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メタナイトの逆襲-Returns- [1]



1スレ 000〜最終レスまで
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投稿日 : 2010/08/18(Wed) 23:27 
投稿者 : guri  

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『メタナイトの逆襲-Returns-』No.000
序章


「リアクター2出力良好」
 蒼い菱形の結晶が淡い光で部屋を満たす。ウィリーが光に照らされ元気よく走っている。
「バランサー調整0005だス!」
「いかりをあげるだス」
 メイスナイトが丁寧にバランスを維持、太い鎖がジャラジャラと巻き上げられる。
「反重力プラントチェック。1,2,3番OK!!」
「セイル解放、ソーラレベル377!」
 アックスナイトが刻々と変化するモニターを見つつ、数量をチェックする。
「機は熟した。いまこそ、我らが力を見せる時!」
「だらくに満ちたプププランドを、今度こそこの手で変えてみせる!」
 陽光煌くオレンジオーシャン。黒金の戦艦が雄々しく翼を広げる。今、再びハルバード
がポップスターを変革するべく、大空へ飛び立とうとしていた。


 某所、カービィの家――
「すぃ〜すぅ、すぃ〜すぅ……」
 白い手袋がカービィの頬っぺたを突付いている『大変だカービィ、メタナイトを止めな
いと!』と、言っているようだ。
「むにゃむにゃ、もう食べられないよ……」
 しかし、いくら突付かれてもカービィは起きなかった。


 ハルバード中枢、心地よいエンジンの駆動音が部屋を満たしている。
「カ、カービィは来ないよねっ」
 心配そうな顔でワドルディがメイスナイトに尋ねる。
「ノディの濃縮汁たっぷりのケーキを贈っておいただス、今頃ぐーっすり夢の中だスよ」
 メイスナイトが悪い顔でニヤリと答える。
「……もっと堂々としてなくてはいかん」
 トライデントナイトが静かな声で、ワドルディに忠告する。
「は、はいっ、トライデントさま」
「さんでいい。それでは示しがつかんぞディ艦長」
「はい!トライデントさんッ」
 ワドルディ……もといディ艦長は、キュッと艦長帽子をかぶり直した。
「こ、この空中戦艦『ハルバード』で、プププランドは制圧されるのだッ!」
 メタナイトはそれを見て軽く微笑み、号令を下す。

「まずはこてしらべだ。目標、グレープ・ガーデン!」


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☆世界観について
メタナイトが再度革命を起こしたよ!一度失敗したのに懲りない人ですね。
さぁ、メタナイトとデデデ大王のガチバトル、この先は見てや書いてのお楽しみ。

ベースは『星のカービィウルトラスーパーデラックス』です。
細かく言うと『メタナイトの逆襲』と『大王の逆襲』になります。
その他の作品の地域や星々は、勿論存在しています。
鏡の世界とハイパーゾーンは閉じているみたいです。
カービィは、物語終了までずっと寝ているそうな。


編集者注:これ以降の執筆ルールに関しては別ページに移しました。
必要な方はこちらから(別窓が開きます)※トップページからの「メタ逆R執筆上のルール」と同内容です。
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投稿日 : 2010/08/19(Thu) 08:43 
投稿者 : ちゃせん  

 穏やかな日差しが降り注ぐ昼下がり。
 プププランドを治める王、デデデ大王の住まうデデデ城は、緩んだ空気に満ちていた。

「ふああ……」
 その最上階、天蓋付きのベッドの上に寝転びながら、大きな瞳とタラコ唇の人物が大あくびをする。
 紛れもないこの城の主、デデデ大王である。

「もう三時か……」
 巨体をダイナミックに動かし、むくりと起き上がる。ベッドから鈍い音と共に飛び降りると、部屋の扉を開け、大音量で叫ぶ。
「おい、誰かおらんか!」
 城を揺らす程の声が響いた後、ぱたぱたと駆けてくる足音。
「お呼びですか、大王さま〜」
 小さな体でトコトコとやってきたのは、バンダナをつけたワドルディだった。
「バンダナか。今は何時だ?」
「え、えーと……三時ですね」
 大王は片目を瞑ってバンダナを見下ろす。見つめられた彼の目には、大王の背後に、黒い威圧感がはっきりと見えていた。
「……あっ、お、おやつ、ですね。今すぐカワサキさんのところに行ってきますっ!」
 そう言うや否や、バンダナは埃を巻き上げながら、廊下を駆け抜けてゆく。
 バンダナが階段へ続く角を曲がった後に、何かが転げ落ちる音。
 大王は困ったような表情を浮かべ、ふぅ、と静かにため息をついた。

「お、お待たせしました〜。今日はグレープガーデン産の紅茶に、ヨーグルトヤード産のミルクで作ったチーズケーキですよ」
 少々よたよたしながらも、バンダナがおやつを載せたトレイを運んできた。
「おお、これはうまそうだ」
 満面の笑みを浮かべ、大王はきつね色に輝くチーズケーキにフォークを伸ばす。
 鼻をひくつかせて、濃厚なチーズの香り、そして立ち上る紅茶の香りをめいっぱいに楽しんでいた。

「た、大変ですっ!」
 ちょうど大王がケーキを口に運ぼうとしたその時、ドアが勢いよく開くと同時に、幸せな静寂は破られた。
 至福の時間を邪魔された大王は、その声の方向をじっとりとした視線で見やる。
「なんじゃ、騒々しい」
「そ、それが……たった今、メタナイトからの声明が」
「なんだと……一体何だというんだ」
 部屋に飛び込んできたワドルドゥは、ぜえぜえと息を荒げながら、片手に握りしめてぐちゃぐちゃになった紙を開くと、言葉を継いだ。
「『今こそ革命の時。このだらけきった国を変えねばならぬ。だらくに満ちたこのプププランドを、私が変えてみせる』」
 多少呼吸は落ち着いていたが、それでも、激しい動揺と緊張の色が、声に滲んでいた。
「『ここに、私による新しい国の樹立を宣言する。よって、デデデ大王陛下に、降伏を要求する。従わねば、全面戦争も辞さぬ覚悟である』」
 大王の顔が、一気に硬直する。その表情は、先程までベッドに寝転んでいた者と同じようには、到底見えなかった。
「奴め……。また性懲りもなく、このようなことを」
 大王は唇を噛み締め、拳を握る。その目には、静かな怒りの炎が宿っていた。王たる者の威厳が感じられる、そんな姿だった。

「どうやら、奴ら一味の戦艦ハルバードは、グレープガーデンの方角に向かった模様です」
「そうか……」
 大王は、しばらくの間目を閉じる。空気が張り詰めた。
 そして、再び目を開いた大王は、大きく深呼吸すると、静かに、しかし鋭く言った。
「降伏などするものか。ワシの国を、渡しはしない」
 バンダナとワドルドゥも、その姿を見ると、深く頷いた。
 顔いっぱいに不安の色を滲ませながらも、引き締まった表情である。
 大王は、部屋の隅にかけてあった愛用のハンマーを手に取ると、唇をまっすぐに引結び、真っ赤なガウンを翻して部屋から去ってゆく。
「……行くぞ。徹底抗戦だ」

       
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投稿日 : 2010/08/20(Fri) 22:03 
投稿者 : シンキ  

 メタナイトの声明がデデデ大王の下に届けられてから約一時間後、戦艦ハルバードはグ
レープガーデン近海まで差し掛かっていた。圧巻の巨体に多数の砲門を装備した鋼鉄の塊
が空から迫りくる姿は地上からもハッキリと見える。それもこれほどの距離まで接近して
いるのだから、今頃住民たちはパニックに陥っているであろう。

 そのハルバードと部下を率いるメタナイトは艦首内から眼下に広がるグレープガーデン
を見下ろしていた。現在のハルバードの航行速度は緩やかにしている。あくまでも今はデ
デデ大王に降伏を要求しているのだから、向こうの対応が明確になるまではいきなり攻め
立てるわけにはいかないのだ。自分達は野蛮な侵略者などではなく、革命家でありそれ以
前に騎士なのである。戦争といえど一定の礼儀を弁えなければならない。
 そういった事情から、こちらが本気である事を示した上で相手の出方を窺っているので
あった。今のところデデデ大王からの返答はない。まさかあの大王がそう大人しく国を明
け渡すとは考えにくいが、降伏するというのであればそれでよし。戦うというのであれば
直ちにグレープガーデンから制圧していく。

 そう考えていると、不意にドアの開く音と共に部下であるトライデントナイトが「失礼
します」と一礼してから室内に入ってきた。
「メタナイト様、偵察部隊からの報告です」
 偵察部隊。主に相手の動向を探るために送り込んだ所謂スパイである。何しろこちらの
拠点は基本的には空を飛び続けている戦艦なのだから、一国を相手にするのに陸の状況が
分からなければこちらが不利になってしまう。そのためメタナイツの強い要望もあって取
り入れたのだった。
「向こうの動きはどうだ」
「はっ、やはり徹底抗戦する方針のようです。グレープガーデンでは大王命令として現地
の兵士が戦闘配備及び住民の避難を進めており、デデデ城からも既に援軍が移動中とのこ
と。援軍の規模については今のところ不明です」
 それを聞くとメタナイトは軽く頷く。概ね予定通りといったところか。後は相手の宣戦
布告に合わせて攻撃を開始するのみ。
「ディ艦長」
 メタナイトは退屈そうに艦長席に凭れているディ艦長に呼び掛ける。
「あ、はいっ!」
 ディ艦長は慌てて姿勢を正し、ズレかけていた艦長帽子を直す。
「これより戦闘準備に入る。各クルーにいつでも出られるよう告げておけ」
「りょ、了解です!」
 ディ艦長はそう答え、不慣れな手つきで艦内放送用のマイクを手に取る。その一連の様
子がメタナイトの目には必要以上にギクシャクしているように見えた。
 メタナイトはそんな彼の近くに寄るとその頭にポンと手を置いた。
「力が入りすぎだ。一回深呼吸しろ」
「は、はい、すいません」
 ディ艦長はその言葉に従い、まずは息を大きく吸う。そしてそれをゆっくりと吐き出し
てから、改めてマイクを掴み、口元に寄せる。
「総員、戦闘配備についてください! 繰り返します。総員戦闘配備についてください!」
 少しは緊張がほぐれたのか声色は多少さまになっていた。言葉遣いが丁寧になってしま
うのはまだどうしようもないのだろうが。

「さて……いよいよだな」
 メタナイトは再び窓の向こうを見やる。プププランドの未来をかけた戦いが、間もなく
始まろうとしているのであった。

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投稿日 : 2010/08/23(Mon) 15:39 
投稿者 : guri  


 幾層にも連なる雲海の足場を基調とした国、グレープガーデン。最上層に神殿を構え、
天上を思わせる優雅な建築物と、規律正しい国民性で知られている。
 本来は突き抜けるような白い白い雲の国、しかし今やグレープガーデンは黒雲に覆われ、
稲妻が轟き雷光が走っていた。
 その一際濃い雷雲の中央に、この国の主であるクラッコとその息子クラッコJrが居た。
傍にスターマン族の年寄り達が傅いている。
「国民の避難は順調か?」
「はっ、バタービルディングへ向かわせております。シャイン様とブライト様なら受け入
れて頂けるでしょう」
「そうか何よりだ。さて、息子よ」
「はいっ、ボクは何処で待ち受ければ宜しいでしょう」
 若きクラッコJrは意気軒昂に答える。
「違う、お前も逃げるのだ」
「えっ……」
「ハルバードは、メックアイの超科学で建造された無敵の戦艦。王国随一の戦士であるメ
タナイト殿が乗り、更にメタ・ナイツまで擁している、我等の勝ち目は薄い」
「で、でもカービィさんは一人で……」
「カービィ殿は特別だ。単身乗り込んで落とすなど真似の出来ようはずもない」
 さほど年も違わないのに、とクラッコJrは内心臍を噛む。
「で、でも国を捨てて逃げるなど!!」
ピシッ
 刹那、一条の電撃が弾ける。クラッコから放たれたソレは、クラッコJrを正確に撃ちぬ
いた。クラッコJrは気を失い雲の床にトサリと落ちる。
「我等が双方倒れては、雲の国を維持する事が出来なくなる。悪く思うな……」
 そう言い、クラッコは一瞬だけ目を伏せる。
「頼んだぞ」
「……はっ!」
 一人の老スターマンがクラッコJrを抱えると、バタービルディングの方向を見定め虚空
へと飛び出した。

 入れ替わるように、ゴーグルをかけたバードンが雷雲をものともせず、突っ込むように
飛び降りる。鉤爪をブレーキ替わりに雲に引っ掛け円をかくように止まる。
「クラッコ様、陛下から伝令ですわ」
 そう言うとバードンは、一通の書状を嘴に咥え広げて差し出した
「ご苦労。やはり徹底抗戦か、援軍も既に出ているそうだ」
 クラッコはあえて声に出して読んだ。おお……とスターマン達の間で期待の声が漏れる。
(果たして到着はいつになるか……。陸路にしろカブーラーにしろ、半日以上はかかる)
 クラッコはそう思ったが口には出さなかった、士気は高いに越したことがないからだ。
「皆の者全力で迎え撃つぞ!相手はかつての同胞メタナイトとその一味。勝とうと思わず
とも良い、援軍が到着するまで持ち堪えるのだ」
 クラッコの檄がグレープガーデン全土へ響く、それに応えるように木製の飛空艇が多数
揚陸する。スターマンの戦士達が剣を取り、ワドルドゥ達が魔力を高め、ツイスター達が
要所要所に浮遊している。雲の端に立ち目を凝らすと、黒雲の向こうに洋上に佇む戦艦の
影が見える。皆それを睨みつけ、開戦の号砲を今や遅しと待っていた。


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投稿日 : 2010/09/01(Wed) 15:42 
投稿者 : tate  

「ヘビーモールさん、ハルバードがグレープガーデンに向かって侵攻し始めたみたいッす
よ」
 ヨーグルトヤードの最奥部――つまりはヨーグルトヤードでもオレンジオーシャンに最
も近い場所で、小柄なロッキーがこのエリアの主、ヘビーモールの背を見上げる気配がし
た。
「通りすがりのバードンさんがそんなことを言ってたッす」
「フン、確かにヤツの言っていた通りになっているな」
「ヘビーモールさんはどうするッす? バードンさんによると、デデデ大王様は『テッテ
イコウセンの構え』だそうッす。クラッコさんもグレープガーデンの守りを固めているみ
たいッすけど……」
 チラリ、とヘビーモールは背後を一瞥する。彼が諜報活動を命じたうちの一体であるそ
れは、ちんまりとむき出しの土の上に座ったまま、身じろぎ一つしない。指示を待ってい
るのだ。

 ヘビーモールは口を閉ざしたまま、あの日の出来事を思い起こす――


「近々起こる事に対して、一切手を出さないで頂きたい」
 開口一番、仮面の騎士はそんなことを言った。
 しかし藪から棒に放たれた言葉の意味が、ヘビーモールには咄嗟に理解できない。
「……一体何が起こるんだ?」
 ようやくの思いで口に出来た言葉はこれだけだった。
 端から『手出し無用』と言い放った相手に、そんなことを尋ねたところでこちらの望む
答えが返ってくるわけもなく。メタナイトは黙したまま、ヘビーモールを凝視している。
 やれやれとばかりに、大袈裟に溜息を吐いて見せてやった。
「それも言えねえようじゃ、オレは首を縦にも横にも振ることはできねえよ。そうは思わ
ねえかい」
「そうだな。だがそれでいい、貴殿の意思は明確にせず状況を静観して頂くことこそが、
私の求めるところだ」
 ちょいとばかり鎌をかけてみたが、目の前の剣士はそれ以上のことを語る気はないよう
だ。ここ暫くヨーグルトヤード外の情勢を調査していなかったのは失敗だったが、何が起
ころうとしているのか、ようやく少しばかり予想が付いた。
「……フン。じゃあ何が起こるのか、オレが当ててみようか。まずアンタが他者の助けを
拒絶するってこたあ、外から敵が攻めてくる説はまずねえ。プププランドの危機ならば、
オレに黙って見てろってこたあ、流石にねえだろ」
 反応はないが、それは肯定の意と取り言葉を続ける。
「てこたあ、これから起こることはアンタの個人的な事情に寄るものだ。そうだな、さし
ずめ……プププランドの実質的な支配権を奪取するとか、そんなところか」
 以前、この男はプププランドの覇権を握ろうとしたことがある。あの時の蜂起は諸々の
妨害に遭い失敗に終わったが、その考えを未だ持ち続けている可能性は大いにありうる。
 そして眼前の男がヘビーモールの言葉を肯定も否定もしないところを見ると、己の予想
はおよそ的を射たようだった。
「しかしなあ、オレは今の境遇に不満はないわけだ。デデデの旦那はヨーグルトヤードの
統治はオレに一任してくれているわけだし、旦那がプププランドの王である限りは、この
状態は変わらねえだろ。もしアンタが覇権を握ったら……ヨーグルトヤードはどうなる。
自治は? オレのポジションは? オレがアンタの言葉に従ったら、アンタはオレに何か
してくれるわけ?」
 一気に捲し立て、ヘビーモールは相手の出方を窺う。
 この堅物のことだ。彼がプププランドの支配者になれば……彼の意図は全くわからない
が……今のような緩く心地よい生活は保証されないに違いない。だがそれは、ヨーグルト
ヤードの住人もヘビーモール自身も望むところではない。そんなこと、メタナイトの頭な
らば容易にわかるはずだが。
 それとも、今のプププランドを反故にするに値する理由でもあるのだろうか。わかんね
え。
 不意に仮面の奥からくぐもった笑いが零れてきた。
 ぎょっとなって目を剥くと、「いやいや、当然の主張だ」とメタナイトは肩を一頻り震
わせた後、こう言った。
「流石に、一方的に申しつけるだけでは承伏して頂けないか。ここは私の意図をお話しし
た方が良さそうだな――」


 その後メタナイトが語った言葉を聞き、彼が希望するとおりに、ヘビーモールはどちら
の肩も持たないことを決めた。表向きはどちらの陣営にも加担せず、双方による地下の情
報網の利用は黙認する。いずれどちらかの肩を持つにしても、こうして入ってくる情報と
独自に収集したそれを併せ、状勢を見極めてから判断を下しても遅くはないだろう。
「おめえらは今まで通り、情報を集めて逐次報告だ。デデデの旦那やメタナイトから協力
を求められたら、手は貸してやっていいぞ」
「どっちにも協力するッすか?」
「どちらの肩も持たないってこった」
「ザ・八方美人ッすね」
「余計なこと言ってんじゃねえ。さっさと仕事に戻れ!」
 ヘビーモールは赤いミサイルを取り出すと、ロッキーに向かって投げつけた。


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投稿日 : 2010/09/02(Thu) 00:49 
投稿者 : まび  


 戦艦ハルバード底部、リアクター。
 ここはハルバードの動力生産を一手に担う、謂わば戦艦の核だ。
そこにはベルトコンベアーのような装置を搭載した機械が無数に置かれている。その狭い
機械の内部で、ウィリーたちが幾度も幾度も止まることなく往復運動を続けていた。彼ら
の運動エネルギーが、この機械を通してハルバードの原動力となっているのだ。
 彼ら、ウィリーたちは主にヨーグルトヤードに住んでいたものたちである。彼らの多く
はヘビーモールの下で働いていたのだが、ある日彼らのもとにメタナイトの使いがやって
きて、彼らを雇い入れたいと申し出たのだ。彼らは当然思案した。給料はハルバードで働
く方が遥かによい。しかし、以前メタナイトが革命を志した時に従事したものの話を聴く
までもなく、それが今の仕事に比べて相当の激務であろうことは容易に想像できた。
 最終的に、約半数のものがメタナイトの下に集った。彼らの大半は、メタナイトに対し
好感を持っているものたちだった。当然ただの雇われ労働者だから、危なくなったら逃げ
出す気ではいるが、少なくともメタナイトの行為を悪くは思っていないのだった。だから、
この激務にも文句ひとつ垂れず働き続けているのである。

「……あの、ウィリーさん」

 そんな機械の駆動音しかしない空間に、響く声がひとつ。声の最も近くにいたウィリー
が、動きも止めずに目だけを動かして、機械と機械の間の薄暗がりを見た。そこには、暗
闇に融け込むように、小さな灰色の存在が座り込んでいた。彼の二本の触角のようなもの
が、ぴょこぴょこと動く。その右側の触角は、不自然に折れ曲がっていた。

「なんだ、エヌゼか。お前そんなとこに隠れてたのか」

 その声に反応して、他のウィリーたちも口々に彼に向って言った。勿論動きは止めない。

「お前ホントについてきたのかよ!来るなって言っただろー」
「何するつもりなんだ?お前にここで出来る仕事はねーよ」
「それともお前もこの機械の中で走るか?」

 彼らはけらけらと笑ったが、その声に悪意はなかった。エヌゼと呼ばれた彼、エヌゼッ
トは不服そうに触角を動かすが、それを分かっているのか反論はしなかった。

「あの……ホントに、メタナイトさんたちに協力するんですか?」

 返ってくるのは、何を当然のことを、と言わんばかりの視線と沈黙。だから、エヌゼは
もうそれ以上の問答を諦めた。彼が沈黙したのを見て、ウィリーたちもまた黙々と作業に
集中しだす。


 エヌゼットという種族は、ポップスターにもともと住んでいたわけではない。かつて0
2がクリスタルを奪おうと画策したときに作られた生命体だ。彼らは非常に脆弱だが、そ
の分大量生産が可能だった。よって手頃な尖兵として使われていたのである。
 エヌゼもそのひとりだった。いや、ひとりになるはずだった。しかし彼は不良品だった。
彼の右の触角は折れ曲がっていた。エヌゼットにとって触角は手の代わりとなるものであ
る。彼は見捨てられた。そうしてそのまま、誰かに倒されて消えるはずだった。
 そんな彼を拾ったのが、ヘビーモールだった。彼は怪しい流れ者のはずのエヌゼに、何
も訊かずに住居と仕事を与えてくれたのだった。
 彼の仕事は、渡された機械を言われたとおりに組み立てたり修理すること。曲がった触
角では上手くできなかったし、機械の仕組みもちっとも分からなかったけれど、沢山仕事
をするうちに覚えることができた。けして裕福な暮らしではなかったけれど、エヌゼにと
っては最高の毎日だった。

 そんなある日、ヘビーモールのもとに、メタナイトが訪ねてきたのを見た。メタナイト
のことは知っていた。ごくまれにだが、彼が自分で機械を持ってくることもあるのだ。エ
ヌゼは彼をなんとなく怖い人だと思っていたが、けして悪い印象は持っていなかった。む
しろカッコいいと憧れてすらいた。
 メタナイトはヘビーモールと何か話した後、帰っていった。何を話したのか分からない。
けれどその後見たヘビーモールの考え込む様子から、何かよくないことが起こるのでは、
という予感がした。
 予感が予感でなくなったのは、ウィリーたちがメタナイトに雇われると聴いてから。兄
貴分のように接してくれていた彼らの話によると、メタナイトは『革命』を起こす気でい
るかもしれないという。不安がるエヌゼに、彼らは口々に、ヨーグルトヤードに攻撃なん
てしないだろう、と言って笑った。
 けれど不安だった。だから、エヌゼは直接、メタナイトたちの目的を見極めようと考え
た。自分に革命を阻止するような力など全くない。けれどメタナイトの近くにいて、彼の
動きを探ることくらいはできるのだろうと考えたのだ。その上で、それが納得できるもの
だったなら、彼に協力すればいいだけの話である。
 そして彼はハルバードに運び込まれるウィリーたちの中に紛れて、ハルバードに乗り込
んだのだった。


 ……無謀だった。今はそれをはっきり自覚している。けれどもう、後には引き返せない。
エヌゼは覚悟を決めて、暗闇の中から一歩外へ出た。

「えと、ウィリーさん。ボク、ちょっと外へ行ってみようと思います」
「本気か?まぁ、止めはしないけどよ。危なかったら帰ってこいよ、言いわけくらいは一
緒にしてやるからよ」
「……ありがとう。行ってきます」

 ちょこんと礼をして、エヌゼは辺りを見回す。
 さぁ、どうやってここから出よう。


- - - - - - - キリトラナイ- - - - - - - - - 

こんにちはこんばんは。ここぞとばかりに乱入です。
無謀にもオリキャラ投入です。正直すみませんでした。
これを機会に皆様がオリキャラ投下してくださるとうれしいなぁ…などと。

ではぐりさんテンプレートにのっとって。

【名前】エヌゼ(安直っていわない)

【種族】エヌゼット族

【陣営】今のところ、反革命、という意味ではデデデ側…?この後説得次第で彼をメタナイト側にすることも可能です。
それは展開に任せます。このままデデデ側として内部で暗躍させるのもよいかと。
暗躍するエヌゼットとかなにそれこわい ではありますが…;

【特徴】雑魚い(きっぱり
右の触角みたいなのが、真中から折れ曲がっている。その割に手先(?)は器用。
機械に詳しいわけではないので複雑なことは無理だが、簡単な修理程度は教わったので出来る。言ってしまえばそれしかできない。
ヘビーモールさんによく懐いている。ウィリーたちとはお友達というか弟分。よって彼にとって味方すべきは、ヨーグルトヤードの安全をより守れる方。
一人称はボクですが性別の概念はないかと。割と敬語で話すと思います。
小さくて黒いので、狭いところを通ったり、暗いところに隠れたりするのは得意かも。戦闘では役に立たないと思います。


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投稿日 : 2010/10/05(Tue) 22:59 
投稿者 : ちゃせん  

 少し太陽が低くなり、プププランドは橙色に染まり始めている。
 デデデ城の三階の奥、大王の寝室から少し離れた部屋に、城の中でも特に大王の信頼が篤い者たちが集められている。
 それぞれが長机に向かい、一番奥の大王を、険しい表情で見つめている。
 視線を集める大王もまた、難しい顔をして黙り込んでいた。

 コツンコツン、と窓を叩く音。外には、伝令のバードンがいる。
「クラッコ殿からの返信です」
 会議室の緊張を感じ取ってか、バードンも窓枠に直立した。
「……グレープガーデンの様子はどうだ」
 大王は、伏せていた顔をわずかに上げて、伝令書を受け取ったワドルドゥに問いかける。
 ワドルドゥは、全身を緊張させながら、できるだけ冷静でいるように務めていた。
「はっ。大王様の命令通り、クラッコは住民をバタービルディングに向け避難させているもようです。そして、メタナイトの戦艦ハルバードは、グレープガーデンに接近中です」
 ざわざわと会議室にどよめきが起こる。
 まさか、本当に戦いが始まるのか。そんな囁きも聞かれた。

「クラッコのことだ。ただではやられるわけがない……だが、こちらの援軍の到着も、そう早くはないだろうからな。できるだけ持ちこたえてくれればいいが」
 グレープガーデンという地形を考えれば、空での戦いが主になろう。だが、相手はあの戦艦ハルバードである。
 片やこちらにある空中戦向きの兵器といえば、カブーラーのものくらいである。クラッコの軍団も、向こうに比べれば力は劣ろう。両者の力の差は、大王も重々承知している。
「援軍にも、なるべく急ぐよう通達を頼む」
 短く肯定の返事を述べると、バードンは開いた窓から弾丸のように飛び出していく。その姿を見送って、大王は改めて、会議の参加者の方へ向き直る。
「皆聞いた通りだ。メタナイトの戦艦ハルバードは、やがてグレープガーデンへの攻撃を始めるはずだ」
 先程までの喧騒はどこへ行ったのか、会議室は水を打ったように静まり返っている。
「我々も援軍を送ったが、正直それでも守りきれるかは自信がない。他の所にも連絡をして、守りを固めておかねばならんだろうな」
 そして、と、大王は言葉を継ぐ。
「やはり、カービィにも協力を求めるべきだろう。奴に頼るのは少々癪だが、この際仕方が無い」
 会議室は、続いて少しの安堵に包まれる。カービィがいれば。皆、身を以てその恐るべき力を知っているので、なおさらだった。
「バンダナをカービィの家に向かわせている。そろそろ連れて帰ってくる頃だと思うが……」

 大王がそう言ったとき、激しい音とともに会議室の扉が開く。
 皆、そこに、あのピンクの見慣れた姿があることを期待しながら、一斉に振り向いた。
 だが、開いた扉の向こうには、今にも泣き出しそうな顔をしたバンダナしかいない。
 肩で息をしながら、彼はよろよろと大王の下へ歩いてくる。
「おい、水を持ってきてやれ。 ……どうした、バンダナ? カービィは?」
 ワドルドゥの問いかけに、息を切らしながら顔を上げるバンダナ。
「カ、カービィは……眠ってます」
 一斉に、その場にいた全員の頭を、疑問符が埋め尽くす。眠っている、それだけならば起こしてくればいいではないか、と。
 バンダナは差し出された水をぐいと飲み干すと、しばらく呼吸を整えて、もう一度話しだす。
「それが……ただの眠りじゃないようなんです。いくら揺さぶっても起きないですし、それに……ベッドの近くに、怪しい箱が」
 ふむ、と大王は考える。
「それは、スリープの能力に近いな……ただ、いくら呼びかけても反応がない、ということは、何か特殊なものを食べたか吸ったか飲んだか、ということか……」
 しかし、と、ワドルドゥが話し出す。
「原因が何にせよ、カービィの応援が見込めない、ということですよね。これはかなりの苦戦になってしまうかと」
 再び、会議室を喧騒が包む。即時降伏して犠牲を少なくしよう、いや、絶対に謀反は許せない、徹底抗戦すべきだ。主張は、真っ二つに分かれている。

 そんな騒ぎの中、大王はおもむろに立ち上がった。
 突然のことに、また会議室は静まり返る。
「もしも、戦いが嫌だ、という者がいたら名乗りでてくれ。なるべく安全な場所に退避をさせる」
 そう言って、ぐるりと会議室を見渡す。皆、呆けたような顔で大王を見ていた。
「だが、一緒に戦ってくれるなら、力を貸してくれないか。今は少しでも多くの者の協力が欲しい。それぞれの場所の防御を固めておきたい。グレープガーデンだけにとどまるはずがないからな」
 頼む、と短く言うと、大王はもう一度会議室を見回す。そして、少しだけ頭を下げた。
 これには皆が度肝を抜かれた。普段の大王からは想像もできない。

「大王さま」
 静寂を破ったのはバンダナだった。
「僕たちみんな、大王さまについて行くって誓ったんです。だから、一緒に戦います」
 その言葉をきっかけに、そうだ、みんなで力を合わせよう、と、さっきとは真逆の熱気が満ち充ちた。
「感謝する。……では改めて、各所に兵を派遣する。現在敵はグレープガーデン。特にその周辺地域は厳重に警戒しておけ。あと、現地にもなるべく早く通達しておくように」


 その頃、緊迫するグレープガーデンに、メタナイトの戦艦ハルバードがゆっくりと接近していた。
 最初の戦いの火蓋が、今切って落とされようとしている。
「……いよいよだ」
 雷雲を背にそう呟くクラッコの目には、悲壮なほど純粋な決意が燃えていた。

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タイトル : メタナイトの逆襲-Returns- 007 
記事No : 543 
投稿日 : 2010/11/24(Wed) 22:18 
投稿者 : guri  

がさごそがさごそ

 エヌゼが通気坑をテクテクと進む。上下左右東西南北行ったり来たり、いい加減自分が
何処歩いているか分からなくなった頃、一筋の光が差し込んだ。光の差し込む金網を勢い
よく蹴破ると、カランカランと海へと落ちていった。乗り出して上を見上げると、そこは
ハルバードの壁面のようだった、黒々とした鉄壁がとても広く見える。
「う〜ん、ここからは上がれないかなぁ」
 ともあれエヌゼは久しぶりに触れた外気に安らぎ、休憩を考えた。透き通った空、橙色
の海原、そして迫り来る砲弾。一休み一休み。
「綺麗な海だなぁ…………ってええええ」

ドゴゥッ

 飛空挺から放たれた砲弾がハルバードを揺るがす。
「直撃しただスよっ!」
「右舷被弾、損害軽微!!」
「総員戦闘開始です!右翼全砲門ひらいてくださいっ!!」
 ワドルディ艦長の号令一下、シャッツオがモトシャッツオが砲身を上げる。右舷をグ
レープガーデンに向けハルバードの猛然な反撃が始まった。
「ふぁいあー!!」
 爆音が爆炎がグレープガーデンと飛空挺を包む。
「やったかっ!」
 アックスナイトが歓声をあげる。
「……よく見ろ。砲弾が微妙に軌道を変えている」
 トライデントナイトが椅子に深々と腰掛けながら、モニターを指差す。
「空気が渦を巻いている……?」
 雲が周囲の空気を巻き込み吐き出している。薄靄のかかったその中央に、ツイスターの
影がうっすらと見えた。
「風の障壁で逸らしているのか、厄介だな」
「主砲ならツイスターもろともいけるだス。1発いってみるだスか??」
「我等の目的は革命だ。無用な殺生は本意ではない」
 メタナイトが鷹揚に立ち上がる。
「メタナイト様、私が……」
 トライデントナイトが槍を握り、立ち上がろうとする。
「いや構わん、昔馴染みにも会いたいからな」
「……そういう事でしたら」
 トライデントナイトが矛を収める椅子に身を委ねると、メタナイトはゆっくりと出て行
った。

シュン

 ツイスターの横を一陣の風が横切る、一人また一人と海面へ叩き落とされる。ツイス
ター達は回転をあげ必死の抵抗を試みる。しかしそれもメタナイトの剣速を僅かに緩める
に過ぎなかった。メタナイトの後方で砲撃が再開され、炸裂音が木霊する。その音に紛れ
メタナイトはグレープガーデンの深部へと舞い降りた。
 黒雲取り巻くグレープガーデン最上部、一人クラッコが佇んでいる。
「久方ぶりですな、クラッコ殿」
「メタナイトか……」
 クラッコはメタナイトの侵入に気がついていたのか、動揺の気配無く答える。
「単刀直入に伺いましょう、グレープガーデンを明け渡して頂きたい」
「戯言をっ……」
 クラッコが怒気と共に眼から電撃を放つ、しかしメタナイトはそれを剣先で軽くいなす。
「先日カービィが宇宙へケンカを止めにいった、という話はご存知ですかな?」
 広範囲に撒き散らされる雷撃をマントを片手に左右にステップ、全て難なく回避する。
「その原因は我らでしてね。或る日二人に持ちかけたのですよ、共にポップスターの覇者
とならんかと」
「馬鹿なっ、彼等がそのような甘言に乗るわけがなかろう!」
「ええ残念な事に、シャイン殿は崇高な理想を理解出来なかったようです」
キンッ
 剣先が踊りクラッコの角を一本斬り飛ばす。乾いた音を立て三角錐が雲へと落ちる。
「が、しかし」
「まさかっ……」
「そう。ブライト殿には全面的な賛同を頂きました、今では我らが同志です」
「……ッ…jr!」
クラッコは思わずバタービルディングの方角へ視線を送る。それに気がつき慌てて視線
を戻すとメタナイトが、剣と言葉を突きつけていた。
「さてクラッコ殿、どうなされますかな……?」

 この日、グレープガーデンは開戦と同時に陥落した。その事実を呆然とした援軍から伝
えられ、デデデ大王が知るのは数日後の事である。

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