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遥かなる旅の果てに [22]



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投稿時間:04/11/27(Sat) 15:49
投稿者名:くさねねこ


「ルクソル、ちょっと耐熱スーツを用意してくれ。」
「はいよ、了解。」
十瑠は、コレカラスターについて一通り調べ終わっていた。
どうやら炎の欠片は一番大きな火山の中、もしくはその付近にあるようだ。
言い伝え程度の情報なのでまだ定かではないが、情報が無いよりはよっぽどましだ。
十瑠は、そろそろ出向しようと、操舵室のモニターを見た。
「ちょっと大丈夫かな。まあ航行は何とかなるだろうが。」
モニターは、マトリエス号の損傷率を示していた。
38%。本来なら修理を優先する数字である。
船のリペアプログラムも作動させたのだが、修理に使う金属があまりなかったため、これが限界だった。
「コレカラスターなら、鉱山資源は豊富だろう。」
もっとも、それがあったところで精錬ができなければ仕方ないのだが。
そこへ、ルクソルがかえってきた。
「十瑠さん。どうやら5着ぐらいは用意できそうです。」
「5着か・・・。」
本来なら少ない、が、この船の今のメンバーはどうも耐熱スーツを必要としている人はあまりいなさそうなの
である。
実際そこで縛られているカービィも生身であの星に下りたとか。
十瑠は、劣等感のようなものを感じた。いや、もう大分前から感じていたのかもしれない。
魔法や、その耐性。具現術やコピーなどの特殊な力。そのどれもが、十瑠には備わっていないのだ。
十瑠は、遠い宿敵を思った。
(ソグネ。お前は、どうなんだ。)
十瑠は、メインエンジンのスイッチを入れた。

「なぁ、暇。」
ここは、ポップスター。
声は、犬耳を生やした少年。ケルベロスのものだ。
「暇なのは我慢しろ、適当に本でも読んでいればいいだろう。」
返したのは、メタナイト。彼は実際に本を読んでいる。
「そうはいっても、いつ帰ってくるか分かんないんだろ。」
「それはそうだが。」
「帰ってくるのか。」
ケルベロスが、正直な疑問を投げかける。
それを聞いたメタナイトは一瞬硬直した。
途端にいやな考えが頭に浮かんでくる。
「・・・大丈夫だ。」
メタナイトはそういうとまた本に目を向けた。
ケルベロスはそれをじっと見ている。
「ねぇ。」
それから5分ほどした後にケルベロスが声を上げた。
「な、なんだ。」
「ちょっと前ぐらいからずっと貧乏ゆすりしてるぞ。」
メタナイトは、ケルベロスの質問を聞いてからずっと貧乏ゆすりをしていた。本の内容も頭に入ってきていない。
少しの間、2人に沈黙が走る。
「素直じゃないな。」
ケルベロスは止めとばかりにメタナイトを中傷した。
「・・・行くか。」
それに負けたメタナイトが、重い腰を上げた。
「行くったって、方法はあるのか。」
「ハルバードがある。」
メタナイトは、昔乗っていた戦艦の名前を告げた。
「おお、あれか。あの革命に使ったやつ。宇宙もいけるのか。」
ケルベロスは、実はハルバードのファンだった。おそらくはハルバードは斧(正確には斧槍)を模した艦だか
らだろう。
「あのあとこういう時の為に引き上げて、修理と改善をしたからな。」
メタナイトは、不適に笑った。
「そうこなくっちゃ。」
2人は、デデデ城の裏手にあるハルバードへと向かった。

「おおー。かっこいいな。」
ハルバードに入るやいなや、ケルベロスはべたべたと触りだした。
「行くぞ。」
メタナイトは、ハルバードを発信させた。
「おー。・・・ところで、どうやって追いかけるんだ。」
ケルベロスはメタナイトに聞いた。動いている相手を追いかけるのは宇宙では殆ど不可能である。
「十瑠どのにマトリエス号の識別番号をもらったからな。これを登録すれば大丈夫だ。」
「はじめから追いかけるつもりだったのか。」
「・・・そうだ。」
メタナイトの仮面の下はおそらく赤面だっただろう。

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投稿時間:04/11/27(Sat) 23:30
投稿者名:ブルーカービィ


「・・・ぇえっ!?レッド!?」
ブルーがびっくりした表情で言う。
「・・・どういう関係だ?」
とイチタ
「気になりますねぇ・・・」
ユカリは興味津々のようだ
「・・・・ここにいたんだ・・・」
レッドと呼ばれた者はそう言う
「ここまで追っかけてきたのぉっ!?」
「だからどういう関係なんだよ?」
「う〜んとねぇ・・・僕たちはぁ〜」
イチタの質問にブルーが答えようとする
「まさか従兄弟とかですか?」
ユカリが聞く
「おしいね!僕たちは兄弟なんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・
皆さん理解不能(ぇ)ということで数秒の沈黙
「「えええええ!!!」」
イチタとユカリの声がすばらしく一致しました(何
「まさかお兄さん?!」
「・・・僕は弟・・・」
ユカリの問いにレッドが答える
「「えええ!!!」」
「そんなにおかしい〜?!ひどいなぁ〜!!・・・ってなんでレッドがいんの?」
「たしかになんで弟さんがいるんでしょう?」
ユカリが言う
「・・・姉さん外行ってくるって言って帰ってこなかったから・・・」
「それはさすがに心配ですね」
「そうかーそのままこっちきちゃったからなぁ〜・・・でこれからどうするー?帰るわけにも行かないでしょ?」
ブルーは聞く
「・・・とりあえず姉さんについてくよ・・・」
レッドは結論を出したのだった。
――――――――
ここは、ハルバード付近
「・・・よし・・・完了だ」
識別番号をもう登録したようだ
「早いな」
「少し時間がかかるな」
「ふーん・・・」
ケルベロスは辺りを見回していた
・・・・カービィ達と会えるのもそう遠くはないかもな・・・・
メタナイトはそう思ったそうだ

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投稿時間:04/11/29(Mon) 14:31
投稿者名:さびかび


「なぁ、メタさん、あんたも分かってるんだろ?」
ケルベロスがメタナイトに問う
「…何がだ?」
「時、だよ、時が止められたって言ったじゃん。」
メタナイトは振り向き少し考えてから喋りだした。
「時が止められたとカービィ達がいってたな、だが聞いたところ、
これはとある星の科学力を利用して作られた時の束縛とでも呼ぶ
べき物だ。」
ケルベロスが肯くとメタナイトは続けた
「だが私はこれがあくまで「時の束縛」と呼ばれるだけであって
実際に時が止まってるのでは無いと考える、
時が止められたのではなく、生命が止められた
と言った方が正しいだろう。」
これをいい終わり、メタナイトは
「識別番号をコンピューターに登録した、燃料の最終補給は
五分ほどで終わり、最終チェックは七分後には完了してる事だろう、
チェックが終わり次第、ハルバードはマトリエル号に追いつくべく
発射後、全速力を出す、用意はいいな?」
と付け足す。

が、これにケルベロスは耳を傾けてはいなかった様だった、
「そして、その何かを相殺する事ができるのは多分、欠片と
膨大なエネルギーを放ち続ける物ってとこかな…」



「そういえばヤナギさんはまだ眠ってるんですか?」
ユカリはふとそう呟く様にイチタに問う。
「もうそろそろ目を覚ましていてもいいころなんだが…見に行くか?」
「はい!」
ユカリが慢心の笑顔で答えたのでイチタは少し戸惑いながらも
ユカリを連れヤナギの寝てるベッドまで歩いて行くが…

「もぬけのから…」
ベッドの毛布はめくられヤナギの姿は無かった。
「そんな…何処へ行ったんでしょう…」
イチタはふと後ろに悪寒を感じた気がした、そして振り向いてみると
そう、そこにはオミニアがいた、しかも表情はかなりのショック
と言った感じの。

「って、落ち着け! まだベッドには汗が染み込んだままで
乾いてない、医務室から逃出したにしろそう
遠くには行ってないはずだ、この艦内で彼女が行きそうな場所、
思い当るところは無いか!?」
その言葉でどうやらオミニアが正気を取り戻した様子だった。
「あ、あぁ、すみません…そういえばルートと言う消去能力がある
子がこの艦にいるって、聞きましたが、消去とは完全に消し去る
…ですよね?」
「あぁ…そうだが、何故ルートの所へ?」
オミニアは血相を変えて走り出した、どれに追い付くためにイチタは
フル疾走で走ったとか、そしてユカリはイチタにしがみ付いてる
だけで精一杯だったとか。

「ヤナギが元は植物、と言う話はしましたね、」
そう問うオミニアにイチタは肯く
「彼女が寝てる間に気が付きましたが、彼女の能力と言いあの行動
と言い、彼女には寄生虫が住み着いています。」
「寄生虫…?」

「それも思考までも影響するだろう悪性の物でしょう、多分彼女は
起きて、あの戦闘のショックで寄生虫の方は意識を取り戻して
無いのでしょう、そして体内の何処に寄生虫が巣食ってるかも
判らない以上、自分ごと消え去れば一緒に寄生虫も葬られる、
と考てるのだと思います…早まらなければ良いのですが…」


その頃ルートはシャドーカービィの事を問い詰めて楽しんでいた
とか…

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投稿時間:04/11/29(Mon) 18:38
投稿者名:ハーム


マトリエス号のある廊下にヤナギは居た。
彼女は走っていた。
ただただ探していた。
自分が他人に危害を与える前に、
自分を殺す、もしくは自分の存在をなかったことにしてくれる人を・・・
ヤナギが角を曲がったとき、ひとつの扉の中から声が聞こえた。

「ルクソル、ちょっと耐熱スーツを用意してくれ。」
「はいよ、了解。」

ヤナギは少し扉の前で立っていた。
会話が聞こえなくなったら勢いよく扉を開けた。
そこにいたのはルクソル、カービィ、十瑠。
「ありょ?」
ルクソルの間抜けな声のあとに響くのは沈黙。

・・・・・・・・・

ちょうどその頃、目的地コレカラスターの一番大きな火山。
・・・が噴火した!!
しかい噴火といっても噴火ではなく、中から出てきたのは少年のようだ。
「ふぅ〜!!あっちかった〜。」
少年はつぶやいた。
そして、ポケットからメモのような物とペンを出した。
「一番大きな火山の中・・・動く人なーし!っと」
少年はつぶやきながら書いたようだ。
しかし、さっきから少年少年と呼んでいるが、少年というにはあまりにも異様すぎで、怪物というとあまりに
も人間らしいのだ。
この少年の異様なところは、まず、右目と右手が燃えるように赤く、他の右半身は薄く赤い。
反対に、左眼と左手がこれ以上ないほど青く、他の左半身は薄く青いのだ。
・・・しかし、何よりも異様なのは、身長よりはるかに大きい竜のような翼で飛んでいることなのだが。
彼は着地し、ポケットからまた何か取り出した。
「これは何なんだろ?」
それは七色に輝く鍵だった。
「ま、いっか♪」
そう言うと彼は鍵をポケットに戻し、右手の人指し指と中指を立て首の前二十センチぐらいの位置に構えた。
すると、彼の背中の翼は消えていた。
「さぁて、どこにいくかな?」
彼は一歩を踏み出すと、そのまま倒れてしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・

えぇと彼の紹介です。
名前:ルーク
外見:右目と右手が燃えるように赤く、他の右半身は薄く赤い。
反対に、左眼と左手がこれ以上ないほど青く、他の左半身は薄く青い。
性格:二面性人間。
性別:男
一人称:普段は俺、敬語のときは僕
口調:「敬語じゃなくていい」などといわれるまでずっと敬語。いわれると、突然とてもくだけはじめる。

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投稿時間:04/11/29(Mon) 20:27
投稿者名:サイビィ


ここは医務室・・・
「・・・にしてもここ、凄い熱気だね・・・」
と、沈黙を破ったのはブルーだった。
「そりゃ七人以上いますからね・・・」
と、テュールが言う。
「こんな人数いたら凄「熱苦しいですよ、ケーナズ。」
ケーナズの言葉はテュールによって遮られた。
「まあ、こんな人「熱苦しいですよ、ケーナズ。」
またもケーナズの言葉はテュールに遮られた。
テュールは爽やかな笑顔でケーナズを見ていた。
・・・まるでそれはケーナズに『出て行け』と言いたそうな感じだった。
「はいはいわかったよ、出て行くよ。」
そう言うとケーナズは医務室から出て行った。
「あ、大分熱気が・・・」
とブルー。
すげー差別しているような気がするんですがw
「手っ取り早く怪我を直しましょう・・・と」
そう言うとテュールは呪文を唱え始めた。
呪文を唱え終えると、青白い光が現れた。
青白い光は宿主の体に入っていった。
「これでよし・・・結構疲れるんだよねこれ・・・」
「ねえ、今の魔法・・・?」
と、ブルー。
「そうですよ、これは治癒魔法だけど。
 気付けと回復同時にやるのは流石に疲れます・・・」
テュールが言う。
「ん?ここは・・・医務室・・・」
宿主が起きたようだ。
「・・・?誰だ・・・お前・・・」
宿主がブルーに問い掛ける。
「いや、あんたこそ誰?」
ブルーが言い返す。
宿主は答える事が出来ない。名前忘れちゃったしw
「・・・こいつに自己紹介してもらったほうが早いな・・・」
と、宿主が言い、何かを取り出した。
取り出したのは帽子。その帽子を宿主が被った。
「・・・こういうときだけ呼びやがって・・・どういうつもりだ宿主・・・
 ん?お前誰だ?なんかここじゃ見ない顔だな・・・。」
ブルーは疑問に思った。
目の前で容姿が変わったり、人相まで変わったところを見たからだ。
普通の人間でもそう思うだろう。
「ああ、オリの名はサイビィ。サイビィ=ウェル。
 まあ、さっきオリと同じ場所にいた奴はオリの宿主だ。」
普通の人間ならその説明で納得するはずが無い。
しかし、ブルーは納得したようだ。
「ふぅん・・・僕はブルーだよ。」
ブルーは名乗る。
しかし、サイビィの姿はそこには無く、宿主がいた。
「ブルーか・・・」
「で、宿主、もう元気なんでしょ?」
テュールが言う。
「ああ、元気だ。・・・この艦にトレーニング用の部屋あるか?」
宿主が言う。
「トレーニング用の部屋・・・わからない・・・探してみればいいんじゃない?」
と曖昧な答えを返すテュール。
「そうか・・・じゃあ探すか。なかったらなかったでいいんだが・・・」
宿主はそう言うと、ベッドから降りて、医務室を後にした。
「・・・よし、これで二人医務室から出ました・・・」
テュールの笑みには邪悪な気が発せられていたとか。

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投稿時間:04/11/30(Tue) 23:02
投稿者名:くさねねこ


ここは、医務室近くの部屋。
空き部屋らしく、暗い。いつもなら誰も入らない部屋だが、今回は違っていた。
「さーて、今までどこにいたのかなー。」
激しい脅しを含んだティーラの楽しげな声が暗い部屋に響く。
「え、えと。そう、何か変な部屋に急に閉じ込められて、出口がなくて。」
脅されているのはアスナ。もっともティーラはレイラだと思っているようだ。演技かもしれないが。
アスナは壁に押し付けられ、ティーラの両腕で逃げ場をふさがれている。
「なるほど、リィーナと一緒か。」
「え、リィーナも何かあったの。」
アスナはとぼけた声を出す。演技なのか本当に知らなかったのかは定かではない。
しかし知っていたとしても殆ど同じ反応をしただろう。
「まあな。」
ティーラは少し間を空けて、レイラを見据える。
アスナはその目にまた少しこわばったが、あくまでも訳が分からないといった反応を続けた。
「で、どうやって抜け出したんだよ。」
ティーラはさらに切り替えした。楽しんでいるのか尋問をしているのかはやはり分からない。
まさにだましあいの心理戦といったところか。
両方が演技なのか、両方が正直なのか、それとも片方か。
「えと、あの。」
「あれ、何だよその腕輪。」
アスナが答えあぐねている最中にティーラはアスナがウィーダにもらった腕輪を見つけた。
しかしそれがティーラの隙となった。
「そう、なんかこの腕輪を見つけて、付けてみたら変なところから抜け出せたの。」
アスナは見事な機転で空白時間、そして腕輪の2つの問題を同時に片付けた。
「そうかー。なるほど、大体分かった。」
ティーラはアスナを開放した。
「もう、行ってもいいかな。」
アスナは恐る恐る聞いた。
「おお、いいぞ。俺も用事ができたからな。」
アスナはティーラのあの目から逃れたい一身で部屋を出た。

出たところで、宿主が目の前を通り過ぎた。
アスナにとっては幸いにも、アスナには気付かなかったようだ。
気付かれてもやり過ごす自信はあったが、後ろにまだいるティーラにこれ以上の嫌疑をかけられるのはなんと
しても避けたかった。
そして、医務室の前に立つ。
「さぁて、カムイ。待ってなさいよ。」
アスナは、種を入れておいたポケットに手を入れる。
そこで、あることに気付いた。

アスナが去った後、ティーラはその手の中のものを見つめていた。
「何だこの種みたいなものは。」
その手には、アスナがマルクから奪ってきた種が握られていた。
ご丁寧にアスナが奪った分すべてを。
「まあ、魔術師の連中に聞けば分かるだろ。」
ティーラは、その種の魔力を感じ取れてはいたが、それが何なのかまでは分からなかった。
ティーラは、その部屋を出た。
「メロンの連れにだけは聞かないからな。」

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ブルーカービィさん、さびかびさん、ケルベロス君書いて下さってありがとうです。
そういえば性格に関してあまり書いていなかったので付け足します。
一人称:俺
二人称:自分でつけたあだ名。分からない場合はお前
三人称:自分でつけたあだ名。
性格:現在と事実を一番に考える。「もし〜だったら」とか「仮に〜すれば」とかは使わない。「実際〜だか
ら・・・する」と言う考え方。
豪快に斧を振るう割にはずる賢く、不意打ちやだまし討ちをよくする。

後ケルベロスの体質ですが。満月の力的なもの自体は時が止まっているのでケルベロスに残ります。
そしてケル君はその力で動けます。

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投稿時間:04/12/02(Thu) 15:58
投稿者名:ホシカゲ


「門番……面倒だな」
ユウはマトリエス号の目と鼻の先まで来てぽつりと呟いた。
下半身がデフォルメされた幽霊のような船員が2人。
どちらもユウを不審気に睨んでいる。

ユウは門番を無視してマトリエス号の中に入った。
もちろん門番は慌ててユウを追いかけた。
「まっ、待て!!」
ユウは歩き続ける。
「待てって言ってんだろ!」
歩き続ける。
「いや、本当に待ってくださいよ!!」
徹底的に無視して。
「待てやコラァ!!」
門番の1人が目の前に立ちふさがる。
そこでようやくユウは歩を止め、門番を見た。
「……何か?」
「何かもへったくれもあるか! あんたは誰だ?」
「ユウ=エルベリク・ルシアン」
「それがあんたの名前か?」
「ああ」
ユウは門番を押しのけて艦の奥へと進む。
門番はまだ何か言いたげだったが、ユウから殺気も何も感じられなかったので放っておくことにした。




「それにしても……」
ユウは通路を適当に歩きながら呟いた。
「ここは幽霊が多いな」
数メートル歩くと幽霊の怪訝そうな視線を浴びている。
もちろんユウはそれを無視しているのだが。

艦内に入って数10分。
「おい、あんた誰だ?」
先ほどの門番と同じように勇気ある船員がユウの前に立ちはだかった。
ユウは先ほどと同じように名前だけを言った。
「……で、何しにここに来た?」
船員の高圧的な態度に相反してやる気なく答える。
「用なんか無い。暇だから乗ってみただけ」
船員ははそれじゃお前は敵じゃないな、と聞いた。
「少なくとも敵ではない。
 暇つぶしに乗船させてもらうけどいいか?」
船員は暫く考えた後、
「副長のルクソルに相談してこよう」
踵を返して通路の奥に消えた。

ユウが船員がいった道とは違う方向に行きかけて、
「――面倒ごとだけは起こすなよ!」
という船員の声が聞こえた。
「面倒ごとなんて起こす気はさらさらないよ」
ユウは呟きで返した。

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