを見回すがΩも日本刀も消えていた。
「不覚だったか…。」
「ん?何か落ちてる…。」
ギンギラギンに輝く金色のロープが半分地面に埋まっている。




「ほう…。」
超高性能戦闘機『魔神』。
それの操縦をしながらつい持ってきた日本刀を眺めるΩ。
「遠江…」
鞘にかかれた刀の名を見てΩは微笑する。
「わしが見つけるのはこういうものばっかりじゃな。」



昔、絶対に折れないという頑丈さで世に渡った日本刀、『遠江』。
それを造った者は『遠江』を完成させたとたん、死んでしまう。
そのあと、大嵐で作成者のいた村は全壊したが、この刀だけは無傷だったという。
そのあと、巡り巡っていろんな人の手に渡ったが、どんな使い方をしても、傷ひとつつけたものさえいない。
だが、3世紀前から行方不明となっている。



「ホロビタスターからコレカラスターの旅館までか。ずいぶん遠い道のりじゃな。」
『魔神』の搭乗者はそれを鞘にしまい、すぐ隣に立てかけた。


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投稿時間:02/10/14(Mon) 16:45
投稿者名:St@Na


一旦帰還した彼らは、あったこと、聞いたことを言った。
「そっちはどうだった?」
「どうもこうもないです。Ωが出ました」
ディッセの問いにカビラスが答える。
「・・・・・こっちはハインがここに来たって話をワムバムロックから聞いた。
 ハインが来たと言うことは初流乃も来たのかも知れない。」
「・・・・・初流乃とすれ違ったときのあのリボンの声は何だったんだろ」
カービィが思い出したように言う。
「スナッチで精神まで取り込む事なんて出来るのか?それなら悲しくもスナッチされたと言うことで納得がいくが」
とターツが言う。
「わからん。ユートは死後も思念は残り俺達と交信したが・・・」
と、番人。
「あるいは、精神を取り込んだのではなく、何かの中に封印されたかですね・・・・・」
「!!?」
リグレットの一言に驚いた皆であった。
       

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投稿時間:02/10/16(Wed) 17:52
投稿者名:シルフィード


 「封印って…そんな!」
 カービィが驚嘆する。
 「封印って…リボンは妖精族だ。ちゃんとした肉体を持つ生き物だぞ?何で、物の中に封印できるんだよ?」
 ディッセも、訳がわからないといった表情をする。
 「肉体を構成する物質に干渉して肉体そのものを変換すれば、不可能ではありません。しかし……それができる者は非常に少数です。私が知る限り、そんなことができるのは……
 相反する力を持ったものだけです」

                        *

 「あー暇だなあ」
 「ああ、何が待機だよ。待ってるよりどっかでドンパチしたほうがよっぽど楽しいって―のに」
 ポップスター宙域にて。ナイトメア達から待機を命じられていた機械兵達は暇を持て余していた。
 もちろん、通信係であるこの2人も。
 彼らは通信ブースで2人きりで話していた。因みに、今このフロアには他の機械兵たちはいない。
 「おい、そういや他の奴らはどうした?」
 「お前、知らないのか?」
 通信兵その2は目を丸くした。「今日はナイトメア様の改造百回記念パーティーなんだ」
 「でじま!?そんなに改造されてたのか!?」
 「らしいな。今夜はご馳走らしいぞ。俺達は食えねえけど。
でもあとで俺達もご馳走代わりにバージン・オリーブオイルが配られるんだってよ」
 声が弾んでいる。かなり嬉しいようだ。しかし、オリーブオイルを機械にさしていいのだろうか。
 「それは楽しみだ!……あ、メール来てる」
 見ると、確かにコンピュータのメール着信ランプが点滅していた。
 「ホントだ。どこからだろ?……aroma?誰のことだ?」
 「ま、あけてみりゃ分かるだろ」
 差出人のよく分からない明らかに怪しげなメールを、通信兵はなーんも考えずにあけてしまった。

 それは、ビデオメールだった。
 「あ、ようやっとみてくれたんか!わて、ヒャンス言うねん。
 職業はハッカーや」
 画面に映ったのは、関西弁を話すメガネ少女だった
 「早速やけど、今わての住んどるケビオスがえらい大変なことになっとんのや!こんなこと初めてなんや!
まともに見てくれとんのなら、早うケビオスに向かってくれへんか?
とにかく大変なんや!よろしゅう頼んまっせ!」
 関西弁の少女は言いたいことを一方的に言って、ビデオメールは終わった。
 機械兵は、しばし顔を見合わせて。
 「……無視……だよな?」
 「当たり前だべ」
 まあ、当然の反応である。いきなりメール送って、助けてくれだなんて虫が良すぎる。
 しかし、ここで兵その1はある事に気がついた。
 「なあ……あの女、職業がハッカーとかいってたよな?」
 「ああ。それがどうした?」
 「まさかとは思うけど……あのメールのなんか変なもん添付されてないとも限らないぞ?」
 「あ。」

 ピンポンパンポン――
 <操縦モードをオートパイロットに変更しました。目的地はケビオスです。
 繰り返します。操縦モードをオートパイロットに変更しました。目的地はケビオスです。
 なお、オートパイロットは強制解除しようとすると自爆します。ご注意ください……>
 居間でそれを聞いたレクイエムは思わずお茶を吹き出したという。


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投稿時間:02/10/17(Thu) 21:07
投稿者名:シルフィード


ヒャンスについて書いときます。物語に直接関わってくるかどうかすら不明ですが(ぇ)

名前:ヒャンス
本名:劉 香淑。りゅう・ひゃんすと読みます。韓国系です(ぉ)
メールの差出人が「香り」を意味する「aroma」だったのはこういう理由からです(どういう理由?)
年齢:14
性別:女
職業:ハッカー
属性:neautral
武器:なし
一人称:わて
二人称:「自分」、相手が複数いる場合は「自分ら」
その他:幼い頃から空手をやっているので、自分の身くらいは守れます。ただ、メインはあくまで頭脳労働です。
 ハッカーだけあってノートパソコンをいつも持ち歩いています。因みに、そのパソコンにはなぜか「バイオハザード(某ゲームではなく、生物災害、という意味)」のシールが貼ってあります。
目的:今のところ、特にないですね…。ただ、他のキャラとの今後のかかわりによっては今後目的が生まれてくる可能性があります。

 なお、今回彼女がウイルスメールを送ったのはキャメラフリートの船だけではありません。数十のアドレスに送りつけてます。
 ケビオスの危機に焦り、助けを求めようとしてあちこちに例のメールを送ったようです……。

以前、「関西弁のキャラがいるといいね」という話が出たんで作ってみました。
カーヴィさんはリックに関西弁を使わせてましたけど、二重人格でもなく、操られてもいないのに途中から口調が変わるのは変だと思いましたので。

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投稿時間:02/10/16(Wed) 21:27
投稿者名:レクイエム


キャメラ・フリート所属機動殲滅艦・ファンタム。
レクイエムの私有物であり、キャメフリの一角を担う戦艦である。
黒一色に塗装された大きな戦艦は喧騒で満ちていた。

あの放送の原因が通信室だと見当をつけたレクイエムは、特に慌てた様子も見せず通信室に入った。
室内には通信兵が二人。
一方は、どうしよう、どうしようと言わんばかりにオロオロとし、もう一方は暗いオーラをまとい、うつむいていた。
どちらも、こちらに気づいた様子はない。
人工知能にしては、やけに感情豊かですね、などと思い見ていたレクイエムだが、
このままでは詳しい話を聞けないと思い直し、二人を現実に戻すことにする。
手じかに叩けるような壁はない。
頭を殴るのがオーソドックスだろうが、芸がない。
とりあえず、手持ちの拳銃で空砲を撃ってみることにした。
白衣の内ポケットから手製の9mm口径拳銃を抜き出し、銃口を天井に向けた。
そして、引き金を引いた。
パァン・・・
気の抜けた軽い音が通信室に響く。
「レ、レクイエム様!」
通信士の声。こっちに戻ってきたようだ。
「通信士。いったい何事です?」
「じ、実は・・・」
「レクイエム様、これを」
いまだオロオロしている相方に変わって、ずいぶんと冷静なもう一人の通信士が事の発端・・・ヒャンスのビデオメールを見せる。
出所不明のメールを勝手に開き、それが大多数に迷惑をかけたとなるとこの二人の通信士は処罰が確実である。
そして、片方はすでに処罰は免れぬ、とあきらめているようだ。
「ほぉ・・・なかなか大胆なことをするものです」
問題のビデオメールと、添え付けされたプログラムを見て、つぶやく。
プログラムは、船のメインコンピューターにアクセスし、データを書き換えるものだった。
古典的だが、有効なものである。
だが・・・
「しかし、送った相手が悪かったですね」
所詮はただのプログラム。パターンどおりにしか動けず、臨機応変な対応はできない。
そして、この船、ファンタムはそのパターンが通用しない相手だった。

ファンタムはレクイエムのハンドメイドであり、その半分以上がホロビタスターやメックアイで発掘された
ロストテクノロジーの遺産で構成されている。
無論、システムもだ。
古代の遺産は、今とは似て非なるものである。
ヒャンスのプログラムはよくできたものではあったが、
その道の専門者・・・それも、かなりの精通者くらいしか解明できないロストテクノロジーのプログラムを書き換えるなどは不可能であった。
だが、メインコンピュータが掌握されていないのに放送が流れたのはなぜか?
実は、ただ単に通信システムや音響設備は現代文明の産物・・・独立ユニットだったからである。
メインコンピュータは掌握できなかったが、通信システムの掌握はできたので、あの放送は流れたのだ。
「問題のメールの削除と通信設備の復旧を急いでください。あと、本部に今回のことの報告と、対策を講じるように連絡を」
「復旧後の我々の行動はいかがしますか?」
テキパキと指示を飛ばすレクイエムに通信士が今後の行動を問う。
「ここをほかのものに任せ、メックアイへ。私の管轄はメックアイですからね」
「あれ?改造百回記念パーティーに出席しなくていいんですか?」
「・・・改造百回記念パーティー?」
通信士の言葉に、初耳だ、と言った感じに返すレクイエム。
「ナイトメア様の改造百回記念パーティーが開かれるって聞いたんですが・・・」
「・・・は?パーティーなんてする資金の余裕はありませんし、第一、一桁くらいは間違ってますね」
「はぁ・・・(そんなに貧乏だったのかよ・・・)」
「とにかく、進路をメックアイへ」
「了解いたしました」


(ケビオスが大変なことに、ねぇ・・・何か気にかかるな。ダークスターで捕縛しておいたダークマターを偵察にでも使ってみますか)
二年程前、ダークスターで実験材料としてレクイエムが捉えた数匹ダークマターがいた。
何かの役に立つかも、と思い洗脳してとっておいたのだが、ついにそのときがきたようだ。
ちなみに、洗脳といっても夢見る者が心を塗り替えたとかではない。
一年半ほど前から、延々とナイトメアのプロモーションビデオを見せ続けたのだ。
今では、すっかり毒されてナイトメアの下僕状態である。
(いざとなったら自爆装置が発動するし・・・何か得られたら儲けものか)


―――約一時間後、漆黒の宇宙船はメックアイへの航行を開始した。

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投稿時間:02/10/17(Thu) 01:09
投稿者名:ひでぶ


シャボンの雨により、再び防戦一方となったハインの姿を、透き通った
琥珀が映し出している。広間に集まっているレモン達は、戦いの現状を
眺めてはしゃぎ出した。
「お兄さん、手出しできてないじゃん。終わりかな、そろそろ」
からかうように言ったレモンの言葉に初流乃は反応せず、相変わらず
琥珀を見たままであった。スラリンも少し彼女の言葉にむっとしたものの、
特にどうとするわけでもない。



目の前に黒い光の珠を浮かべたまま、ハインは無数のシャボン玉を
相手にその身を翻している。東の言った通り、かわそうが壊そうが、
次々に新しいシャボンが襲ってくる。逃げ場が無い。

「1つ聞こうか」
ハインが電撃のシャボンを避けた時、おもむろに口を開けた。
「目的はなんだ。何の為にこんなことをする?」
「薔薇に言ってるの?オレに言ってるの?」
楼蘭でまた十数個のシャボンを作り、東はそれを彼のもとへ。
「ま、いいや……オレは、あんたと遊びたいから。薔薇は、男の子が
嫌いだから。どっちにしろ、殺すのは分かっているよね」
「私は最終の目的を知りたいのだ。今のことではない」

手を止めずに、東は考えた。
「ん〜、分からない。とりあえず、楽しく遊びたいからね。とりあえず、
この世界、全部遊び場にすることかな」
黙るハインを見つめて、彼女は続ける。
「でもね、どこかから来てくれる『たね』が、薔薇も、オレ達ももっと
幸せにしてくれるんだって。……オレ達はそれも待ってる」

魔道で多くのシャボンが掻き消されたのを見て、急いで東は
新しいそれを作り出す。今までの数のおよそ二倍。
「『たね』が来てくれるまでは、何も考えないで遊んどく。男の子からは
血をもらって、女の子は友達になってね」
「『種』が現れなければ、どうする気だ?」

……問いの刹那、東の瞳の色に、いっそう濃い緑が色づいた。

「……ニンゲンてさ、面白いよね。男の子と女の子、どっちも、
ココロもカラダも脆いんだモン。遊ぶのが楽しいよ。楽しいから。
……来ないとしたら、このままミンナ、ワタシの遊び道具にするよ?」

そう言い放った東を、いや、優越の薔薇を、ハインは鋭く睨みつけた。
暗緑色の瞳は一瞬ハッと見開かれたが、すぐさま睨んでくる相手に
視線を返し、笑う。
「疲れてきたでしょ……楽になれば?」

百近くの特異操作の泡が、一斉にハインに襲い掛かった。



琥珀の広間にて、同じ時にそれを眺めていた薔薇に冒された者達が
大笑いする。
「やった、やったー!!」
「『ざまあみろ』ってやつです〜!!」
「東の敵じゃなかったにゃ〜」
レモンが振り返り、冷たく笑った。
「初流乃君、スラリン君、残念だったね。……血はもらうよ♪」

しかし、未だに初流乃は琥珀を眺めていた。泡の破裂が巻き起こした
土埃しか映っていない、その場所を。……彼は言った。
「あそこにいる貴女達の仲間は、今の貴女達と同じ気分でしょうか?」
「当然でしょ♪だって、あのお兄さんを……っ!?」

琥珀の中の、その土埃の中から、人影が現れた。



「何だってんだ一体……?」
着地した場所は木の枝の上だった。λはシャボンの群れの爆発を避けて、
無我夢中で跳躍したのだ。爆発後の土埃は、まだ収まってはいない。
「あいつは……あの男は無事だろうか?」
全く視界の無いその中で、λは目を凝らした。やはり、まるで見えない。

そんな折。

「我、追憶の刻より築かれし大いなる魔呪の言の葉を告ぐ。
……言の葉は、普く精霊の怒り」
響く言葉と共に、土埃がその場から取り払われた。
ハインも、女も生きている。

「何で……何で生きてるの!?」
東が『遊んで』いた男は、確かに無傷ではない。額から血を流し、
身に纏ったものも所々破けている。露出した両腕などは、火傷により
醜く腫れ上がっている部分もある。しかし、男は死してはいない。
男は、立っている。

「何でさ!!」
叫びのままに作り出した巨大な泡は、男に直撃した。が、男は倒れない。

「統合せしは数多を生み出す創造の象徴。転じて、数多を滅ぼす
終焉の象徴。汝に与えるは、其の祝詞、其の宣告。
……天命と知り、此れを受け入れるがいい」

闇の師の目前にあった黒き珠は、いつしか大きな印へと姿を変えていた。
その黒き印から、同色の業火が暴れるかの如く吹き上がっている。

神術。実に数年ぶりとなる。魔道の中でも絶対神から授けられたこれの
詠唱は、その神の力を讃美しているものと変わらず、絶対神への忠誠を
誓うことができなくなったハインは、使うのを拒んでいた。これを使う
ことは、神の力には抗えないことに自ら屈服するようなものである。
それだから、ハインは神術を封印していた。

しかし。
初流乃の存在が強大なものになっていくにつれ、ハインは彼が絶対神すら
関与できない者であることを確信した。あれですら止めることが不可能
ならば、もはや私がくだらない意地を持っている必要は無い。
……利用できるものは、利用する。その思いのまま、スラリンにそれを
学ばせ、自らも唱えることを決した。

「い……いい加減にしろぉぉお!!」
更に更に巨大で、厳めしい電撃を纏ったシャボンが、ハインを襲う。

―礼を言う、絶対神。貴方の力はやはり偉大だ。

<……ユニオン・フレア>

吹き上がった漆黒の炎が、ハインの両脇へと、瞬間的に燃え上がる。
2つの炎は彼を包み込み、そして、背の中心から再び外側へと向かった。
まるで黒き翼を広げる、堕天使を象るように。

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投稿時間:02/10/20(Sun) 09:10
投稿者名:St@Na


しばらくして。
カービィ達は今後のことを考えていた。
「とりあえず初流乃を倒せばリボンが戻って来るんじゃないか・・・?」
「でも、今どこにいるか知らないし」
「ちょっと待って。宇宙に出た目的は02をおびき寄せるためじゃなかったっけ?」
アドレーヌのその一言ではっとする。
「おい・・・・・後ろにダークマターがいるぞ・・・・・」
「!!!」

バキドシャゲシッ!!!
当然、ダークマターの負け。

メックアイへの航路。
ファンタムにいたレクイエムは、ダークマターからの通信を受けた。
「一部やられました・・・・・・」
「カービィと鉢合わせしましたか・・・ではなるべくカービィは避けなさい」


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