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Nightmare Labyrinth[1]



1スレ 開始〜その005まで

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☆当小説はお化けの世界に迷い込んだ主人公達のリレー小説です。

☆ 執筆上のお約束
・ ト書き小説は禁止。 ト書きを占めてしまうと会話文中心の小説になって頻度がガタ落ちします…なるべく地の文で情景などを表現してください
・ 完全なるオリジナルキャラクタの登場・名前から連想できないキャラは禁止。
  →そのキャラクタの元となったキャラが分かる場合はOK
(良い例:ワドルディを元にした「ルディ伯爵」/ アドレーヌを元にした「レイヌ」)
(悪い例:「リアン」と言うキャラクタ(ゲームやアニメに出ていない) / 「バロン」が名前のソードナイト(名前からソードナイトと連想しにくい))
・オリジナルのアイテム・コピー能力はOK

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投稿日 : 2010/11/05(Fri) 23:11 
投稿者 : Dein  

むかしむかし、あるところに それはとても大きなおうちがありました。
大きなおうちは まわりにある ちいさなおうちばかりの町からも、そのすがたをみることができて、おんなの子たちのあこがれでした。

「わたしもあんな大きなおうちに住みたいなー」
町のおんなの子たちは、いつも目をかがやかせながらおうちを見ていました。
おうちは長いあいだ、だれもすんでいないところでした。
村のおとなたちは大きなおうちに行こうとも、中に入ろうともしませんでした。
おとなたちは、子どもたちにまい日のように言いきかせていました。

「あのおやしきにはオバケがでてくる」
子どもたちはいつしか、おやしきにちかよるのを止めました。 とても、こわかったのです。
しかしある日、とてもゆうきのある一人のおんなの子がおやしきの中に入っていきました。
それをきいた村のちょうろうさんはおどろきです。 「いますぐ子どもをさがすのじゃ」

村のおとなたちはゆうきをだして、おやしきに入っておんなの子をさがしました。
おとなたちはあせをながして、声ががらがらになるまでおんなの子の名まえをさけびました……しかし、おんなの子はとうとう出てきませんでした。


それから、なんびゃくねん。 今でもそのおやしきは小さなやまおくの町のはずれにそびえ立っています。
でんきも、みずも……なにもなく。 だれかが使っているわけでもないそのおやしきは、かぎもかかっていません。
まるで、ひっそりとたたずむおやしきは……だれかをまっているかのようなのです。

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タイトル : Nightmare Labyrinth その001 
記事No : 535 
投稿日 : 2010/11/06(Sat) 01:06 
投稿者 : 星のユービィX  

ある、星空が綺麗な秋の夜。
例の屋敷から遠く離れた村の反対側の小さな駅に、夜行列車が到着した。
小さな客車から降りてきたのは、人間の女の子アドレーヌと仮面騎士のメタナイト。
二人は遠く離れた町からちょっとした旅行に来ているのだった。
「やれやれ、やっと着きましたね」
と、重い荷物を抱えながらメタナイトがアドレーヌに言う。
「ほーんと、クタクタだわ。 はやく宿屋でゆっくり休みたいわね」
「ははは、そうですね」
通行人の少ない夜道、アドレーヌとメタナイトはあらかじめ予約した宿屋へ向かって歩いていった。

二人がやってきた町の小さな宿屋。
見た目は古いが内装はシックな感じにまとめられており、中々オシャレである。
おまけにダブルベッドやバスルーム等もセットで、宿泊料も安いので旅行者には重宝されている。
「イヤハヤ、ご予約済みのメタナイト様とアドレーヌ様ですね。お待ちしておりましたです、ハイ!」
宿屋の主人に迎えられ、二人は部屋へと案内される。
途中、ロビーで3人組の子どもらしき団体とすれ違った。ぱっと見、彼らもどこか遠くから立ち寄っているようだった。

203号室、ここがメタナイト達の泊まる部屋である。
「では、ごゆっくりお寛ぎくださいまし」
そう言って主人は戻っていった。
メタナイトは肩から荷物の入った鞄を降ろしソファの上に置いた。
アドレーヌもベレー帽を帽子掛けにひっかけ、鞄を開いて荷物を取りだそうとした時だ。


「あっ、やっと着いたんだな」
鞄の中から、なんとアカービィが飛び出してきた。
「ちょっ、おまっ…なんでそんなところから出てくるんだよ!」
と、メタナイトはアカービィをつまみあげながら厳しく言った。
横ではアドレーヌが腰を抜かしたままその場に座り込んでいた。いきなり鞄の中からアカービィが飛び出してきたのでは無理もない。
「いや…だってよぉ、オレも行きたかったんだよ……旅行。頼むから一緒に居させてくれよ、なんでも言うこと聞くからさぁ!」
必死に頼み込む彼を見て、メタナイトも気が変わったらしくアカービィから手を離す。
「わかった、居させてやるが手伝いはちゃんとすること。それからまず主人に事情を話しに行くぞ!」
「乗ってきた列車の車掌さんにもね! アカービィはタダ乗りしてきたことになるんだし」
アドレーヌも付け加える。今回ばかりはアカービィも素直に二人に従い、謝りに出かけて行った。

「…というわけです、タダ乗りしてすみませんでした」
車掌に謝り、切符代を払ったアカービィとメタナイトはそのまま宿屋へと足を運んだ。
「全く、お前という奴は……いつものことだからそんなに怒ってはいないがだな、今後こう言うことがあったらシービィに報告して小遣い減らしてもらうぞ」
「そそ、そんなのねぇぜ!? 勘弁してくれよぉ」
などと二人で話しながら夜道を歩いて行く。
その途中、宿屋の中ですれ違った3人組の子どものうち2人が話しているのを見かけた。
メタナイトは特に気にせずそのまま通り過ぎたが、横を通ったアカービィの耳にはこんな会話が聞こえていた。



(あの屋敷には絶対怪しい、ひょっとしたら宝があるかもしれないぜ)
(おい待てよスピン! あの屋敷に入って行方不明になった女の子の話を知らないのか?)
(女ぁ? 同じ女でもレイヌなら間違いなく宝目当てで飛びこむと思うが)
(いや、俺が言ってるのはそういう意味じゃなくて…)



「屋敷って……あそこに見えるバカでかい屋敷のことか?」
アカービィが見ている方向にはとても不気味な雰囲気の大きな屋敷があった。
もう何百年も使われていない屋敷で、今では誰も近づくものはいない。
だが中に宝物があると聞いたアカービィはもう黙っていられなかった。そっとメタナイトから離れると、屋敷の方へ向かって大急ぎで走り出した。
「へへへっ、屋敷のお宝はみーんなオレのもんだ!」
暗い夜道、欲望丸出しで走り去るアカービィと何も知らずに宿屋へ帰って行くメタナイト、そして屋敷の話をしていた2人組。

誰も予想していなかったとんでもない事件が幕を開けることとなる…………




簡易キャラ紹介

メタナイト=プププランド在住の仮面騎士、剣の腕前は1級品。今回は恋人のアドレーヌと旅行に来ているが……。
アドレーヌ=ちょっと臆病な人間の女の子。メタナイトと一緒に旅行に来ている。
アカービィ=二人の友人で赤色のカービィ。こっそり旅行に着いてきたのだが、屋敷のお宝と聞き……。

       
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投稿日 : 2010/11/06(Sat) 22:50 
投稿者 : オトモカービィ  

アカービィはメタナイトに気付かれないように屋敷に向かって走っていた。
もうすこしで屋敷というところでローブを羽織っていて顔の見えない怪しい老人に声をかけられた。
「もしもし、そこの赤いの」
しかし、急いでいるアカービィ。
「ん?何か用か。俺は急いでいるんだ」
返事はしたものの、老人の周りをぐるぐる回っている。
用があるならはやく言えとせかしているようだった。
老人はそっと指を屋敷に向けた
「おぬし、あの屋敷に行こうとしているのでは?」
「なっ…」
「あの屋敷に宝があると誰から聞かされたかは知らんが屋敷には近づくな」
アカービィは驚いた。その老人はまるでアカービィの心の中が読めているようであった。
「数百年前、あの屋敷に入って神隠しにあった女の子の話を知っているかえ?」
アカービィはあの2人の内の1人が話していた女の子のことだと思った。
しかし、詳しくは知らない。老人からその女の子の話を聞こうと考えた。
「知らねぇ」

アカービィがそう答えると、老人がローブの裾から1枚の写真を取り出した。
よく見ると、女の子が一人写っていた。
「この子がその神隠しにあった女の子じゃ」
アカービィは突然怒り出した。
「何だって、馬鹿馬鹿しい! 数百年前なんだろ? 何で写真が残っているんだ! お前みたいなうさんくさい奴の話なんか聞いてられねえ俺は行く」
アカービィは老人に屋敷に行かないように作り話を聞かされていると思っていた。
数百年前に起きたことならその時代の人が生きている訳ないし、写真もきれいに残っているはずもないと思っていた。
アカービィは怒って走り去ってしまった。

アカービィの姿が見えなくなると、老人がローブとひげを取った。
「大変なことになりましたね。早くギャラクティック兄さんに知らせなければ」


「えぇっ! アカービィがいない!?」

メタナイトが異変に気付いたのは宿屋に帰ってきてからだ。
宿屋に入ると主人が
「あれ、アカービィ様は?」
と、問いかけてきたものだからアカービィがいたところを見てみるとアカービィがいなくなっていた。
メタナイトは何か嫌な予感がしたため大急ぎで203号室に戻る。
アドレーヌが「お帰り」というより先に
「アカービィがいない」
そしてこの騒ぎである。
アドレーヌは大急ぎでベレー帽を被り、外へでた。
聞き込みをしていると、丸くて赤い男の子が怪しい老人と会話した後にあの屋敷に向かったという情報が入った。
早速向かおうとすると行くんじゃないあの屋敷には行くなと何回も言われた。
しかし、友が危ない目にあっているかもしれない。忠告を無視して屋敷に向かった。
そして、その光景を屋根の上から2人の戦士が見ていた。


「マルクにあの屋敷を調べてみてくれと言われて来てみたが……」
「大変なことになりそうですねギャラクティック兄さん」
メタナイトとアドレーヌを見ていたのは銀河最強の戦士とその弟。
「しかし、仕事だ行くぞギャラクシア」
「はいっ!」




キャラ説明

ギャラクティックナイト=銀河最強の戦士。弟とマルクとチームを組んで、各地を調査している。
ギャラクシアナイト=オリキャラ。ギャラクティックナイトの弟。剣術よりも忍術が得意。赤ではなく青。
マルク=カービィに敗れるも心を入れ替え、各地の異変や都市伝説などを調査している。


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投稿日 : 2010/11/07(Sun) 01:23 
投稿者 : Dein  

「アホか、お前ら」
呆れたふうな声をしながら、少女は丸テーブルに頬づえを掻いて目の前に鎮座している二人の少年を見下ろした。
見るからに不機嫌そうなその少女の髪には――粘り気のある、黄色いハチミツが引っかかり、鎮座している少年らの頬は赤く腫れあがりうつむき加減に暗く沈んでいた。
「お宝があるかどうかなんて……行ってみたら分かるじゃねえか」
(ウォ、レイヌがマトモな意見を言った)
内心、それほど驚く事なのかどうかはよしとして影色の少年は目を大きく見開いて彼女を凝視した。 続けざまに、レイヌと呼ばれた少女は一度小さく舌打ちをして椅子に座ったまま、その姿はまるで女王様気質に――厳しい一言をぶちつけた。
「俺、今からシャワー浴びてくっから。 お前らその間に荒れた部屋直しておけよ」
「ハイ」
彼女の指摘通り、彼らが居座る部屋は酷く荒れていた。 カーペットはシワだらけ、辺りに筆記具やメモ用紙が散乱して――幸い壊れ物は無かったが、一番酷い有様といえば見事に横倒れた針葉樹にハチミツを頭から被った少女であろう。

一体何故、この様な奇怪な光景が展開されたのか――。 時間は今から数分ほど前にさかのぼる事になる。


「ここにマリモって奴がいるのか?」
村の外れの夜行列車からプラットホームに降り立つとその少年は黒いノンフレームのサングラスをかけなおして一言呟いた。
その彼に後ろから続くようにショートの髪をなびかせた少女が、列車から降り立った。 周りの田舎風景を覗くや否や、大きく伸びをして――一つ深呼吸。
「まぁ……居たらそれで、儲けもんだろ?」
全くその警戒心が腑抜ける言葉。 レイヌ・A・ドロシスのその一言に、ヴァロン・スピンは肩から崩れ落ちた。
一つ月光が夜空に輝く秋夜のひととき――夜行列車は静かにベルを鳴らすとゆっくりとその駅から離れ始めた。

「やれやれ、とんだ辺境まで来ちまったな」
あくびを押し殺しながらスピンは夜空を仰いで呟いた。 秋の夜長涼しい夜風が彼らの肌を突き刺すように舞いながら、特にあてが無いのかそこらを放浪するように歩いている――マイペースに町中を見渡しながら、ほんの短い一言だけの会話を交わす程度で三人は歩き呆けている。
「そろそろ、お腹すいたな」
「そうだな。 そこら辺にレストランでもあればいいんだけどな」
シャドーの言葉にすぐにレイヌはあっさりと答える。 そうだな――そう呟いてシャドーは辺りを見渡してレストランらしき建物を探してみる。 しかし、見る限り目につくものは一軒家か小さな商店だけでレストランらしき建物は見当たらない。 人もまばらで今彼らに「すれ違った人の数は?」と聞いても、大して大きな数は帰ってこないだろう。 それほどまでに人通りは虚しいものだった。
「とりあえず、宿屋の一つ二つはあるだろうよ。 そこで一休みにして、飯はまた考えようぜ」


 三人がやってきた小さな宿屋。 見た目はそれほど立派なものではなかったが、入った途端に綺麗な空気が三人を出迎えてくれた。
鼻の穴までスムーズに呼吸が通る綺麗な空気。 たった今オイルがけでもしたのかというぐらいの綺麗な床に、真っ赤なカーペットが受付までに伸びている。 奥の受付には小奇麗な受付嬢が、彼らの来店を確認した途端に明るい声で「いらっしゃいませ」と応対する。
「三名で……」
シャドーが受付に人数を言い渡すと同時にルームキーを手渡される。 そのまま、彼らは部屋に行ってくつろいで――ここまでは、在り来たりとも言える様子なのだが。 全てが覆ったのは、好奇心が一番旺盛なスピンの大きな耳が聞き入れた、ある一つの言葉が始まりだった。
「ねぇねぇ、知ってる? あの屋敷の話」
廊下ですれ違った、二人の従業員の何とも無い世間話――その時、スピンはシャドーが彼とレイヌに「トイレに行くから先に部屋に行っててくれ」という断りを聞いていなかったであろう。 まるで変質者の如くに、彼は酷く聞き耳を立てて従業員の話に集中していたのであったのだから。
「……何やってるんだよ、スッピー」
レイヌが呆れるようにスッピーの行動に毒を呈す。 まるでレーダーのように彼の耳は痙攣するように動き続いている上に、レイヌの問いかけにも答えはしない。 見るだけで、彼女は一種の危機感を覚えると無理矢理スピンの手を掴みかかり、引き寄せる。
「ウォ!! 何すんだよレイヌぅ!!」
「お前が何してんだよ! 馬鹿みたいに突っ立ってないで、部屋に行くぞ」
「ちょっと待て、あの女二人の世間話を盗み聞きしてから――」
その次の瞬間に大きな岩でも落ちたかのような激しい音が廊下にこだまする。 その音に思わず飛び上がった二人の従業員も、当然そちらの方向を向いたのだが彼女達が見たのは大きなたんこぶを作って床に伏しているネズミと、彼が羽織っているマントを引っ張って廊下を進んでいく少女だけであった。

 206号室。 入り口に小さな札でそう書かれていた部屋は、確かにレイヌが手にしているルームキーの番号と同じだった。
部屋に入り込むとまずはおおっ広いワンルームが彼らを出迎えてくれた。 壁の端に集まるように二つのベットと大きなテレビ、中央に丸テーブルとかなり充実した設備が揃っている。
「ヒャッホォ!! 見ろよシャッドー!! のど飴だ、のど飴が袋で常備されているぞ! ふ・く・ろ・で!!」
一気にストッパーが外れたかのようにスピンが黄色い飴を差し出した。 彼の手には袋が二つほど抱えられている、恐らくこの飴が彼の言うのど飴なのだろう。
「テグノのモーテルじゃあ、こんな気の利いた事はしてくれねぇぞ!
 平和って言う証拠だな」
「どう言う基準だよ、のど飴があるから平和って」
シャドーも、彼の言葉に苦笑いをしながら近くの椅子に腰を下ろす。 興奮気味のスピンの相手をしながらふと目配せをするとレイヌが何やらシャツを手に抱えて部屋へと帰ってきた。
「よぉ、何してたんだ?」
振り向き気味に後ろに居るレイヌに声をかけると同時に、彼女はすぐ傍のタンスの横にそれを丁寧に置く
「着替えだよ。 とりあえず借りれるって言うから、貰ってきた」
それだけを聴くとシャドーは理解をした。 そんな彼の予想通りに、すぐ直後に入り口の近くのもう一つのドアの奥に彼女は入り込むと、シャットアウトする。 全て、理解できた。 ここまで来て理解が出来ない人は、鈍い。
「……スピン。 外の売店でお茶でも買おうぜ」
「良いねぇ、賛成」

 既に辺りは闇が支配している。 正真正銘の夜更け。 時々聞こえるフクロウの鳴き声が、秋の夜長を一層引き立てては虚しさも助長する。 街灯の毀れ灯に虫がたかり、耳にも羽ばたく高速音が飛び込んでくる。
「いやぁ、揚げ物はやっぱりパンの耳に限るわ」
サングラスの奥の瞳は微笑み、スピンは美味しそうにパンの耳をかじりながら近くのベンチに腰掛けている。
「案外イケるな、このお菓子」
最初、シャドー彼自身はパンの耳の揚げ物に少し戸惑いを感じていたものの、瞬く間にスピンと同じくパン耳の虜になっているようだ。 漬け味のハチミツの大きなビンの中身は、既に半分ほどが無くなっているが、それでもパンの耳の数と比べるとあまりにも有り余っている状態だ。
「さて、残りはレイヌの為にとっておいてやるとして……そろそろ帰ろうぜ。 夜更けだし、レイヌ自身も心配してるぞ」
シャドーの言葉にああ。 と着丈に応答するとスピンはベンチから飛び降りてシャドーと横一線に夜道を歩き始める。 彼の手には、大事そうにハチミツのビンとパンの耳の入った袋が握り締められている。
「なぁスピン、お前さっき宿屋で聞き耳立ててたよな……一体何があったんだ?」
空を仰いでいながら歩いていたシャドーは、ふと思い返すように隣にいたスピンに問いかける。 彼の言葉に、スピンは少しだけ唸ると明るい表情をして口を開いた。
「この町の外れに、屋敷があるんだってよ」
「ああ。 それの話か……俺も少しだけ宿屋に行く前に小耳に挟んだけど」
シャドーの言葉を受けた途端に、少しばかりスピンの表情が緩んだ。 話が分かる相手と踏んだのか、至極遠慮は必要無しと踏んだのか彼はすぐさま口を開いて演説の如く話し始める。
「そうなんだよ! この外れにある屋敷!! 何百年と使われて無いって言うじゃねえか……俺は、その屋敷は匂うと踏んだね!」
嬉々な表情をしながら、シャドーの前に回り込んではちきれんばかりの笑顔を見せるスピン。 しかし、それと対照的にシャドーは唖然と呆けた表情をしながら、彼を不思議な眼差しで見つめている。
「……は? “におう”??」
「ああ! あの屋敷は絶対に怪しい! ひょっとしたらお宝があるかもしれねえぜ!!」
「お、おいおい……待てよ! お前、あの屋敷の呪いを知らないわけじゃねえよな?!
 女の子が行方不明になってるんだぞ?」
「ン!? 大丈夫だよ、同じ女でもレイヌが行方不明になるなんて有り得っこないし、そもそもあいつだったらこの話を聞いたら目ぇ輝かして跳びかかってくるぞ!?」
「いや、そう言う話じゃなくて……!!」

この時点で、シャドーとスピンの考えには大きな誤差が生じていた。
スピンは「お宝があると言われている屋敷」
シャドーは「神隠しが起きた屋敷」――どちらとも似たような物なのだが、スピンは「行こう」と言って引き下がらない。
あまりにも馬鹿騒ぎの如くの大声でのその会話。 それを一人の少年が盗み聞きをしていると聞けば、スピンはそれは凄い形相で彼を口封じに何かしでかしていたかも知れない――お金の力とは、それほどドロドロとしたものなのである。
「だから、そこは立ち入り禁止なんだよ!」
「なんだよぉ。 お宝というロマンを目の前にして、この男スピン、廃れてたまるかよ」
彼らの口喧嘩は部屋に戻ってきた後もまだ続いていた。 テーブルには先ほど彼らが買ったお菓子につけるハチミツのビンが二つ――。 テーブルを挟んで二人は向かい合いながら討論を繰り広げている。
「お前の言う、ロマンって考えが俺は納得できねえ!!
 そんな単純な考え方で何もかも決めていたら、絶対に損するぞ」
「何言ってやがる!! お宝も、将来の夢も、後押しするのはロマンじゃねえか! 俺のじいちゃんの考え方を否定する気か!」
「そうじゃねえよ!! 何も考えもせずに、ロマンだなんだで押し通すのがおかしいって言うんだ」
既に二人は譲り合う気は無いようだ――興奮入り混じりながら顔をしかめる互いは、こじれるばかり――こうなれば、道は一つしかない。
「……この野郎、俺のロマンを否定する気なら容赦ねえぞぉ!!」
既に子どもの喧嘩レベルの言動と、手には手裏剣とクナイ――スピンは超至近距離でそれらをシャドーに向かって振り投げるが、彼も黙ってはいない。 横飛びで手裏剣を交わすと、すぐさまソファーの陰に隠れて身を守る。
「野郎……っ!! 殺す気か」
少しばかり顔をしかめながら、身を隠してシャドーは愚痴をこぼす。 今すぐ反撃をしたかったが、いかんせん彼は戦闘のド素人。 彼の唯一の武器とも言える石は、この小さな室内で使うには余りにも危険すぎる。
「……何か、反撃の手立て」
静かに辺りを見渡すと、彼の手元に小さなビンが転がっていた。 よく見ると、先ほど買ってきたハチミツがたっぷり残っている。 これを見た途端、シャドーの顔が悪役のように黒い笑みに変わる。
「……ヘヘッ、これでも喰らいやがれ」
そう言いつつ、ハチミツの蓋を開けた途端にシャドーはソファーの陰から飛び上がると、ビンをめいいっぱいの力で投げつける。 目標は、勿論――。
「喰らえ――ッ!!」
そう捨て台詞を吐いた瞬間に、シャドーの手首に小さな痛みが一つ走る。 すぐ下には、スピンがいくつかの輪ゴムをこちらに仕向けている。
その地味な痛みにシャドーの手元が大きく狂う。 彼がスピンに向けて投げる筈だったハチミツのビンは、スピンの頭上彼方を通過する
「ハッハッハ!! 残念だったな! 喰らえ、シャッドー!! 輪ゴム指鉄砲!!」
誇らしげの勝利宣言と同時に、耳に飛び込むかどうか難しい水か何かが引っくり返ったような音が響いた。 “ばしゃり”と――空虚する音に視線を向けると、そこには黄色いハチミツが頭に満遍なくかかっている、風呂あがりのレイヌの姿――。
「……」
終始、彼女は無言を貫き通していた。 頭から垂れてくる黄色い蜜は髪の毛に纏わりついて、彼女はその髪の毛を手にかけてその違和感を確かめるように、弄っている。
「…………よぉ、楽しそうだなぁお前ら」
少しだけ薄笑いを浮かべて、レイヌは目の前の少年二人に低い声色で諭すように話しかける。 その瞬間、二人の少年は人生の終わりを悟ったのである。


 次の瞬間、夜が更けつつある町の中で二つの断末魔が屋敷に向かって走っていく少年のバックに響いたのは、言うまでも無いが――。


簡易キャラ紹介
シャドー=とある時代に生き返った死人。 武器(?)に炎の能力がある石の力を持っています。 3人の中では大人な対応をしてまとめ役。 技の種類は後日公開します…
スピン=元盗賊を祖父に持つ、怪盗ヴァロン・スピン。 手裏剣やクナイなどの武器を主に使います。 お宝の話題になると目が無い。 カナヅチ。
レイヌ=紅一点、オレ少女、緑色のシャツに黒い短ズボン。 ベレー帽は被っていません。 高所恐怖症。 武器(?)に生の石と言うものがあります。 アドレーヌの実体化能力のようなもので、石から発される光を絵に当てたら実体化するというもの



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投稿日 : 2010/11/07(Sun) 03:47 
投稿者 : 星のユービィX  


宿屋でちょっとした騒動があった数分後、屋敷の前にやってきたアドレーヌとメタナイト。
近くで見ると話で聞いていたよりも不気味な雰囲気が漂っている。
「ほほほ…本当にここにアアアアアアアカービィがいい、いるのかしら?」
そう言ったアドレーヌの声は所々が裏返り、妙に落ち着きがない。それもそのはず、彼女は怖がりで本来お化け屋敷などが大の苦手なのだ。
友人が心配だからやってきたとはいえ、やはり怖いものは怖い。
「多分な。ホラ、そこによじ登った跡がある」
メタナイトが指差した柵を見ると、確かにそこには数分前に誰かがよじ登った跡なのか新しい土がついており、その間隔は狭く子どもが登った跡だとすぐにわかった。
つまりアカービィは既に屋敷の中へ入ったということになる。
「さぁ、私たちも行こう」
と、意気込んで柵に足をかけたメタナイトだが、彼の体重を支えきれなかったのか柵の格子はバキリと音を立てて折れてしまった。
「あ……」
「こうなったら強行突破ですね」
そう言ってメタナイトは腰の辺りにさげてある剣に手をかけ、天に掲げるように抜き取った。
抜き取られた剣は月の光を浴び美しく輝いている。
マジルテに眠る伝説の金属オリハルコンで精製された宝剣、ギャラクシアだ。
「ねぇ、まさかそれで門を壊す気じゃないでしょうね?」
「もちろんそのつもりですよ、最終手段です」
それだけ言ってメタナイトは門の方へ振り向き、ギャラクシアをスマブラの横スマッシュ攻撃のごとく振りかざす。
「とぉっ!」


その頃、ギャラクティック兄弟も屋敷の近くへと来ていた。
もちろん先ほど屋敷へ向かったアドレーヌ達を追いかけてである。
「もうすぐ屋敷へ着きますよ兄さん、あの2人も中に入ってないといいですけど」
「とりあえず今は急ぐしかないな、ギャラクシア」
と、その時。二人の耳に何かを切り裂く音が聴こえてきた。音は屋敷の方からである。
ギャラクティック兄弟は顔を見合わせると大急ぎで屋敷へと走って行った。
案の定、二人が着いたころには既にアドレーヌ達の姿はなかった。
「まだそう遠くへは行ってないはずだ、探すぞ」
そう言ってギャラクティックナイトは右回り、ギャラクシアナイトは左回りで屋敷の周辺を探すことにした。
両者がぐるりと屋敷の裏側に回り込み、ちょうど門の反対側で再会したとき、そこにアドレーヌとメタナイトの姿が見えた。
よく見ると上の窓が開いているらしく、アドレーヌがメタナイトを肩車するようにして入ろうとしている。
すぐにやめさせるべく、ギャラクティックナイトが声をかける。
「おい、そこの2人! 一旦この屋敷から離れ…ってお前はあの時のパラレルのメタナイト!」
「なんだ……あ、お前はいつだったか俺がおかしくなったとかなんとかわけのわからないこと言ってたギャラクティックナイトじゃないか!」とメタナイトが言う。
「あのー、何が何だかサッパリわからないんだけど…」とアドレーヌ。
メタナイトとギャラクティックナイトは言い争いを始め、アドレーヌは混乱していた。
その様子を傍観していたギャラクシアナイトは、ため息をつきながら言った。
「とりあえず……一旦宿屋に戻りましょうよ?」


宿屋へ戻ってきた彼らは、ギャラクティック兄弟が使っている204号室へと集まった。
2部屋隣から妙にハチミツの匂いがするのが、あえて気にしないことにした。
ギャラクティックナイトはアドレーヌに色々な説明をする。
まず自分とメタナイトは1度パラレル世界の関係で出会ったことがあり、一騒動あったということ。
次にアカービィは屋敷に宝があると思って入り込んだということ。そして自分たちはその屋敷を調べるために派遣されたということを話した。
「なるほどね……とにかく、早くアカービィを探しに行かないと! あんな奴でもいなくなっちゃうと心配だし……」
「あんな奴とは、どういうことですか?」
ギャラクシアナイトがアドレーヌに尋ねる。そして少しの沈黙の後、アドレーヌが答えた。
「人のおやつを横取りするわ、スカートめくりするわバットで殴るわ宿題押しつけてくるわ、音痴のくせにリサイタルなんて開いてあちこちに迷惑かけてる困りものなのよ」
「へ、へぇー……(聞かない方がよかったかなぁ)」
2人が色々と話を広げている一方、メタナイトとギャラクティックナイトは屋敷の探索計画を立てていた。
まずは必要なものを考えた。明りを照らすカンテラや道しるべに使う丈夫なロープ、他に方位磁石や食料など。
「とりあえずそれだけ揃えればいいんだな」
「あぁ、そうだ。ところでメタナイト、お前が言ってたキービィとかそういうのは今いないのか? 出来れば他に人数がいれば心強いのだが…」
「生憎だが、今回はいないぜ」
人数不足は仕方がないが、とりあえずやれることはやろうと決めた。鋭気を養うため、みんな今日はもう寝ることにした。

「じゃ、また明日な」
「屋敷の探索、一緒にお願いね!」
アドレーヌとメタナイトは自分たちの部屋に帰りながらギャラクティック兄弟に言った。
だが、そんな彼らの様子を見ている者が物影に隠れていることには誰も気がつかなかった。


(やべぇな、早くしねぇと宝を横取りされちまうかもしれねぇ。レイヌも誘って俺たちは今夜行くか!)



一方、屋敷の中。アカービィはエントランスにいた。
「ヒュー…中々いい雰囲気じゃねぇか。いかにも『お宝がありますよー!』って感じだぜ!」
そう言いつつ、ふと足元を見てあることに気がついた。
既に屋敷に来て2時間ほど経っているが、影が動いていないのだ。
今夜はきれいに晴れており月の光もしっかり差し込んでいるのだが、月は常に空の中心に浮かんでおり全く動く様子がない。
まるで、時間が止まっているかのように…………


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投稿日 : 2010/11/07(Sun) 19:03 
投稿者 : オトモカービィ  

皆が寝静まった夜。2人の少年と1人の少女が宿屋の廊下を音を立てないように歩く。
途中、警備員に見つかりそうになったが隠れるところが多くてすぐに隠れてやりすごした。

宿屋の外にでると屋敷に向かって一直線。こういうときに人通りが少なくて良かった。
見つかりでもすれば何故子供がこんな時間にいるんだ。と怒られて屋敷に行けはしないだろう。

数分すると屋敷に着いた。その屋敷は今にも何かが出てきそうな不気味な感じがする。
「へぇ。数百年も経ったていうのに結構きれいだな」
3人組の1人、スピンがそういって屋敷を眺める。
「おいおい本当に入るのか?」
3人組の1人、シャドーが言う。その黒い体は小刻みに震え、おびえているようであった。
3人組の1人、レイヌがシャドーの頭を殴る。
シャドーは頭を抱えながら走り回る。
「ここまで来たんだから後戻りなんかできねえよ」
シャドーにレイヌがつめたく言い放つ。
屋敷の周りを一通り見てきたスピンが侵入できそうな場所をレイヌとシャドーに伝える。
侵入できそうな場所は鍵のかかっていない正面の扉と裏側の開いている上の窓。
2人は柵を壊しておびえるシャドーを無理やりつれて屋敷の中へと入っていった。 




皆が寝静まった夜。星が輝く夜空を見上げながら通信機を片手に1人の戦士が起きていた。
「マルク。聞こえているか」
通信先はマルク。調査団のリーダー。
「どうしたのサ。ギャラクティック。まさか先客が…」
マルクはギャラクティックナイトに問う。ギャラクティックは派遣先で通信してくることなど普通はない。
あるとしたら依頼達成との報告。しかし、今回はマルクに助けを求める内容だった。
「あー。そのまさかだ。とりあえず、明りを照らすカンテラと道しるべに使う丈夫なロープ、方位磁石と食料。後、医療品を持ってきてくれ」
「わかったのサ。すぐ行く」
「では頼んだぞ」
そう言うと通信機の電源を切った。
下を見ると、あの屋敷に向かって走っていく3人組の姿が見えた。
「まさか…これはまずい。皆を起こさなければ」




皆が寝静まった夜。屋敷にいるアカービィは探索を始める。
「宝ってどこにあるんだ?」
屋敷はよく見ると傷1つなく、まるで建築直後の屋敷のようだった。
1つずつ部屋を覗いていくことにした。1つ覗いて2つ目の部屋というところでその部屋から物音がした。
「ん?まさか、俺と同じ目的のやつがいるのか?」

そう言って扉を開けようとすると鍵がかかっていて開かない。
物音の主は扉を開けようとして「ガチャ」とたった音を聞き逃さなかった。
足音が近づいてくる。
「や、やばい…」
アカービィは足がすくんで動かなかった。
そして扉が開いた。中からは1人の女の子が出てきた。老人が見せてきた写真に写っていた女の子が。
「ケ、ケケ!?」
その女の子とはケケだった。しかし、ケケは身構えつつも首をかしげる。
そして口を開いた。

「あなたは誰? どうして私の名前を知っているの? まさか、この屋敷にすみついているお化け? …いいわ。この私が退治してあげる!」
ケケはそういうと箒の先端から黒い玉を放った。
アカービィは逃げ回る。入り口の扉に手をかける。開かない。
「どうなってるんだ。ケケは変だし鍵も開かねえ!」
アカービィがもう駄目だと思った瞬間、突然扉が開き、アカービィは壁にたたきつけられて黒い玉は外へ飛んでいき、3人の子供が入ってきた。




「起きろ! メタナイト! アドレーヌ!」
メタナイトとアドレーヌはギャラクティックナイトに起こされて、廊下に出た。
ギャラクティックナイトは慌てていて、傷だらけのギャラクシアナイトと一緒にマルクもいた。
「何でマルクが…!」
「細かいことは後だ。大変なことに、3人組が屋敷へ行った。そして、黒い玉が飛んできてギャラクシアに直撃した」
ギャラクティックナイトは淡々と説明する。
「そして、その黒い玉を放った人物がこいつだ」
ギャラクティックナイトは1枚の写真を皆に見せる。

「ちょ、これケケじゃん!」
驚いたアドレーヌが叫ぶ。
「この写真に写っているケケはケケであってケケではない。つまり、別世界のケケだ。屋敷に入って神隠しにあった女の子とは別世界のケケのことだ」
ギャラクティックナイトはそういうと皆にパンパンに膨らんだバッグを渡す。
そして、羽を生やす。

「行くぞ。もしかしたら、アカービィとケケが戦っているかもしれん」
ギャラクティックナイトはそういい残してマルクたちと一緒に窓から飛び立つ。
飛び立つ前にマルクが「君たちも早く来たほうがいいのサ。友人のためにも」と言い残して飛び去った。
「わ、私たちも早く行こう!」
そう言って、メタナイトの背中に乗りアドレーヌとメタナイトも飛び立った。

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