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Another story of Kirby 第二部 [47]



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投稿時間:03/01/07(Tue) 22:28
投稿者名:くるみ


空に浮かぶ、幻想的な都市。グレープガーデン。
古代プププ文明の遺産の上に、メタナイトたちの乗ったジェット機が着陸(雲?)した。
「おかえりなさ〜い。」
どことなく暗い顔のメタナイツたち(一人の目は心なしか赤い)を迎えたのは、ピッチとグーイ。
「皆さんは城のほうにいますよ。」
そういって、二人は遅れた仲間を案内し始める。ぞろぞろと、メタナイツたちは城に向かった。

グーイとピッチは、わき目もふらず歩いていく。何も気にしていないようなそぶりをしているが、
ランサーの事が気になるのがすぐにわかった。
二人が、メタナイトたちを気遣っている事も。
それに

メタナイトの機嫌が悪そうなのは冷たい仮面の下からもよく分かっちゃうし
アックスの目が赤いのもわかっちゃうし
他の全員も自分を責め悩んでいるようにも見えたし

それらが混ざりあっていて、なんだか緊迫した雰囲気だった。
「あの…」
「みんなは城にいるといっていたな。」
「あ、はい。クラッコさんの家なんですけど、今はコクラッコさんがいます。クラッコさんは他の所に。
気持ちだけですがカモフラージュだとデデデさんが言っていました。」
「そうか。」
「…………;」
また、重苦しい沈黙だあたりを包んだ。

グレープガーデンにそびえる大きな城は、このあたりを制する雲、
クラッコと、その子供、コクラッコが住んでいる。
雲の上とはいえ、少々目立つので、星の戦士の仲間たちはせっせと雲で覆い隠し
、もうひとつの城にさもいるかのようにクラッコを見張りに立たせていた。
これでアトランティス軍の目をあざむけられる訳はないが、
それでも、少しでも何かしていないときがすまなかったのだ。

モクモクとそびえる、多少いびつな入道雲に突っ込むかのように、メタナイトたちは城に入っていった。

「メタナイトっ。」
「遅かったじゃん。」
「はずせない用事、ちゃんとできたの?」
「早く座りなよ。これから作戦会議だからさ。」
入ったとたん、メタナイトたちは仲間たちからのあったかい言葉を受けた。
みんながランサーのことを知っていて、気遣っていることが良くわかった。
それでも、騎士たちの顔はすぐれない。
「早く座れ。お前らがいなくちゃぜんぜん話が進まん。」
通信機から聞こえてきた声と全く同じ調子で、デデデが言った。
「…わかった。」
全員が、席に座る。
「これから作戦会議を始める。議題はアトランティス軍撃退の具体的な作戦だ。ふるって意見を出してくれ。」
メタナイトの、よく通る声。会議室が、心地よい緊張に包まれた。

「ねぇ。ランサーの救出はどうするんっすか?」
会議が後半にさしかかろうとした時、シルトが何気なく、そう言った。
メタナイツたちの体がこわばり、メタナイトの目が光る。
「ちょっとシルトっ;」
慌てて竜轡がシルトの首を絞めた。
「だってランサー、俺たちの仲間っしょ。助けなきゃ…ってちょっと竜轡…ズトッブ…ぐるしいぃぃ。
ばいっでるばいっでるっ!」
本気でやばくなってきたので、竜轡は手を緩めた。
けほけほとむせ返りながら、シルトは恨めしそうな目でにらんだ。
「…心配いらん。」
ふっとため息をついて、メタナイトは言った。
「ランサーは、まだ新人とはいえ、メタナイツの一員だ。余計なことで戦力をそぎたくはない。」
「ちょっと、余計なことってなんだよ!ランサー、つかまっちまったんだろ。
助けに行くのが筋じゃないっすか?」
シルトががたんっといすを鳴らした。

「…黙れ。」

メタナイトがにらんだ。シルトは、うっと口を閉じた。うっかり変な事を言ったら切られてしまいそうな気迫だ。
「メタナイツのことはメタナイツで決める。騎士のことなど、わからんだろう。
これは私たちの間で決めたことだ。あまり口出しをしないでもらいたい。」
シルトは座った。これ以上何を言っても変わらないと思ったからだ。
『…どうせ騎士の事なんてわからないよ〜だ。』
メタナイトは、何事もなかったように会議を進める。
それを、デデデは、じっと見ていた。

重苦しい雰囲気の会議が終わった。みなが、ほぉっと肩の力を抜く。
メタナイトの会議終了の挨拶が済んだとたん、がやがやと、一瞬にして会議室から人が引いていった。
メタナイトも、外へ出る。
空は透き通った青。風が、どことなくきついが、気持ちよかった。

「おい。」

メタナイトは振り返る。そこには自分が使える主君。デデデ大王がいた。
「どういうつもりだ?ランサーの救出をしないって。」
デデデの口調は、厳しい。
「今はランサー救出のための時間や戦力がない。
アトランティス軍に立ち向かう戦力さえも心細い所があるというのに、
ランサー救出のためにその戦力をそぐ。
本末転倒だろう。
私の一人の部下のために、みなを危険にさらす必要はどこにある。
ランサーとて騎士の端くれ、アトランティス軍を撃退した後でも間に合…」

「んなわけねぇだろっ!!!!!!!」

鼓膜が破れそうなくらいの大声に、メタナイトの声はかき消された。
「ランサーは大丈夫だって!?騎士の端くれだ!?戦力をそぐ!?本末転倒!?
何バカなことばっかり言ってんだ!?ランサーが連れ去られて頭がいかれちまったか!?
ランサーだって立派な戦力だ!そいつが欠けたんだろ!?戦力が落ちたじゃねぇか!?
しかもそれを取り返さない!?
戦力がたりねぇんだろう!?そっちこそ本末転…っ倒だろうが!
しかも連れ去ったのはあの初流乃の仲間なんだろ!?ランサーがもつはずねぇじゃねぇか!
いいか。お前、心配なんだろう!?俺たちのこと信用してねぇんだろう!?そうだろ!
ランサーが連れて行かれて、一番助けに飛んでいきたいのはお前なんじゃないのか!?
歯がゆくて歯がゆくてしょうがないんじゃないのか!?
だけど俺たちのことが心配で、
しょうがなくこっちにきて、
ランサーにはでかすぎる期待乗っけて、今ここにいるんじゃないのか!?
騎士のおきてとか言うしょーもない風習でさ!
お前は責任と、やりたいことで板ばさみになっているんだろう!?で、楽な方に逃げ出したんだろう!?え!?
だろうな。相手はあの初流乃一味だもんな。お前は怖くて逃げ出したんだろ?え?」
「ちがう!」
「ちがう!?何が違うんだ!?お前の一番大切なものはなんなんだ?騎士の責任か!?仲間か!?
俺だったら、わき目もふらず助けに行くぞ!?確かに迷惑がかかるだろうし、相手は途方もなくでかい。
でも、仲間がいる!信じてるからな!お前と違って!」
メタナイトは何も言わない。何も言えない。そんなメタナイトに、デデデは最後の一発を食らわせた。
「さっさとランサーを救出して来い!これはお前の主君からの命令だ!言い訳は聞かん!
アトランティスなど十の次だ!さっさと行け!」
メタナイトは、少しの間、止まったように動かなかったが、手を下につけ、こう言った。
「了解しました。」
それから、メタナイトは、藍色のマントを翻し、颯爽と歩き出した。
それでも、足が走り出そうとしていて、なんとなく空回りしている。
そんな部下の後姿を見ながら、デデデはにっこりと笑い、空を見上げた。
空が青い。風が気持ちいい。風は、彼を押す送り風だ。
さらに危険になってしまったが、彼は後悔のこの字もなかった。
そして、ゆっくりとした足取りで、その場を去っていった。

「アックス。機械の整備、手伝おう。」
「メ、メタナイト様?」
ジェット機の整備をしていたアックスの声が、少し裏返った。
彼の息は荒く、肩が上下に動く。結局、あの後全力で走ってきたのだろう。
「い、いいですよ;」
「いいから。」
アックスの横に割り込むように、メタナイトは、エンジンの点検を始めた。
「アックス。少々困ったことになった。」
「なんですか?メタナイト様。」
天気の話しでもするように、メタナイトが切り出した。
「陛下が、ランサーの捜索をせよと命令をだした。アトランティス軍は十の次でいいらしい。
この状況がわかっているのだろうか。全く…」
「メタナイト様。それって…」
「他の連中にも言ってこい。整備が終わり次第、探しに行こう。」
「…は、はい!!!」
アックスの顔が、ぱっと明るくなった。そして、一目散に仲間の方へを飛び出していった。
そんな部下の反応に、思わず顔がほころぶ。
「信じる……か。私もまだまだ修行が足りないな。  …それにしても、なぜこれはこんなにややっこしいんだ?」


  『 強固なる絆は
      時に
       奇跡の引き金になることがある   
                〜『人類の心と行動〜奇跡とは何か〜』著者 闇からの傍観者〜』

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投稿時間:03/01/10(Fri) 15:28
投稿者名:ひでぶ


「ソルビィ君!それに、まーびぃちゃんも〜!」
空間転移でそこに現れた2人に駆け寄るのはカービィ。
続いてリック、ディッセ、グレンがやってくる。
「2人とも、久しぶりだなぁ」
巨大ハムスターのリックが、こくこくと奇妙に頷く。
「カービィもリック君も、ちっとも変わってないね」
2人の様子を見て、まーびぃはにこやかにそう言った。

「何だよぉ。あんな手紙よこすもんだから、一体どうしたのかと
思ったのに、ソルビィ、全然元気そうじゃねえか」
走ったおかげで体温が上がった為に、羽織っていた防寒用コートを
脱いで、肩にかけるディッセ。友人の言葉に、ソルビィは苦笑する。
「これでも結構大変だったんだ。まーびぃさんにも迷惑かけたし……」
「とにかくよかったよかった。グレン、これが俺の友人で、この星で
守護神をやっているソルビィと……えーと」

まーびぃの紹介に困っているディッセに代わって、彼女自身が自己紹介する。
「光と闇の管理人、まーびぃだ」
聞いてディッセは「だそうだ」とグレンに言ったが、暫しの間をおいてから
すごい勢いでまーびぃの方を向いた。
「かかか、か、管理人!?」
「よろしく頼むよ」
絶対神の使いの中では最高の地位を誇る『光と闇の管理人』の称号を、
こんな年端もいかない少女が受け取っている事実に、ディッセは絶句した。
しかし、彼女の身の内から伝わってくる力は、紛れもなくそれを
証明している。

「ソルビィさんと、ま、まーびぃさんですね。グレンと言います。
ど、どうかよろしくお願いします」
女性に弱いグレンが精一杯自己紹介したのだが、まーびぃの
「よろしく」の後に握手の追い討ちを食らって、その場で固まってしまう。

「まあ、ノヴァには他のメンバーもいるし、みんなソルビィのことを
心配していたからな。そっちに移動しよう」
リックの言葉に、他の3人(?)も賛同する。

こうして2人は、ノヴァ内へと招かれた。



集合の合図(間の抜けた音が鳴るところがノヴァらしい)が
ノヴァ内全域に響き渡ってから数分後に、宇宙パーティの
全メンバーがブリーフィングルームに集まった。
ソルビィとまーびぃのことを知っている仲間達は懐かしがり、
彼と彼女の姿を見て喜んだ。

約二年ぶりの再会を噛み締めた後、清酒の酒気にダウンしている
時の番人に代わり、ターツが2人に近況を話した。
「俺達はゼロツー達と交戦している。しかし……正直言って、
圧倒的な数に押され気味だ。ポップスターの街も、殆んどが奴らに
制圧されてしまった。星に残った仲間達が、現在解放戦を計画しては
いるが……今ひとつ、手が足りない」
「ソルビィ君、まーびぃちゃん。よかったら助けてほしいんだ」
と、カービィ。
「2人がぼく達の仲間になってくれたら、きっとやっつけられるよ」

顔を見合わせる2人。
特にまーびぃは、もう随分長いこと広範囲の属性探知をやっていなかった
ことに内心自責の念を覚えていた。自分がハインの身に起こった出来事の
真相を探るために管理人の仕事を捨て置いたのが、こうまで闇の勢力を
強めたに違いない。

光と闇の均衡を保つのが自分の役目であることは、数年の時を経て、
もう彼女も十分に重んじるようになっていた。だが、二十歳にすら
なっていない彼女は、それを頭で理解していても、心の奥底での
優先順位は自分の想いに劣ってしまう。
今この場でもやはり、まーびぃには、自らに委ねられた役目より、
ハインのことの方が気がかりだったのだが。

「まーびぃさん」
ソルビィが、彼女の名を呼んだ。
「皆と一緒に行きましょう。……相手がゼロツーならば、尚のこと」
聞いてまーびぃは、「でも」と、何かを言いかけたが、彼は続ける。
「僕は、属性探知はできないけど、どういうものかくらいは知っています。
今までハインの『気』を探知して見つけることができました?
……恐らく彼は、生命属性を探知されないよう断っているはずです」
「確かに、そうだけど……」

ソルビィはおもむろに、彼女に何らかのプリントを差し出した。
「カビラス君から貰った近況の詳細です。宇宙脱出後、すぐのところを」

溜め息をついて、まーびぃはそれを受け取る。
そして、言われたところに目を通して。
「……!?」
すぐさま彼女は言葉を失った。

「初流乃達は何を考えているか分からん。だが、どうやらゼロツーが
宇宙を支配することは気に食わないようだ。書いてある通り、
この大彗星に願いを込めたのは、初流乃達なんだ」
金物の灰皿をどこかから持ってきたターツが、煙草に火をつける。


「ゼロツーと戦い続けていれば、間違いなく初流乃達は現れます。
その時に、もちろんハインにも」

ソルビィがまーびぃにそう言った、そんな折。
『その考え、あながち間違いではないですね』
ターツが手に持っている煙草の煙が妙に渦を巻く、その無人の場所から、
何者かの声が響き渡った。

「誰!?」
カービィの言葉に応じて、そこに身を潜めていた者が姿を現す。

「『無室空間』といえど、入ることができる者もいます。
ゆめゆめ、警戒を怠らぬよう」
床に着地したのは、情報屋のリークだ。

「リークさん!」
唯一彼を知っているカビラスが名を呼ぶ。リークはカビラスに一礼をした後、
話を続けた。
「……彼らがホロビタスターの産んだ空間兵器『ウルティアリス』を
発動させるつもりでいるのはご存知でしょう。魔道の力、科学の力、
どちらを使うにしても、『ウルティアリス』には莫大なエネルギーが
必要です。ゼロをスナッチしたのも、その為」

『何だって!?』
その場にいた者ほぼ全員が、そのもの、もしくはそれと同義の
言葉を口にした。

「ご存知ありませんでしたか?現在『空の番人』をしておられる方は、
2年前に闇の君主の力を奪っています。ですが……まだ足りないようで。
次はゼロツーの力を奪われるおつもりのようですね。ですから、
貴方達がお探しになられている方も、その時には姿を見せられると
思いますよ……おっと」
リークは懐から封筒を取り出して、それをカービィに手渡す。
「今日の仕事は情報提供ではなく郵便だったのを忘れていました。
Ωさんからです。はい、確かに渡しましたよ」

用を足すと、リークは再びその場所に溶け込むようにしていなくなった。

「何だ、あれ……」
今にも床に落っこちてしまいそうになっていた灰を、慌てて灰皿の中に
払ってから、ターツは言った。
「情報屋のリークさんですよ」
と、カビラス。
「いや、誰かじゃなくて……。あいつ、制約破りのオンパレードじゃんか。
ユートが生きていたらどんなことになるやら……」


―ハインの目的は、本当に初流乃と一緒のことなんだろうか?
……それが知りたいけど。でも……とりあえず今は。

「みんな」
リークの突如の出現に、未だあっけに取られている一同の中、
彼女は、顔をあげる。
「僕も力を貸すよ。やっぱり光と闇の管理人として、放っておけない」


―とりあえず今は、できることをしてみよう。

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投稿時間:03/01/11(Sat) 12:03
投稿者名:St@Na


「ウルルンスターの方に02の艦隊が?」
「ああ。確かに見えたんだ」
「・・・・・次の方向はウルルンスターだ。02に制圧された可能性がある・・・・・」
「オーケー。帰って来次第出発だ」

「封筒の中身は何なんだ?」
「・・・手紙だ。・・・・・・・・・・・・・・!?」
「おい、どうした!?」
「どうやら、ウルルンスターで待ってるみたい」
{こちらターツ、おい、次はウルルンスターにむかうぞ!}
「偶然だな。こっちはΩから変な手紙が来た」
「では、行こう」

その頃、メタナイト達はルックグリーンへと向かう決意を胸に、
飛行機を整備していた。
「手伝ってあげましょうか?」明に話しかけられる
「・・・・・・やめてくれ。変な改造をされそうだ」
あの飛行機をアックスナイトも見た。やはりおかしいと思った。

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投稿時間:03/01/11(Sat) 12:21
投稿者名:yuletear


「さて………」
酒気を紛らわすように咳をした後、番人が口を開いた。
もっともその表情にはまだ、飲酒後独特の赤みは残っている。
「再会を喜ぶことも大切だ…だが俺達には時間があまり、無い。」
一同は頷く。

「俺達の目的は02本隊の撃破だ。二人と合流が完了した。
…この次にすべきことは?」
「大規模な軍と戦うにあたって、敵の情報も必要だし…、
僕達も手をこまねいているわけにはいかない。
何かしらの戦力アップと…作戦がいりますね。」
ソルビィが答える。
「作戦を立てるにはやっぱり情報が少なすぎます。
正面からぶつかるのは賢くない…それに」
カビラスが俯く。
「それに?」
ターツが煙を軽く吐き出す。
「………Ωのこと?」
カービィの問いにカビラスは頷く。

「その『郵便』の内容も気になりますが、彼が手に入れた…機体。
そして彼が何を考えているのかというのも気になります。」
カビラスの言葉にターツの眉が微かに上がった。
「そうだな……敵は少ない方が良い。急がば回れとも言うしな。
こいつの謎も解決しないままだ。」
ターツは石板をつつきながら、何時の間にか綺麗になっている灰皿に
灰を落とす。
「事はなるべく早急に起こす必要がある。総指令塔が倒れれば…
地上に残っている奴等の負担も少しは減る。
この星に長居をするわけにもいかないな…残念ながら。」
番人は深く息を吐いた。
酒気帯びの彼にとって、煙草の煙はやはり歓迎できないようだ。
「HR-Hの修理が終わったら…すぐに出発できる準備は整ってます。
でも…その前に一つ、やっておきたいことがあるんです。」
ソルビィはカビラスから『ノヴァまにゅある』を見せてもらうと、
こう続けた。
「…この星に、結界を張ります。」



同日、某時刻。
ソルビィは小高い丘の上に来ていた。
隣には着いてきたカービィとまーびぃが彼を見つめている。
「ソルビィ君、ここって…。」
まーびぃの言葉にソルビィは無言で頷いた。
目の前には………石碑。
跪き、ソルビィは言う。
「行って来ます。この星の、いや、この宇宙を守る為に。」
ソルビィは目を閉じた。
そしてそのまま、右手を地につける。

彼の右手がほのかに光を帯び始める。
薄い水色の光は…彼の周囲にどんどん広がっていく。
「わ…冷たいっ」
カービィが声をあげた。
外気とはまた違う冷気がソルビィを中心に集まっている。
光の中、彼の髪はさわさわと凪いでいる。
「僕がいない間、この星を守りたい…!!
どうか…力を貸して下さい。…イル、アリエルさん…!」
すっと立ち上がり、彼は右手を天にかざした。
淡い光が天へのびる。
それは空の色と同化するように広がっていった。
「これが………ガーディアンレインフォース………。」
まーびぃは呟いた。


ソルビィを取り巻いていた光が消えると同時、
彼はその場に再び膝をついた。
「大丈夫?!」
呆気にとられていたカービィとまーびぃが彼を支える。
「えぇ、なんとか。」
苦笑しつつ立ち上がった彼は深呼吸を幾度か繰り返す。
「やっぱり駄目だ。成功したんだね。」
ソルビィが深呼吸を終えたと同時、
何やら集中していたまーびぃが口を開いた。
「探知してみたんだ、君達を。」
カービィがきょとんとした目で彼女を見る。
「てんで駄目だよ。僕がこの星に来た時と同じ。
こんなに近くにいるのにさ。全然感じられない。でも、ホントに凄いね。
こんなの間近で見たのは初めてだよ。ちょっとビックリしちゃった。」
まーびぃは肩をすくめながら、照れ笑った。

「守護神ってこんなことも出来るんだね。」
カービィが尊敬の眼差しを向ける。
「星が危機に晒された時、守護神にはその星を守る力が目覚める。
でも、それは敵を打ち破る為の力だけじゃ無い。
言葉通り、『星を守る力』も目覚める筈なんです。
ポップスターにも…結界は張れるんじゃないですか?」
カービィが首をかしげながらソルビィを見上げた。
「…僕が?」
ソルビィは頷く。
「結界には、その星に住まう人々の星を想う力も大きく関係してると
思います。この星で『星を想っている』人間はきっと少ない…
もしかしたら、僕一人かも知れない。でも、二人の助けがあったから…。」
「ポップスターの方がその力は強い筈だ。いけるかもしれないね!」
まーびぃが明るい笑顔を二人に向ける。
「そうだね。そうすれば、傷つく人達だって減るもんね!」
カービィが力いっぱい頷く。
「結界を張る事も大事です。でも、受身でいるだけじゃ、
何も解決しない。行きましょう。二人とも。」
ソルビィは二人を促した。



「あれは確かにソルビィ君自身の力。ソルビィ君の想い……でも………」
まーびぃは去り際に石碑を振り返った。
「……ありがとう、イルさん…アリエルさん…。」
ソルビィとカービィが彼女を呼ぶ。
まーびぃは駆け出した。
彼女が求める真実へ………。

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投稿時間:03/01/11(Sat) 15:42
投稿者名:ソルビィ


「ノヴァが走行可能だったなんてね…。」
マニュアルを片手にカビラスが呟く。
「だが…走行っていうより浮遊だな…。そしてこれは…。」
まだ酔いの覚めない番人がきわどい表情をした。

パラリラ♪パラリラ♪パラリラ♪パラリラ…
かなり微妙な音を鳴らしながらギャラクティック・ノヴァがブルブルスターの雪原の上を行く。

「すみませんねカビラスさん。無理を言ってしまって。」
ソルビィが頭を下げる。
「いいよソルビィ君。こっちもノヴァの地上での性能に少し興味があったから。」
「本当、ありがとうございます。HR−H、修理終わってないんでせめてこれに積みこめたらと思いまして。」
「あぁ、ノヴァってすっごく広いからね。多分余裕で入ると思うよ。それに…。」
「それに?」
「修理終わってないのなら僕にも手伝わせて♪改造だってしちゃうよ♪ふふふふ♪」
「カビラスさんも変わってないですね…ほどほどによろしくお願いします。」


「でも、凄いねノヴァって…。」
窓越しに外を見ていたまーびぃが言う。となりではカービィがベンチに座りながらΩからの手紙を改めて読んでいた。
「ん、何がだ?」
ターツが本日8本目のタバコを取り出しながら聞いた。
「…ノヴァって、機械の力だけじゃなくて魔法か…それとはまた違う何かで動いてるんでしょ?
 結界張り終わってるのにごく普通に稼動するなんて…。」
「あぁ、たしかに驚異的だな。…だからこそ、ノヴァは悪用されてはならない存在だった。
 それを初流乃はたやすく手放した…本当、何を考えてるんだか…。」
窓の向こうでは、景色が勢いよく後へ流れていく。

ノヴァが一瞬揺れた。ターツは灰皿にタバコを押しつける。
「さて、ついたらしいな。あっちの作業が終わるまで俺達はのんびりとしてようぜ。」
「え、手伝わないの?」
「俺は機械はダメなんだ。グレンやワドルディが手伝いに行ってくれるって。」
「もぉ…。」

『こちらソルビィ、ハッチオープン完了です。』
『了解っ。グレンさん、ワドルディ君、クレーンの準備よろしくっ!』
『既に準備完了済みです、いつでもOKです。」
『それじゃ、HR−H搬入作業開始っ!』

放送室のマイクがつけっぱなしなのだろうか。外の声がターツ達にも聞こえた。

「ところで、カービィ。」
ターツがカービィの横に座る。
「ん、なあに?」
「…その手紙、本当はなんて書いてあったんだ?」
「…見る?」
「じゃ、遠慮無く。」
カービィからうけとった便箋にターツは目をやった。

===================================

―星の戦士カービィ殿へ。
  
  少々話がある次第にて、ウルルンスターまで御足労願いたし。
 待ち合わせ場所は当惑星内・レジスタンス本陣より約三百米南方の岬にて。
 我は三日間のみ待つ。必ず一人で参られたし。

 また、当惑星内では我が軍に対抗する勢力が根強い反抗を続けている。
 これに加勢するもよし、見捨てるもよし。
 尚現在、陛下率いる本隊の一部はウルルンスターに在り。
 これをどう取るかは貴殿ら次第。
                   御眼雅

===================================

「…自分の軍の情報を垂れ流すとは良い度胸だな。じいさん。」
ターツが9本目の煙草をつけた。
「02、いるみたいなんだね。」
「まぁな…ピックの目撃した事と会わせて考えてもそうだろ。だが…」
「?」
「文章の2行目。『レジスタンス本陣より約三百米南方の岬』ね…。」
「…それが?」
「…この文章から俺達が得られる情報は3つだ。
 1つ、ウルルンスターは現在02軍の侵略をうけている。
 2つ、それに対抗する反抗勢力が現在奮戦中。
 3つ、ゼロツーもウルルンスターに到着している。
 …この文章2行目と比べると、おかしいと思わないか?」
「…あ。」
「そう、ジィさんはレジスタンスの本陣がどこか知っている。
 それなのにゼロツーの軍はそこを攻めた気配はない。
 攻めてりゃとっくに反抗勢力は鎮圧されているだろうからな。」
ターツは、便箋を軽く叩きながら言った。
「じゃあ…この文章、どこかに矛盾があるってこと?」
「まぁ、そうかもしれないがここは…。」
ターツは少し間を置いてから続ける。
「…ジィさんは、上層部にレジスタンスの本陣のことを報告していない可能性がある。」
「え…なんで?」
「俺が知るか。だいたいわざわざそんなことをお前に教えてる時点であいつの考えなんか分かるか。」
「うん…でも…。」
カービィは、何かを決意したかのように握り拳を作る。

「…僕、会いに行くよ。Ωに。」
「…そうか。」
「止めないの?」
カービィの質問にターツはにやりと笑う。
「止めたってお前、行く気だろ。俺は番人と違って頭固くないんだ。」
「へ…へぇ…。」
「でも、もし何かあったらすぐに逃げて来いよ。ジィさん、かなりのやり手だしな。」
「ありがとう。ターツ。…でもね。」
急に彼の表情が暗くなる。
「どうした。心配事でもあるのか?」

「『さんびゃくこめ』ってなに?」
「…『300m』を漢字で書いたんだな。多分。」

『オーライ、オーライ…』
『ディッセ、クレーンの揺れ抑えてくれる?』
『俺を竜化させてまで動員するなよ…』
『あ、グレンさんもう少し右。ディッセさん、合図かけたら慎重に降ろしてくださいね。』
『はいはい…。』

積みこみ作業ももうすぐ終わりそうだ。

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投稿時間:03/01/12(Sun) 12:31
投稿者名:ひでぶ


「誰だ!?」
ランサーナイトは反射的に後方へと飛び退り、ロンギウスを構える。
自らの胸が打ち鳴らす戦闘時特有の鼓動を抑えつけて、彼は
元いた場所を睨んだ。

睨んだ先から、1人の少女が姿を現した。……桜の悪魔だ。

桜の悪魔の姿を見た瞬間、攫われた時と同じように、やはり彼は
動けなくなった。憎悪とも親愛ともつかぬ戦慄の波動は、対峙する者を
金縛りにしてしまうのだ。

「くそ……」
恐怖はランサーナイトのからだ中、末端まで達し、
彼は、ロンギウスを落とした。

「気がついたみたいですね」
声と共に、闇の奥から足音が近づいてきた。
そうして足音の主は、ランサーナイトの槍を拾う。

震える奥歯を噛み締め、荒くなった息を落ち着かせてから、
ランサーナイトは足音の主……花乱に尋ねる。
「お前ら、メタナイト様と騎士のみんなはどうした!?まさか……」
「何もしてません……あの人達はあそこに置いてきた。
もっとも、あの状況で洞窟から脱出できたかどうかは、
私達も知らないけれど」

クスクスと笑う桜の悪魔を横目で警戒しながら、身体の自由をどうにかして
取り戻そうとしながら、彼は続けて尋ねる。
「俺をこんな場所に……ルックグリーンに連れてきて、何をする気だ?」

目を大きく開けて、顔を見合わせる花乱と桜の悪魔。
そして、ランサーを眺め、彼を嘲るかのように笑い始めた。



「ランサーは、ルックグリーンにはいない?」
メタナイトはマルクに向かって、もう一度聞き返した。
「だ、か、ら!もうポップスターには何かの根っこしか存在していないのよ。
島は多分、初流乃が異空間に持っていってる。……まぁ、あいつの仲間だって
いうのなら、そいつらはそのランサーってヒトを連れていってるかも
しれないケドね」
ソードナイトとブレードナイトがうなだれる。
「異空間なら、我々にはどうすることもできない……」

ちょうどそこに、段ボールに食糧を詰めて運んでいる竜轡がやって来た。
「なあに?マルク、またモメ事?」
「違うのサ!メタナイトが自分の部下を助けにルックグリーンに
行くっていうから……」

竜轡はきょとんとして、メタナイト達を見回す。
「え、でも、ルックグリーンは……」

メタナイトは竜轡が言い切る前に、床に手をついた。
「頼む、竜轡殿!貴殿は生命を司る者……生命の司祭であろう!
どうにかして、ランサーを……部下を救うのに力を貸してくれ!」

マルクが両腕を広げて溜め息をつく。メタナイトの土下座を見て、
慌てて背に乗せた段ボールを降ろす竜轡。
「そんな、顔を上げてメタナイトさん!力を貸したいのはあたしもだけど、
あたし、空の番人じゃないし……どうやっても異空間には……」

―というか、ホントに異空間にいるのかしら?

ふと、竜轡は天を仰ぎ。
暫くの間の後、うんと頷く。

「生命を司る者としてできること、協力するよ。
メタナイトさん、立って?」
ようやく顔を上げたメタナイトは、そのままゆっくりと立ち上がった。
そうしている彼に、竜轡の、胴と不釣合いな手が触れる。
「連れ去られたそのヒトのこと、思い浮かべてくれる?」


生命の司祭は、生命界に存在する『命』を事細かく見分ける役目も備える。
元来生物が生きている表の空間に存在する全ての生命を、3つの生命属性に
属する全ての生命を探知することができるのだ。
メタナイトの『意思』に触れ、ランサーナイトがどういう存在か
照合しやすくする。この状態だと、見つかるのも早い。
もちろん、無室や異空間等、空術的な介入を受けていなければの話だが。

「……!」
びくりとして、竜轡は竜のからだをのけぞらせた。
触れていた手は、それにより、メタナイトから離れる。


探し人の『気』を見つけた。それに、空の番人と酷似しているが、
そのものではなく、恐らく、空の番人が何かの器として創り上げた『気』も、
その近くに存在している。それだから、攫った者の1人は、空の番人の
仲間であることも間違いはないが……探知は異空間までは行き届かない。
ランサーナイトは、確かに、ポップスターにいる。

だが、竜轡が何より気になったのは、
そこにもう1つある……どこかで会ったことのある『気』。

―誰……?

「どうかしたのか?」
怪訝そうに、メタナイトは竜轡に尋ねる。
「あ……ううん、何でもないの。それよりね、ランサーナイトってヒト、
やっぱりポップスターにいるみたいだよ」
「ほ、本当か!?ランサーは今、一体どこに?」

メタナイトの形振り構わず聞こうとする姿に、竜轡は胸を打たれ。
そしてそれが、探知したあの『気』の存在をこの目で確認するという
意志を助勢させた。

「……救出には、あたしも行くよ。案内する」

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