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遥かなる旅の果てに [28]



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投稿時間:05/01/10(Mon) 14:52
投稿者名:プチかび


神の鉄槌内部。
一室で戦闘が繰り広げられている。
前線に立ち、向かってくるダークマターをアルは一つ一つ、確実に無に帰していく。
一方のウィーダはあるより数歩後ろに下がり、部屋を見渡した後、目を細める。
直後、2人に向かってきていたダークマターの動きが明らかに動揺したものになる。
「どうした!ダークマター達よ!……な!?」
動揺するナイトメアの声。
「……暗示をかけたんですか?」
静かに問うアルに。
「まあな。こうすれば多少は楽になるだろ。」
ウィーダは言った。
暗示内容はいたってシンプル、「俺達はここには居ない」
だから精神攻撃に耐性の無いダークマターたちは2人の姿が「見えない」のだ。
―ナイトメアにも耐性は無いのか、あるいは……
その間にもアルの攻撃は続く。
「効くとでも思ったか!!」
と…ナイトメアがそう言えば途端、ウィーダに向かいいくつもの星型弾を打ち付ける。
「!」
弾はアルのすぐそばを通り抜ける。
(やっぱり、ナイトメアには……!)
そして同僚がやられる…! …そうアルが思ったとき。
突如部屋に響く何発もの銃声。
「……コルト。」
助けられた当の本人は無表情にその少女の名前を呼ぶ。
星型弾は全て打ち落とされていた。
「全く2人とも、私の存在、忘れてなかった?」
「突然消えたお前が悪いんだろうが……」
「これ。取り行ってたの。」
コルトは腰に刺さっている予備用の銃「カエン」を差す。
「何か結構ハードな戦いになりそうだったから」
「……全く。取りに行くのは構いませんが、ちゃんと今度からは一言いってからにしてくださいよ?」
アルが微笑しながら再び詠唱に入る。
「はいはい。」
コルトは拳銃を構え、アルの横に並ぶ。
ウィーダは一度解けた支配をもう一度かけるため再び集中に入る。
そんな中、一匹のダークマターが部屋の外へ出て行ったことは。
命令を下した……ナイトメアしか知らなかった。
ナイトメアの動きがコルトが来てからここまで一つも無かったのは、その為……


「は?ゼロツーたちが裏切ったやと?」
茶髪の青年がそう抜けた声を出す。
ダークマターは一番近いその部屋へとやってきていた。
「はい。現在配下3人がナイトメア様の部屋を襲撃中……」
「ん〜。」
青年、ユエンは軽く考えるように俯くと
「ん、わかった。ゼロツーの事はオレに任しとき。
お前は適当に詰め所からダークマターでも持ってきや。
大人数なら又戦局も変わるやろし」
「了解しました。」
ダークマターがその場から消えれば。
「さあて……。」
刀を手に取り、ユエンは部屋を出た。

そしてユエンはすぐに標的を発見する。
「ゼロツー、何してん?」
「……ちょっと……詰め所に用があって。」
ゼロツーは到って平静を装う。が。
「ダークマター達を殲滅させに行くんか?」
「!?」
いくら行動を起こさせたとは言え伝わるのが早すぎる。
「ナイトメア配属のダークマターが直々に伝えにきてくれたんや。
配下3人が襲撃中、とな。」
「!」
「全く……なんで「ゼロ」がつく奴らは裏切ろうとするんや。」
ユエンは溜め息をつきながら……刀を引き抜く。
「さて、どないしよーか?」
ゼロツーの足元には黒い液体が広がっていた。
それはたった今、自分が殲滅させたダークマターのものだった。
そしてその液体もすぐに消えていった。
残されたのは、戦慄……

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投稿時間:05/01/10(Mon) 18:55
投稿者名:ホシカゲ


「あなた方は……」
銀は突如現れたユウ達の姿を見て、さっと戦闘態勢に入った。
ロセルも空気中の闇を固め、愛用の槍『ブラッククントゥール』を作り出す。
状況がよく分からないレイドも一応矢筒から矢を数本取り出す。

「さあ、持っているものを渡してもらおうか」
ゼロが己の周囲に赤い球体を作り出して半分脅迫のように言う。
「持っているもの……? これのことですか?」
銀が懐から鮮やかな赤に輝く炎の欠片を取り出し、ユウが頷きながらも巨剣を銀に向ける。
「渡しませんよ」
銀は微笑み、欠片を空中に垂直に放り投げた。
空中で頂点に達した欠片は、何の前触れもなく消える。
「貴様……欠片をどこへやった?」
「デストル様のところへ転送しました。
 折角手に入れたものをみすみす敵に渡すわけにはいきませんから」
「銀ちゃん、ナーイス♪ ……で、こいつらは倒した方がいいか?」
ロセルが槍を少々乱暴に振り回す。
「そうですね……戦いは出来るだけ避けたいものですが、
 ここで倒しておいた方が後々楽かもしれませんね」




「はっ!!」
ゼロが掛け声と共に赤い球を発射させ、銀のバリアがそれを防ぐ。
赤い球はバリアにぶつかった瞬間爆発を起こし、爆風が砂埃を上げて辺りの視界を一時的に奪う。
その砂埃の中をゼロが駆け抜け、銀の背後に回って強烈な蹴りを繰り出す。
しかしやはりそれもバリアに防がれ、蹴りのお釣りにロセルの槍が襲い掛かる。
槍はゼロの頬をかすめ、頬からはたらりと血が垂れる。

ゼロが槍を辛うじて避けた瞬間、ユウが銀の元に駆け寄る。
「あー、もうめんどくさいから使っちゃうか」
そうぼやきつつ、漆黒に光る翼を広げ、巨剣を水平に構え手首を捻る。
「しょーめつ」
ぱき、と何かが割れた音がした。
「これは……!?」
銀が異変に気づくと同時に、ユウの巨剣が銀の肩を貫く。

「なっ……!!」
ロセルは銀のバリアが破られたことに驚いてゼロに対する攻撃の手を止めてしまう。
その隙をゼロは逃さず、強烈な拳がロセルに当たる。
ロセルは数メートル吹っ飛ぶ。




見事に貫通したユウの巨剣を銀はなんとか引き抜き、ロセルの元へ駆けつけた。
「……ロセルさん、大丈夫ですか」
「ああ、何とか……そういう銀ちゃんは?」
「わたくしは竜です。この程度の怪我なら命に別状はありません。
 しかし……恐らくですが、あの竜の翼の方に私の能力が一時的に封じられてます。
 このままでは不利だと思いませんか?」
「……引くか」
銀はユウとは対照的な白い翼を大きく広げ、ロセルを掴んで空高く飛び上がる。
そして、ゼロの追撃も回避して銀達の姿は見えなくなった。


 * * *


その場に残されたゼロ達は、まずレイドに対して質問をした。
「お前は時を戻す方か?」
ゼロの簡潔な問いに、
「このまま時が止まっている、というのは気持ち悪いからな。
 時を戻す方といえば戻す方だ」
レイドは少々悩みながらも答える。
「なら、我々と共に行動しないか?」
「けど……この先祖代々守っている土地が……」
「土地を侵す可能性のある者は先程私達が追い払っただろう。大丈夫だ」

ゼロが手を差し出して握手を求め、レイドはやはり少々悩んでからゼロと握手を交わした。

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投稿時間:05/01/10(Mon) 17:49
投稿者名:らいむ


ナイトメアとウィーダたちの攻防戦は続いていた。
しかし、二人だけのときよりはずっと良くなっていた。
アルの魔法がナイトメアの出した星型弾を相殺し、その隙にコルトの弾丸が襲う。しかし、それも避けられる
。ウィーダは、今度はダークマターに「ナイトメアを襲え」と洗脳をかけ、戦わせる。しかし、そのほとんど
がナイトメアに消されていく。

「キリがないよ!」

コルトが言った。言うと同時に、2発、撃つ。反動で右腕がはね上がる。その弾は、飛んできた星型弾を相殺
する。
その隙に、新しい銃弾を叩き込む。

「さすがは、ナイトメア。というところですか?」
「親玉は伊達じゃないって事か・・・」

アルの言葉に、ウィーダが苦笑する。
そこへ、星型弾が飛んできた。それを、アルが相殺した。
次の瞬間、ドアが黒いビームで吹き飛ばされた。

「な・・・!?」

突然の出来事に、驚きの声を漏らすウィーダ。
そこにいたのは大量のダークマター。

「ヤバイじゃん・・・?」

コルトが一人、呟いた。

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投稿時間:05/01/11(Tue) 20:21
投稿者名:Bomb


大量のダークマターはウィーダたちを見つけると、一斉に黒いビームを放とうとする。
ウィーダはダークマター達に暗示を掛けようとするが、数が多すぎて全てのダークマターに一瞬で暗示を掛け
る事は出来なかった。
何本もの黒いビームがウィーダの体に炸裂する。仲間を庇い、仲間を狙っているダークマターに優先して暗示
を掛けたのだ。

「ウィーダ!!」

コルトが驚いて叫ぶ。その隙を見逃すはずも無く、ナイトメアがコルトに向かって黒い三日月形のビームを放つ。
不意を突かれたコルトの身が大きく斬り裂かれる。血が大量に飛び散った。
ナイトメアはコルトを仕留めたのを確認すると、アルにも三日月形のビームを放つ。

「!!」
アルはあのビームは防御できないと判断し、何とか避けるがバランスを崩してしまう。
その隙を突くように、無防備なアルに向かって大量のダークマターが突進してくる。
防御する事も魔法で全滅させる事も不可能だと判断したアルは姿勢を正して逃げようとするが、
ナイトメアは星型弾を連射してそれを妨害する。

「くっ!」
アルは星型弾は何とか防御するが、
大量のダークマターの体当たりをまともに受けてしまう。
アルは血を吐きながら闇の中を吹っ飛んでいった。

「ぐ…」
上手く地面に手を付き、体制を整えるアル。ダメージはそれなりにあったが、まだ問題無い。
倒れているウィーダと倒れているコルトの状況を見る。ウィーダは黒コゲ、コルトは血塗れだ。
ウィーダは失神しているだけのようだが(?)、コルトの状況が危うい。あの傷だとすぐに出血多量で死んで
しまう。
この距離だと回復魔法は届かない。近づかなければ。
しかし、ナイトメアと大量のダークマターを掻い潜って彼女に回復魔法を使う事が出来るだろうか?
アルはそれは非常に難しいと思った。奴らが死んでいない二人を止めを刺さずに生かしているのは、
アルが二人を回復させようとして近づいてくるのを待ち、そこからアルに攻撃を仕掛けようとしているつもり
だからだ。
つまり、オトリという訳だ。二人を回復させようとするのは、相手の仕掛けた罠に正面から掛かりに行く事と
同じなのだ。

「さて、どうしましょうか・・・」
アルはコルトの方を見ながら呟いた。

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投稿時間:05/01/11(Tue) 22:58
投稿者名:プチかび


そこは人工的に作られた星空。
薄暗いその部屋には星が瞬いている。
上を見れば綺麗なその景色も、視線を落とせば其処には。
大量の闇から生まれた生物、そしてそれを率いる謎の男。
その中で青髪の、どことなく爽やかな雰囲気を携えたオッドアイの青年、アルは、たった一人でそれらと対峙
していた。
2人の同僚はどちらも今、地に伏している。
1人はビームか何かでも打たれたのだろう。
服の一部があちらこちらから焼かれ、焦げた傷を作っている。
薄い金髪を持つその青年…ウィーダは伏しているので表情は分からないが。
この状況で反応が無い…おそらくは気絶しているのだろう。
もう1人は血の泉の中にいた。
深緑の、ツインテールの毛先は血に触れ、紅く染まっている。
その少女……コルトは既に気絶、むしろ昏睡状態かもしれない。
顔色は恐ろしいほど蒼白、左腹部からはまだ出るかといわんばかりに赤い液体がじわじわと広がっていく。
それほどかなり危険な状態だった。

そんな中、唯一戦える状態を保っているアルは。
大きな選択を余儀なくされていた。
しかもその選択肢は何を取ろうが危険が伴うもので……

罠に掛かるか?
―失敗すれば自分も死ぬ―

仲間を見捨てるか?
―見捨てた所で打開策は無い―

それとも……?
―何でもいいから、「奇跡」を信じるか……?―

つう、とアルの顔に汗が一筋流れる。
時間は、無い。

そして――アルは杖を構えた。



―助けて……―
(……俺を呼ぶのは、誰だ)
…まだ眠りについていたい。この闇の中で、混沌に抱かれて。
こんな眠りも、悪くは無い。彼はぼんやりと思う。
―私……まだ死にたくない!!―
(……!?)
直後、ざあああ……と風の吹く音。
闇がその音と共に晴れていく…


―死ぬのが恐くないって言ったらそれは嘘になります。
――でも、死ぬのを拒んだらそれは私が嘘つきだと言う事を認めることになります。
―――だから、私は最期まで、自分を貫きます。
――――ウィーダ、貴方は…私を、信じてくれますか?

俺が「死ぬ」少し前。
「そいつ」は俺の目を見て、そう言ってきた。
何処かの草原で。もう良く覚えていない。
俺は一言だけ言った。
「俺はお前を信じる」
そういえばそいつは、微笑んで……
―ありがとう、ウィーダ。
そう言うそいつの肩は震えていて。
――本当は、私……凄く怖いんです。どうして……
そいつが始めて見せた、涙。
俺はただ黙って、そいつの肩を支えていた。
――でもウィーダ、絶対に私を止めないでください。
 ――私は最期まで自分の潔白を訴えますから―――
「……わかった。」
――それと、ウィーダ、私は神の声を聞きました――……
再び、景色が変わる。


―助けて……!!―
自分に向かって手を伸ばす深緑の髪の少女。
「コルト……?」
ウィーダはそうっと、手を伸ばし、手を取ろうとした瞬間……
ふっ、とコルトの姿が消える。
「!?」
びしゃりと、目の前で鮮血が散る。

――ウィーダァ!!

「!!」
ウィーダは目を覚ます。その薄暗い部屋で。
同時に体中に激痛が走る。
ウィーダはそれをやり過ごした。
ゆっくり、起き上がる。
ふ……と、辺りを見渡して。時間はそんなに経っていないことに気付く。が。
「……コルト?」
すぐ傍に同僚が、倒れている。
眠りの中で自分に助けを求めていた、少女が。
―あれは……本物の、彼女が……?
直後。ダークマターのビームが伸びる。
「!」
ウィーダはそれを回避する。
同時に……湧き上がる「忘れられていた」感情。
あの頃から封印されたかのように姿を見せなくなった、気まぐれな彼の1つの感情。
理由は本人にもよくわからないが。
もうダークマターの攻撃は受けない。暗示をかけているから。
ナイトメアの攻撃は最小限の動きでかわしていき。
ゆっくりと、アルの横に彼は並ぶ。

「……ウィーダ……!?」
「待たせたな。」

――まあ、たまにはそれに委ねてみるのも良いだろう――……

ウィーダは珍しく、笑った。


――死の狭間に陥った少女に光を与えるきっかけを生むことが出来るのは

―――貴方だけだ、と……

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投稿時間:05/01/11(Tue) 23:38
投稿者名:季節風


ホロビタスター火山付近…

「とぉくまでとばさぁりぇましたにぇ」(遠くまで飛ばされましたね)
黄色い目玉の仮面、青いフードマントが特徴のシトカが独り言を言った。
「でんぴゃをとばすきびゅんでぁにゃいですね」(電波を飛ばす気分では無いですね)
何やら言っているが、普通には喋れていない。
「どきょですかここは…」(何処ですかここは…)
シトカは周りを見たり、羽で空を飛んでみた。
その時、近くの火山を見つけ、噴火口が気になった。

「にゃきゃなきゃきょぉみぶかいですね」(なかなか興味深いですね)
そう呟き、空を飛びながら火山の噴火口を見続けた。

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ちなみにシトカの追加設定

口で喋ると言葉が変になる。
本人は普通に喋っているつもり。

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投稿時間:05/01/13(Thu) 21:26
投稿者名:らいむ


コルトは光の無い目で天井を見つめている。
傷からは、絶え間なく血を流していた。

(コルト・・・)

誰かの呼びかける声が聞こえる。

(誰?)

その時、近くで爆音が鳴った。
コルトの目に、少しだが光が戻った。頭をすこしだけ上げてみる。
ウィーダとアルが、必死になってナイトメアと戦っているのが見えた。カエンとムーンは遠くに落ちている。吹き飛ばされたときに、落ちたのだろう。
続いて、自分の傷口を見る。
紅く染まっているのが見える。不思議と痛みを感じない。
手を握り締めようとしたが、指先だけしか動かない。

(結局、足手まといになっちゃったのかな・・・)

倒れたまま、ふっと思った。

(助けに来たはずだったのに・・・。駄目じゃん・・・私・・・)

虚しさが襲う。ダークマターがウィーダに襲い掛かってきたが、アルの魔法で消えるのが見えた。

(足手まといにだけは、なりたくなかったのに・・・)

星型弾がウィーダを襲う。それを、ひらりと避ける姿も見えた。
後ろからもダークマターが襲い掛かろうとしているのも見えた。
しかし、ウィーダは前のダークマターを洗脳するのに集中していて、気がついていない。彼女は、叫ぼうとし
た。しかし、声がでなかった。

(ウィーダ・・・!!)

そう思った直後、自然に体が動くのを感じた。続けざまに、また、意識を失った。

――――――――

ザシュッ!
後ろで、何かを切り裂く嫌な音が聞こえた。
ウィーダは、驚いて後ろを見た。血塗れのコルトが立っていた。

「コルト・・・?!」

半分叫ぶようにして呼んだ。
しかし彼女は、光のともっていない目で立っていた。
右手には、刃渡りが手のひらほどあるナイフを持っている。
そのまま、無言で前に進み出た。

「な・・・。貴様・・・!?生きていたのか?!」

ナイトメアが驚愕の声を上げた。
その声にも無反応で、静かに袖からもう一本のナイフを取り出した。
2体のダークマターが襲い掛かってきたが、次の瞬間どちらとも、目にナイフが刺さっていた。2体とも掻き
消えた。

「コルトさん・・・?」

アルが不思議そうに言った。
コルトはその言葉も聞こえなかったように、手を前に出す。
そして、力を入れた。
傷からは、ポタ、ポタと血が滴り落ちていた。
手のひらに『闇』が集まってきた。それがだんだんと形を成していく。
丸い、ソフトボールほどの球ができた。
そして、それが発射された。真っ直ぐナイトメアに向かって行く。速い。

「くっ・・・!」

ナイトメアは、なんとか避けた、が。
爆発した。
ナイトメアの目の前で。

「ぐわぁ!!!」

ナイトメアは吹き飛ばされた。マントが焼け、かなりのダメージがあったようだ。

「く・・・そ・・・ぉ!」
「なっ・・・!」

ナイトメアは歯軋りをし、アル達は呆気にとられていた。
次の瞬間、コルトは力が抜けたように倒れかけた。それを慌ててウィーダが押さえた。

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投稿時間:05/01/18(Tue) 00:01
投稿者名:サイビィ


マトリエス号の入り口付近にルートはいた。
彼は体力の限界で倒れている宿主を見ている。
「・・・あいつは一体・・・。」
ルートが呟く。
宿主を見て驚いているようだ。
普通なら無理も無い。
さっきまでサイビィがいた場所に宿主が現れたのを初めて見る者は、大抵驚く。
「あの人は宿主。サイビィの体の持ち主、と言うところです。」
テュールがルートの方に歩きながら言う。
「ふうん。それよりも、サイビィはあのゲーム機のこと、分かってたのかな?」
ルートが問いかける。
「分かってなかったと思います、サイビィはあのディスクを消したとき、相当疲れた筈です。」
「つまり、僕の能力のことを知っていた、ということになるのかな?」
ルートが言う。
「・・・サイビィは盗み聞きなど、よくしますからね・・・。」


疲れ切って倒れている宿主。
キマイラは身体に相当の負担がある上に、精神力の負担も大きい。
その上に白虎まで使えば普通だったら死んでいる。
彼の死なないと言う体質のお陰で、疲労困憊にまで押さえられたのだろう。
「・・・キマイラ・・・使っちまった・・・おまけ・・・に・・・逃げられた・・・
これじゃ・・・骨折・・・り損だ・・・。」
宿主が途切れ途切れに言う。
キマイラは、魔獣とも言っていい存在だから、扱うには相当の精神力が必要となる。
絶対的な力を得ることが出来るが、『心』を失い、『悪』そのものになってしまう。
それを宿主は使ってしまった。彼が心を失うのも時間の問題である。


「パンパカパーン、お呼びとあらば即さんじょーう。」
緊迫とした空気の洞窟に響き渡る甲高い声。
その声を聞いてカービィは顔を青くした。
同時に嬉しそうな顔になる。
「ち、ちょっと、何今の声。」
ヤナギは少し動揺している。
「・・・イエロー・・・声大きいよ・・・」
「相変わらずだねぇ・・・」
シャドーは意気揚々としている。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン、三色カービィ只今参上!」
その声と同時に現れたのは赤いカービィ。
続いて黄色のカービィ、緑のカービィが現れた。
「・・・こんなところで来るとは思ってなかった・・・」
と悲しそうにカービィが言う。
密かに携帯で連絡を取っていたらしい。
「いやあ、ピンク。元気ないじゃん、どったの?」
とイエロー。
「だってみんな携帯つながらなかったじゃんっ!」
ムキになったのか、カービィが叫ぶ。
「それは、僕たちが携帯持っていくの忘れてたりしたからだよ。」
とレッドが言う。
携帯は忘れるなよ、という突っ込みはなしにしておいてください。
「で、あんた達、何者?」
ヤナギが三色のカービィに聞く。

「待ってましたその言葉っ!」
と、レッドが叫ぶ。
「「「「「ピンク!イエロー!レッド!グリーン!シャドー!
五人そろって、吸い込み戦隊カービィレンジャー!」」」」」
五人のカービィ達がそれぞれポーズを決めた。
しかもそのポーズが何故か命。

それから数分、その場に沈黙が流れた・・・



ここはジャングルの奥深く。
そこに、ただひたすら走っている男がいた。
宿主だ。
しかし、髪と目が黒い、心が悪に染まった状態の宿主だ。
「俺は・・・宿主ではない・・・、俺の名は・・・エオ・・・。」
そんなことを呟きながら宿主は走っていった。
・・・ケーナズが宿主の後を追っていったのはまた別の話。

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