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Another story of Kirby 第二部 [44]



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投稿時間:02/12/03(Tue) 00:44
投稿者名:ゲームの番人中西@時の刺客


大彗星ノヴァは、ブルブルスターへと向かっていた。
「………」
コーヒーを飲みながら、番人は食堂らしき場所に座っていた。
前には店のカウンターのような物がある。
ここで店でも開いていたのだろうか?
後ろの方ではカービィ達が騒いでいる。
その時、ずぃっと番人の前に酒が出される。
ターツだ。
「一杯どうだ〜?」
「…酒飲むなよな…。」
「俺の酒が飲めないのかァ!?」
「一人で飲んでろ。」
「寂しい奴だな。」
「あのなあ。」



…ノヴァの通路にて。
「…無事でいるのか…?」
ディッセはノヴァの窓から果てなく続く宇宙を見ていた。
じっとしていられず、素振りを始める。
10…20…30…。
回数がどんどん増えていく。
「そんなにやってると、着く頃にはバテちゃうよ?」
「っと!!」
いきなり声をかけられ、驚いて床に剣の刃が着きそうになる。
振り向くと、そこにはアドレーヌの姿があった。
「アドか…。」
「お疲れ!」
と言いつつ、渡されたのはタオル。
「サンキュー。」
剣を鞘に戻し、タオルで汗を拭く。
「じっとしてられないんだ。…気がかりで。」
そう呟き、ディッセは飲み物が売っている自動販売機が食堂にある事に気づく。
「飲み物買ってくる。」
と言って、ディッセは食堂の方へ歩いて行った。

「気がかりでじっとしてられない、か…。
ラディエルもそう思ってるのかな…?」
アドレーヌは独り、呟いた。

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投稿時間:02/12/05(Thu) 18:23
投稿者名:St@Na


「・・・・・ソルビィは、襲われたりしていないだろうか」
「わかる訳ないだろ。安否を確認するのが目的じゃないのか?」
ターツと時の番人は口論(?)している。

「・・・やっぱり、この前がわからないと・・・『結ばれたいのに、結ばれぬ存在』・・・・・・!?
・・・まさか、これ以外にもノヴァの中に何か隠し部屋がある・・・?
・・・ターツさんが行ったらしいところが怪しいな・・・」
そう思ったカビラスは、ターツに詳細を聞きに行った。

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投稿時間:02/12/06(Fri) 03:20
投稿者名:ひでぶ


ターツは「食堂へ行ってみる」と言っていた。

もはや『ノヴァまにゅある』を持って内部を駆けまわるのが習慣となった
カビラスにとって、食堂の位置は頭に入っていたのだが。

「……っ!?」
この時ばかりは、メンバーの中でノヴァを一番知っているはずの彼も
さすがに面喰らった。

その食堂とやらに確かにターツはいた。他にも、この宇宙パーティの
メンバーが何人かいる。それで、ターツといえばどこから持ってきたのか
まだたっぷりと入った酒瓶に口をつけそのままごくごくと飲んでいるのだが、
それはどうでもいいとして。

カビラスの位置、すなわち食堂の入り口から見て、ターツの真後ろ。
カウンターの奥に、何かいる。

実体のはっきりしないエメラルド色のそれが、大きな鍋で何やらを
煮込んでいる。それだけじゃない。そのエメラルド色は一匹(?)では
なく、たくさんのそれらがまな板の上の魚をさばいていたり、フライパンで
飯を炒めたりしている。

―何だ……何者なんだ?

カビラスは震えが止まらなくなった。

そして、間もなく彼に、酔っ払いのターツが気がついた。
「おお……カビラスじゃないか。お前も飲みに来たのか?」
言葉がうまく出ない口をぱくぱくさせて、カビラスはそれらの方に指をさす。

振り向くターツ。
「……ん?」
彼もまたカウンターの奥の何かに気づいたようだ。
ゆっくり近寄ってみる。すると、エメラルド色の一匹(?)がこちらに
やってきて、皿に盛った料理……海鮮炒飯をカウンターの台に置いた。

―さすがに飲み過ぎたかな。

炒飯を覗き込むターツ。しかし、この匂い、どこか故郷の海を思わせる。
スプーンが近くの食器棚にあったので、何となく食べてみた。
一噛み、二噛み……。

ほぐれるホタテ。噛めば噛むほど飽きないイカの切り身。
究極の炒め具合の飯。冴え渡るがどこか抑えの効いた塩味。
「美味ぇぇえ!!」

叫ぶターツにここにいた宇宙メンバー全員が戦慄した。
そして、同時に彼らもエメラルド色の謎の生命体に気づく。
悠久の剣を抜き放つ番人。身構えるカービィ。

「何だこいつら、ゼロツーの手下か!?」
「そんな、ノヴァの中にまで入ってくるなんて!」
「きっとできる!皆さん、油断は禁物ですよ!!」

なんてパーティの面々が鬼気迫る表情をしていると、エメラルド色が
次々と料理を運んできた。ハンバーグ定食であったり、ロールキャベツで
あったり、ラーメンであったり、チーズフォンデュであったり。

パーティ一同、これらを食べてターツと同じようなリアクションをとった。

彼らエメラルド色の謎の生命体は、ポップスターでもよく見かける
プラズマウィスプという種族である。ゼロツーの手下ではなく、
どうやらノヴァの中で働いているらしい。
この騒動より、料理長らしいプラズマウィスプが奥から
やってきて教えてくれた。
ともかくこれが、ノヴァの住人とのファーストコンタクトとなった。

長い事ここで仕事をしているのなら、もしかしたら何か知っているかも。
そんな風に思い、カビラスは料理長に石板のことを尋ねる。
「ふむ。百年余りここで仕事をしているが、こんなものは初めて見た。
ノヴァの自販機から買ったって?」
「ああ、間違いない。そいつは俺がここで買ったんだ」
隣りで海鮮炒飯を食べながら、ターツが言った。
「むぅ……すまないね。こいつはちょっと私には分からない」

戻っていく料理長に礼をして、カビラスも席について
オムライスを食べ始めた。
「ん……おいしー」
「だよな。俺、ノヴァに永住してもいいかも。
……見たところ、この石板のことは手掛かり無しといったところか?」
「そうなんだ。ターツさん、ケビオスに行く前に入り込んだって
いう場所、連れていってくれませんか?何だか、そこがあやしい
気がするんです」
「あそこにか?そうだな……まぁ、『伝説』の件もあるし、
一段落ついたら調べようかとは思っていたからな。ま、とりあえず……」

ターツは空にすること3回目の炒飯の皿を持って席を立った。

「もうちょっと、飯を食ってからだな」

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投稿時間:02/12/08(Sun) 14:46
投稿者名:シルフィード


 一方、ポップスターでは……
 「あのー、みなさん。どうするんです?偵察隊の皆さんにはメタナイトが行くって言っちゃいましたけど、結局いけなくなってしまったし……」
 ピッチが困ったような口調で言う。通信をよこしてきた偵察隊に、「メタナイトをそっちに向かわせる」といってから、すでに丸一日以上がが経っていた。
 本来なら、私用で外に出ていたメタナイトが帰りに偵察隊が遭難したと思われるところへいって拾ってくる、という手はずになっていたのだが、
 「外せない用ができた。詳しいことは聞かないでくれ。必ず戻る」
 という通信をよこしたきり、メタナイトと連絡が取れなくなってしまったのだ。
 「何人か、代わりの捜索隊を派遣した方がいいかもしれませんね」
 エストがそれに答えた。
 「賛成ナゴ。んじゃあみんな、捜索隊の派遣に賛成な人は手ーあげてナゴ!」
 ナゴの声に、その場にいた全員が手―――あるいは羽―――あるいは体の他の一部――をあげた。
 「おし、決定だな。じゃあまず、捜索隊の中で飛べる奴、つまり治療さえすれば自力で帰ることもできる奴を洗い出していこう」
 「えーと、ディーラは羽があったよね。あとそれから……」
 「マルクさんに、グリルさんも飛べますね」
 季節風の言葉の後をグーイが引き継ぐ。
 「あと、竜轡も大丈夫かな?あいつも竜族だし。なーんだ、結構飛べる人多いじゃん」
 と、シルト。
 「ということは、飛べないのはメイスナイトと柳だけか」
 「いや、まだ他にもいるぞ」
 クーの言葉をさえぎって、それまでずっと黙っていたデデデが言った。
 「メイスナイトが言っていた、なんかカービィと同じ様に心を塗り替えられて、今はどういうわけか知らないけど気絶してる、って女」
 「ああ……そうすると飛べないのは3人か……。おまけに、その女は心を塗り替えられてるからな……厄介だな」
 クーは羽を組んで考え込んだ。
 「その点は大丈夫だよ」
 シルトが明朗な声で言った。
 「どうしてそういえるんだ?シルト」
 「だってオイラが通信の番をしていたとき、また偵察隊から通信が入って、やまもちって人と海星って人が加わった、っていってたし。
 で、その海星って人が、心を塗り替えられた女の人を何とかできるかもしれないんだって」
 ……全員の視線がいっせいにシルトに向いた。
 「……なんでそれを早く俺らに言わないんだ……」
 大王の怒気を含んだ声が、シルトの胸に突き刺さった。
 「い、いやぁ……。ごめん!忘れてたんだていうかそんな目で見ないでよ、ね?」
 「忘れてた、で済むか!何か通信が入ったら、全部報告しろって言っただろ!報告の義務を怠ったな!お前!
罰として、偵察隊の救助はお前一人で行ってこい!お前竜族の血が入ってるんだから飛べるんだろ!?
 竜化すれば背中に4〜5人は乗るだろ!?」
 「ええええええええええっ!?オイラ純血種じゃないからそんなにたくさん乗せらんないよ!」
 「……いちいちうるさい奴だな。とにかく救助はお前一人で行ってもらう。ただ、偵察隊を運びきれないと言うんなら、艦を一隻用意してやる。ちょっと待ってろ」

 それから二十分後。大量の砂ぼこりとともに一隻の艦が到着した。
 それは結構大きい……おそらく、偵察隊がのっていた艦の倍は余裕であるだろう。
 「来い、シルト」
 艦の中から、デデデ大王が呼んでいる。
 「あ〜あ、やっぱりオイラ一人なんだ……」
 シルトは落胆した面持ちで艦へ向かった。

 「サルベージ艦(墜落艦引き揚げ専用の艦)『スターオブホープ』。
 俺の国が所有する唯一のサルベージ艦だ。
 前3分の1が居住ブロック、後ろ3分の2が墜落艦収容ブロックだ。貨物ブロックもこの中に設けてある。
 サルベージに必要な工具の類もここだ。大型のものが多いからすぐに分かるだろう。
 戦闘用の艦ではないから、機動力などには多少難があるが……。ま、ちゃんと武器は装備してあるから安心しろ。
 明日の昼過ぎには戻って来い。必ずな。
 壊したら弁償だぞ。いいな?」
 「……はーい」

 数分後。
 サルベージ艦「スターオブホープ」は、竜族と時人の混血児を載せて、黄昏の中を偵察隊の捜索へと旅立った。

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投稿時間:02/12/16(Mon) 11:59
投稿者名:ひでぶ


現在発生していて消化されていないイベントをリスト化します。
ひでぶの独断と偏見で、イベント番号をつけさせていただきました。
これが若いほど先に消化すべきものと思われます。

01. ノヴァの石板(宇宙パーティ)
―ターツがノヴァ内部で見つけた、不思議な石板。
現在カビラスが解読中、かつ、これと同じような石板がノヴァの中に
まだいくつか存在するのではないかと、内部を探索中。
カビラスはターツが迷い込んだ謎の部屋があやしいとにらんでいる。

02. 偵察隊との合流(地上パーティ)
―メタナイト達は偵察隊と合流したのにも関わらず、「私用ができた」と
偵察隊を回収せずにどこかへ行ってしまう。デデデ大王は仕方無く
シルトを呼び寄せ、サルベージ艦『スターオブホープ』で偵察隊を
回収するよう頼んだ。

03. ブルブルスター(宇宙パーティ)
―ソルビィの安否を確認するために、一同はブルブルスターへ向かっている。
尚、ブルブルスターにはソルビィの他にまーびぃの姿も……。
この2人の合流は、戦力の大幅な増強になりえる。

04. 『アトランティス軍・地上部隊』の一掃(地上パーティ)
―ゼロツーの精鋭軍隊であるアトランティス軍は、現在ポップスター各地の
制圧に取り掛かっている。薔薇が鎮静された今、これを撃破するのが
地上パーティの最重要目的。

05. ゼロツーの撃破(宇宙パーティ)
―『ASOK -T2S-』における主人公達の、最も重要とされる目的。
もちろんここまで辿り着くには一筋縄ではいかないだろうし、
これをクリアしたとしても薔薇やキャメラが待っているそうな。
ともかく、これを消化することは物語に大きく関わる。

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投稿時間:02/12/18(Wed) 06:20
投稿者名:ひでぶ


「メタナイトさん達は別行動をとりましたけど、今、シルト君が
サルベージ艦に乗ってこっちに来てくれるみたいです」
メタナイト達に救護役としてつれてこられたエストが、
偵察隊の面々に、シルトとの通信の内容を伝える。
ヴイトールの破損にディーラとマルクの負傷。正直、偵察隊は
手痛いダメージを被っている。戦略的にも心情的にも、
ここは一度地上パーティの本隊と合流したいところだった。
「よかった……マルクとディーラさんもこれで一安心ね。
ここじゃどうしても安静にできなさそうだったから」
竜轡がそんな事を漏らして胸の辺りを撫で下ろす。

ちょうどその時、頭に包帯を巻いたマルクその人(?)が
会議用の大型テントの中にやってきた。
「救助が来るの?ふう、これで助かったのサ……」
マルクを見て、竜轡が慌てて駆け寄る。
「マルク!寝てなきゃダメだよ。怪我してるのに」
「ボクはそれほどでもないのサ。ディーラは初流乃とやりあったから、
ちょっと危ない気がするけれども」

マルクとディーラの身に一体何が起こったのか、知る由も無かった
偵察隊数人から、驚きと共に、ようやくかすかな納得が生まれた。
「『空の番人』と戦ったの!?道理であのディーラさんが……。
でも、一体何処で?」
竜轡の問いに、マルクは乱暴に答える。
「ルックグリーンに決まってるのサ!全く、あいつデタラメなのサ。
大した事無いと思っていたのに、いつの間にか凄く強くなってるし。
あいつがいるんなら、ルックグリーンなんて絶対に行かなかったのサ!」

「竜轡さん……初流乃っていう人物は一体?」
エストが、申し訳なさそうにそう尋ねた。
よくよく考えてみると、自分を始めとする古参のメンバーも、
大多数は話に聞いただけだし、新しく加わった仲間達も
絶対神の使いを務めている者でもない限り、あれの存在を容易に
理解することはできないだろう。

竜轡は初流乃のことを、知っている限りメンバーに話し始めた。



場面を変えて、メタナイト達。
彼らは今回、純粋にメタナイツの面子で隊を構成して動いている。
ハルバードのスケールを小隊用に小型化したようなジェット機……
名をハルベルトというが、その機内にてメタナイトは読書中である。

「あれ?メタナイト様。その本って……」
アックスナイトが不思議そうに、メタナイトの読む書物を眺める。
『二刀剣術指南書』と題名に記されたその本は、かなり重くて、分厚い。

「ぉ……?戦いのことでメタナイト様が本を読むなんて、珍しいですね」
ランサーナイトもそこにやってきて、予定やら現状やらが書かれた
正規の書類をメタナイトの机に置く。
「バカ。一流の剣士だからこそ、初心を忘れないんだよ。
メタナイト様は、二刀剣だってもちろん凄いんだぞ。
お前も基本は絶対に忘れちゃいけない。覚えとけよ」
「そうですね……アックス先輩達も本を読んでいるんでしょうね。
本ってちょっととっつきにくいけど、頑張ります」
「ま、まあな。……しっかり頑張れよ」

ランサーナイトが去っていくところを見届けてから、
アックスナイトがメタナイトに尋ねた。
「目標、アイスバーグの『めとろい洞』でしたよね……?
あの剣の封印を、ついに解くんですか?」
「ああ。もともと魔獣を倒すために造られた剣だが、
今のこの状況でも必ず強力な力となるに違いない」
「やっぱりあの剣を抜くんですね!」
アックスナイトがやや興奮気味に言う。
「すげえ……メタナイト様の本領発揮だ!
こうしちゃいられん。さっさと着かすように言ってきます」

「アックス」
走って出て行こうとする彼に、メタナイトが一言。
「本を読むことは戦いだけじゃなく、生きることそのものにも重要だ。
お前もちゃんと、本を読むように」
「は、はひ……」 

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投稿時間:02/12/18(Wed) 07:44
投稿者名:yuletear


「あ〜あ…もう、やんなっちゃうよホントに〜。」
(本人としては全く持って)理不尽な理由で、一人 偵察隊の回収に
向かう事となったシルトは、『スターオブホープ』の運転席でむくれている。
「まあ、誰かが迎えには行かなきゃいけないんだけどさ。」
彼も子供ではないので、いつまでもぶーたれていても仕方が無いと思う。
「メタナイトがどっか行っちゃうからだー!」
最後のぼやきで読書中のメタナイトがくしゃみをしたのはまた別の話。

「でもま、ゆっくりする時間がちょっとは出来たってことだよね。」
彼は席から立ち上がり、この時間を有効に使う事とした。
「せっかく見つかったっていうのに、ちっとも読んでる暇無かったし…
ちょうどいいや、読んじゃおー。」
おもむろに『ミスリル加工書』を取り出すと、艦内のプログラムを
オートモードに変え、有意義な読書を始めた。


やがて『スターオブホープ』は偵察隊の元へと到着した。
「皆 生きてるー?」
明るいシルトに対し、かの偵察隊一行の顔色はあまり思わしくない。
「ど、どうしちゃったの?もしかして…ヤバそうな人とか出てる?」
その様子に彼は慌てたが、竜轡は首を振った。
「大丈夫、マルクもディーラさんも無事よ。ディーラさんの怪我は
ちょっとひどいけど。…初流乃と戦ったって言うの。
だから、言い方は悪いけど、あれくらいで済んで良かったってとこかな。
幸い意識も戻ったしね。」
「あいつが居たの?!」
シルトが叫ぶ。
竜轡とシルトの横をマルクが通り過ぎながら言った。
「災難だったのサ。薔薇は痛いし…。」
マルクは荷物の一部を運びながら、『スターオブホープ』に乗りこんだ。

「シルトさん、竜轡さん。荷物の搬入も終わりました。
後はディーラさんを…。」
ややあって、エストがインカムを付けてやってきた。
どうやら既に乗りこんだメンバー、そして本隊と通信しながら作業をしているらしい。
「お昼までには帰って来いって言われてるんだ。
ディーラさん乗っけて、早く戻ろう。オイラ迎えに行って来るよ。」

ディーラが寝かされていた簡易ベッドは折りたたみ式で、
シルトがその場に着いた時には、危なげな手元でディーラが
それを片付け始めていた。
「ディーラさん!危ないよ、オイラがやるって!!」
シルトは慌てて駆け寄り、ディーラに肩を貸しながらベッドを畳んだ。
右肩でディーラを支え、左手に簡易ベッドを持ちながらシルトは
仲間達の待つ方へゆっくり進んだ。

「…悪ぃな。手間かけさせちまって。」
今まで無言だったディーラが小さく言った。
「…ねえ、ディーラさん。」
「なんだ?」
シルトは、同じくらい小さな声で言った。
「初流乃と、戦ったんだってね。」
「………あぁ。」
「一人じゃ、無茶だよ…。」
二人はそれきり、何も言わなかった。
『スターオブホープ』は静かに発進した。
数時間も経たずに本隊との合流を果たせるだろう。

俺は…また、レモンの手を………

医務室でその旨をディーラに伝えたシルトは、
部屋を出る瞬間、そんな言葉を聞いた気がした。

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