×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

遥かなる旅の果てに [2]



-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/16(Thu) 12:13
投稿者名:さびかび


十瑠は「大海の剣」で次々にダークマター達を薙ぎ払った、
そして大海の剣もまるで喜ぶかの様に切るごとに切れ味を増す様
だった。
レイラは次々にビームを交わしながら不可能とも思える様な体制からも
ナイフをダークマターの目の中心に刺しては消滅させる。
イチタは剣を構え詠唱呪文を唱え始めるー
「…この愚かな者達を食らい尽くせ…」
彼を中心として地面が割れ始めそこから溶岩は降り注ぐわ岩石は
飛び交い次々にダークマターを消滅させる!

その混沌にまぎれてカービィは落ちたスターロッドを拾い上げ
振りかざし星型弾を精一杯発射する。
それにあたったダークマターは ぱん! と言う音を立て消滅した。

がカービィは戦いの最中にもソグネフィヨルドの言ったとある
言葉が気になっていた 「貴様以外の星の戦士もだ!」
この言葉が頭の中を埋め尽くす。
…メタナイト! 

ダークマター達の体力は極めて低く、一撃で消滅するものの数は半端
では無い、 カービィ達が必死で戦っている時さえも空から現れる
ダークマターの数は途絶えなかった。

「ここで動ける物を潰しておく気か…それとも…」
十瑠は一瞬カービィへと目をやった、
「(あのスターロッドと言う杖の奪取なのか…?)」
その刹那だった

ギュン!

十瑠の脇がまるでねこそぎ抉り取られたかの様に痛み出す。
そして彼の服は紅く染まる。
一瞬でかれは物事を理解した
ソグネフィヨルドのピストルが火を吹いたのだった
「敵をダークマターだけだと思うなよ…? こっちの楽しみを半減
させるんだったら…」

再びソグネのピストルが凄い爆発音と共に火を吹いた。
それを見たイチタは瞬時に目の前にいたダークマターを魔剣で刺し
銃弾の起動にダークマターを押し出す、
銃弾を受けとめたダークマターは消滅。
「銃弾の起動さえも読めない訳じゃ無い、
これを分かってて負けても文句言うなよ!」

それを見たソグネは悔しがるどころか笑い出したのだった。
「くっくっくっくっ、ははっ!そうでなけりゃぁこっちも面白く無い、
じゃぁ…こいつを出しちゃうか…」
ソグネは白衣の中に一旦手を入れたかと思うと一回り、いや
ふた回りほど大きい銃を取り出した。

「デザートイーグル…さっきのちゃちぃピストルと比べ物にならない
破壊力の持ち主な故にダークマターの2,3匹ぐらいは軽ぅ〜く
貫通しちゃうから気を付けなっきゃぁ…ね?イチタ君って言う人?」

そう言い彼はいきなりデザートイーグルを発砲して来た。
素早く回避したイチタ達だったが後ろからの突進して来たダークマター
の直撃を食らった!

「くっ…威力は上がっても命中しなけりゃぁ、意味は無い!」
そう言い十瑠は大海の剣で近くのダークマター達を次々に消滅させ
イチタとタッグを組んでソグネとの接近戦へと入った。

大海の剣が次々に斬り次々にダークマターを消滅させイチタの魔法
が炎の雨をソグネに降り注がせるが一行にソグネには回避され続けた。
「甘い、甘い、滅茶苦茶やっても当たるってモンじゃ無いんだから…」
ガキィィン!
火花が散り大海の剣はソグネの銃に動きを封じられてた。

「ここで君達に運命の二択を与える、君達は愚かでも戦闘能力は認める。
我々に忠誠を誓って命乞いをすれば…中間達も助かるかもしれない…
それとも、君はここで仲間と共に死んでみる? 大丈夫だよ
その時は君の仲間をゆっくりと…そうだね、「地獄絵」での様に
その信じられない発言を発したその舌を引き伸ばしてあげようか?」
彼の目はいたって本気であった。
 こいつならやりかねない!とイチタは直感的にその眼から察した。
「何をっ… …イチタっ?」
 イチタは片手を十瑠の前に出してカービィ達の方へ目をやった
 カービィはもうへばり始めていた、機敏だったレイラの動きも
 衰え、もはや急所を狙えなくなっていた。
「くっ…」
十瑠は大海の剣にかける力を抜いた。
「それでいいんだよ…さあ、命乞いをしな、忠誠を誓えば楽になる…」
イチタはの口からは歯ぎしりが聞えた、そして彼が口を開き
言葉を出そうとした瞬間!

カカカカッ!

彼の後ろから大量のダガーが飛びその場にいた全てのダークマター
が消滅した。

「ソグネったら、駄目じゃない、こんな美味しそうな子達にそんなストレス
与えちゃぁ…美男が台無しだよ?☆」
真っ赤のローブに身を包んだ12前後の女性が一人夢の泉のスターロッドが
あった台の天辺に立っていた。
イチタは身震いがした、この女性の「美味しそう」から感じた
何かに寒気がしたのだった、女性が言う「恋心」や「可愛い」などと
全く違う物である事はたしかだろう。
…かと思ったら何時の間にかに目の前にいたソグネを池の底に
押しつけていた。

ぶくぶくぶく…と数分、ただでさえ時が止まってるのにカービィたちさえも
時が止まったかと思った時だった。

「ぶはっ、げほっつ、ごほっつ!」 ソグネが池から顔を出して激しく
むせ返っていた。
その光景にカービィ達は愚か上空をにいたダークマター達で
さえも呆れた様な眼でその光景をみてた

「ね、ねぇ…君、誰?」
カービィはなんとか問う勇気を出して喋ったのであった。

「え、あ、あたし! ゴメンゴメン、こっちは初対面ね、
あたしの名前はー」

バン!

さっきまでむせ返っていたソグネがデザートイーグルを彼女の額目掛けて
発砲したのであった!

頭もろとも吹き飛びかなりグロテスクな状態にあった。
その光景を見てレイラは口を押さえうずくまった…
が…

「そうそう、あたしの名前は大盗賊、古今ヤナギって言うの♪」
彼女の頭は瞬時に再生し何も無かったかの様に話していた。

「いくら不死身だからと言って付き纏うのは止めてくれないと、
肉片にちゃうかもしれないのでね。」
「あら、でもそこからまた再生してあげるモン! …でももう一人
美味しそうな子見つけたし… ふふっ、それよりダークマインドの
おじさんかなり怒ってたよぉ〜? あたしがこの体質を利用して…
こんな事もできるのはしってるよな?」
そう言うと彼女の身体は一度溶けてソグネになった、
その光景を見てソグネ以外全員は言葉を無くした。

「…ちっ、…まぁ良い、次はM134バルカンも持ってくるから覚悟
しておいてくれないとな…獲物どもめ。」
彼はそう言うとダークマターと共に上空へと姿を消した。

「ふぅ、やっぱ変装も疲れるわねぇ…あ、改めてー」
「いや、改めなくってもOKです…」
カービィが少々青い顔で言う
「あたしはレイラ、あそこで助けてくれて有難うね!」
とレイラが笑顔で言う
「あはは、助けただなんて…私はこの子達に興味があるんだし…」
そう言い妖しく微笑んで十瑠達にウィンクする
「そしてあなたも美味しそうね、丸餅君♪」
そう言いカービィのほっぺを笑顔でぷにぷに突付く
「えっと、ならヨロシクね、仲間になってー」
カービィがそう言いかけるとヤナギはカービィをピンと突き飛ばすー
というよりも弾き飛ばす。
「勘違いするといけないけど、あくまであたしは仲間と言うよりもむしろ
敵かもね? じゃぁ、あたしはここで、ご主人様が御呼びの様子だし
じゃぁねっ、可愛い丸餅君と、カッコイイ剣士さんと、
素敵な魔法剣士さん、とー…お子様レイラちゃん☆」
彼女はそう言って笑うと静かに消えていった…

「なんか敵がいっきに増えちゃったね…って、それよりもその傷…」
カービィは少々呆気にとられたかの様な状態の十瑠に言った
「あ…あぁ…普通のピストルだからかなり大丈夫だ、でも傷は大きそうだ、カービィ後で消毒、頼めるか?」
十瑠もそう呟く様に言った。
「…美味しそう…か… …まさか…な…」
とそう後ろでイチタが「ぼそっ」の効果音がいかにも合いそうな感じ
で呟きます。
そして後ろにレイラが顔を赤くしてしかめっ面をしてるのは秘密に
しておこう。
___________


敵?(中立?)なキャラ
古今 ヤナギ
実は自分の名前さえも知らず古今とは自分の体質などを考えて付けた
物らしい、赤いローブに身を包み下には黒いゴム性の絶縁スーツ
そしてさり気無くマントを身に着けてる。
ローブにはあらかじめ手品道具などの一式が揃ってる。
無数のダガーもその中に閉まってある、その外ファイアートーチ
やお手玉、ナイフ、爆薬、意外なところでは包丁までもしまい込んである
彼女は「再生能力」がある故に果てしなく打たれ強い。
潜在能力が高い者を狩り出し吸収すると言う。
それ故に長い間ソグネフィヨルドさんを付き纏い今では
カービィ達もターゲット、「再生能力」を変化させた「変身能力」
も使いこなしまつ。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/16(Thu) 14:39
投稿者名:一太郎


「・・・」
「どうした?」
イチタが黙りこくったカービィに訊く。
「・・・え?」
「考え事かい?」
治療を受け終わった十瑠が訊く。
「うん・・・さっきの奴がダークマインドの手下なんでしょ?」
「そう言ってたな。」
「その時さ、『ゼロ様もいるが』とか言ってたよね。」
確認するようにカービィが言う。
「・・・って事は、他にもいるんだね。」
レイラが呟く。
「多分。」
カービィが考え込む。
嫌な予感がしていた。

極寒の地、アイスバーグ。
ポップスターの中でも最も寒い地である。
象徴とも言える雪と氷は一切溶ける事が無い。
そんな地の片隅に、鉄の塊が落ちていた。
鉄の塊はかなりの大きさであり、ちょうど十瑠達の艦より一回り小さい。
塊の周囲を、1人の少年がうろうろしていた。
「あ〜ぁ、メインシステムが完全に壊れちゃったよ・・・」
少年が塊の側面を思いっきりスパナで殴る。
良い音がした。
「ダメか・・・動力部も吹っ飛んじゃったからオートリペアプログラムも作動できないし・・・」
冷たい風が吹きぬけ、少年の白衣を靡かせる。
「・・・しかも寒いし・・・最悪だ・・・」
少年が座りこむ。
「この星に近づいた途端墜落とはねぇ・・・イチタとは離れちゃうし・・・連絡さえも取れないし・・・」
墜落というからには、これはやはり航宙艦か何からしい。
「・・・物騒だし。」
愚痴を一旦止め、ホルスターからハンドメイドの銃を取り出し、引き金を引く。
銃口から光線が走り、近寄って来ていた目玉の魔物―ダークマターを貫く。
ダークマターは急所を撃ち抜かれて絶命、霧散した。
「仕方ないし・・・歩くかな。」
少年が立ちあがる。
茶色の長髪を背中辺りで括っている。
瞳は髪と同色で茶色。
白衣を羽織っているために服装はわからないが。
腰の銃を確認し、工具を少しだけ持つと、少年は歩き始めた。
少年の名はアシュル・・・イチタの親友である。

----------------------------------

キャラの紹介です。

名前:アシュル
性別:男
容姿:茶の長髪を背中で1本に括っている。瞳は茶色。白衣を羽織っている。
一人称:僕
武器:光線銃『シグルド』2丁、実弾銃『ルーン』2丁。スパナ1本。
武器について:銃に関しては自作。スパナはただのスパナです。
年齢:9
性格:明かるめ、真面目。
趣味:機械いじり。発明。
その他:天才です。頭が良いです。ちなみに発明家です。

       
-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/16(Thu) 16:51
投稿者名:ティール

 
 「なんなの…あいつ…」
 「どうかしたの?もしかして…さっきの人知ってるの?」
 レイラは、ぼそりとつぶやいたつもりだったが、
 カービィが話を返してきた
 「え…なんでもないよ…」
 「ん〜でこれからどうするんだ?」
 そうイチタが話をはじめた。
 「え〜と…オレンジオーシャンに行って欲しいんだ。」
 「何故だ?」
 艦長の十瑠がいう。
 「『メタナイト』っていうとっても強い剣士がいるんだ!
  だから…もしかしたらちからになってくれないかなぁ…って」
 そういってみたカービィだったが、ソグネフィヨルドの言葉が気になる

 ―――――ギャラクティック・ノヴァに至るまで…もちろんカービィ
   ―――――貴様以外の星の戦士もだ
     ―――――最早動きはしない
       ―――――我々が全宇宙を支配するその時までな!!!

 ふと下を向いてしまったカービィにルクソルが声をかける
 「大丈夫だ!!そんなに強い剣士なら…きっと動いてる!!」
 そう言葉をかけてくれた
 「そうだよね!!」
 その言葉にいつもどうりに答えた



 「仲間は…多い方がてっとりばやく邪魔な物を消せるからね…」

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/17(Fri) 14:50
投稿者名:踊る米玉・十瑠






<生体反応を調べますか?>
マトリエス号艦内。
ルクソルは、操縦席――と言うより操舵室のコントロールパネルに向かっていた。
機械特有の無機質な声で、システム起動の確認をとってくる。
「ああ、頼む」
友人にでも話しかけるかの様な口調で言ったにもかかわらず、システムは起動し始めた。
<生体反応調査システム起動。範囲を指定してください>
「この星全部」
<データ確認中…データ確認終了。生体反応調査、開始>
ウィィィン…
「よし。これで残りの人達の場所や数も分かるだろ。調査が終わるまでには少し時間がかかる。何たってこの星全域を調
査してるからな」
「うん、ありがとう。ルクソル」
カービィが礼をして、怪我を負っている十瑠の方へ目をやった。
「…大丈夫なの?」
「心配するほどの傷じゃあない。古傷が開いただけだ」
「古傷?」
イチタが問う。
十瑠は血が止まりかけている傷を押さえながら答えた。
「…昔の話だ。…ソグネめ、私の古傷を狙って撃ってきたな…」
苦痛に顔を歪める十瑠。
不意にレイラが近付き、おもむろに何かの詠唱をし始めた。彼女の掌に仄かに白い光が収束する。
「…汝の生みし尊き子の傷を癒したまえ……ヒール!」
十瑠の傷が、見る見るうちに癒されていく。
驚く一同。
「驚いた?あたしは回復魔法も使えるのよ」
誇らしげに胸を張って言うレイラ。
「こりゃ驚いた。…今後も役に立ちそうだな」
呟くイチタ。

――しかし、この場の雰囲気についていけない者が二人。
「………な、なんだ、今のは?」
十瑠とルクソルである。
「何って…魔法だよ?…知らないの?」
カービィが問うと、逆にルクソルは半分怯えた目で問い返してくる。
「マホウ??…そのマホウってのは、あんなにヒドかった十瑠のキズを一瞬で治しちまうほど強い手品なのか?」
「手品じゃないよっ!!」
怒るレイラ。
どうやらこの二人は、魔法に馴染みがない様だ。
「…魔法ってのは、今レイラが使った回復系の魔法の他に攻撃系のものもある。炎の玉を飛ばしたり、雷を降らせたりと
かな」
イチタが二人に説明すると、二人は納得した様なしない様な顔で曖昧に頷いた。
「恩師は非現実的なものは一切信じないと言っていたが…世界は、いや、宇宙は広い」
「あ、そういえば十瑠…君はどこから来たの?この星の人…じゃないよね?」
「私はここからかなり離れた星から来たんだ。…私の故郷の星も、六年ほど前にここと同じく時を失った。…最先端の科学
力を狙って、何者かが大軍勢で襲って来たんだ」
「ダークマター達か、それともゼロかダークマインドの差し向けた新しい兵士達か…」
見当がつかないといった様子でイチタが言う。
「私はその時星の外へ別の惑星の調査に恩師と出ていて、時を失わずに済んだ。
星を侵略に来た奴らは、まだ時の操作方法をよく知らなかったらしい。
動かなくなった住民達や書庫から何の戦力も得ることが出来ないと悟った途端………」
十瑠はレイラに治してもらった部分を見る様に俯いた。
治した筈なのに、そこには深い切り傷の跡が痛々しく残っている。
「…当時まだ小さかった私を人質に、恩師へ自分達への協力を要請した。恩師は…要請に答えた。私があの時もっと力
があれば…っ」
俯く十瑠に、カービィは慰めの言葉をかける。
「…自分のコト責めちゃダメだよ、十瑠」
「……ありがとう。
恩師はニ、三年ほど奴らの下で科学兵器を造る科学者として働いたが…
隙を見て、私を連れて隠してあったマトリエス号にのって逃亡を図った。
……だが、恩師は追手側にいた奇抜な格好をした者に…先程のマホウとやらをかけられた。……恩師はこの星と同じ様
に、石の様に動かなくなってしまったよ」
「その恩師とやらは、今どこに?」
イチタが訊いた。
「医療室の冷凍睡眠装置に入っている。…はたから見れば、眠っている様にしか見えないが」


十瑠がひとしきり過去を語り終えた後、丁度生体反応調査が終了した様だった。システムが無機質な声で告げる。
<生体反応調査、終了。生体反応四体確認、未確認生体反応約数百確認>
「…四体?」
「二人は…おそらく先程のソグネとヤナギとかいう奴だろう。…残りは…」
イチタが考え込む。
(…アシュルか…?)
その傍らで、カービィも考えていた…いや、願っていた。
(…メタナイト…君なの?)


「場所も確認出来たぜ。おそらく、未確認生体ってのはダークマターとかゆーさっきの黒い奴らだろう。
…行くか?」
ルクソルは誰ともなく訊いた。
「もちろん!!!」
威勢良く答えたのは、カービィであった。
「よぉーし!!艦長、出発の号令を!」
「…よし。マトリエス号、浮上用意!!目標は生体反応確認地!!!
――――発進!!」

マトリエス号はその巨体をゆっくりと浮上させると、生体反応があった場所目指して発進した。






-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/17(Fri) 17:00
投稿者名:プチかび


アイスバーグ上空。
「ん〜、ここがプププランドか〜……」
一つの影がふわふわと漂っていた。
形は……人型。しかしうつ伏せになって飛んでいるわけではなく文字通り、気流に任せて漂っている……そんな感じ。
「……あ、生きてる人、めっけ!」
そう呟くや人影は一気に急降下していった。


「あ〜……いっつになったらここから抜けるんだよ……」
同時刻、アイスバーグ地上。
元々極寒のその地に追い討ちをかけるように吹雪が吹き始める。
決して防寒加工しているとは思えない白衣と
背中で結ってある茶色の髪が風に煽られなびく。
だがまだ風は緩やか、本格的になるまでに時間はあるだろう。
「しかもまだ、物騒だし……」
構えた拳銃のトリガーを引く。
攻撃を仕掛けようとしていたダークマターは殲滅した。
「早くしないと……」
……寒さで凍え死ぬ。
冗談じゃない。
「にしても…ペンギンの一匹や二匹いてもいいと思うんだけどなあ……」
ぶつぶつと何かいいながら進むのはアシュル。
つい先ほどポップスターに墜落してきたのだった。
と。
「……!」
アシュルの少し先。
霧のように視界を覆う白に紛れて蒼い色があった。
色の大きさはこの位置からだとアシュルと同じぐらいだろうか。
なんにしろ今までのような黒い目玉ではない。
アシュルは新手の敵かと不安を抱えつつも足を速めた。
そして、近づく。
「あの……」
だが彼を待っていたのは時が通わないアイスドラゴンの姿。
「……?」
おかしいな、何で反応してくれないんだろう。
「……レプリカか?」
呟いたその時、彼はある種の罠にかかっていた。
人為的に風が切れる音。それは彼の横から。
アシュルは反射的に光線銃―シグルドを構えてその方向に発射する。
風切りの正体はダークマターの放った光線。
2つの光線はふっと相殺される。
「っち!」
もう一度トリガーを引こうとして―……違和感。
はっ、となったときには銃が地面に煙を上げて転がっている。
瞬きした後、撃とうとしていた左手が激痛を伝える。
叫びだしたくなるような衝動もろとも右手で押さえ込む。
(もう一匹いたのか!?)
正確に言うと一匹ではない。
彼の周りは、既に四方を囲まれている……彼は殺気でそれを感じ取る。
(まずいぞ……!?)
ゆっくりと、ダークマターが近寄ってくる。
戦意喪失と見たのか近距離で来るようだ。
ふ、とアシュルは手を離し、そっと両手を白衣の中に忍び込ませる。
(まだあきらめるものか……。)
サブの拳銃を引き抜く準備をする。
(まだ使える右手でレーザを撃ち、右から正面に弧を描くように撃つ。)
アシュルは自分に言い聞かせる
(左手で左にいるあいつに実弾を撃つ……命中するかは…運しだい、か…?)
ごくん、と唾を飲み込む。
(後ろにいる奴はこの怪獣に守ってもらってるから来ない…はず。)
その時まで、後ほんの僅か―…
(今だっ!)
引き抜こうとしたその時!

「ご苦労様〜後は私がやっつけておくから皆去って良いよ〜。」
素っ頓狂、その場にあわない少女の声。
「…『レイ』か。一体何のようだ?」
自分を撃ったダークマターがやや上を見上げて言う。
つられて上を見るとアイスドラゴンの上に一人の少女がちょこんと座っていた。
「だーかーらー、言ってるでしょ〜?ゼロ様代弁人の命令〜!
後は私が始末するから!ほら、さっさと行く〜!」
しっしっ、そう手振りするとダークマター達はしぶしぶその場から立ち去る。
一難は去った。
だがまだ安心は出来ない。
アシュルは躊躇い無く両手の銃を引き抜くと少女に向かい構える。
「動くな!動いたら……撃つよ!」
「あ、大丈夫、私は敵じゃないから。」
ひらひらと今度は否定の手振りを見せる少女。
「そんなの信じられるか!動くなっ!」
「……あれ?その左手、怪我してるの〜?」
アシュルの忠告は全く聞かず、アイスドラゴンの背中から降りる少女。
アシュルの顔に動揺が走る
「う、動くなって!」
「それはこっちの台詞〜……親愛なるゼロ様、この子の怪我を治すお手伝いをしてください…ケアル!」
少女の指先か焼け焦げ見るからに痛々しげなアシュルの左手に触れる。
するとたちまち傷口が塞がり……再生された。
「……!?」
驚愕の色が隠せない。
傷口の事ではない。なぜ敵である彼女が?
「よっし。よかったね〜。」
そんな事はお構い無しににこにこと微笑む少女。
「あ、有り難う…って、違う!何でこんなことするんだ!?動揺させる為か!?」
語調を強め、少女の額に銃を突きつける。
「……なんでって…怪我した人がいたら治すのは当たり前じゃない〜?」
突きつけられたことに何も言わずきょとんとする少女。
「それに、ゼロ様の命令なんだ。『生存者の怪我は癒せ』って。
あ、ダークマター達には内緒ね?これ極秘任務だから。」
その上人差し指を己の口に当てて『秘密ね』ポーズもとっている。
考えてみれば彼女に先ほどの奴らと違い殺気がない。
隠していようが悪なら自然と滲み出る殺気も全くない。
……脱力。
アシュルは銃を下ろした。代わりに問う。
「君……何なの?」
「私?私はゼロ様の秘書みたいなもんかな〜。
名前はみんなからは『レイ』って呼ばれてるけど本名は違うんだ。
リヴリィーナって言うの。ゼロ様からはリィーナって呼ばれてるよ〜
今日は極秘任務、『生存者調査』しに来たんだ。
なんでも今回の作戦、ゼロ様はあんまり乗り気じゃなかったんだって。
だからこうして私に生存者調査をして来いって。何か考えがあるのかな?」
ベラベラと手の内を明かす少女……リヴリィーナにアシュルは呆然……
しかも、裏表も、工作をしているようにも見えない。
(何なんだ……!?)
「だから私は君達の味方だよ。信じてくれた?」
ひょい、とアシュルを覗き込む。
「……わかった。今だけ信じるよ。
でも……変な動き見せたら構わず撃つからね?」
「有り難う〜♪ダイジョブ、今回の任務は誰も殺しちゃいけないってゼロ様に言われてるし〜。……そいえば君、名前は?」
困った。素直に言って良いものか……
(特に害は無い…か?)
「……アシュル。」
「えぇと……アシュル君、ね。よしわかった!
それじゃあ、他の仲間探しにいこっか!」
にっこりと微笑むリヴリィーナ。
アシュルは溜め息をつきつつもどこか安心している自分に気付いていた。

一方……マトリエス号。
<生命反応確認現場に到着>
辿り着いた場所は……
「オレンジオーシャン……」
カービィが、呟く……


−−−−−−−−−−
でもこの子は生命体では無くダークマターと同じ未確認生命体です。
名前はリヴリィーナ。外観年齢16歳。実年齢1歳
ゼロに「生み出された」存在です。
彼女にとってゼロは親であり一番大事な方です。
ゼロの為なら命投げ捨てる事も出来ます。
またゼロも彼女を信頼しています。
容姿は肩の辺りまである整えられていない黒髪。目は紅。
服装はワイシャツにスカートに蒼いリボン……女子高生の格好です(ぇ)
これはゼロではなく彼女の趣味だそうで…
誕生して1年、まだ思考が成長しておらず思ったことをすぐ口に出してしまうよく言えば純粋、悪く言えば単純。信用を得
てもらう為ならと極秘任務にも拘らずしゃべるのは人と話すことが好きだから。早い話頭のいい幼稚園児。


-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/17(Fri) 20:30
投稿者名:踊る米玉・十瑠


「星の戦士としての誇りを捨てずに、負け戦に立ち向かうその心意気は認めよう。
…だがな、仮面の剣士よ。世の中には、心意気だけではどうにも出来ないことがある」
オレンジオーシャン、マトリエス号が着陸した所から五キロほど離れた場所。
五体ほどのダークマターを連れた男ソグネフィヨルドは、デザートイーグルの銃口を仮面の剣士――メタナイトに向けたま
ま言い放った。
「正直、あの桃色の球体以外に動ける星の戦士がいるとは思わなかった。誤算だったな。あのヤナギとかいう女もだ。
…時を奪い、その星のエネルギーを吸い尽くし、新たな我々の理想郷を創り出す計画に邪魔なのだよ、君達の様な時を
保つ者は」
メタナイトはギャラクシアを握り締めたままソグネへ言い返す。
「…何故星の時を停める?」
「星はエネルギーを吸収されると枯渇してゆく。木々は枯れ草木は散り豊かな水源はただの穴となる。
…そうなると、そこの住民達は騒ぎ立て、少しでも我々の邪魔をしようと目論む。
それを阻止する為に、デストルイール様は時を御停めになった」
「デストルイール…?それが貴様達の主か?」
「そう。…闇の力ではゼロ様にもダークマインド様にも…いや、おそらく誰も敵わぬだろう。
少々お喋りが過ぎたようだな。この癖はいずれ直さねばなるまい…
さあ、永遠の眠りにつくがいい!!」
ソグネが銃弾を発射しようとしたその時!

「メタナイト!!」

メタナイトにとって、聞き覚えのあるやや幼げな声――
「カービィか!?」
後ろを振り向くと、カービィと共に十瑠、イチタ、レイラ、ルクソルが駆け寄って来た。
「…彼らも時を失わずに済んだ者達か?」
「うん、そうだよ!僕達の仲間なんだ!」
「またお前か、ソグネ。…あの女…ヤナギはどうした?」
「ヤナギはこの星にはいない。ふらりと何処かへ行った」
(…じゃあ、もう一体の生体反応は一体誰なんだ…?)
「…全く貴様達は、タイミング悪く現れるな。
その星の杖が貴様達の手の内にある限り、私はもうこの星に用はない。生存者抹殺という命令はあるが…これではキリ
がないな。退くぞ、お前達」
ソグネは非常に不愉快だといった面持ちで、再び消えていった。ダークマター達と共に。
「…危ないところだった?メタナイト」
「いや、戦闘はしていない。…それよりも、彼らの素性が知りたい」
メタナイトが言うと、レイラが答えた。
「じゃあ、私達の船に来なよ!」
「正確には私の恩師の船だが…まあよしとするか…」
十瑠がぼそりと呟く。




「私は十瑠。ここの艦長だ。よろしく、メタナイト殿」
「俺はイチタ。アシュルを探してる。…よろしく」
「私はレイラ!魔術師だよ!」
「んで、俺がルクソル。ここの副艦長でぇー……あん?」
自己紹介の最中に、ルクソルは駆け寄って来た別の乗組員が話す言葉に耳を傾け、そして皆に告げた。
「もう二体の生体反応があった場所の見当がついたみたいだ。目的地はアイスバーグ。…行くぞ」








「私はあの様な卑怯は手段は望まぬぞ、ダークマインド」
赤い眼の男が、悪魔がはやしている様な角のはえた全身真っ黒な男――ダークマインドに向かって言う。
全身真っ黒の男はそれを嘲笑する。
「何故だ?ゼロよ」
「私達は時の力の本領を…真の力をまだ少しも知らぬ。時を奪う作用があることだけが分かったばかりではないか。
…それをいきなり実用するとは…正気の沙汰ではないぞ!!」
「…恐れていては、道は開けない。実際に成功したではないか。
…ほれ、何と言ったかな…?最新鋭の科学兵器を造る為にその技術を奪おうとして失敗したあの星だ」
ゼロは相変わらず、その赤い妖しい、不気味な光を宿した瞳でダークマインドを睨み続けている。
「何をしても住民は文句一つ言わずにその場に佇んでいる。意識さえ停滞したあの星はまさに死の星だ。
…そして、今あの星の技術を借りて科学兵器は造成されつつある。ほぼ完成に近付いている」
「…私は降りるぞ、ダークマインド。ナイトメアとマルクにもそう告げておけ」
「……理由は」
「私はカービィに敗れてから、この城で虚無として平穏に暮らそうと内心思っていた」
「その思いの結集体がレイか」
ゼロは無言で頷き、肯定した。
「カービィと戦って敗れてから全てが分かった。奴の強さを。奴の支えを。…私が今まで持ったことのない、暖かい感情と
やらを」
ダークマインドは黙ってゼロの話を聞いている。…右手を微妙に、ゼロに気付かれないように動かしながら。
「力だけではカービィには絶対勝てぬ。それはお前もナイトメアもマルクもよく知っているのではないか?
…私はこの計画から降りるだけではない。この城からも出てゆく」
「レイはどうするつもりだ?」
「連れて行く。レイは私をとても慕ってくれている。
レイが微笑む度に、私の胸にあたたかいものが広がる。レイが涙を流せば、私の胸は剣で刺し貫かれた様に痛む。
…レイは私にとって、大事な人なのだ。丁度、カービィに多くの仲間達がいる様にな」
「………見損なったぜ、ゼロさんよ」
「!!」
ダークマインドが右手を差し出すと、ゼロの周りに黒い半透明の結界が張られた。
「何のつもりだ、貴様ッ!!!」
「感情?力だけじゃ勝てない?…お前、カービィに負けてから腑抜けになっちまったみてえだな。全くよ、今回どうも乗り気
じゃねえと思ってたらそんな甘いこと考えてたのか。それにレイは貴重な戦力なんだぜ。そう簡単に手放せるかっての。
そういや、あの子はお前の言うことなら何でも聞くんだよな?それも丁度利用出来そうじゃねえか。
この計画が完全に終了するまで、あんたは牢屋で静かにしてるんだな」
ダークマインドの結界は床へ沈み込んだ。地下に牢獄があるのだ。
「…やはりゼロは我々から抜けようとしていたか」
サングラスをかけたマントの男が、部屋に入って来てダークマインドに声をかけた。
「うむ。…かつては全宇宙を支配出来るほどの闇の力を持っていたというに…愚かなことだ」



地下牢で一人、ゼロはダークマインドの結界に縛られながらもレイ――リヴリィーナのことを心配し、彼女の無事を祈って
いた。
(…ダークマインドは、リヴリィーナを利用すると言っていた。私を人質に命令する気か…!!
くそっ、リヴリィーナ…私のことは構うんじゃない!!)








マトリエス号がアイスバーグに着くまでに時間がかかるので、カービィは食堂で手当たり次第食事を、レイラは乗組員が
準備してくれた寝室のベッドで睡眠を、イチタは図書室で物静かに本を読んでいた。
「…艦長か」
「イチタは私の下で働いているわけじゃないだろう。艦長と呼ぶのはここの乗組員だけだ。私は十瑠だ」
「…そうか」
会話が続ける気もなかった。イチタはまた本に目を落とし、文章を追っていく。
「何を読んでいるんだ?」
「奴らが何故スターロッドを奪おうとしたかについてな……これか?『異星の言い伝え全集』…変な名前」
「どれ。


『…七つの欠片は七つの場所に。
一つは光、
一つは氷、
一つは炎、
一つは水、
一つは地、
一つは心、
一つは闇。
それらをはめるは神器の器。神器の器に欠片をはめよ。
資格を持つ者が振るうその時、その者の願いは叶うであろう』




「スターロッドにこの欠片の一つが含まれているのかもしれないと俺は思う。それ故に奴らはあの杖の奪取を……
…何だ?」
自分の顔を食い入るように見つめている十瑠に声を掛けると、彼女は我に返った様にイチタの傍から離れる。
「俺の顔に、何かついてるか?」
「…いや、なんでもない。本の内容に興味があっただけだよ。
――スターロッドに欠片が含まれているのなら…もしカービィが資格を持つ者なら…欠片を取り出せるかもしれない。
野望を叶えるのが奴らの狙いなら、この杖が私達側にある限り安心してもいいということだ。
…そうだろう?」
「そういうことになるな」
十瑠は早速、カービィのいる食堂へ向かった。





「…ディアルト…」
十瑠は、今はもう亡き人の名を呟いた。

イチタとディアルトは、驚くほどそっくりだ。
本を読む時に曲げる背の角度。文章を一行一行律儀に目で追うところ。
そして…いつも暗めで、近寄りがたいところ。

(ディアルトは今はもう亡き人だ。…亡き人なんだ!!)

纏わりつく彼が稀に見せた優しい笑顔を、十瑠は頭を振ることで振り切った。
(今はあの言い伝えが真実かどうか調べるのが先だ。…そう、もうディアルトはいないんだ…)


廊下を歩きながら、十瑠はひっそりと涙を流した。
その様子を、物陰からじっと見つめる人影が一つ。


「…利用出来るかも♪」
彼女は、そう呟いてにんまりと笑った。

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/19(Sun) 19:56
投稿者名:ティール


 艦内にある部屋の一つに彼女が入っていく
 壁に手をかざすとそこには扉が現れた…
 それは何処かべつの空間に繋がっているようだ

 「いい情報だよ♪」
 そういって開いたのは通信機だろうか
 「どんなものだ?」
 人のような物が現れた
 「アイスバーグに二人いるみたい!一人剣士さんが増えたよ♪」
 報告をしているようだ
 「それと…

   イチタが図書室で調べていたことを全て話した

 「なるほど…それは我々が探している物だ…全て集めろ」
 「りょーかいしましたー…っていいたいけどそっちで持っている情報く
れ ません?その方がむだないしさ!!」
 「わかった…のちにまとめて送ろう」
 「OK〜」
 そういって一瞬、人影が消えそうだったが不意にこんな質問を訊いてき
た
 「…その空間を使うことは無いと思っていたが?」
 「しょーがないよ…ちょっと勘の鋭い人多いからさ…」
 「…フッ…」
 そういって画面から消えた


 彼女はその空間から出て窓から外の景色を見た
 「もう着いたの?…やっぱはやいよねぇ…」
 
 コンッコンッ

 「レイラ。アイスバーグについたそうだ。すぐ出られるようにしろ!」
 「イチタ?わかった!すぐ出るよ!」

 彼女が出て行ったあと、机にはある資料が届いた…
 
 ―――――闇の欠片は既に我らの下にある

   ―――――残りは任せたぞ

-------------------------------------------------------------------------------
投稿時間:04/09/18(Sat) 10:15
投稿者名:一太郎


マトリエス号、艦内図書室。
イチタは十瑠が去った後、『異星言い伝え全集』を棚に戻し、別の本を手に取った。
大した本ではない。
ただのガイドブックのような物だ。
椅子に座ってページをパラパラと捲り、1点で止める。
それはアイスバーグについてのページだった。


◇ポップスター:アイスバーグ◇

ポップスター北半球(球とは言えないが)の最北端に位置する極寒の地。
北極に近いため、大量の氷が溶ける事は無い。
ペンギンやアイスドラゴンなど様々な動物を見る事が可能。
ただ、極寒の地である故に、防寒具は必須。
遭難には十分注意をはらうべきだ。

以下、他愛も無い内容が続く。


イチタがアシュルと出会ったのは6年前だった。

イチタとアシュルの故郷の星は科学技術が発達していた。
都市部は超高層ビルが立ち並び、エアカー(空飛ぶ車)が忙しく飛び交う。
気温、湿度は機械によって適度に調節されているし、
惑星全体はシールドによって護られていた。
正に、機械が無ければ生きられない星。
科学技術の発展によって生き抜いてきた星だった。

イチタは11歳の頃、両親と都市に観光に来ていた。
都市からは遠く離れた場所に住んでいたため、初めての都市だった。
とは言っても、都市から離れていた所でも技術は使われていたが。

都市はとても広い。
歩行者用通路の幅も広い。
イチタはあっという間にはぐれた。

さ迷うイチタが歩いていると、1人の少年が道端で泣いているのを見つけた。
イチタが声をかけると、少年は泣くのを止めてイチタを見た。
少年はアシュルと名乗り、科学技術研究所にて働いていると言った。
3歳で。
イチタが驚きで目を見開いているうちに、アシュルはさらに語った。

理論を提出しても、誰も読んでくれない。
子どもだという事だけで、人は自分を差別する。

アシュルは生まれながらの天才らしい。
両親を失って研究所に引き取られたとの事だった。
イチタはアシュルに言った。
その理論を自分にも見せてくれ、と。

全く理解できなかった。
だが、読もうと努力をした。
誰にも読んでもらえないというアシュルの悲しさを無くす為にも。
記憶媒体にコピーを取って、家に戻ってからも理論との格闘を続けた。
数々の辞書や参考書などをダウンロードし、必死になって。

やっとその理論を理解できた時、アシュルは研究所を追放処分になっていた。
研究所長に生意気な事を言い続けたらしい。
アシュルはそんな事には覚えが無いらしい。
自分を嫉んでいるだけ、とアシュルは言う。
これからどうするのか、とアシュルにイチタが訊く。
アシュルは言った。
宇宙船を作ってこの星を出たい、と。

それから2人は試行錯誤をしながらも宇宙船を作り上げていった。
イチタもアシュルに習い、徐々に機械について学んでいった。

そして、宇宙船に乗り、星を飛び立ったのは、
イチタが16歳の時。
アシュルは8才の時。
イチタは両親に別れを告げ、親友と共に旅立つ事を選んだ。

宇宙船はみるみる内に惑星から離れた。
重力圏内から抜け、宇宙ステーションの間を縫い、果て無き宇宙へと旅だった。


「・・・アイスバーグ・・・か。寒いだろうな・・・」
イチタはそう呟くと、ルクソルに外套の場所を訊く為に、椅子を立った。

-------------------------------------------------------------------------------



前へ リストへ 次へ