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遥かなる旅の果てに [30]



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投稿時間:05/01/24(Mon) 19:34
投稿者名:ホシカゲ


時の止まったジャングルは、生物の鼓動が聞こえないことで、かなり殺風景な雰囲気になっている。
熱帯地域特有の木の幹を焦がし、薙ぎ倒したのは、時を保つダークマターの暗黒の光線。
その光線はルートに向けて発射されたものであったが、
ルートが避けたために彼の背後にあった木に流れ弾が当たったのである。

転がるようにしてその攻撃を避けたルートは、ふう、と息をつきつつもダークマターを見据えた。
見る限り特筆すべき個所のない普通のダークマター。
(……さっきの光線のスピード、あれは普通のダークマターの持つものではない。
 恐らくそれなりに力を与えられたダークマター。
 となると、他の技も大幅に威力・精度が上昇している可能性がある。
 先手必勝、だな)
長考が終わると同時にルートはダークマターと距離を詰め、素早く手を突き出す。
ダークマターは突き出された手をわずかに身を翻すだけで避け、至近距離から光線を発射する。
ルートは光線と共に吹き飛ばされ、つたが絡みつく大樹にしたたかに身を打ち付ける。

「……っく……」
ルートが何とか身を起こすと、ダークマターは目を細めた。
何か技を発動する、というわけではなくただ目を細めている。
とても楽しそうに。
「大シテ痛クハナイダロウ。手加減シテヤッタンダカラナ」
「……手加減? なぜ?」
「一発デ終ワッタラ楽シクナイカラナ。コレカラガ本番ダ」
「楽しくない……? 君には、感情があるのか?
 ダークマターには本来感情がないはずだけど?」
「アア、アルトモ! 非常時ダカラまるく様ヨリ与エラレタ!
 普通ノだーくまたーヨリ数倍強イゾ!」
ダークマターは目を細めたまま得意げにくるりと1回転し、実に自然な動作で鱗のような物をルートに飛ばす。

もちろんルートはそれを消去する。
鱗は次から次へと発射される。次々とそれを消去する。
その攻防が何回も何回も繰り返され、ある瞬間にそれは唐突に終わった。
「ナカナカシブトイナ……」
「お褒めの言葉ありがたいね」
ルートの手が無意識のうちに大樹のつたに触れた。
そしてつたが消える。
その違和感を感じ取ってルートが大樹の方を首だけ動かして見る。

(これは……)
今、彼は意識的につたを消そうとしたのではない。
彼の意思と反して、つたが消えた。
それはつまり――


「――暴走、かな?」


ルートは呟く。
ダークマターが鱗を飛ばす。
こんどはそれを横にステップを踏んで避ける。
鱗が爆発して大樹を薙ぎ倒す。

「イイ加減諦メロ! 往生際ガ悪イゼ!」
ダークマターが今までの中で最も極太の光線を発射する。速い。
「…………」
ルートはそれは避けられないと冷静に判断し、手を前に突き出す。
死ぬよりも、暴走した方がまだ良い結果に終わるかもしれない。
光線と手が触れ、手に激痛が走る。
消去能力はもう彼の意思に準じて発動されているのかどうか分からない。
だが、光線は消えもしないしルートを吹き飛ばしもしない。
均衡状態が続き、そして――




――ぶつっ。




彼の中で、とても大事な何かが再び切れた。



 * * *



「……ナンダ、コレハ!?」
ルートが何かが切れたことを認識し、意識を失った瞬間に均衡状態が崩れた。
ダークマターの光線は掻き消え、光線の延長線上にいたダークマターの左半身も掻き消える。
ダークマターは地面にぼたりと落ち、半分だけ残った一つ目で、
今目の前で繰り広げられている事を何とか認識した。

周囲の木々や草が音もなく消えていく。法則性はなく、完全にアトランダム。
辺りには根元を消された木が倒れる音だけが響き、不気味な音を奏でる。
ダークマターは何とかこの場から逃げようとするが、身を半分も消されてはどうしようもない。
ダークマターは、潔く覚悟を決めた。




木々が倒れていく音は、メタナイトやクヌギ達の耳にも届いた。
「な、何やこの音?」
クヌギは音がしたほうを見、そう遠くない距離で何かが起こっていることを耳で確認した。
「気になるな……」
メタナイトが呟き、剣を片手にそちらに向かって走り出す。
しかしそれをクヌギの槍がけん制する。
「何故止める?」
「あんたらの素性まだ聞いてへんやろ? それがはっきりするまでここから逃がせへん。
 ……でも、さっきの音は俺も気になる。ルナギぃ、自分やったらどーする?」
「そうですね……。彼らに調査に行かせるのは私も反対です。
 しかし、私達2人で調査に行っても駄目です」
「ほんじゃ俺がちょっくら行ってこよか?」
「いいえ。私が行きます」
ルナギはクヌギの声を無視して音が発生した方へと歩いていく。
やがてジャングルの木陰にまぎれてその姿は見えなくなる。


(……兄さんじゃあ駄目な気がする。私が行かないと……)


それは彼女の予感であり、それは当たっていた。

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投稿時間:05/01/24(Mon) 20:10
投稿者名:一太郎


金属を叩く音がリズミカルに響き渡っていた。
音の主である男―ラダスはふと、動きを止める。
聞こえたのは何かの音・・・否、話し声。
そして、直後に響き渡った気味の悪い、甲高い哄笑。
ラダスは作り立ての剣を鞘に収めると腰に新たに提げた。
他の鞘とぶつかり合い、小気味良い音をたてる。
腰には10本ほどの剣。
背中には槍を背負い、ラダスは歩き始めた。
「・・・俺の武器を使える奴は、いるかな?」
そう呟いて―――


魔力で形成された刃がマルクを執拗に襲う。
だが、造作も無く全ての剣閃を見切ったマルクは、半月型のカッターを放った。
放たれたカッターは狙い過たず、真っ直ぐにデットを襲う。
紙一重で刃を避けたデットは一瞬で間合いを詰め、魔力の剣を振るった。
手応えが僅かにあった。
魔力の刃はマルクの翼を僅かに切り裂いた。
「・・・ボクの翼を斬るなんて・・・行儀が悪過ぎるのサ!」
マルクが憮然として言う。
「魔力の刃なんてこうしちゃえば〜。」
マルクが軽く呪文を唱える。
「破邪の障壁!」
と、マルクを薄緑の膜が覆った。
デットは構わず斬り付ける。
だが、刃は反発する磁石の如く、跳ね返された。
「・・・魔法に対する障壁か!」
マルクを始めとして、ナイトメア、ダークマインドの3人はデストルより更なる力を授かった。
攻撃力が元より強力なマルクには、守護の力。
防御の力に優れるナイトメアには、攻撃の力。
幻術に優れるダークマインドは、更に強力な幻術。
弱点を補った彼等は、カービィに倒された時とは比べ物にならない戦闘力を持っていた。
攻撃を弾かれたデットが慌てて飛び退く。
「遅いのサ!」
マルクが再びカッターを放つ。
咄嗟に転がって刃を避け、デットは焦りを感じていた。

28号もまた、苦戦していた。
何しろ相手の動きが速いのだ。
威力のあるナタは隙が増える為、使えない。
おたまでは威力不足。
ビームも威力不足。
かと言って、フライパンでも決定力に欠ける。
正に、八方塞。
「くっ・・・!」
高速で体当たりを仕掛けるダークマター。
それを横に跳んで避ける。同時に、フライパンを思いきり振り落とす。
鈍い、イヤな音が響き渡る。
だが、大して効果は無いようで、寧ろ28号の手が痺れた。

形成は、明らかに不利だった。

と、戦闘の場に響き渡ったのは鈍い音。
そして、別の言い方をするならば、何かが潰れるイヤな音。
デット、28号、マルクが音の主を探す。
音の主はすぐに見つかった。
28号と戦っていたダークマターである。
否、正確に言えば、目玉に深深と減り込んだ一振りのハンマーだった。
「だ、誰なのサ!?」
マルクが周囲を見回す。
「俺だ。」
草むらから姿を現したのは、ラダス。
デットやマルクなど見えていないかのように彼はハンマーへと歩み寄り、拾う。
ダークマターは既に霧散していた。
「何者なのサ!!!」
「ただの鍛冶士だ。俺の剣を使える奴を探しに来た。」
そう言い、3人の顔を順に見る。
「そうだな・・・お前。」
そう言って、ラダスが腰から一振りの鞘に収まった剣を取り、・・・デットに放った。
「えっ!?」
腕力に自信の無い彼は、慌てて両手で受け止め・・・驚いた。
「軽い・・・!」
「それ、やるよ。出来立てだ。まァ、出来立てだから銘はまだ無い。自分で付けろ。」
ラダスがそう言い、マルクへと向き直る。
「言っておくが、お前にはあげないぞ。気が乗らん。」
「ふん!別に要らない・・・」
マルクが言うが、デットが抜き放った剣を見て、言葉を止めた。
それは、美しく輝く剣だった。
装飾は零に等しい。
だが、それを補う以上に刀身は美しい輝きを帯びていた。
やや、青みを帯びているのはミスリルが使われているからだろう。
「・・・なんか、マズそうなのサ・・・ここは、退いてあげるのサ!!!」
マルクが翼を広げ、飛翔する。
ラダスと28号はそれを眺めていたが、デットは剣を凝視していた。
「銘、決まったか?」
「・・・『サッドネス・ノクターン』。」
デットは剣を鞘に収め、言った。
姉を時の束縛に失った彼に、良く似合う銘だった・・・

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投稿時間:05/01/25(Tue) 16:43
投稿者名:サイビィ


「・・・さて、私の任務でも終わらせましょうか・・・。」
そういうとテュールはマトリエス号に入っていった。


テュールがマトリエス号の廊下を歩いていく。
テュールが向かう場所は、食堂。
(出来るだけ、人の多いところのほうがいい。今のこの時間帯なら、食堂が一番・・・)
テュールはいつの間にか、食堂の前にいた。

食堂には、カラス、ゼーレス、ティーラ、レッド、ブルー、ラグがいた。
「あ、テュールさん。」
と、最初にテュールに気付いたのはブルー。
続いてレッドがテュールに気付く。
しかし、テュールはブルーとレッドを無視し、ラグのところへ行った。

ラグはテュールを直視している。
「・・・私は、貴方の時を止めに来たんです。」
テュールが単刀直入に言う。
「・・・何だって・・・?」
ラグが驚く。
「貴方は本来時を保つことのできる人間ではなかった・・・。私は・・・
『時を保つのに不要な人間の時を止めよ。』と言われているんです・・・。」
そういうとテュールはラグを見据える。
「それは普通、欠片の守護を受けている人間なら時を止める事はできない・・・。」
テュールはいったん言葉を切って、続ける。
「しかし、欠片の守護を受けている人間でも時を止める事ができるのですよ・・・。」
そういって取り出したのは、なんと闇の器。
ラグはそれを見て驚いた。
闇の器はデストイール軍が所持している筈の物。
それをテュールが持っているのだ。
「驚かないで。これは闇の器に似せて作られた時の秘宝。それなりの力は持っている。
これには、時術の力を高める効果がある。
つまり、これを使えば欠片の守護を受けた人間の時も止める事が出来る。」

テュールは小さい声で詠唱を始める。
詠唱が終わると、ラグは動きを止めた。
「・・・ごめんね、これも命令なの。時が動き出す、その時まで止まっていて。」
テュールはそういうと、また詠唱を始めた。
(・・・貴方の居た場所へ返してあげる。ウルルンスターへ・・・)
詠唱が終わった頃には、ラグはその場から消えていた。


それを見ていたカラス達は、ただ呆然としていた。

テュールはカラス達の方を向き、言う。
「・・・貴方達はまだ、時の神に見捨てられてはいません。
時を戻せることを・・・期待してますよ。」
テュールは微笑み、食堂を後にした。

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投稿時間:05/01/25(Tue) 17:56
投稿者名:躍る米玉・十瑠


「あーもーっ、痛ェよーっ!!!」
「がまんがまん。それに油断したのがいけないんでしょ」
傷口に塗られる薬の刺激に、ロセルは耐えきれず叫んだ。

ゼロ達との戦闘で負傷したロセルと銀は、一旦デストルの城へ
戻って来ていた。そして、受けた傷をスラに治療してもらっている
というわけである。
「銀ちゃんは治療しなくてもいいのかよぅ」
涙声で、ロセルは切り傷――ゼロに殴られた時、切れた様だ――に
絆創膏を貼るスラに言った。
「銀ちゃんは竜だから、再生力が強いのね。治療する前に
もう治っちゃってたし……ハイ、おしまい!」
バン!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!!!!!!」
思いきり叩かれた傷口が感じる凄まじい刺激。
声も上げられずにごろごろと部屋を転がり回るロセルを見て、
銀はスラに言った。
「あそこまでしなくてもよかったんじゃないですか……?」
「いいのよ、油断したあのコが悪いんだから」
(こんな方につきまとわれているソグネさんは可哀想ですね……)
銀は心の中で、密かにソグネを哀れに思った。




「ガウス。伝達用ダークマターからの伝言を聞いたんだが……
私を呼んだろう。何か用か?」
「おじさん!」
「私はまだおじさんと呼ばれる歳では……まあいい。
……これは何だ?」
ソグネが城の立体映像を指してガウスに問う。ガウスは
満面の笑みで、ソグネに答えた。
「私の造った立体映像映写機です!」
「ほう……これは素晴らしいな。お前には才能がある」
ソグネにしては珍しい笑みで、ガウスの頭をくしゃっと撫でた。
「それで、この城の地下を調べる為にプログラムと設計図を?」
「はい! まずは、器もしくは欠片探知機を造りますね。
それでもし地下に反応があれば、次は何の属性を宿した物なのか
調べるプログラムを組み込もうと思ってるんです」
ソグネは文字通り、目が点になった。
自分でさえ、ガウスと同じ歳の時は豆電球を発光させる程度の
自家発電機しか造れなかったのだ。
それなのに、目の前にいる少年ときたら……子供とは思えない
発想でてきぱきと作業をこなしていく。
(……この子は将来、大物になるかも知れない。
おそらく……私の何十倍も)
「? どうしたんですか?」
「い、いや……なんでもない。早速機械造りに取りかかるぞ」
「はい!」
――まあ、私が手助けするまでもないだろうが……
ソグネは心の中で呟いた。

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投稿時間:05/01/25(Tue) 20:34
投稿者名:イリス・カルトレイ


「ラウム〜リステイトがいない」
コクマーは気ダルそうに言う。
「そうか、イリスのところに戻るぞ!」



「イリス!」
リステイトが、走ってきます。
「・・・・・・」
イリスは生きてはいない。だが、魂は其処に残っていた。
「使うか・・・。」
リステイトは、手のひらにふわふわと浮く鍵を見つめて言いました。
「させるか!」
いきなりコクマーが襲ってきます。しかし、リステイトに届く前に、
ラウムが・・・
「待て!」
コクマーは、ラウムに取り込まれてしまいました。
「一体化!?」
「イレイサーは、13人で1人だ。」
皆が、一体化した。
リステイトは、イリスの魂を取り込むと、ラウムに言った。
「鬼の首でもとったつもりか?」
「何!?」
「赤い結晶を見てみろ・・・。」
ラウムは、赤い結晶を見ると驚いた。赤いガラスと摩り替えられていた。
「いつ?いつ変えたの?」
「最初から。予測していたから、イリスのと変えたのさ。」
「お前の魂・・・壊すぞ・・・」
ラウムは、フードを取ってリステイトを睨み付けた。
「壊せばイリスが・・・復活する。戦闘モードのイリスには、
 私でも、敵わない。」
リステイトは、皮肉っぽく言う。
「一時退散だ・・・覚えておけ。あと、大切なものが・・・死ぬぞ
 イリスのな・・・。」
そう言うと、イレイサーは消えた。

「んん〜!!」
鍵からイリスが現れた、と同時にリステイトがデストルに会いに行く
という、無謀な事を実行するため、船を出た。
「ユカリ〜v」
とイリスは情けない声を出して、ユカリのところへ行ってしまった。

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投稿時間:05/01/25(Tue) 22:14
投稿者名:プチかび


神の鉄槌内部では箇所で激戦が行われていた。
その中でその激戦を引き起こした張本人―……ゼロツーは軽い焦燥にかられていた。
(これが……ナンバー2の実力……!?)
無駄の無い動きで敵は自分を刀一本で追い詰めてくる。
何とか紅い剣で応戦はするものの……このままいけば応援が来るだろう。
(なんとか、抜け出さなければ)
ゼロツーは敵―…ユエンからリスクの多い瞬間移動を図り一気に間合いを取る。成功。
「!」
相手にやや動揺が走ったところで短期決戦に出る。
紅い球を幾つも生み出し、四方八方からユエンに襲わせる。
直後、爆発音とともに煙が舞う。
(やりましたか……?)
ゼロツーがそう思ったその時。
……ゼロツーの目は見開かれた。
なぜなら、煙に紛れて自分が放ったはずの紅い球が同じように自分に向かって襲い掛かってきたのだから……
――――――!!

薄暗い部屋にはいくつもの闇で溢れかえっている。
ウィーダの中に、無意識に流れ込む「コルト」の残留思念。
『足手まといだけにはなりたくない、彼を守りたい』
(こいつのこの強い思念が、さっきの様な事を起こしたのか?)
ウィーダは痛いぐらいに流れ込むそれを聞きながらそう思う。
(全く……)
『彼』が誰なのかは自分にはわからない。ただ分かる事といえば……
――今の彼女の状態はもはや生死の『死』側に強いという事。
(俺だけに、時間稼ぎが出来るだろうか)
思ってからウィーダは自嘲の笑みを浮かべる。
(何も、消滅させることが全てじゃないな)
ウィーダはコルトを地面に寝かせると、アルよりも一歩前に出た。
「そろそろ応急処置だけじゃまずいだろ」
「そうですね……自然治癒力を高めたはいいものの……やはり治療は追いつかないようです」
「ナイトメアは大分弱ってる。俺だけでも治療までの詠唱を持ちこたえる事は出来るだろ」
「そうですか……」
「……頼んだぞ。」
「はい。」
ウィーダはナイトメアには聞こえないように、そうアルに告げた。
アルはコルトに屈みこむ。そして……静かに詠唱を始める。
(久しぶりだが……まあ、大丈夫だろう)
ウィーダはその場で両手を掲げると、彼の足元に魔法陣が浮かび上がる。
「……守護法陣、我らを包め…精神の光」
静かに唱えと、3人がぎりぎりで入れるかという半径だがドーム上の淡い光がその3人を包みこみ、ダークマ
ター達の攻撃の軌道を逸らしていく。
ウィーダが、魔力の代わりに自らの精神力を具現化して防護壁を張ったのだ。
この防護壁は彼の精神力の強さがそのまま防護壁の強さに変わる。
普段の彼なら負担に掛かる事を拒むので使わない。
しかしそれを惜しまず発動させている…珍しく彼は積極的だった。
――何が彼を動かしているのかはやはり本人にもわからないのだが。
そうしている間に、アルが詠唱を終える。
柔らかな光がコルトを癒していけばコルトの顔に血色が戻る。
一度失った血液も補給されたのか。
「……終わったか?」
「ええ、意識はまだ戻らないようですがもう大丈夫です。」
「……っ、そうか……」
途端、大分落ち着きを取り戻したナイトメアの星型弾の連続攻撃を受ける。
「破壊してくれるわ!!」
それを弾く防護壁。だがアルはウィーダの異変に気付いた。
彼の額からは汗が幾つも零れ落ち、息が切れている。
「大丈夫ですか!?」
「……大丈夫だ、……だが……このまま保つのは、少し苦しいかもな」
「……とは言われましても……」
――八方塞。
(さて、どうするか……)
このまま行けば確実に防護壁は破られる。
戦闘のダメージに加え何ども暗示をかけさせたりしたことでウィーダは大分精神力も失っていたのだろう。な
らば……
一撃で片付ける、それが最善……アルは軽く深呼吸する。
「ウィーダさん。もう少し粘れませんか?」
その意味を理解したウィーダは「早めにしろよ」とだけ言った。
そしてアルが杖を構えたその時、コルトが目覚める。
「あれ……?」
「お目覚めですか?でも今はいろんな意味で危険ですのでその場に居てください。」
「……ウィーダは」
言いかけたところで言葉を止める。彼はすぐ傍に居たからだ。
「……コルト、無茶するなよ……お前が死んだら、ゼロツー様が悲しむだろうからな……」
コルトはどういう形であれ「自分を心配してくれた」その言葉に嬉しそうに微笑んで、分かったと言った。
「さてコルト、私たちは今から懸けに出ます。
もし失敗したら――――」
刹那……アルの言葉は遮られた。

「そろそろお終いにしようや?」

バアン、と大きな音を立ててドアが開けば、そう声が響く。
その声は戦場と言う大音量の中でも不思議と響いた。
全ての視線がその乱入者に向く。
その視線の先に居たのは……

「ユエン様……!」

――人工的に作られた星空はどこと無くその輝きを失っているようにも見えた。


ナイトメアとダークマターの攻撃の手が止まる。
ユエンはダークマターが自然と開ける道を歩き、ゆっくりと3人の元へ向かってくる。
「この状況から打開策があるんかないんかはしらへんが。どのみちそれはやらんほうがええよ?」
服装がやや汚れていて、頬も少し焦げた傷がある。
ユエンは肩に何かを担いでいるようだった。
そして、3人がユエンの姿を確認した時――3人は目を見開いた。
『!!』
なぜなら、彼らの主がその肩に担がれていたのだから。
主はだらりと腕を降ろしている。気絶しているだけなのか、それとも――――

「……!」
――ウィーダがそれを見て息を飲む。
「ゼロツー様!!」
―――コルトが悲鳴を今にもあげそうな表情になる。
「ゼロツー様……!」
――それを見た途端、アルは今まで押さえられていた何かが溢れかえってくる感覚に襲われる。

「…………!!!」

――――そして、アルの何かが弾けた。

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投稿時間:05/01/26(Wed) 14:14
投稿者名:一太郎


マトリエス号操縦室。
そこではルクソルが計器などのチェックをしていた。
と、そんな折に扉を開けて入ってくる人物が1名。
耐熱フィルターの整備をしていたアシュルである。
ちなみに、彼が外に出たのはPSPマン達が去り、カムイも去った後だ。
「耐熱フィルター異常無しです。」
「おー、ごくろーさん。」
ルクソルがアシュルを見て片手を挙げて言った。
「何か異常は見つかりましたか?」
「いや、特には何も無いな。動力部の熱が少し高めだが冷却面は大丈夫だ。」
ルクソルが壁に歩み寄り、紅茶を淹れる。
「休憩でもしとけよ。働き詰めだろ。」
「あ、ありがとうございます。」
アシュルがティーカップを受け取る。
暫く沈黙が流れ・・・唐突にルクソルが口を開いた。
「そーいや、お前とイチタって親友なんだろ?」
「ええ。」
「あいつって、彼女いるのか?」
「はっ!?」
アシュルが思わず声をあげる。
紅茶を吹き出さなかったのは奇跡に近い。
「何でですか?・・・まさか、ルクソルさん・・・」
「違うぞ!断じて否だ!・・・いやな、十瑠がな。」
一旦言葉を切るルクソル。
「十瑠のあいつを見る目が何と言うか・・・」
「へ〜。イチタに彼女はいませんよ。」
アシュルが平然と言う。
「と言うより、周囲から敬遠されてたんですよ、あいつ。変わり者だったんで・・・って言っても僕達の星で
、ですが。」
「変わり者?」
「あいつの家系って軍人の血筋なんですよ。でも、あいつは血筋というものに従わないで自信を貫き通してた
んです。周囲から見れば高貴な身分を放棄したように見えてたんです。実際放棄してたようなモノですが。」
「へぇ〜。知らなかったな・・・ってか、この艦に乗ってる人間で素性が明らかな奴って少ないよな。」
「そーですね。」
「あ、でも1回だけ逆ナンパされてましたよ。」
「で?」
「断わってましたよ。『要らん。』って言って。」
「要る要らないの問題なのか?」
「多分そーいうことに疎いんですよ。」
アシュルが紅茶を再び啜り始める。
「なるほどね。ところで、お前は好きな奴とかいるのか?」
「・・・いや、別に。」
「でも、ユカリちゃんとかと親しいじゃないか。」
「ぶっ!」
思わず紅茶を吹き出すアシュル。
「げほっ・・・何ですか?いきなり。」
「いや、意味は無い。そこまで動揺するってコトは図星か。」
「ち・・・違いますよッ!」
アシュルがそう言い、ティーカップを置き、立ちあがる。
「じゃ!僕はこれで!」
アシュルがそう言い、逃げるように部屋を出て行く。
直後、ゴンッ、という音が響いたのは壁に激突したからだろう。
「・・・わかり易い奴だなァ・・・」
ルクソルは紅茶を飲み干し、再び計器のチェックを始めた。

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投稿時間:05/01/26(Wed) 14:56
投稿者名:ディーラ


マトリエス号・食堂内部

「…ところで、ゼーレス?」
「………何だ。」
ここだけ着ようと思って着たチャイナ服を着たティーラは笑顔でゼーレスの方を向く。
「レインは?」
「……置いてきた」

・・・

「くぉのあぁほんだるぁーっ!!」
「あだっ!!」
ティーラの拳がゼーレスにヒット!
ごきっという音がしたのは気にしない。
「アル兄ぃは記憶喪失で俺の事忘れてる!お前はレインがいないと定期的な体の再生できない!レインたん、
何処においてきた!?」
「ここのジャングル。」
……ぷつん。
何かが、キレた音がした。
「おーまーえーはーなー…!?」
「……す、すまな」
ゼーレスがいい終わらないうちに、ティーラは食堂を出、外に行った…



…ジャングル…
「ゼーレスお兄さん…置いてくなんて酷いです…とにかく、人を探さないと…」
薄紫の髪の毛の女の子がぱたぱたと走っていた。
走っているとこけ…
「ひゃっ!?」
…こけた、お約束?だ。
「痛いですー……あ、あれ?あの人は……」
薄紫の髪の女の子…レインは、デットを見つけた…





神の鉄槌内部

アルの何かが弾けたとき、変化が訪れた。
髪と瞳が赤一色に染まり、漆黒の翼が現れる。
「………よくも、傷つけたな。」
口調も変わっている。
殺気が漂い、ダークマターとナイトメアが引く。

「…俺の主人を傷つけたこと、後悔させてやる。」



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名前・レイン・ヴィゼルグ
性別・女
一人称・私
二人称・さん。あなた、デットだけ呼び捨て。
デットの恋人さん(待て
誰にでも敬語な人。


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