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Another story of Kirby 第二部 [59]



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投稿日 : 03/09/30-23:34
投稿者 : yuletear  


じりじりとした陽射しは森の中へ入ると共に随分和らいだ。
森へ着くまでにこんがり餅になってしまうのでは無いかと、
密かに心配していたカービィは、ほぅ…と安堵の息をついた。
先ほど全速力で(注:ピックが)駆け抜けた森は
改めて見てみるとなかなかに綺麗なもので、
澄んだ水を好むカパー達があれだけ沢山生活しているのも分かる気がした。

男に教えてもらった通りに奥へ進む。
やがて小川の側にやや大きめの石がいくつか転がっている場所に出た。
「んーっと、ここが一つ目の分岐点なんだって。」
カービィは紙切れを見ながら言う。
「分岐点?」
チュチュがその紙を覗きこみながら聞き返す。
「なんだなんだ?」
ターツがカービィとチュチュの頭を軽く押さえながら、紙を覗きこんだ。
メモには1から順に、場所の簡単な描写と何やらキーワードの
ようなものが書かれていた。
男が言っていたことを番人がメモして渡してくれたらしい。
ここのキーワードは、『塩』とある。

「しお〜?」
ターツが頭をかきながら辺りを見る。
「海があるわけでもねぇし…何が塩なんだ?」
チュチュも隣で頭をひねっているが、カービィはパッと明るい顔をすると、
一つ一つの石に近付いて何かを調べ始めた。
「カービィ、これが何を示してるかわかったの?!」
メモを渡されたチュチュがカービィに近寄る。
「うん!ちょっと待って…んー、これかな…?」
そういうとカービィは小川の水で手を濡らし、中でも少し
透き通った部分を持つ石にごしごしと手をすりつけた。
そして…ぱくっ。と口の中に入れたのである。
「お前何やってんだぁ!?」
「しょっぱ〜い。二人とも、こっちこっち。」
カービィはぽひゅぽひゅと先へ続いている道へと進んでいく。
「え?ちょ…ちょっと待ってよっ!」
チュチュが慌てて後を追いかけていった。
「へぇ…岩塩。それで『塩』か。…ちょいと失敬してくかな。」
ターツはカービィが舐めたところの近くから岩塩を少し削り取り、
袋の中にしまった。
「自然の暗号…か。これは確かに、面白そうだな。」
道の先でカービィが手を振っている。
手を上げて合図すると、ターツは二人(?)の方へ駆けて行った。

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投稿日 : 03/10/12-21:20 
投稿者 : ひでぶ  


艦内を警備するダークマターは、意外だがそれほど多くはない。
旗艦であり、隊列の中心にあるこの艦に、不審者など入り込みはしないと
思っているのか、数少ない警備のダークマターも、あまり入念に見回りを
していないようである。

1体のダークマターが通り過ぎてしばらくの後、いつもと変わらないはずの
壁が、ぺりっとめくれた。小豆色のポップスタータイプがそこから顔を
出して、辺りをきょろきょろと見回す。グレンだ。
「……もう大丈夫みたいです」
グレンが壁――隠れ蓑をはぎとると、ソルビィとまーびぃも彼の両隣に
姿を現す。一同、ほっと一息。

3人(?)は情報端末室を目指して進んでいる。
この艦に侵入してから、彼らはもう4体のダークマターを気絶させている。
端末室のカードキーを、そのうちの3体目が、ガス状のからだの中から
こぼれ落とした。これがきっかけだ。

「さ、ソルビィさん、早く……!」
「うん、もうちょっと……よし」
即席の氷の脚立の上に乗るソルビィ。かちゃりと音が鳴り、天井の通気口が
開く。通気口の中に、ソルビィは上半身を入り込ませ、気配を探る。
入り込ませた上半身を一度戻して振り返り、グレンとまーびぃに向かって
頷くと、今度は身体全部を通気口に潜らせた。2人(?)も彼の後に続く。
「このまま情報端末室までいければ、僕、すごく嬉しいんだけど」
「多分大丈夫ですよ。各部屋の前まで繋がっているはずですから、
この通気口」

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投稿日 : 03/10/12-20:17 
投稿者 : yuletear  


自然の暗号を解きながら、正しい道を進むカービィ達。
森の奥に進むたびに光が遮られることが多くなり、
水の匂いが遠ざかり、どちらかと言えば大地は乾いている。

「…随分、変わったところにアジトがあるんだな。」
空気中の水分があまりないことに気づいたターツがぽつりと言った。
「そうかしら?だって、これくらい目立たない方が敵には
見つかりにくいと思うわよ?」
チュチュの言葉にターツはそりゃそうだ。と頷いた。
「そうなんだけどよ、水源っていうのは大事だろ?」
「水が無かったら困っちゃうもんね。どうしてここに作ったんだろう?」
「そりゃあ作った本人に聞かないとわからねぇな。」
そうだね。と言ってカービィは歩いていたが、ふと足を止めた。

「また暗号?」
チュチュがメモを覗きこむが、先ほど解いたキーワード以外には
もうなにも書かれていない。
「ん〜ん。ついたみたい。ここだって、書いてあるよ。」
特に何の変哲も無い場所で、カービィは無邪気に笑ってみせたが、
こう呟いた。
「でも、入り口わかんないね。あはは……。」
1人と2匹は乾いた笑みを浮かべ、一様に溜息をついたのだった。

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投稿日 : 03/10/12-20:36 
投稿者 : ひでぶ  


とりあえず、周囲を調べることにしたカービィ達。
昼間の陽光が殆んど地面まで届かないその場所は、随分と暗く、
視野も遠くまで届かない。目だけでどうにかなるものではないようだ。
彼らは色々な場所をその手で触れ始めた。

乾いた土の上で、尚も樹が生きていられるのは、根が地中深くまで
がっしりと伸びているからであるに違いない。
小鳥のさえずりも、虫の鳴き声も聞こえなくなったその森林の中で、
何となく、カービィは土に耳(?)をあててみる。

乾いた土は、その奥深くに隠した水の音を、若干だがこぼしていた。

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投稿日 : 03/10/12-20:49 
投稿者 : yuletear  


「ねえ!」
地面に耳をあてながら暫く辺りをずりずり移動…というより
はいずっていたカービィが、その体勢のまま二人を呼んだ。
思い思いの場所を調べていた二人が、近くへやってくる。
「何か見つかったの?」
カービィはようやく起き上がり、頷いた。
「うん。この辺ね、水の音が下からするんだ。」
土ぼこりのついたカービィをばたばたとはたいてやりながら
ターツが聞く。
「それで?ここで止まったのには意味があんだろ?」

カービィが二人を招き寄せたところは小さな茂みがあった。
…とは言っても茂みは他にも点在している。
それでもカービィは強く頷いた。
「ここだけ、風の音がするんだ。」
「風…中が空洞になってるってことか。」
担いでいた槍で地面をトントンと叩きながらターツは茂みを眺めた。

「でも…入り口みたいなのって……」
チュチュが茂みをがさがさと揺らした。
地面を注意深く、その柔らかい手で撫でている。
硬いものが当たった。
「何かしら?ねぇ、カービィ、ターツ。ここに何かあるみたい。」
チュチュが指差した場所の草をかき分けて
彼等が見つけたのは、自然の変わり石に見せかけた小さな取っ手だった。
三人(?)は顔を見合わせる。
「これが入り口かしら?」
「わからない…でもよぉ、やっぱここは…」
「開けるしかないよね♪」
悪戯をするような笑いを見せて、三人はその取っ手を引っ張った。

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