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Another story of Kirby 第二部 [42]



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投稿時間:02/10/23(Wed) 01:12
投稿者名:ハガネカービィ

シルフィードさんの記事を削除させていただきました。
削除理由は下にいろいろ書いておきますが、主に「メインキャラの優先権」と解釈してくださって良いです。
なので、ちゃんと三役の、ひでぶさん、yuletearさんに許可を頂いています。
(ゲームの番人中西さんは風邪のようなので、今回は省略させていただきました)
・・・・それにしても、この権利で記事を消す人ってかなり少ないような・・・・我侭だな、自分。(苦笑)
なお、冒頭のレクイエムの部分だけ残しても良かったのですが、
このまま話を進めると再びナイトメア側ばかり進みそうなので、一緒に削除させていただきました。

さて、削除理由を箇条書き+補足の形式で書いていきます。記事の文章の順番です。
何だか重箱の隅をつつくような理由が列挙されていますが、間違ってもいないと思います。
勢いで書いているので自分のキャラ中心&結構偉そうな感じですが・・・・ご了承下さい。

・セツの一人称
  「僕」となっているようですが、セツの一人称は「私」です。
  他のキャラなら気が動転していて素が出た、という解釈もありなのですが、
  いくら個性派でもセツは雑魚ダークマターの出身です。基本が「私」なんです。
  一部で「俺」が出てきましたが、あれはあの時も書いたように、気合を入れるためです。

  一人称の間違いは、一見些細なことのようですが、かなり大きいとハガカは思います。
  キャラの設定の最も基礎の一つを理解していない、とも取れますから。
  それにこれだけ多く出てくると、この先一人称が勘違いされてしまう恐れもありますしね。
  シルフィードさんは話を書くのは上手ですが、設定を見逃していることが少し多い気がします。
  セツがぜぼしん「さん」と呼ぶこともありえませんし・・・(ぜぼしん様、です)。
  気をつけるようにするとかなり良くなると思いますよ。

・ぜぼしんの血
  密かに一番問題がありそうなのがこれです。
  「ぜぼしんのさまざまな感情を持った涙――安堵、自責、そして喜び――が、セツの体を――吐血とともに――濡らす。」
  とありますが、血がかかったらセツが溶けてしまします(苦笑)
  まぁ、今までの記事での感じからして微量で全てを溶かすことはなさそうですけれど、
  この様子だと危険ですよね。

・「大切な人」
  きちんと書かなかったかもしれないのでこれを主張するのはどうかとも思いますが、一応書いておくと、
  こういう人は基本的に居るわけがないんです。
  セツはダークスターで作られ、その後ちょっとしたことがあってぜぼしんに忠誠を尽くすようになり、
  そのまま02軍に加わりました。
  第二部までの間に時間はありましたけど、セツがずっと修行していたこともあり、
  これだけの深い関係の人間が現れるほどの時間ではなかったと思います。
  体の方の知人だとしたら、知り合いの体を乗っ取るダークマターを助けるのも変な話ですしね。
  丁度良いので書いておきますが、セツは体を基本的に一方的に乗っ取っているので、
  体の方の意思は常に封印状態にあり、しかもソルビィと違って気を失っているような感じなので、
  あまりセツと親しくすることはありません(というか出来ません)。追い出すこともありません。
  この辺については本編、もしくはサイドストーリーででも詳しく書きます。
  削っても良いとは書いてありますが、ちょっと削るだけではそちらには持っていけないので・・・すみません。

・セツ
  「セツ」と「僕」で書き分けられているようですが、「セツ」こそが(強いて言えば)ダークマターの方の名前であり、
  この文章だと復活後のセツが、体の方の意識に戻ったようになってしまいます。

・St@Naさんの記事との矛盾
  セツが復活したSt@Naさんの記事では、セツは「一瞬目の前が真っ白になったような気がした」
  「次の瞬間、ぜぼしん達が周りにいた・・・。」となっています。
  なので、精神世界でいろいろとやりとりをする時間は無かったのではないでしょうか。
  なお、このかなりいきなりな復活はハガカがそのうち利用させていただこうかと思います(何)。
  
・ぜぼしん達
  ぜぼしん達は現在命令無視状態の上、ぜぼしんは未だな〜ビィ達を助けておらず、
  いきなり「他の部隊」が絡むような作戦会議は無いのではないかと思います。


以上です。長々と失礼しました。


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投稿時間:02/10/22(Tue) 22:49
投稿者名:ソルビィ


「…海の向こうで火の手が上がった?」
辺りの警戒にあたっていた柳の報告にディーラは首をかしげた。

…その前に、今の状況を説明しておこう。
あれからもう、1時間が経った。海星はいまだ慧美の前で真剣に何かを行っている様子。
ディーラ達は簡易キャンプを設置し、そこでメタナイト達の到着を待つことにしていた。
そして、辺りを警備していた柳をグリルは、
海の向こう側で爆音と共に何かが燃えるのを目にしたのだった。

「…はい、しかも…」
「?」
「その方向に、島があるみたいなんです。それもメタナイトさんにもらった地図にはのってない島が…。」
ディーラはハッとなった。そして、無言で立ち上がった。
「…マルク、こい。」
「な…何なのサ?」
「…柳、メタナイト達が来たらこう伝えておいてくれ、日没までには基地に戻るってな。」
「ど、どこへ行く気なんですか!?」
「やっと尻尾を掴んだんだ…ルックグリーンに行ってくる。」

「3年ぶりに…な。」
ディーラはマルクを抱えた状態で空間転移の印を結んだ。



場所は変わる。グレープガーデンからそう遠くはない位置にある塔「バタービルディング」。
ヨーグルトヤードと同じく、ナイトメアがプププランドを襲撃しようとしたさい、
デデデ大王が要所の一つとした場所である。

デデデ大王は今、その黄昏色の外壁を持つ塔に訪れていた。
ここの主であるMr.シャインとMr.ブライトと話をするためだ。
しかし…
「なんでお前等がついてくるんだよ。」
デデデ大王は振り返って一言、言った。
「観光♪」
「材料調達。」
二人―季節風とシルト―の返答はこれだった。
もちろん、二人の頭にはデデデのハンマーが直撃する。
「だからなんでそんなことのために俺様についてくるんだ!!」
デデデはカンカンだ。頭から湯気が出てる。

が、既に二人はその場から消えていた。。

「…もういい。こっちの用が片付いたら放送で呼び出す。」
デデデは一人溜息をついた。



――ルックグリーン。
植物は皆、焼き払われてただの炭と化す。そして、辺りは黒煙につつまれていた。
満身創痍の黒衣の男が一人、煙の奥を睨みつける。
「…まさか、耐えぬくとはな。」
そう、呟くと煙の奥から、人影が現れる。

東は自らを泡に包み込み、煉獄の炎から身を守っていたらしい。
「あは…まだ…まだだ……ぜ……。」
満身創痍の少女は再び楼蘭を構えなおした。


(…さすが、ゼボン親衛隊長がかまっていただけのことはある。
 たいした力…が、さらに驚異的なのは優越の薔薇の能力…。
 寄生した相手の能力を改竄、そして増幅…か。)

「…おもしろい。」


同日同刻、最深部・琥珀の広間。
その空間は不穏な空気に満ちている。
狂気と緊張が入り混じった難とも説明のしがたい空気が。
「…まだ、勝負はわかんないもんね!!」
「そのようですね。」
子供の様に膨れっ面をしたレモンにたいして、初流乃は軽く微笑む。
その余裕はさらにレモン達を不機嫌にさせた。

そんな時。
「レモォォォン!!!!!!」

ガシャアァン!!

一部の琥珀が音を立てて砕ける。
そしてそこに…翼を生やした金髪の青年が仰向けの状態で倒れている。
…ディーラだ。マルクも目を回した状態でその場に転がっている。
「いっつつ…昔の構造から当て勘でやったが…地点が微妙にずれたか。着地失敗…。」

「……マジ?」
「ディーラさん…。」
「………………」
少女達は皆、怪訝な顔でディーラ見つめ、スラリンは何があったか理解しきれず唖然とする。
初流乃だけが何事も無かったかのように涼しく中央の琥珀を見ている。

ディーラは体を起こし、辺りを見まわす。
…そして、銀髪の少年を見つけるなり、大剣を突き付ける。

「てめぇが噂の空の番人…か。ここに何しにきた。」
「その言葉、そのまま僕が返したいのですが。」

「…レモンに、手を出すな。」

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投稿時間:02/10/23(Wed) 03:18
投稿者名:ひでぶ


この突然の状況をまともに受け入れているのは、それを作り出した
張本人と空の番人。薔薇の使い達もスラリンも、呆然として動かない。

「……」
初流乃はディーラの瞳を探った。通常の人間が放つことのない光が、
彼のそれに宿っている。初流乃は、光の正体が何であるか予想づいた。
薄手のグローブを嵌めた左手で、胸の辺りを強く抑える。

法衣ごしに、その部分に光が溢れた。

「ッつ!!」
ディーラは激痛を覚え、右手の甲を抑えた。痛みがひいてから
ゆっくり左手を放すと、滲んだ血がたちまち流れる。
彼は銀髪の少年を睨んだ。傷口が象った徴、烙印をみて、すぐさま。

「僕には烙印は無いのですが」
と、初流乃。
「神から授けられた力を持つ者とはちゃんと共鳴しあえるんです。
……天空の司祭。本来神界を守るはずの役目が、まさか生命界で
啓示を受けているとはね。調べるのを怠っていました」

歯を食いしばると、血の流れる右手を振りかざし、魔法陣を作り上げ、
そのままディーラは印を刻み、炎の魔道を唱える。が、発動を試みた
瞬間に、彼を空間壁が囲んだ。
「ぐあああ……!!」
魔道は空間壁の外へと出ることはなく、ディーラは自らが放った
炎に包み込まれた。赤々と燃え上がる炎を眺め、薔薇の者達も
スラリンも我に返る。

「に゛ゃー!うちらを放っておいて戦うにゃ!!」
「来てくれた男の人からは血をもらうんです〜、無駄に
流さないでください〜!」

鎌を取り出して加勢しようとするスラリンに片手をかざして
制止をかけ、薔薇の使いの少女達の言葉に、「すぐに済みますから」と
短く答えると、初流乃は炎に囲まれたディーラをじっと眺める
レモンの方を見やって、笑う。

「ディーラさん、暫く自分の魔力の暴発に巻き込まれていてください」
彼のほうには目線すら向けずにそう言い、初流乃はマルクに
歩み寄った。たった今起きたマルクが、向かってくる少年を
見てはっとする。ダークスター以来の再会となる2人だが、
もちろん今はその時のような関係ではない。
「な、なんなのサ!?」
正直マルクは舌を巻いていた。ダークスターを創り、ゼロの配下に
加わった頃の空の番人と、明らかに別人だ。闇の力の絶対量が、
遥かに増している。
「お久しぶりです、マルクさん」
そう屈託無く笑う初流乃の面影は、2年前と重ね合わすことができるが。
その2年前と同じように悪態をつくことができない。マルクは、唾を
飲み込んだ。

マルクの眼を銀髪の少年が見据える。
「願わくば、今は『賭け』の最中なんです。邪魔をしないでいただきたい」
眼光を直視してしまったマルクが、ぺたんとそこに座り込む。
それを見て、初流乃は微笑んで頷いた。

と。
遠隔操作の空間壁が解け、炎から解放されたディーラが、初流乃に
向かって剣を振り下ろした。

がぁぁんっ……
重量のある剣を、ディーラは渾身の力で振り下ろしたはずだった。
炎に巻かれている間に、魔道の力を再び眠らせて、腕力のある身体に
戻ったはずだった。……剣は、初流乃の左手が受け止めている。

―バカな。

どれだけ力を込めても、初流乃のうっすらと輝く左手は動かない。
幅も厚みもある刀身に指を添え、少年は少しずつ力を込める。
「やめましょう、もう」
ばきばきと音をたて、ディーラの大剣に5つ、穴が空いた。
初流乃がそのまま拳を作り、腕を思いきり振る。柄を握っていた
ディーラの諸手がすっぽ抜けて、長身の戦士は琥珀の壁に勢いよく
叩きつけられた。その場で、尚もディーラは初流乃を睨む。

その光景を見て、何だか残念がり、はしゃぐ薔薇の使い達。
どうやら薔薇の使い達は、考えを変え、この戦いを楽しむつもりらしい。
だが、1人。……レモンは仲間達の中でわなわなと震え出した。

無言で首を横に振り、すぐに初流乃がディーラの大剣を投げつけた。
一直線に飛んだそれが、ディーラの頭部の右隣りぎりぎりに突き刺さる。
口元で笑みを作って、眼を笑わせていない状態で、初流乃は片手首を
内側へと捻る。怒りのままにディーラは自分の剣を無理矢理引き抜き、
初流乃に飛びかかりもう一度振り下ろした。今度もまた、左手で捌かれる。
返す刀に力が入らないディーラの顔、間近に、大剣を捌いた手が、
吸い付くように接近し、そして。

闇の波動がディーラをもみくちゃにして吹き飛ばした。

何度か跳ねとんで、琥珀の広間の床に伏したディーラ。
最後の滑りで、ちょうど薔薇の使いである者達の所に着く。
慌てて散る薔薇の使いの面々の中、ただ1人動かない者がいた。

「……あ……ああ……」
声にならない声を出し、何か困った表情で自分を見下ろす
その少女に、彼はうめくような声で、話し掛ける。
「いい加減……あの頃のお前に戻ってくれ」

薔薇に染まって、それでも輝く黄の髪を持つ少女に、彼は手を
差し伸べた。レモンはそのまま、彼の手を握る。
冷く、鈍かった、その少女の身体の血のめぐりが、少しずつ、鼓動と共に
温かく、早くなっていく。





―なんだろう、このあったかいの。



―こんなあったかさ、久しぶりだな。





―よく分からないけど、すごく嬉しいな……。


―ずっと持っていたいな。






『……レモン……
   ……レモン……ネェ、レモン……』



―誰……?



『ワタシハ、アナタ……
   ……ダレヨリモ、アナタニ近イ存在……』



―わた、し?



『ソウ、アナタ……
   ……アナタガ、自分ノ命ヲナクシタ時……
    ……ワタシハ、アナタニ命ヲ与エテアゲタモノ……
     ソシテ……アナタノ傍ニズットイルモノ……』




『ソレナノニ……
   ……ネェ、ソレナノニ……』




『アナタハ……ワタシヲ捨テテシマウノ?』



―私が、あなたを捨てる?



『ワタシヲ捨テテ、アノオトコノヒトト、ドコカヘイッチャウンデショ?』



『ソンナノ……イヤダ……』



『ソンナノ……イヤダ!!』



『アナタハ……』



―ワタシのモノ。

       

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投稿時間:02/10/23(Wed) 04:49
投稿者名:yuletear


……ドクンッ―――


緑の島が大きく揺れた。
否、大きな鼓動の感覚だけを、島に居る者達が感じただけだったかも知れない。

『ワタサナイ……』

小さな子供のような、そうでないような、
女とも男ともつかない声がその場に居た全員の頭に響いた。

『ワタサナイ。ワタシノモノダヨ!ゼッタイニ ワタサナイッ……!!』

薔薇の叫び。
自らを支配している核の叫びに、薔薇の使い達は少なからず苦痛を浮かべる。

レモンはディーラの手を握ったまま、青ざめた表情で虚空を見つめている。
「レモン……?」
傷だらけの身体に鞭打つように、ディーラは起き上がろうとする。

『レモン モ ミンナ モ…ワタシノモノ。
ドコカニイッチャウナンテ、ソンナノイヤダ………!!
ドコカニ ツレテッチャウモノ ナンテ、ナクナレ!!』

辺りが薔薇の香りに一層濃く包まれる。
苦しんでいた薔薇の使い達だが、瞳の緑がより濃くなると同時に、
その表情を恍惚としたものへと変化させていた。
………一人を除いて。


「きゃああぁぁっっ!!」
「レモン!?」
レモンは片手で頭を押さえながら悲鳴を上げた。
それでもディーラの手をしっかりと握りしめている。

『コレ ガ ジャマナノネ、レモン。
イイヨ、ワタシガ コレヲドコカニ ステテアゲル。』

地面から数本の茨が伸びディーラの腕に巻きつく。
「ぐっ…!!」
だが、ディーラは力を込め、レモンの手をきつく握り締めた。
「レモン!あの頃のお前に…あの頃のお前に戻ってくれ!!」

ポタッ…
レモンの瞳から零れた涙が地表を濡らす。
その色は、血色ではなく………透明な、涙。
「……ディーラ………?」
レモンは、幼いが、昔の表情でディーラの名を呼んだ。
「レモン…お前…」

『イッチャヤダ!ソンナノヤダ!!』

茨が伸び、レモンの腕を捕らえた。
ギリギリと締め上げ、繋いだその手を解こうとする。
しかし、二人は離れない。

『ワタシカラ、ミンナヲウバウモノハ…
ゼンブ、ゼンブ ナクナッチャエ!!
ネェ…ミンナハ ドコニモイカナイデショ?
ワタシヲ ステテイカナイデショウ?!』

ドクンッ…ドクンッ……!!

鼓動の音が大きくなる。
地表からはさっきよりも多くの茨が現れ、うごめく。
呆然とその光景を見守っていたスラリンは、
自らを捕らえんとする茨に気づき、慌ててそれをかわした。
同じく呆然としていたマルクは やや遅れて動き出したが、
茨に捕まってしまい、琥珀の間の壁に縛り上げられていた。
「痛い!なんなのサ!?」
マルクの悲痛な声も虚しく、茨はマルクを逃さんと物凄い力で絡みつく。


『イカナイデ イカナイデ……!ワタシヲ ステナイデェ!!!』
一際 大きな震動………薔薇は叫び続けていた。


「薔薇は思ったよりも落ちつきが無いんですね…。」
一人、中央の琥珀に目をやったまま初流乃は、さも困ったかように微笑んだ。

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投稿時間:02/10/23(Wed) 14:42
投稿者名:ぽ〜すけ


「ワタシハ…!ワタシハ……!!」
薔薇の声はここで途切れた。
同時にマルクを締め付けていた茨も力を失い、マルクはその場へ転がり落ちた。
それを待っていたかのようにほかの茨も次々とその場へ崩れ落ちる。
レモンを除いた薔薇の使者も電池の切れた玩具の様にその場へ倒れこむ。



「…………?」
λが不思議そうな顔で倒れこんだ東を見ている。
「どうしたんだ?コイツ。」
「さあな…。」
ハインがまだ戦い足りなかったのか、少々悔しそうにいう。
「まぁ何はともあれ結果オーライってとこだな。」
λが先ほどの揺れの中心とは逆方向の茂みを掻き分ける。
すると……
「おぉっ!海じゃねェか!」
「?…それがどうした?」
ハインが尋ねる。
「海をたどれば俺が乗ってきた小型機が見つかる!……ハズだ!」
λが嬉々としてまた口をあける。
「じゃ、スマンが俺はよるところがあるからここでお去らばだ。無事を祈る。」
『人手を見つけたら助けてやるはずのガキ』の事を忘れてλは自分の小型機目指して走り去っていってしまった。



「…………は?」
バタービルディングで口をぽかんと開けるのはデデデ大王。
MrブライトとMrシャインからとんでもない事を聞いてしまった彼は開いた口が塞がらない。
滑稽とも言えるその姿にブライトは思わす吹き出す。

自分を笑ったブライトを散々怒鳴りつけ、デデデ大王は二人が話したことを整理し始めた。



1年前、シャインがおかしな物を見つけた。
薔薇の花弁だ。
それのどこかに魅せられたシャインはその花弁をいつしか持ち保管するようになった。

しかし気付くべきだった。
ここ数年、誰の訪問者もなかったはずの屋上に植えていないはずの花弁があることに。
しかも冬に落ちているわけがないということに。

小さな木箱に入れられてた花弁は段々黒ずんできた。
おかしいとおもったシャインはブライトに見てもらうことにする。
ブライトに説明しながら木箱を開け、中を見せる。
「気持ち悪いものを見せるな」と言われ、中をのぞいてみるとそこにあるのは血を抜かれた鼠の屍骸だった。
そして薔薇だけが何事もなかったかのようにそこにある。

『血吸い薔薇』なんて聞いたこともない。
シャインは気味が悪くなりそれを破り捨てた。
バラバラになった花弁は風に流されどこかへ飛んでいった……。



「くそ…シャインの奴…ちゃんと風向きを考えて捨てろ…」
血を吸う花弁の呪いで我が城が潰れたのではないかという思考を巡らせているとシルトがやってきた。
「どうしたんだ?そんな暗い顔して。」
「……なんでもない。」
それから何をいっても口を利かないので自分が悪いことでもしたのかと首を傾げてどこかへいった。

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投稿時間:02/10/23(Wed) 19:16
投稿者名:ひでぶ


ディーラと、レモンの手が、離れた。
目の前の光景に信じることができずに、ディーラは力をなくす。
からだの自由がきくマルクもまた、唖然とし、目を丸くしている。

初流乃が、唇を重ね合わせているのだ。
レモンに。……いや、優越の薔薇に。

少年の行動に、薔薇は驚き、棘を伸び上がらせた。
一番近き者と呼ぶレモンの唇から、少年の闇の意志が、薔薇に伝わる。
意志は薔薇を包み込み、棘が、ゆっくりと萎え出した。

そして。
優越の薔薇は理解した。

『闇ノ、種子……?』

そっと唇を離し、微笑みのまま薔薇に語りかける。
「失うものなど貴女には、ない。
これから、貴女は全てを手に入れるのだから」

レモンの瞳が、あの緑色に戻る。
そして冷たい笑みがもう一度、その表情に浮かんだ。



この日、この時間を機に。
ポップスターに根を張らせた謎の怪奇植物が、
めっきりと猛威を振るうことがなくなった。

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