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Another story of Kirby 第二部 [57]



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投稿日 : 03/08/22-05:44
投稿者 : ひでぶ  


星の海を、大彗星ノヴァはウルルンスターへと向かう。
カービィには、不安などない。Ωが、どんな理由で自分に手紙を出したのか。
それは直接会って聞けばいいことなのだし……それに、ウルルンスターは、
恐らくもうゼロツーの手に落ちているだろうという話を聞いたけれど、
これだけたくさんの仲間がいるなら、何とかできるような気がした。
時の番人にこのことを話したら、すぐに「甘い」と言われて、メタナイトの
基地でのことを例にあげて、圧倒的多数を相手にすることの不利さや困難さを
細かく説明されてしまった。もちろん、カービィは、そんなのを教えられても
よく分からないが……宇宙に出て、ノヴァに助けられ、ケビオスへ向かい、
ブルブルスターへ赴き……その全てが、自分達の力になっていると、彼は
確かに感じとっていた。

きっと、何があっても大丈夫だよ。

そう思った途端、あくびが1つ。
カービィはディッセの部屋を出て、自分の部屋へと戻っていった。



仮眠室で簡単に身体を休め、自分のするべきことをし始めたもの。
今日はちゃんと眠ることを考えて、個室に入ったもの。
双方が入れ替わってから数時間。
ノヴァの「省エネもーど」が終わり、内部の照明や設置施設が再び
稼動し始める。戦士達の何人かが早い朝食を取りに例の食堂にやってくる。
朝の挨拶。雑談。ノヴァ内の散歩。
皆、それぞれがそれぞれの意思で行動をとる、緊張の前の自由時間。



そんな中。
予定よりも早く、ノヴァはウルルンスターへと到着した。

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投稿日 : 03/08/25-16:18
投稿者 : 歩者(ぽ〜すけ)  


ノヴァの着いた場所からは海とひとつの建物しか見えなかった。
カービィは手紙の要求どおり、一人で外に出た。
「じゃあ、いってくるね!」
そういい残し、彼はまず、建物のほうへ向かった。


レジスタンス本陣をみつけだし、南へ歩き始めた頃にはノヴァが小さく見えた。

南へ向かった時からそんなに時間はたってないだろう。
岬に着いた。



Ωはいた。

本を読みながら。

待ち続けていた本人がくるまで。


Ωはカービィの気配に気付き、近づいた。
カービィは少し、身構えるような形をとった。
「心配は無用じゃ、決闘を誘ったわけでも騙し討ちをするために読んだわけでもないからのぉ。」
カービィは少し戸惑ったがΩを信じて体制を立て直した。
「まぁ、立ち話も疲れるじゃろうから腰をかけておいてもいい。」
「……うん。」
二人ともそれぞれ違う岩に座り込んだ。
「…なんのようなの?」
カービィは思わず訊いた。
しばらくの沈黙を置いてΩははなしだした。
「わしの目的を知りたいか?」
カービィは頷いた。
「そうか…。
 では教えようかの。
 わしの最終的な目的を…。」
カービィは先ほどより真剣な顔つきになった。

「わしは自然が好きじゃ。
 それはもう人間よりもじゃ。
 ……しかし近年は自然を大事にしない輩がふえておる。
 自然そのものが失われようとしておる。
 平気で排気ガスを出し、
 樹を切り倒し、
 生命をひとつづつ、しかし確実に減らし、
 それを食物にする、
 そんな人間の愚かさ。
 それがわしの一番嫌いなものなんじゃ。
 わしの殺した自称天才科学者も発明のためにすべてを消し去るとしか思えなかった。
 わしは大抵そういう者を殺める。
 例外もあるがな………。」

Ωはそこでやっと話を止め、息をついた。
しかしすぐ話し始めた。
「わしは心無き生命体を駆除するために自分にとってやるべきことをやっている。
 それだけじゃ。
 何か質問はないかね?」

カービィは少し考えてこういった。「じゃあ何のために02側についてるの?」と。
Ωもすかさず答えた。
「強さを得るためじゃ。
 こちら側のほうが勝つ見込みは大きい。」
「じゃ…じゃあこっち側のほうが勝つ見込みが大きくなったらこっち側についてくれるの?」
「さあ、わからんのぉ。」
曖昧な返事をされたカービィは違う質問を持ち出した。
「…殺すのは人間だけなの?
 ほら、たとえば僕とか……。」
「猿以上の知能を持った生き物は全て抹殺する。
 例え親族だろうと。」
「でも、ポップスターのみんなは自然を大事にするよ!」
カービィの反論にΩも答えた。
「今までそう言ってきた者がどれだけ自然を壊したか。
 数え切れんほどある。
 信じられんのぉ。」


話はそこで終わり、Ωに別れを告げて、カービィはノヴァへの道へ向かった。

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投稿日 : 03/09/13-04:22
投稿者 : ひでぶ  


「ねえ、ホントにこっちにいったの?」
カービィの手を引っ張り、辺りをきょろきょろ。どうもピックは
焦っているようである。

ずっと「かみさま」だと信じ続けたヒトがあのΩ老人だったということに、
もうピックは嫌な確信をしてしまっているのだが、やはり本人から
そのことを聞かない限りは納得できないらしい。カービィが帰ってきた途端、
彼の手を引っ張り駆け出した。

「そうだけど……ねえ、ピックくん、きっとΩは近くにはいないよ」
カービィはピックの急な全速力につき合わされて、少々息をきらし気味で
言った。「どうしてさ!」と、膨れっ面をするピック。

後ろから、
「そのヒト、もともとは敵なんですよね?」
と、グレン。2人が走っていったのが気になって追いかけてきたようだ。
「だとすればカービィの言うとおり、もうこの辺りにはいないでしょう。
あんまり敵の多いところに長くはいたくないもんだろうし」

ピックはしばらく唸って、何やら考え込む。が、いきなり叫ぶと、
「やっぱり、この辺を探してみるよ〜!」
という風に言って、再び疾風の如く走り出し、森の中へと入っていった。

カービィとグレンは顔を見合わせると、「やれやれ」な表情でピックの
あとを追う。


森の中をがむしゃらに走りつづけるピック。

「お前の行いをいつでも見ているぞ」と、彼の信じた神は言った。
あのヒトは、やっぱり本当にかみさまなのかなぁ。
もしそうだったんなら、あの時も、あれの時も、あまつさえあんな時まで……
あぁぁ、全部あのΩってヒトに見られてたのかなぁ……恥ずい……

と、そんな時だ。
ピックは、何かを踏んづけた……ぐいっ。
その刹那に、風を切るような音。何かがぐわっとピックのからだをとらえ、
持ち上げ、強引に宙に浮かせる。
「わぁー」
網のように施された縄……上の部分は閉じるようになっていて、逃げ場が
ない。罠だ。よく狩りとかに使うやつ。ああ、しまった。
「だ、誰だぁ! こんなところに罠をしかけたやつは!?」

ピックの叫びに呼応するかのように、周囲からわらわらと何かが現れる。
「かっぱぁー」
「かっぱっぱ〜」
「かぱかぱー」
喜びの舞をする緑の生物達。

「き、キミら、ナニモンだ!」
彼らはカパー。ウルルンスターの住人だ。
どうやらカパー達は今日の収穫に大いに満足のようである。
無理もない。これだけ大きければ、明日の朝ご飯にもなるだろう。

1頭身のかっぱ達はニヤリと笑って、かっぱカッター(頭の皿)の照準を
それぞれ空中のピックに合わせた。
「く、食われる……」
冷や汗をかき、つばを飲み込むのは哀れ獲物ばかり。

ずだだだだだだだだぁ〜ん……と、マシンガンによる銃撃音。
それが鳴り響いたのは、ちょうどかっぱカッターを投げつけられる
寸前だった。正確に言うと、早とちりな約一名のカパーが、銃撃音を
合図と勘違いしてピックに向かって投げてはいるが、それは
幸運にもピックには当たらず、更に幸運に縛って封となっていた
上部分を切り裂いた。

地に落とされたピックに見向きもせず、カパー達は蜘蛛の子を散らすように
逃げていく。きょとんとしたままカパー達を見送っていると、やがて、
銃声は止んだ。

「ほぉぉ、今日はついているね、こんなにでっかい食い物が手に入るなんて」
マシンガンを肩にかけて現れたのは、ヒューマン型の女だ。
「し、白い! ま、丸い! うまそう!!」
「でも、あんまり見たことないですね〜。餅の一種ですかね?」
取り巻きと呼ぶのに相応しい、2人の男も姿を現す。
「無駄話はここで終わりにしようや、こちとら腹を空かしている団員が
たくさん待ってるんだ。じゃあ……恨みはないが、食わせろ!」

女は言い終わる前にマシンガンをピックに合わせて、トリガーを弾く。
「ふ……ふざけるのもいい加減にしてよ!」
ピックは連続して射出される弾道を見切って、回避し、そのまま利き手に
マジックソードを呼び出した。
「僕は雪見だい〇くじゃないんだぞぉ!!」

女は咄嗟に手にしていたマシンガンを盾代わりにして、身を守る。
金属のぶつかり合う音が響く。マシンガンに刃を止められたピックは、
女に蹴り飛ばされた。身を反らした分、ダメージは少ない。余裕で
着地し、マジックソードを構えなおすピック。
「む……なかなか手強い獲物だね」
「冗談じゃないよ! ……食われるもんかっ」

脇の茂みからがさがさと音が鳴り、そこからひょっこりとカービィが
顔を出した。
「あ、ピックくん見つけたっ! グレンく〜ん、みつけたよ〜」
「全く、どこに行ったかと思えば……ん?」
グレンは、ピックが剣を構えているのに気づき、その先を見た。
「お、おんなのヒトだ……」
がくがくと震えだすグレン。

「ふむ、獲物が3匹……今日は大漁だな。しばらくはカパーの獲物を
横取りしなくてもよさそうだね」

かくして、餅の集いと謎の三人組との戦いの火蓋が切って落とされた!

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投稿日 : 03/09/13-19:30
投稿者 : yuletear  


「桜餅に大福…おまけに牡丹餅ときたもんだ。
意地でも捕って帰るよお前達っ!」
言うが早いか、女は照準を合わせマシンガンを撃つ。
「わわわわっ」
短い手をバタバタさせながらカービィは弾丸を避ける。
「僕達は食べられないよ!……多分。」
どうなんだろう?僕食べるのは好きだけど食べられるのは…ちょっと…。
でも僕って実はおいしかったらどうしよう……。
考えてちょっと嫌になったが、カービィは女に向かって叫んだ。
「でも、僕は今食べられちゃうわけにいかないんだっ!」
狙いが外れたことに舌打しながら、女は負けじという。
「こちとら、腹が減っては戦はできないんだよ!
大人しく食われるんだね、ちゃんと感謝してやるからっ!」
再びマシンガンが火を吹いた。

「よく動く餅ですね〜。でも何でも新鮮さが一番ですしね。
そういえば昔、祖母ちゃんによく作ってもらいました。」
うんうんと一人納得したように頷いた男は、
分銅のついた鎖をピックに向かって放った。
「餅じゃないって言ってるだろっ!」
分銅の部分をマジックソードで器用に叩き落すと
ピックは一気に男の懐に飛びこんだ。
「てやぁぁっ!」
ギィンッ…という金属のぶつかり合う音と小さな火花。
「(あ…なんか嫌な予感。)」
背中がぞ〜っとする気持ちがして、ピックは後ろへ飛び間合いを取る。
後ろへ飛んだ瞬間、風を切るような音がして
ピックがいたところに鎌が振り下ろされていた。
「なんだよそれっ!何処に隠してたのさっ!」
「鎖鎌は、鎖と鎌で一緒ですから隠してたのとはちょっと違いますね〜。」
男はにこっと笑って、分銅のついた鎖をビュンビュン回して見せた。
「どっちが当たっても痛いと思いますけど…。
人助けだと思って我慢して下さい。お願いしますよ〜。」
「嫌だよっ!」
ピックは半ば悲鳴をあげるように叫んだ。

「た、棚からぼたもち。」
「…牡丹餅ってもしかして僕ですか?」
☆牡丹餅…餡が入った餅。餡子が沢山入っていたり、
餅の部分がちょっぴり薄めだと餡色の餅っぽい。
周りに餡がまぶしてあることもあり、
田舎とかでよく見られる紫色(餡子色)な餅♪
冷や汗をたらりと流しながらグレンは思わずバスターソードを構える。
カービィと戦っている女の人やピックと戦っている男の人も変なんだが、
どうも自分の目の前にいる大柄な男の目は、
ちょっと……危ない。
「うまそう!」
「わーっ!なんなんですか一体っ!」
男が振り下ろしてきたのはウォーハンマーをやや小振りにしたものだろうか?
とにかくそんなものを自分めがけて力いっぱい振り下ろしてくるのだ。
バスターソードで受けとめ、手に伝わってくる振動を感じながら
グレンはちょっぴり泣きたくなった。
「でも……。」
女性と何かを言い合っているカービィの方をちらりと見て
グレンはぶるりと震えた。
「僕の相手がこの人で良かった。」


銃撃音と金属音が森に響いている。
キーキーと声をあげて鳥達が飛び立った。
一定の間合いを保ちながら、ピックがぼそっと呟いた。
「ねえ、こんなことしてて大丈夫なのかな?」
カービィが帰ってきてからすぐにひっぱり出してしまったのは自分だが、
こんなことに巻きこまれるとは思っても見なかった。
簡単に言ってしまうと、思わぬ時間をくっていることになる。
「そうだね。怒られちゃうかも…。」
カービィが困ったように言った。
「……怒られる…もしかして、番人さんとかにですか?」
バスターソードを構えたままグレンが聞いた。
「うん。番人、最近なんかイライラしたりしてるし……。」
三色餅(ぉ)の頭の中に、禍禍しい背景と共にこちらにガンを飛ばす
時の番人の姿が浮かんだ。
「ちょっと…怖いですね。」
「うぅ、おっかないなぁ。」
「怖いよね。番人、怒ると。」
三色の餅達は再び考えた。そして同時に頷く。
大人しくなった彼等を見て、女が口の端を歪めた。
「食われる覚悟、できたかい?」
一歩ずつ近付く。男たちがその少し後からにじり寄っている。
「じゃあ、ピックお願い。」
「おっけー。ちゃんとつかまっててよ?」
「よろしくお願いします。」
もう一度カービィ達は頷いて。
『逃げよう!番人に怒られるの怖いし!』
女達にくるりと背を向けると、全速力で逃げ出した。
…とは言っても、カービィとグレンは緑色になったピックに
しがみついているだけなのだが…。
「あぁっ!あれって実は大福じゃなかったんですね〜。」
「み、緑っ!く、草餅!!」
「なに馬鹿言ってんだ!ぼさっとしてないで追うよ!!」
女達は一瞬唖然としたが、気をとりなおして追いかけ始めた。
「大変ですよ。あの人達、追いかけてきてますよ。」
「ノヴァに着いちゃえばこっちのもんだよ!」
「でもピック。あの人達がノヴァに来ちゃったら、
僕達が何で遅くなったかバレちゃうよ?」
再び脳裏に、眉間に皺を寄せて青筋を浮かべた番人の姿が浮かぶ(やめれ)
「そ……それはまたその時考えるっ!とにかく今は逃げ切ることだけ
考えとくよ僕はっ!」
そういうとピックは速度を上げた。

三色のお餅。ノヴァ到着(お説教開始・違)まで後少し。

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投稿日 : 03/09/14-14:37 
投稿者 : さびかび  


「く,草餅〜待て〜!一口でもいいから食わせろ〜!」
「カパーのご飯を盗ませないで下さい〜,
何時までもドロボウはいやですよ。」
「あああああんたらねぇ!下らないこと言ってないで!逃がしたら
今日のご飯はまたカパー飯だよ!」
その言葉で何やら一人目のちょっと(?)危ない男の人の頭に
カパーが「かぱ〜!かぱぱぱぱ!」などとわけの分からない言葉
を叫び自分の皿に縛り付けられてることを想像して
しまいました。
「いやだぁ〜!食ったこと無いし食いたくねぇ〜!そのためにも
餅たちまて〜!」

そのころ三色餅は・・・(ぉ
「な,なんだか向こうの方勢いが増してきたよ〜!」
う,後ろの方でなんか叫んでるけど,どっちにしろ食べられるのは嫌〜
と頭の中で小さく呟くカービィと・・・
「た食べられるのだけはゴメンだからね!スピードアップお願い!」
ぼ,僕を食べたら呪ってやる〜・・・一生吐き気をさせてやる〜・・・
と何か諦めかけてるグレン君と・・・
「こ,これで最高時速〜・・・ノヴァが見えた!もう少しで到着〜」
もう逃げることしか頭に浮かばないピックでありました・・・

もちろんあれだけどでかいノヴァに気が付かないほど追っ手も
近眼ではありません。
「なんだ!ありゃぁ!」
「おかしいですね・・・あれがあの餅達の根城かな?」
「と言う事は中には持ちが沢山・・・一生分あるかな!?」
「も・・・餅がいっぱい・・・まてぇ〜!食わせろ〜!」
もう空腹tろしか言えそうにありません。

「番人いないといいな〜・・・げっつ!いた!」
「ひぃぃぃぃぃ・・・説教だけは簡便・・・」
「食われるよりはましだ!つっつぱしれぇ〜!」

予想どおり番人はそこに怒りの表情で睨んでました。
「まったく,遅すぎる!まったくこの頃の餅どもは・・・」
説教,START〜☆
ガミガミガミガミガミガミ・・・まるでの○たのママです。

「お!なんだか止まってるぞ!今のうちに打て打て〜!」
ズババババババと結構の音を立てながら集中砲火です。

「・・・哀れだな・・・魔法を使う必要も無いだろう・・・」
次の瞬間番人は剣を取り出し全ての銃弾(鎖鎌・ウォーハンマーも含めて)一撃で打ち返した!これは予想外だったのかその三人組
の戦闘にいたマシンガンを打ちまくっていた女の人は
剣の放った風圧により押し飛ばされました・・・力の差ってやつです。

「す,少しはやる人もいるの・・・」
だがこの発言に対し番人は・・・
「・・・詰まらないから,餅!お前達が相手をしてやれ。」
圧倒的な発言〜・・・

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投稿日 : 03/09/21-00:10
投稿者 : ひでぶ  


え、やだよぅ……。
そう訴えかけるカービィの視線に、時の番人は気づいているのかいないのか。
尚も無言のプレッシャーを与えてくる彼に拒否の意思も押し込められて、
カービィは仕方なく3人組の前に立った。

「観念したね、餅」
「そうじゃないよ。食べられるのが嫌だから、抵抗するんだ」

クククと笑うと、女はマシンガンを捨て、横の2人の前に両手を出した。
「手出しするな」という合図だ。

「いくぞ、餅!」
片手で小刀を抜き放つと、女はカービィ目掛けてまっすぐに飛び込む。
横薙ぎする小刀を、カービィはつぶれるようにしてかわしたが、
女もそれに合わせて体勢を低くした。小刀を持たないほうの掌底が、
カービィに叩き込まれる。
軽いカービィのからだは簡単に吹っ飛んで、転がった。

「ほぉ……」
戦いを眺めている時の番人が、感慨深げに唸る。

「おいおい、こんなモンでダウンなのかい?」
余裕の表情で、小刀をくるくると弄ぶ女。
唇(というのか?)を噛むようにして立ち上がったカービィは、今度は
自分から飛びかかった。空中で右足を振りかぶる。
「なんと芸のない攻撃だい」
気合を込めて放った蹴りは、女ではなく木の幹に当たった。
大きな音の後、無数の木の葉がひらひらと舞い落ちる。
あっけにとられるカービィが振り向いた瞬間、彼に拳が命中した。
木にぶつかると鞠のように跳ねて、女を飛び越えたところで
もうひと跳ねし、うつ伏せに倒れ込んだ。

「ただの山賊じゃないようだな。戦い慣れしている」
……それも相手を欺いたり、先導権を握ったりすることを重視した
戦法を扱うタイプ。バカ正直なカービィでは、少々苦戦するだろうな。
もちろん、そんなタイプの敵はこれから先、たくさん出てくる。
ここで勝てないのならば、カービィはこの先、生き残れない。

「分かってるのかい? あんた」
女はカービィを睨みつけて、続ける。
「あたしは、あんたを食おうとしてるわけだ。殺すつもりなのさ。
もっと必死で抵抗してみなよ……でなければ、切り刻む!」

「突き」の構えで駆け出す女。カービィは立ち上がり、相手をよく見た。
そして、小刀の刃先が届く寸前で、彼は女の視界から姿を消す。
「何っ!?」
その時にはもう、女は足を払われて、その身体を宙に浮かせていた。
真下を潜っていくカービィ。

助走無しでスライディングだって……!?

直前まで迫った地面を片手で回避して、女は体勢を立て直す。
払われた右足に激痛が走った。
「何だ、急に動きがよくなりやがって……」
「負けないよ。負けちゃダメなんだ、ぼく。みんなが待ってるから」

片手に持つ小刀も、もう一方の拳も、掌も、それ以降は全く
当たらなくなった。何となく女の攻撃手段が、カービィは読めてきたのだ。
バルカンジャブをお返しに繰り出す。しっかりとしたガードで、女は
それを防ぐ。動きが止まる。
すぐさまカービィは女の懐に入り込んだ。

「ごめん、少し痛いけど、我慢して」
スマッシュキック。女は先ほどのカービィのように吹き飛んだ。
そして再び、大きな音。女がぶつかった木が、もう一度大量の木の葉を
落とした。

「……やるじゃないか」
木に寄りかかった状態で、女はニヤリと笑うと、力を無くすかのように
そこに倒れ込んだ。

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