×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Another story of Kirby 第二部 [50]



-------------------------------------------------------------------------------

投稿時間:03/02/08(Sat) 11:49
投稿者名:St@Na


血の雲となったグレープガーデンに立つエスト。
「何故、私たちには何もしなかったんだろう・・・・・早く逃げたからかな・・・・・」
「何してるの・・・・・?」
海星が現場に現れた。
「海星・・・・・さん?」
「逃げた人達は、家族を失ったって事なのかな・・・・・」
「デデデさんもずっと落ち込んでます・・・・・これからどうなるんでしょう」
「・・・・・・」

その頃、宇宙パーティはウルルンスターへ一直線に進んでいた。
幸い一旦帰投する02軍に当たることもない。
そして、(ポップスター時間で)一日が過ぎた。

-------------------------------------------------------------------------------

投稿時間:03/02/09(Sun) 03:17
投稿者名:ハガネカービィ


夜――ルックグリーンを望む孤島――――
植物の侵食によってジャングルと化したこの島の高台に、二人分の声が響きました。

「ゼピュロスさん、交代の時間です。」
「あぁ・・・もうそんな時間か。分かった、少し休ませて頂こう。」
島で一番高いところにある植物で、最も高いものの天辺付近に設置された
見張り台(といっても雨だけ凌げるよう屋根を設置しただけですが)。
その場所からは島全体はもちろん、
ルックグリーン(正確には見えるのは植物の塊)の様子をも
はっきりと見て取ることが出来ます。
やってきた一人――セツ――が屋根の下に入ると、それまでそこにいた一人――ゼピュロス――は
その粗末な見張り台から飛び降りていきました。軽快な着地音が響きます。
セツはその音を聞くと、ルックグリーンの方角を見据えます。
「・・・今日も変化は無し・・・・か。」


「何故かは知らないが植物がおとなしくなった今こそ、再び乗りこむべき時だ!」
「駄目です。まだ体も完治していないというのにそのような危険なことは出来ません。」
「それなら拙者一人で行く!」
「何を言ってるんです、一番怪我が酷いのは貴方でしょう?」
「拙者はもう大丈夫だ!」
森――というよりは樹海と言うべきでしょうか――の中の小さな開けた空間、
そこに一つの明かりといくつかの人影がありました。
「・・・やれやれ、またこの会話か・・・・」
焚き火を挟んで口論するぜぼしんとユシアを見て、ゼピュロスがぼやきます。
「おお!ゼピュロス、ちょうど良いところに!お前も何か言ってくれ!」
ゼピュロスは自分に呼びかけるぜぼしんを半ば無視するように、焚き火の近くの岩に腰掛けます。
「おかえりなさい。どうでした?」
「今日も変化は無しだ。強いて言うなら、また少し目にする鳥が増えたか。
 恐らく、魚などもすこしずつ戻ってきているのだろうな。」
「ほらみろ!状況が変わらないうちに早く・・・」
ぜぼしんが言いきらないうちに、ゼピュロスが刀の鞘でぜぼしんを突きました。
「がふっ・・・!」
ぜぼしんが血を吐き、焚き火の周りで焼かれていた魚のうちの一匹が跡形も無く消滅します。
「無理だ。」
「・・・拙者が・・・血を吐くのは・・・いつもの事であろうに・・・げほげほっ!」
「吐き方が尋常でないではないか。・・・いいから今は休め。」
「く・・・・」
ぜぼしんは仕方なくその場に横になります。
「・・・おまえら、良くもまぁ毎日毎日同じ会話ばかり出来るな・・・・」
魚を食べつつ興味なさそうに一部始終を眺めていたゼイが、ぽつりとつぶやきました。
これもいつもの事です。


ルックグリーンで大きな痛手を被ったぜぼしん達は、本隊に戻る事もできず、
ルックグリーンの様子を伺いながらこの島で養生する事にしたのでした。
当初こそ植物の襲撃に備えて全員気の休まる暇も無かったものの、
あるとき突然植物達がおとなしくなってからは、
ゼイが射撃の腕を生かしてとってきた食料をぜぼしんが調理、
ユシアが昼間の見張りをして、
夕方〜朝までは闇に強くて夜間でも周りが見えるダークマター二人が交代で見張りをする、
というパターンも自然に定着して、それなりに安定した(?)生活を送っています。
植物がおとなしくなって急激に(これがポップスターの凄いところでしょうか)鳥や魚が復活して、
栄養のある食料が手に入るようになったので、
全員の傷が癒えるのも時間の問題、後は休むだけ、という日々が続いていました。
先ほどのやり取りは、そんな中ですでに日常と化しており、
傷が癒えて行動が起こせるようになるまで、延々と繰り返される・・・・・はずでした。




「・・・・一体どうする・・・このままでは・・・」
「でも、捕まっている仲間を助け出さないと・・・」
「それは分かっている・・・しかし、我々は02様の兵なのだ。
 あまりに長期に渡って行方を晦ましていては・・・」
「何とか連絡が取れれば・・・」
「いや、連絡したところで、滞在を許されはしないだろう・・・。
 例えばぜぼしんが捕まっているならばそれも許されようが、
 捕まっているのは02様にとって重要な戦力とは言えない者達だ・・・・」
「私達は一体、どうすればいいんでしょう・・・」


パチッ・・・・
焚き火に背を向けて横になっていたぜぼしんは、焚き火の薪がはじける音を聞いて、
ゆっくりと目を開きました。
どのくらいの間眠っていたのでしょうか、少し体を起こして周りを見渡すと、
まず、樹に寄りかかったまま眠るユシアと、
その脇で自分の武器で無事だった物を丹念に手入れしているゼイが目に入りました。
少し離れた所ではゼピュロスが音も無く素振りをしています。
いずれにしても、ぜぼしんには気付いていない様子でした。
「(今の声は・・・夢か・・・・?それとも・・・)」

・・・ぜぼしん自身、気になっていないわけではありませんでした。
大切な人を救いたい、その一心で飛び出して来てしまったものの、
この様に何日も日数がかかるとは全く考えていなかったのです。
自分にとって大切な人と、自分にとってあらゆる意味で絶対である人、
どちらを優先すべきか、悩んでいる真っ最中でした。
「(何を悩んでいるのだ・・・02様の方が大切に決まっているだろう・・・
  しかし・・・な〜ビィを放っておくことは出来ん・・・
  拙者が居ないぐらいで大きな影響は無いだろうし、02様はきっと許して下さるだろう)」
これがぜぼしんの結論でした。

普段と何ら変わりの無い風景・・・ぜぼしんはまた寝ようかと体を倒します、が。
ふと自分の前方――木々の密集している方――に目を向けると、
焚き火に照らされて赤く輝く木々の間の夜の闇が、微かに歪んでいるような気がします。
「(・・・・?)」
しばらく凝視していると、歪みはだんだん大きくなり・・・・・
しばらく後、その場所には明らかに夜の闇とは違う、漆黒の穴が開いていました。
「(・・・・これは!)」
ぜぼしんは飛び起き、その「見覚えのある」穴に向かいます・・・事態の解決を願って。
「ぜぼしん殿?!」
その音を聞き、ゼピュロスがそちらに目を向けますが、
その時にはもう、ぜぼしんの体は漆黒の穴に半分ほど飲みこまれていました。





「だから!助けに行かなくて良いのかよ?!」
険しい表情のゼイがゼピュロスに迫ります。
「・・そうですよぉ〜・・・・」
それに(寝起きでまだ半分寝ぼけている)ユシアも(一応)同調します。
「しかし、その穴はぜぼしんが入ってすぐに消えてしまったのだ。
 どうしようもないではないか。それに・・・」
「それに?!」
「ぜぼしんが自ら飛び込んだのだ。
 ・・・心配することは無かろう。」
「・・・」
「うわっ!!」
唐突に、(寝ぼけている)ユシアが前のめりに倒れました。
当然、ゼピュロスとゼイはユシアの方を向きます。
そこには・・・
手がありました。空中から生えているそれが、ユシアを突き飛ばしたようです。
「・・・は・・?!」
あまりの事態に、ゼイが固まります。
一方ゼピュロスはその手を少し睨みましたが
「無事だったようだな。」
ゼピュロスがそう言うと同時に、手の周りの空間が歪み、突如大きな穴となります。
そこから出て来たのは、ぜぼしんでした。
「ぜぼしん!無事だったのか!」
「・・・何とかな。」
「ぜぼしん・・・一体何をしていたのだ?」

―――久しぶりですね、ぜぼしん。
 ―――今まで何をしていたんだ。心配したぞ。

「・・・初流乃に会って来た。」
「何・・・?!」

―――捕われの仲間を助けて欲しい・・・ですか。
 ―――そうだ!頼む!お前なら可能だろう!
―――駄目です。
 ―――何故だ!
―――・・・ぜぼしん、良く聞いて下さい。
―――貴方達の選択肢は「仲間を連れ帰るのを諦める」と「ここで僕に消される」の二つだけです。

「我々はこれから・・・」

 ―――な・・・
―――優越の薔薇を刺激されるのは、僕にとってとても都合が悪いのですよ。
 ―――・・・あれがお前にどう関係するというのだ・・・!
―――それはまだ言えません。・・・良いですか、僕は友である貴方を出来れば殺したくは無い。

「奴の捕虜だ。」
「何ぃ?!」
ゼイの声が響き渡ります。ゼピュロスは半ば予測していたのか、反応を見せません。
「・・・一体どういう事なんですか?」
ユシアが起きあがりながら訊きます。
「・・・これから詳しく話す。セツを呼んで来てくれ。」

―――連れ帰るのを諦めるならば、薔薇が無事である限り、彼女達の安全は僕が保障しましょう。
―――僕は後日、貴方達の主である02と、ある交渉を行います。
―――あなた達は僕の捕虜の一部として、交渉の時手始めに02の元に送ります。
―――仲間の安全が確保され、軍にも、全くとは言えませんが問題無く戻ることが出来る。
―――こう言うのは気が引けますが、貴方達は手負いでまともに身動きも取れない。
―――それならば、これが最良だと僕は考えます。・・・それとも、僕と戦いますか?
 ―――・・・・・。

-------------------------------------------------------------------------------

投稿時間:03/02/10(Mon) 22:37
投稿者名:St@Na


「ゼピュロス、いつもよりも拙者は吐いているか・・・・?」
「別に何ともない。しかし、負傷の分出血量も増えているな」
「02殿は・・・・来るのだろうか」
「見捨てられれば、拙者らは何もできないままここで立ち往生だ」
「・・・・・・・」

-------------------------------------------------------------------------------

投稿時間:03/02/13(Thu) 08:43
投稿者名:ぽ〜すけ


焼け野原。
それがここの場所の第一印象。
次に目に飛び込むのは朱色の海。
その色と波打つ音がないならばもうそこはどこか判らないであろう。
かつて綺麗だと思えたこの海の近辺は怖いくらい真っ黒だ
そしてメタナイトとその部下の本拠地ともいえよう場所にあるのは廃墟と化した我が要塞。
未だにディーラとの特訓やディッセの稽古がすぐに思い浮かべられる。
そう…………ここは夕焼けを思い出させる場所―――
――――――――オレンジオーシャン。

「…一度着陸してくれ。」
メタナイトは何時のまにか操縦士…トライデントナイトの真後ろにいた。
「了解…ィィ!?」
彼はいそいで着陸準備に入った……が。
「どうした!?」
ガクン…と高度を落とすハルベルト。
その事態に驚いた者が急いで操縦桿を握ったトライデントナイトに駆け寄る。
「燃料タンクが破損してます!原因は………樹に接触したときと想われます!」
と、同時にメイスナイトが注目を浴びる。
「ど…どうしたんダスか?」
冷や汗をたらたら流すメイスナイト。
しばらく、沈黙が流れる
竜轡も汗を流しながら話題をそらそうと試みる。
「…まあ…とにかくどうやって降りるか考えようよ…」
彼女が何気なく外を見たとたん……。
「危な……!」
―――墜ちた。


「なんだぁ?」
素っ頓狂な声をあげて少年…λは駆け寄る。

ルックグリーンにてようやく自分の飛行機を見つけたものの、飛行途中、燃料切れであえなく海に墜落。
そのままようやく、オレンジオーシャンにたどり着いたのだ。
そこで焼け野原の上に緊急用の折りたたみテントを張って1、2泊していたのだ。

「大丈夫か〜生きてっか〜。」
適当に声をかけるが返事がこない。
「こりゃ生きてねぇな。南無。」
勝手に拝んで入り口を探す
これにのってどっか移動しよう。
という考えにたどり着いたのだ。
――――安易だが。
「お、進入路発見。」
λは取っ手に手を当てようとした…その時。
ガンッッという音とともに中から何者かが出てきた。
開いた扉にもろに指をぶつけたλは突き指した中指に息を吹きかけ痛みを覚まそうとしてる。
しかし出てきた者――シルトはまったくもって気付かない。
そのまま
「なんだこのテント。」
と言い出した。

次に出てきた者は気づいてくれてようだ。
「だれだ?どうした?」
反対の手で赤い髪の中を掻きながらλは顔を見せた。
「もしかして………λか?」
「ん?」
出てきた仮面の剣士、メタナイトの声を聞いてλもハッとする。
「ああ。メタナイト。そうだよ。」

-------------------------------------------------------------------------------

※編集者注:以下の記事前にSt@Naさんのまとめ記事がありましたが、
 以下の記事により訂正されていますので、混乱を防ぐ為省かせていただきました。

投稿時間:03/02/13(Thu) 22:45
投稿者名:ソルビィ
Eメール:
URL :
タイトル:Re^14: ASOK-T2S- 21-367(Ex:53)-36

> メンバー配置。矛盾防止の手助けにどうぞ。

抜けている部分、間違っている部分が数ヵ所ありました。
失礼ですが追記をさせていただきます。

> 
> 宇宙パーティ
> カービィ  アドレーヌ カイン   カビラス  グレン
> ターツ   チュチュ  ディッセ  時の番人  ピック
> リック   リグレット ワドルディ
⇒まーびぃ・ソルビィが新たにパーティーに加わっています。

> ランサーナイト救出パーティ
> メタナイト シルト   竜轡
⇒ジャベリンナイト・トライデントナイト
 メイスナイト・アックスナイトも同行しています。
 そして、現在λと出会いました。

> 02軍
> 02    ブレックス ヘヴン   ゼイ    アンフィッシャー
> ぜぼしん軍
> ぜぼしん  セツ    ゼピュロス ユシア
⇒ぜぼしんは「軍」ではありません。あくまで02配下の一部隊にすぎません。
 また、ゼピュロス・ユシアはぜぼしん隊の所属ではありません。
 なお、ぜぼしん・セツ・ユシア・ゼイ・ゼピュロスの五名は現在初流乃の捕虜扱いにあります。
 「捕虜」というものがこの状況でどう扱われるかは分かりませんが、
 彼等が02軍と共に行動をすることはこの状況下では不可能でしょう。
 (ただし、ルックグリーンにいるわけではありません。)

> ナイトメア軍
> ナイトメア  夢見る者  ラーク   レクイエム シード 
⇒シードは現在ヒャンスと共にケビオスに滞在中です。過去ログ参照。

> 優越の薔薇
> レモン   初流乃   スラリン  ハイン   夜深
> 捕まっている・操られて強制編入させられているキャラ
> な〜ビィ  マーテル  東     ランサーナイト
⇒菊花・くるみが抜けています。
 また、夜深は現在花乱と行動中のようです。
 先のシルフィードさんの書きこみ等から、夜深はルックグリーンにはいないようです。
(現在ルックグリーンは異空間にあります。)

以上です。
それと、別にそこまで深く突っ込む必要もないと思って黙ってたのですが、
現在オレンジオーシャンには02軍の駐留基地が建設されていることが分かっています。
オレンジオーシャン内のに「どこに」建てられたとかは一言も書かれていないので、
現在のところ矛盾はありませんが、このままだと忘れられ兼ねないので一応。

-------------------------------------------------------------------------------

投稿時間:03/03/05(Wed) 20:19
投稿者名:ひでぶ


空の王国の中心地に現れた古代の産物は、より高い所に聳える
『白』や『青』を仰いだまま、その場の静寂と同化していた。
数日前まで、彼の足元にはたくさんの骸が転がり、彼が根付いた
足場雲には、固まった血が無数にこびりついていたのだが、
『空中の地』である足場雲の拡張と縮退の動きに飲み込まれ、
何も無い、純白の足場雲へと自動的に洗浄されている。

母なる大地は、生命の旅を終えた者に安らかな眠りを与えるため、
その肉体を土に帰すというが、古代の人工物である足場雲の仕事は、
あまりにも無機質で、あまりにも冷徹だった。

平和だった頃、中心地には噴水や大地で生える樹木が植えられており、
人々の憩いの場として賑わっていたのだが、戒厳令が解かれた今と
なっても、この場所に活気は蘇っていない。
今日も、独りだけの住人……古代の防衛システムは、誰も訪れることの
ない中心地で、日が暮れて、夜が明けるまで、この場の静寂と共に
過ごすつもりだった。

こつん。
ヒトの作りからしてみれば背中であろう彼の後部に、何かがぶつかった。

こつん、ごん、こつん、ごつっ。
彼に当たって、音をたて、何かは、その場の静寂を破り始めた。
後部にぶつかる何かは、わき目もふらず飛んでくるようだ。

独特の光る瞳を後部に向けると、バウンダーという種族の子供達が、
こちらに向かって一斉に何かを投げつけているのが分かった。
その光景を見て、彼は嬉しさで顔をぐにゃぐにゃに歪ませた。
あの日以来、誰も訪れることのなかったこの中心地に、やっと人が
やってきて、自分のことを構ってくれている。

嬉しくて嬉しくて仕方がなかった彼の光る眼がどこに向けられているか、
子供達の1人が気づく。その子はぎょっとして、まだ何かを
投げつけている他の子供達に声をかけ、その子供達もまた、彼の眼に
気づき、大声をあげて、一目散に駆けていく。

子供達が走り去っていくのを見て、彼はひどく残念がった。落胆した。

しかし。
未だに1人、熱心に物を投げつけてくる子が残っていた。
残った子は、去っていった子達よりも幼く、力も弱いらしい。
ぶつけようとしているものの大体は彼に当たることなく、
足場雲にめり込んでいく。

嬉しさを取り戻した彼は、その子に話しかけようとした。
「言葉を発する」ということを、彼は知らずにいたが、どうにかして、
その子に話しかけたくて、知能を司る部分をフル回転させた。

友達になりたいな。
どうすればいいだろう?
僕には、オンセイシュツリョクはついていないから、
もっと、別のものを使わなきゃ。
そういえば、僕には大型のディスプレイがついていたっけ。
それに、文字を出せばいいかな。
ええっと、どういう風にすればいいんだっけ……。

忘れかけていたディスプレイ呼び出しのコマンドを自ら入力して、
彼は、いざその子と言葉を交わそうとした。……が。

「父ちゃんを……父ちゃんを返せ!」
彼に向かって、その子はそう叫ぶ。
よく見てみると、バウンダーの子供は顔中涙でいっぱいだった。
どうしたんだろう?と、光る眼をまん丸にあける。

自分がここに呼び出された時、丈は違えど、この子と同じ容姿を
した者の姿が、大人のバウンダーの姿がその場にあったことが、
彼の電磁の脳裏によぎった。

……防衛システムは、あの日、自らが衝撃の刃で切り刻んだ、
この子と同種族の者のデータを、内部で処理して、思い出した。

彼がディスプレイに打ち出す言葉を見失った時、小さなバウンダーは、
慌てて戻ってきた少し年上のバウンダーに手を引っ張られ、その場から
離れていく。

防衛システムはディスプレイを開いたまま、再び静寂と同化した。
彼は、より高い所にある空を仰ぐことができずに、足場雲に
めり込んだ年端のいかないバウンダー達が作った星型飛び道具ばかりを
眺め続けるほかなかった。



デデデ大王が腫れた目を擦って、寝台からその身を起こしたのは、
その日の夕方である。彼は、もともと寝覚めの良い方ではない。
普段ならば、定時を通り越して眠って過ごすはずだった。

東の国の高級品である素材で編まれた腹巻をつけ、王の証である
ピースサインのガウンを羽織り、身だしなみを整えた彼は、
最後に、いつもの帽子を被る。


自分の部屋から出て、彼は会議室へ向かう。
その足取りは、いつもの彼のような、必要以上に巨躯を誇示した
歩き方でもなく、ふらふらとした頼りない様でもなかった。
どこか戦士めいた、そして、王としての威厳を兼ね備えたような、
力強い足取りである。

先の悲惨な結果をどれだけ熱心に考えても、彼にとって、
犠牲は犠牲でしかなかった。悔やみきれない。悔やむ資格すらない。
自分を慕った者達の死を、自分の過ちであることとし、自分を虐げる。
あの日から今まで、そうでもしなければ、理性を保つことが
できなくなりそうで、必死にそう叫んだ。

だが……それすら、この状況に酔うこと。体の良い現実逃避でしかない。

―俺様は……俺は。
俺は王だ。王とは、民に忠義を尽くされるもの。
ならば民は?……民は誰から何を得る?
それは、王たる力による、統率と平穏。
民が1日を安心して過ごせるように法を創り、
民が迷いし時は指導者として道標となり、
民が危険を被るならばその力で守り抜く。
王の力とは、民の為に使うもの。

幼少の頃、面倒臭がって、覚えるのに苦労した帝王学の冒頭文を、
彼は今一度、頭の中で反復した。

―プププランドが平和だった頃、俺は続く無為の中で、
それを忘れていたのだ。そしてそれが、カービィと対立する
きっかけにもなった。だが……今は違う。

目の前にした、階段を昇る。

―俺の国は、あの闇の者達や、植物の怪現象に襲われ、
窮地に阻まれている。今俺がすべきことは……民を守り、
兵や仲間と共に、危害を加える敵と戦うことだ。
一刻も早く平和を取り戻すことが、あいつらへの慰霊なのだ。

階段を昇ってすぐにある会議室の扉を、彼は睨んだ。

―それが、二度と帰ってこない者への唯一の償い。


扉を開けた先には、彼の仲間達が集まっていた。
「デデデ……」
おもむろに呟くクーを一目見てから、全員に伝わるよう、
デデデ大王は言う。
「会議の途中だよな。俺様も加えてくれ」

―どうせなら、俺様の国だけじゃなく。
……そうだ、この星全てを救ってやろう。

-------------------------------------------------------------------------------



前へ リストへ  次へ