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遥かなる旅の果てに [38]



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投稿時間:05/12/07(Wed) 16:56
投稿者名:さびかび


「結縁…ですか…」
暗い部屋でぽつりと一人の男が呟く。
「ところで、ルナギさん、ですよね? ヤナギの事を姉として
慕ってくれて…本当にありがとうございます、多分、
あなたがいたから自分の運命を受け入れることができたのでしょう、
きっと。」
その暗い部屋に存在するもう一人の人物、といっても外見は幼い少女であるが。

「姉さんの運命を受け入れる…でもまだ死んだって確定したわけではー」
「いいえ、彼女は彼女らしい誇り高い死に方をしましたよ…あなたも感づいているのでしょう?
彼女の空間が消えている事は。」
少し寂しげな、そんな表情を崩さずに差し込まれるナイフの様な言葉。

この男は…人間なのでしょうか…?

その質問が彼女の脳内に過ぎった。
「その答えも…あなたは薄々感づいてると思いますよ。」
彼女の精神内で思った事にこの男は反応しているかの様に、そんな答え方だった。
「…私は何もー」
「いえいえ、なんでもありませんよ、独り言でしたので…。」

相変わらずの表情を保ちつつ彼は立ち上がった。
ルナギの頬を冷や汗が流れ落ちた。

「ヤナギの創造主…いえ、お父さん…あなたはいったい…」

「そうですね…古の文明の生き残り、とでも名乗っておきます。」
そう言い彼はドアに向けて歩き出した。
彼がドアノブに手をかけた時、後ろからまるで内緒話かの様な小さい声で「…最後まで諦めるべきでは無いと思います…姉さんの事です…
…きっと…。」
そうルナギが呟いた。

今の彼にはそんな事は何の意味も成さない言葉、いや、文字の羅列に過ぎない。

「私も…一度はそう考えたさ…デストル…貴方はそんな私に似ていた…
私は哀れだ こんな哀れな私でもあなたの理想郷に住んでも良い
そう言ってくれた時 私は見つけたような気がした、新しい人生を
私と、ヤナギと父さんと…母さんと  
みんなで住んでみたい…また人生をやり直したい…。」

だれも居ないホールを 何処と無く寂しい靴音が響き渡る。
その音は静かでも、怒りと哀しみに満ちていた…すくなくともルナギはそう感じた…。



「釈然としない!」
誰も居ない場所でそう口にしているのはティーラである。
だが釈然としないのは分からなくも無い、
「アル兄の技使っときながら!」
と所々で怒鳴られながら艦内を屯されてる方もたまったものでは無いのであろうがー
突っ込みを入れる気力が無い者が殆どだと言うのもまた現実であった。
結縁の襲撃でやっと緊張の糸が切れてみんな一息ついたとこであった。

「今度会った時は掻っ捌いてー」
と言いながら大剣をぶんぶんふり回す、何気に振り向いた先に
あったのは格納庫であった。

そしてそこから妙な音が聞こえる、何かを叩く様な音、それと今度は水が凄い勢いで蒸発する音。

「だーれーだっ!!」
鈍い音を立てながらティーラの大剣がハンマーにぶつかる。
「不意打ちなら声を上げずにやるべきだったー」
「あー、違う違う、ひっまっ、つ・ぶ・し〜。」
そう言いティーラは剣を鞘に収める。
「暇つぶしで殺されかけるこっちの身にもなってー」
「いやいや〜、そんな訳ないっしょ〜、
寸止めでもするつもりだったさ〜」
ろくに台詞も喋れないラダスとしては、さらに彼が作品作りに熱中している間に、暇つぶしで殺されかけると言う事も含めて、
そこそこ気に入らなかった。
「あんたー…鍛冶屋かなんか? そんなら…そいつ、
いっちょ試してみる?」
ティーラは水の中に沈んでいる物を指差しながら言った。
その言葉を聞いたとき、ラダスの気分が180度変わったのも、言うまでも無かろう。
「肝が据わってるのか、馬鹿なのか、どっちか知らんがー…面白そうだ、かかって来い!」
そう言いながら彼はその水底に沈んでいた地味な灰色の物体を腕に装着した、手袋、いや、肘まで腕を覆うガントレットだった。
なんの飾り気も無い、鈍い灰色のガントレットだが、何処か魅力を感じさせるあたりなどに、ラダスの作品らしさが既に出ていた。
彼はさらに腰に刺してあった刀を引き抜き構えた。

鉄と鉄が激しくぶつかり合う音、弾き合う音。

「踏み込みが甘い!!」
ラダスの刀はティーラの剣に比べて威力は劣るものの、ラダスの力
でもって振り下ろされるとその差など何の意味も無い。
「もういっちょ!」
ラダスは刀を左手に持ち替え右手にハンマーを握り振り回す。
「へー、その篭手、握力とかも強くなるんだ。」
そうティーラは感心しながら剣を構えなおす。
ラダスのハンマーがティーラの剣とぶつかり火花が上がる。
「その剣、誰に鍛えてもらったのかが気になるな、悪くない。」
そう言いラダスは刀とハンマーを腰に収める。
「へっへー、気になるでしょ、でもおっしえな〜い〜」

「失礼します。」
そう言いながら男が格納庫に入ってきた、オミニアである
「今日はどうも客が多いようだな、で、何の用だ?」
どうラダスが問うと、オミニアは微笑みながら何やら大きめな石の様な
物を取り出す。
「これを精製して…剣を作って頂きたいのですが。」
その物体は見かけを大きく裏切りずっしりと重く、さらに何やら鼓動
の様な物さえも感じさせる不思議な鉱石だった。
「…こいつはいったいー」
「物質的には鋼鉄とミスリルを会わせた様な物でしょうか?
大丈夫ですよー普通に鍛え上げて頂ければ、ただ、それは全部使って
下さいね、絶対ですよ?」
そう言い残し、彼は部屋を去って行った。
「むーっ、ああ言うやつも気にくわねー! なんかムカつく〜!」
そうティーラがまた愚痴る
「嬢ちゃん、こいつぁ貰っておきな、こっちはこの妙な鉱石、
こいつの正体を解き明かしたいからよ! 装飾とかは自分でしろよ。」
そう言いラダスは彼の装備していた篭手をティーラに投げてよこす。
「…油性ペンとかでデザイン付けたら殺すからな?」
そう言い残してラダスは部屋の奥へと歩いていった。

「…何で分かったんだろう?…ま、いっか。」
そうティーラは言い格納庫を出て行った…どうやら本気で油性ペンで
装飾とやらをするつもりだったとか…。

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投稿時間:05/12/16(Fri) 20:36
投稿者名:サイビィ


ケルベロスは、メタナイトの問いに答えるように、首を横に振る。
「そうか・・・、おい。」
メタナイトがサイビィを見据える。
「・・・なんだ・・・?」
サイビィは顔を上げ、言う。その声は宿主のものではなく、サイビィの声だった。
体も、サイビィのものだった。
ただ、帽子は被っていない。所々寝癖のように逆立っている。
「今から私がいくつか問う。いいな?」
「・・・言ったって分からないだろ・・・。」
サイビィはメタナイトを直視せず、言う。
「どうしてもと言うのなら自白剤の投与をするが?」
メタナイトがサイビィを見据え、口を開いた。
「・・・自白剤・・・?やめてくれ・・・。」
「ならば、答えるしかない。自分が答えるならば自白剤は投与しない。」
「・・・わかったよ・・・答えればいいんだろ?」
「そうだ。まず一つ、お前は何者だ?」
メタナイトが問う。
「・・・俺は・・・サイビィ・・・。」
真剣なメタナイトの目に圧倒されたのか、サイビィが答える。

「ではサイビィとやら、単刀直入に聞くが、お前は敵だな?」
「違う・・・、確かに、この体の持ち主は事実上敵になったが、俺はカービィ、すなわちお前らの仲間だ。」
「・・・順を追って説明しろ。」
メタナイトは、サイビィが言った言葉に疑問を持ち、言った。
「・・・まず一つ目、俺は約二十年前に死んでいる。」
扉の傍で警戒しているジョニーを気にも留めず、話し始めるサイビィ。
「二十年前、銀河の辺境にあった星々が突如その運動を止めた事件、知っているか?
現在に至るまでの間、被害にあった惑星が多数ある様だったけどな。それにはある組織が絡んでいたらしい。
かく言う俺も時を止められた星に住んでいた人間なんだがな。」
「・・・それに何の関係がある?」
メタナイトが口を挟む。
「ある。」

一瞬、沈黙が訪れる。

「その時、時が止まらなかった人間は皆殺しにされた。何千何万という、ダークマターの大群にな。俺もその中の1人だ。
しかし、どういう訳か俺は幽霊となり、十何年もの間銀河をさまよい、ある1人の男へとたどり着いた。
それが、この体の持ち主であり、さっきお前達が戦っていた『エオ』と名乗る人間だ。」
そこまで言うと、サイビィは少し口を休める。

「・・・俺は宿主・・・ナウシズの記憶の一部分に幽体を侵入させ、自分の意識を定着させた。
記憶を失い、ナウシズは自分の名前を忘れた。俺は奴に名前を教えはしなかった。俺が消えれば記憶も戻るからな。
その結果、神と言うべき存在が定めた、生命の環から逃れた者を裁くための番人がナウシズに死刑に値する罰を与えた。
・・・永遠の命・・・、いや、永遠の苦しみをその番人は俺達に与えた。死ななくても死と同じような苦しみを感じ、
どんなに熱くとも、どんなに冷たくとも、どんなに痛くとも死なない。ある意味、死より重い罰だ。
・・・俺のマイナス思念が消えなければ、この体の主は永遠の苦しみを与えられたままになる。生命の環は死人の魂が留まるのは良くないと考える。だから俺が消えればナウシズには負荷は掛からなくなる。だが、一つだけはっきりとしているのは、俺の未練が何のか、分からないことだな。
・・・幽霊の俺は楽しくてもそうは感じない。だから名前や一人称まで変えて、化けの皮を被んなきゃなんなかった。要するに、サイビィは偽名だ。
だが、お前らに本当の名を教える程俺は愚かじゃない。それ以上に、20年前の人間のことなんか知りたくもないよな。
その他にも昔の死人だったと思われたくはないし、あまり好印象を持たせないようにもしたい。・・・効果は無かったけどな。」

「・・・こんなこと一度に言われても、何が何だか・・・。」
今まで黙っていたケルベロスが突如口を挟む。
「簡単に言えば、死んで幽体となってさっき私達が戦っていた奴の体に憑依したと考えればいい。
後は、死ねないって事だけ覚えてればいい。」
メタナイトが簡潔に説明する。なんとなくは判ったらしい。
だが、サイビィはそれを聞いて、
「・・・確かにそれは合ってると思うが、憑依とは違うな。宿主も、承諾済みだったからな。居候と言ってくれ。」
「だが、そのせいでお前はその宿主とやらに永遠の苦しみを与えてしまったのだろう?同じようなものだ。」
「そうなんだけどな。・・・二つ目、何故宿主が敵になったか。」

その場にいる全員が、サイビィの口から発せられる言葉に驚いただろう。
さっきまで自分たちがいた星、コレカラスターでのことだった。マトリエス号付近で携帯ゲーム機に手足をつけたような姿をした生命体がカービィの仲間、ルートと戦っていたこと。
そして交戦中にサイビィ達が登場、サイビィがルートに変わって戦闘を始めたこと。
途中、宿主が使ったら後に戻れない能力・・・キマイラの具現化を行ったこと。
それら全てが、宿主に影響を与えていたのだと思われる。

「・・・キマイラは強大な力・・・宇宙を満たす物質・・・暗黒物質で動いている。そんなのを同化させれば、扱いきれないに決まってる。
しかも、キマイラの力・・・暗黒物質のエネルギーが脳に影響を及ぼし、キマイラが体を支配するようになる。
ここらへんはダークマター一族の憑依と同じようなもんだ。」
サイビィは下を向いて少しためらう。
「今のアイツは昔のゼロみたいなものだ。力こそゼロに至ってはいないものの、その邪悪さは昔のゼロと同等だ。
言っとくが、あいつはさっきの戦闘でお前らと同じく本気なんか出しちゃいなかった。本気ならハイパーゾーンくらい展開できる。」
「・・・何故お前はゼロのことを知っている?今のゼロならまだしも、昔のゼロを知っているのは疑問に思うぞ。」
メタナイトはサイビィに疑問をぶつける。


「俺は19年間銀河を彷徨い続けた。
だから、銀河の動きは一通りわかるんだ。最も、ここ何年かの間、次々に問題が起こってるそうじゃないか、ポップスターは。
・・・いや、この星系自体の問題だな。この星系には何故か全ての惑星に生命体が生息している。おかしいとは思わないか?
移民して、人の住める環境にしたとしても、これだけの環境が揃っている。俺は作為的な物さえ感じるぞ。」
「・・・次の質問だ・・・、お前・・・出身は?」
「そうだな・・・銀河の果ての果てだ。・・・先天的、後天的は別にして、特殊能力を持つ人種だ。色々な物質を特殊な方法を用いて分解・再構築することが出来るな。例えば、ダイヤモンドとか、鉄製の剣とか。言っとくけど、元々人間の中に眠っていた『能力』を引き出しただけだから、魔法とは違う。・・・今度は俺から質問して良いか・・・?」
「別に良いが・・・。」
メタナイトが言った。
「なら言う、一つ目だ。ある2人の人間がいた。1人の人間の時が止まった。もう1人の人間はいつも通りだ。2人の年は同じ。
こうなった時に、一年経って時が動き出したとする。時が止まった方は変わらない。もう1人の人間は一つ年を取るだろうか?」
「・・・どうにも答えられない質問だ。」
「時を保ち続ける人間は、体の機能を停止させてはいない。要するに、老化するってことだ。
時が動き出した時に、時が止まっていた期間だけ老化してるんじゃないか?」
サイビィの目つきが少しづつ変わっていく。
その場にいた全員は、グゥの音も言わず、ただ茫然と立ちつくすだけだった。
「二つ目。誰かに選ばれたりせずに時を保つ方法は?」
「・・・それ以前に時が止まっているか、石化してから元通りになるか。」
メタナイトが言う。
「ああ、それしかない。・・・三つ目だが・・・。」
サイビィはクヌギに視線を移す。
が、しばらくして視線をメタナイトに戻した。
「・・・やっぱいいや・・・。それよりも、あいつが出てきたら、睡眠薬か何かで眠らせてくんねえかな?あいつを止めるのはそんなに楽じゃないんだ・・・。頼むよ・・・。」
サイビィはそう言うと顔をしたに向け、目を閉じた。
メタナイトはケルベロスに見張りを頼み、倉庫へと向かった。


(・・・ここからリップルスターまで、最大出力でも数日かかる・・・。空間転移でも使わないと無理か・・・。)
メタナイトはそんなことを考えながら、倉庫に向かっていた。
「・・・今の自動航行システムは通常空間の航行しか通用しないからな・・・。」
メタナイトの声が、はっきりと外へ漏れていた。

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投稿時間:06/01/07(Sat) 01:23
投稿者名:S.A


ユエンの襲撃より数刻が経って、此処は食堂。
激闘の場となったそこはとても本来の役割を果たせる状況にはなかった。
積もり積もった埃、瓦礫、色々なものの破片、etc・・・の前に佇むのは一匹のブルームハッター。

「とりあえず・・・」

ブルームハッターは意気込んで箒を構えた。

「こういう時こそ、僕の出番だよね」

汚れた場所もまた、彼の戦場なのだ。



その傍らで、何人かが割れた食器の破片やテーブルの残骸等の回収作業に追われていた。
少し前から船内では戦闘が連続して起こり、それで船内の何カ所かがこうして滅茶苦茶になった上、怪我人もチラホラと出てしまった。
手の空いてる者はこうして後始末に駆り出されている訳だ。
その中にピンク色の体の青年一人、これも黙々と作業を続けていた。

「カービィ!」

彼に声をかけたのはシャドーカービィだ。
「ん、なぁに?」
カービィは作り笑顔を返した。が、顔は引きつるばかりだ。
元々嘘が得意な方でもない。
「大丈夫?元気無いけど・・・無理しないで休んだって誰も文句なんか」
「いや、こうやって体動かしてる方が落ち着くしさ。」
「そう・・・か」
何が彼の心を沈鬱とさせているか、シャドーには何となくわかっていた。
声のトーンを下げて、聞いた。
「カービィ・・・あの、ユエンって人のこと・・・」
間違いなくあのユエン、という人物との接触が原因だろう。

あの、恐ろしいまでの殺気を漲らせてやって来た人。
ダークマターを己の父と言った人。
彼の父とカービィとの間にあった事。
そして、その結末。


「あの人の父さんは、ユエンはまだ戸惑ってるだけだって言ってた。それならまた何時か会えるのかな?」
彼と対立することが辛かった。ユエンはまだ自分のことを完全に許してはいないと言った。
もう、手を伸ばせば握手を交わせるというのに。
それでも彼の中の「決意」が、それを拒んでいるんだろう。



ふぅーっ、とカービィは大きな溜息をついた。
「仲直りって、ホントに難しいね。」


みんながみんな、「何か」を賭けて戦ってる。
僕だってそうしてきた。そして、これからもそうしなければいけないだろう。
でも、何で戦わなきゃいけないんだろう?
何かを傷つけて、恨みを買って、そこまでして何で戦いの道を選ぶんだろう?
それは一番楽な道なんだろうか?それとも、そんな道しか残されてないんだろうか?
もっと辛くても、みんなが笑顔でいられる道ってないんだろうか?



「戦いが終わって、みんな一緒で暮らせたらいいのにね」

「大丈夫。何時かきっと、そんな日が来る。僕も手伝うからさ」
シャドーは心からそう願った。






願わくば、この心優しい彼が傷つかないような世界が訪れますように―――――








「そこの二人!喋ってないで手ぇ動かして!」
ブルームハッターの怒号が飛ぶ。どうやら掃除に関してはなかなか五月蠅い様子。
「うわっと・・・じゃ、作業を続けるか。」
「だね。」
そう答えたカービィには、いつもの無邪気な笑顔が戻っていた。


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投稿時間:06/01/14(Sat) 20:08
投稿者名:ディーラ



「さってっとー、このガントレットの装飾はどうしよーかなっと」

ごそごそと自分のズボンのポケットを漁るティーラ
暫くするとこつんと、何か固いものが指にあたった

「…ん、と、これはー…ゲ。」

手に当たった物をポケットから出したソレは、紅い紅い、ルビーのような宝石、其れを見た瞬間にティーラは嫌な顔をした

「なんでこれがあるんだよ…闇の増幅機なんかあったって意味ないじゃん、しかもこれ…えーと、なんだっけ…うぇー、なんて言ってたっけあいつ……ま、忘れたからいっか。」

そんな事を言い、宝石を仕舞おうとした、ら


「あ。」


ずぶりと、何故かその宝石がガントレットの手の甲の部分に入ってしまった
それを見て数秒後、ぐいぐいと宝石を引っ張ってみるも、抜けない
しっかりと固定されているようだ
其れを見てため息をついた。

「…ま、お約束には逆らえない、ってか。」

そういうとティーラは、其のガントレットを装備し、そのまままた、ぶらりぶらりと艦内をうろつくことにした――

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投稿時間:06/02/19(Sun) 15:17
投稿者名:さびかび


「全ての器と欠片の所持を確認…、神の鉄槌の準備も整いました、
残すはデストル様のご命令だけです。」

龍の少年が主に報告した。

「そうか…残りの器を欠片は彼らと共に…か?」
髪からマントまで黒尽くめの男が答える。

その男の体から感じるオーラの様な物、銀でなければそれに気圧され
喋ることさえも適わない事であろう。

「はい、そして例の イリス なる存在ですが…」
「いや、全ては自ずと我々の手中に収まるはずだ…そして、彼は?」
銀は一瞬ためらいの表情を見せたが報告を続けた。

「デストル様は あの物 を信用なさるのですか…? 自分としては今回の計画が あれ に頼ることになる事がとても…嫌…です。」
そしてしばらくの間が流れる。

「…何をためらう事がある。 あの操り人形はもう使えない、かくなる上
は他に有効な手段で成功率が高い手段は無い。 この計画次第で我々の
情勢が大きく変わる故に、信用したく無くなる気持ちも分かる…が、
何かが告げるのだよ、私にこのチャンスを逃すな…と。」

「…門を空けるのは、何時ごろになりますか?」

「一時間ほどで空間束縛フィールドを展開、奴が現れしだいフィールド内
に門を出現させる、その時までにその門を開けるためにエネルギーを
準備させておけ。我々なりの超空間、ハイパーゾーンの真似事言えど
そう簡単には空間の門は開けまい。」

「…門が開かなかった時には…?」

「主砲の準備もしておけ、その時は門ごとぶち破る。  不都合なものだな、門を開く作業に惑星自体の移動、および制御が必要になるとは…
だが、その門の向こうに、あるはずだ、我々の理想郷が…。」

神の鉄槌の本当の目的、それが遂に実行に移された時であった。


「…そろそろ頃合でしょうか…余り待たせたくはありませんが、あれの
仕上げも…もうそろそろでしょうし…。」
オミニアの目には例の鉄の様な物質を打つラダスの姿が映っていた。

その目はラダスを付きぬけその鉄の仕上がりだけを見つめていた。

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投稿時間:06/07/12(Wed) 00:21
投稿者名:サイビィ


「あいつの言っていたこと…考えてみれば様々な点に問題がある…」
メタナイトはブリッジの機能を一人で操作しながら言った。
「それに、あいつは二十年宇宙をさまよっていたとはいえ、その分野に詳しい訳じゃない。所詮は子供の推測に過ぎない」
ブリッジ後方の窓に、コレカラスターが見える。だいぶ小さい。マトリエス号へ追いつくのも時間の問題だろう。
「リップルスターでは、今までとは比べものにならない程の激戦になるだろう。行動を起こすのはマトリエス号と合流してからでいい」
そう言い、メタナイトは大きくため息をついた。その後、艦内放送を流す。
「これより、ハルバードはマトリエス号に追いつくため全速力で移動を開始する。総員対ショック体勢を取れ」



サイビィは目を開けた。
ジョニーは艦橋へ行き、ケルベロスは扉の前で見張っている。
サイビィの傍らにはクヌギ。どうやらケルベロスを上手く説得したらしい。「こいつは俺が見てるから、お前は外で待っててくれや」とでも言ったような気がする。

一瞬の沈黙の後、サイビィが声を発する。
「…何のつもりでハルバードに乗り込んだ?」
「何のつもりやて?」
クヌギは眉をつり上げる。

「俺の記憶じゃお前は敵だ」
「ああ、全部覚えてるンやったな」
サイビィは頷く。
「お前との面識はないが、特徴と名前が一致する。それに、最近のことだったからな。
…俺はもうすぐ、カービィやメタナイトの敵になる」
「裏切るつもりか?」
「ああ…。俺の狙いは闇の器と…お前たちの『ご主人様』だな……お前らの味方になるのかな。
闇の器を手に入れたら、『ご主人様』に会いに行く。それに、ルナギにも仮がある」
「ルナギに?」
そう言い、クヌギは目を剥いた。

「ああ。あいつが夢を見させてくれたお陰で、俺が何をしたかったのか分かった。
…迷いも、怒りも喜びも悲しみも無かった俺には、何の効果もなかったようなもんだけどな」
「…未練が何なのか分からかったんやなかったのか?」
「アレは嘘だ。これから敵になる奴にそんなこと教えられるか」
サイビィが含み笑いをしながら言った。多分これは『作った』笑顔であろう。
「…真に倒すべき敵が誰かってことだけどな。…それに気付いたのは、PSPマンとの戦いの後だけどな…」
「そいつは…」
クヌギは少しためらう。エオが言っていた言葉が脳裏に浮かぶ。

 ―元星の戦士。

「…星の戦士か?」
「何言ってんだ、あいつは英雄。時を元に戻してくれなきゃ意味がない。
…まあ、元星の戦士も入れれば合ってるかも知れないがな」
クヌギは顔をしかめた。

 ―そういや、あの黒い長髪の男も元星の戦士ってだけで敵と見なしてたッぽいなあ―

「メタナイトでもないぞ。あいつもいてもらわなきゃ困る。それに、殺すチャンスはあったはずだ」
「…はあ…」
(…俺も正体を掴んでるワケじゃない…目星はついているけれど……あの3人に違いないだろう。
それともう一人、デストル側が求めるものの先にいる…そして、扉が開く時が、全て分かる時だ…)

「ま、今は言わないけどな。それよりも、ヤナギがどうなったか知ってるか?」
サイビィの顔が真剣になった。
「ヤナギがどうしたんや?」
「…いずれ知るだろう」
クヌギはその言葉に、良からぬものを感じた。今は詳しいことは聞かない方が良いだろう。
「まあええわ」
サイビィは、仮にお前がこのことを聞いたとしても、俺は答えなかったろうよと言い、また『含み笑い』してみせた。

(…ヤナギに聞きたいことがあるし、こいつにショックを与えるわけにもいかないな…。
ヤナギが生き返る可能性があるならそれを試してみたい。…また命の番人の世話になるのは嫌だけど…)
「備えあれば憂い無しだ、心の準備でもしとけ」
「……」

(ご主人様…ねぇ…。マトリエス号に乗り込んでからのヤナギは奴と連絡を取っていたなんて思えない…。
あいつらがコレカラスターを探索していた時のことは分からないが、ヤナギ特有の気が消えたことは覚えてる。
それに、火山の噴火……、時は止まっているはずなのに…?)
サイビィは今までに起こったことを頭の中で整理していた。
(…『ご主人様』とやらは扉の向こうに何を望むんだ?デストル側は理想郷を望んでいる…、『ご主人様』も同じだろうか…。
今までの行動から察するに…)
サイビィは考えるのを止めた。否、止めさせられた。
どうやら、あいつが出てきたらしい。

「クヌギ、メタナイトを呼んでこい…と言いたい所だが、そんな時間もないようだ。何か硬いものは無いのか?」
そう言い、サイビィは部屋を見渡す。硬そうなものは何もない。
「…槍でいいや。その柄で思い切り殴れ、気を失うまで」
(既に死んでるっつっても痛いのは嫌だけどな…)

「はあ…」
「睡眠薬の投与の時間も無さそうだしな」
メタナイトの艦内放送が聞こえる。リップルスターに向けて全速力で移動するというのだ。確かにそんな時間も無さそうだ。
「…リップルスターに着いたら、マトリエス号の奴らと合流するんだろ?
だが、マトリエス号はどういうワケかブルブルスターへと路線を変更した。軌道修正は簡単じゃないだろうよ」
サイビィが言った。
(多くの気が集まっている場所…乗務員を除いて、締めて30人くらいか…遠いから上手く伝わってこない…。
だが、俺と似たような気を持つ乗務員がいるからすぐに分かる。間違いない、マトリエス号はブルブルスターの近くにいる。
…しかし妙だな…さっきまで一際強い気を感じたんだが…、それがぷっつりと消えた…)
「合流まで少しの猶予があるってワケやな」
「ああ。リップルスター上空からでも良い。どっかで降ろしてくれ」
クヌギは頷き、槍の柄でサイビィの頭を思い切り叩いた。

心地よい音がして、サイビィはぐったりとうなだれた。


マルクは、マグマが進出し始めている森の上空を飛んでいた。
火山から離れていたとはいえ、ここからでも熱気は伝わってくる。
そんな中、一人の人間を見つけた。
マルクは近寄ってみる。
「おい、そこの人間。なにしてるのサ」
(…時が止まっていない人間…?)
マルクは少し黙る。
「私は、同じように時が止まっていない人間を捜している」
女性はそう言う。
(何を今更…、時の束縛の力は弱まってきているのに…?)
「まあいいのサ。お前、とりあえずボクと一緒に来るのサ」
「…何で?」
「お前、ここで死んでも…?」
マルクは目が飛び出しそうになった。溶岩が迫ってきているんだ。コレカラスターに残るなんてどう見ても自殺行為だ。
…後々のことを考えると、連れて行った方が良い。
「…ああ、そう言う意味ね…。だったら、行くしかないよね」
その女性、ライムとマルクは、コレカラスターの樹海から消えていった。

「ダークマインドサマにご報告なのサ」

ダークマインドは、鏡の手入れをしていた。
戦闘になると、いつものように鏡が割れる。割れなかったとしても、傷が付く。
だからいつもこうやって鏡を磨いている。
ダークマインドは鏡を見る。なかなか綺麗だ。自分の顔もあるが、鏡が。

後ろの方で僅かな質量の変化を感じた。
磨かれてすっかり綺麗となった鏡でそのものが現れた方向を見る。マルクだ。
ダークマインドは、いきなり現れたマルクの方を向く。傍らには、見知らぬ女性がいる。
一応、盗聴されないように策を練ってある。いつでも報告できるようにだ。

「マルクか。何だ?」
「そろそろ頃合いなのサ」
マルクは、声がうわずっているようだった。
「…となると、そいつがそうなのか?」
ダークマインドがそう言うのを聞いたマルクは、かぶりを振った。
「いや、こいつはコレカラスターの樹海で偶然見つけたヤツなのサ」
「そうか…だが、戦力は多い方が良い…」
「話が分かんないんだけどさ、説明してよ」
ダークマインドはその磨かれた鏡を壁にかけ、もう一つの鏡を磨く。

そして、女性の方を向く。
面倒だ。だが、ただでさえ少ない戦力だ。逃すわけには行かない。
「…分かったよ、あんたたちに協力すればいいんでしょ?」
女性が言う。こいつはよく分かっている。今逆らっても意味がないと言うことを。
「ああ」
ダークマインドは頷き、説明をし始める。

「…我々の目的はデストル達が求めるものとは違う。私達の目的は、あくまでこの世界だ」
「ボクは理想郷より、この世界の方が良いのサ」
女性はまだ怪訝な表情でこちらを見ている。自分たちの行っていることが理解できないのであろう。
誰も理解してくれなどとは言っていないのだから、
「それに、カービィへの復讐も私の目的の一つだ。チャンスを狙っているだけで、デストルの味方をしているワケじゃない」
「扉が開く時まで待っているのサ」
「…扉?」
女性が言う。この近隣の星も時が止まっていることも知らなかった奴だ。知っている方がおかしいだろう。
いや、知っていたとしても、漠然とした内容しか知らないだろう。
ダークマインドに代わり、マルクが説明を始める。


「時が元に戻る瞬間…、チャンスはそこにあるだろう。
カービィを殺し、扉を我々のものにする。あのカービィやデストル達を叩きのめすチャンスだ」
ひとしきり説明を終えた時、鏡を磨いている男は言った。
「我々は、その為に手を組んだのだよ」
「ふうん。何となくだけど分かったよ」
ライムは言った。実を言うとまだ分かっていないことがある。だが、そこは気にしなかった。
「…つまり、あんた達は、扉の向こうにある”力”でこの世界を乗っ取ろうとしているってワケね」
「そうだ」
こいつらのやろうとしていることは許せなかった。
正義感とかではない。別にこいつらが世界を乗っ取ろうがどうでも良い。やり方が気にくわなかったのだ。
力で適わないから相手が油断した時を狙うのは臆病者のやることだ。
と言っても、どうしても勝てないような相手にがむしゃらに突っ込んでいくのはただの馬鹿だが。
今こいつらに逆らったらどうなるか分かったもんじゃない。
今逆らったら、こいつらの『仲間』に殺されるだろう。あるいは、こいつらの手で…。
こいつらと同じ手は使いたくないが、今は仕方がない。
結局は自分も臆病者になっているのかも知れない。だが、それはあくまで一時の話だ。
口々に自己紹介をする。その後、ダークマインドが自室を出ようとする。
「お前は外に出ない方が良いだろう」
そう言い、ダークマインドは自室を出る。マルクも出ようとするが、ダークマインドに止められる。
「こいつを見張っておけ」
ダークマインドがそう言うのが聞こえた。どうやら、ダークマインドも信用していないらしい。
上等だ。ライムはそう思った。
今は、従順なフリをすればいい。そうやって十分相手を信用させておけ。こいつらがやっているように。

時が来たら、自分もまた裏切ればいいのだから。

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投稿時間:06/07/20(Thu) 16:35
投稿者名:プチかび


――ユエンっ……!!
 
何が自分をそんな積極的な行動にさせたのか、とにかくユカリは必死になって手を伸ばす。
空気に溶けていくように消えていく青年。
共にした時間は本当に瞬く間だったけど
彼は自分に持てないものをたくさん持っていて
一緒にいて、とても心が満たされた。

だから――このまま別れてしまうのは――……

ぐっと、何かを掴んだ感覚に、ユカリは喜びに目を見開いた。
驚いて青年が振り返ったような、そんな錯覚まで見た。

だが、何時まで待っても壁の色は変わらない。
どういうこと? そう自問すると
「ユカリ……」
沈んだイリスの声がして、現実に引き戻されたように其方を振り返る。
――自分はまだ、マトリエス号の中なの!?
はっとなって自分の手元を見てみると、布切れを握り締めていた。
それは彼のあの変わった服装の――上着の、切れ端――


  だいじょぶ?

       よーし!このまま突っ走るで!

  そんなかに父ちゃんの写真がはいっとる、見てええよ
     ……特別大サービスやからな

 星の戦士が俺の平穏を壊したんや

         黙れ!オレを騙していたお前なんかもう友達やない!


       ―――…ありがとうな


一瞬の内に駆け巡る、思い出の数々に
大きく見開かれた目から、涙がぽろぽろと零れ落ちて行く。
「嫌……!!」
身体が小さく震え出す。
ユカリはその現実を認めたくないといわんばかりに目を閉じて
「……ユエンっ……!!」
布切れを抱きしめるように胸に当てて――その場に、崩れ落ちた。




「――……?」
誰かに呼ばれた気がして、ふと振り返る。
だがそこには誰も、ダークマターですら居ず、気のせいかと呟いて歩き始める。
ひとまず度重なる戦闘でぼろぼろになった服を着替える為に自室に入り
適当な服に着替える。
多少機能性は無い、正に『私服』と言った服装しかなかったが構わない。
――どの道、暫くは戦わないだろうから。

次に歩いて向かうのは上司の部屋。扉をなんの躊躇いも無く開ける。
「ノックも無しに入るとは毎度相変わらずの無礼だな、結縁」
「……あんたの部屋に入ったの、5本の指に収まるぐらいしかあらへんけど? デストルさん」
ダークマターなら恐れ多く決して口に出来ないであろう事が言えるのは自分の努力の結果。
――だけど、その努力の成果を本当に見せてやりたい存在は、此処には居ない。
「……それで、何の用だ」
「暫くオレ、休んでてええ? 色々あって疲れたわ」
傍から見れば我侭にしか見えないだろう。けど、本当に疲れてしまったのだ。
肉体的にも――精神的にも。
「……何時頃戻るつもりだ?」
それを理解してくれたのだろうか、上司は許可をくれそうだ。
「んー、球体との最終決戦……あたりやろか
フィナーレには間に合うように戻るわ」
「……そうか、気をつけていくが良い」
許可が下りる。そして――ユエンは、ここぞとばかりに一礼して、部屋を出て行く。


自室に戻り、どさりとベッドに沈み込み、目を閉じる。
久しぶりの快眠の予感に、ユエンは小さく笑う。
手配は、通りすがりのダークマターにしてもらうように頼んでおいた。
次に目覚めた時には、真新しい宇宙船と、そこそこ美味な機内食が何か月分と用意されているだろう。
次は壊さないようにしないとな、と心に誓う。

色々な星を回ろう。色々な国を訪れよう。
時の流れを失った世界を、何処でもいいから兎に角ふらつこう。
誰も何も話してはくれないだろうけど、それでも構わない。
いや、ひょっとすると、時の束縛を逃れた者が、他にもいるかもしれない。
折角長い休みをもらったのだから、今までやれなかった事を全てをやる勢いで楽しむ事にしよう。

そして何よりも――考えたいのだ、結縁と言う存在を。
見つけたいのだ、自分の新たな生き方を。
自分は、復讐する為だけに、今まで生きてきた
しかし他人の事は何も考えず、自分の事だけを考えられる時間がやっと来た。

――自分探しの旅に、でかけよう。
そして、父親の最期の言葉の意味をじっくりと考え、自分なりの答えを出すことにしよう―――……

それを最後に、ユエンの意識は闇の中に落ちていった。
父親と同じような、暖かい闇の中と。

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