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小説の中へ [10]



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投稿日 : 2009/02/16(Mon) 22:26 
投稿者 : ヨツケン  


アクアリスの海が明るく照らされ、夕暮れの星空を一筋の光が突き抜ける。 

「とりあえず、アクアリス制覇ね♪」

ルナが夢の泉の前に立つ、カービィに話しかける。

「うん♪」
「でもルナさん、これからどうしますか?」

ワドルディが夢の泉を見ながら質問する、ルナは魔法で炎を起こしながらワドルディを見る。 

「とりあえずもうすぐ夜だから、野宿の用意をしよう?私はお魚を捕って来るから♪」

そう言いつつ、ルナは釣具も持たずに行ってしまう、ワドルディは「どうやって捕るんですか!!」と突っ込みを入れたいのを我慢しながらカービィのテント張りを手伝い始めた。

数分後…帰って来たルナを見て2人は驚いた、ただいま♪っと言ったルナの手の上には1m四方の巨大な氷が浮いていた、空腹に耐えかねたカービィ我慢出来ずに聞く。

「ねぇルナちゃん…お魚は?」
「目の前に有るじゃない♪」

そう言いつつ、ルナは指をパチン!!と鳴らす、すると氷が一瞬で溶けて大量の魚が出てくる。

「さっ、食べましょ!!」
「・・・、」

〜数分後〜
「ごちそうさまでした♪」
カービィが最後の一匹を食べ終わり手を合わせる、他の2人は既に食べ終わっている。

「ところでカー君?」
「なに?」
「ワープスターは大丈夫?」
「うん♪まだ少し壊れてるけど明日には直るって!!」「良かったです…ね…」

ワドルディがホッとしたのか横になりそのまま寝てしまう。

「寝ちゃった…私達ももう寝ようか♪」
「うん♪」

そう言ってルナとカービィは深い眠りに就いた。

――――――――――――ポップスターの空を小さな雲とシルクハットを被った魔導師が飛んで行く…

「見えましたウィズさん!!あそこです!」
「ありがとうJr君、これでシャドー殿は助かる!!」
その時、ウィズの黒いシルクハットがガタガタ動き、中からシャドーが顔を出す。

「ウィズ…ここは一体?」
「動かないで下さいシャドーさん!!もう少しで着きますから…」

クラッコJr.がそう言った時、もう雲の隠れ家は目前に迫っていた…

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投稿日 : 2009/02/20(Fri) 02:36 
投稿者 : tate  


 マジルテ内でビュートを拾ったチナツは、ワムバムジュエルに命じて地上へ向かう。
 その途中、黒い塊が慌てた様子で彼女たちを追いかけてきた。チナツがワムバムジュエ
ルに減速するように頼む。
「ビュートさぁ〜ん! 置いていかないで下さいですぅ〜」
 その黒い塊は躊躇うことなく、ビュートの胸に体当たりをした。二、三度ぽよんぽよん
と体当たりをした後、ビュートの頭の上にぽふんと収まった。
 突然の出来事に、チナツは絶句した。何が驚きかって、あのビュートが頭の上に一つ目
の黒い球体を乗せて平然としていることだ。体当たりされても顔色一つ変えていないのが
妙にアンバランスで、チナツは突っ込みを入れることもできなかった。
「な……何ソレ……」
 やっとのことで声を絞り出す。
「ダークマターだ。どうだった、黒丸」
 ビュートはチナツの問いに端的に答えると、頭上のダークマターに語り掛けた。
「お城を落としてからは、あんまり動きはないですぅ〜。一応、ドロシアさんはレインボ
ーリゾートの守りは固めているみたいですぅが」
「ダークマター達は何をしている」
「ええと〜、私と同じコマンドタイプが、ダークマターを率いてポップスターの生き物を
探し出して攻撃してはいますぅ〜」
 マジルテに来る途中、ダークマターの一団が小さな村を襲うところをみたですぅ、と黒
丸は付け加える。
「大きな戦いは、レインボーリゾート辺境で起こってはいるみたいですぅ〜。それ以外は
私にはわからないですぅ。コマンドタイプに縛られているせいで、上手く介入できないで
すぅ」
「そうか、それだけわかれば上出来だ。レインボーリゾート辺境……ツンドラが広がって
いるあたりか」
 よくやった、と黒丸に形ばかりの労いの言葉を掛けるビュート。その言葉を真に受けて、
黒丸は頬を染めてぽよぽよと体を震わせて喜んだ。
 反応に困るなぁ、とチナツは無言のままその様子を横目で眺めていた。

 ワムバムジュエルがマジルテを抜けたところで、チナツが、
「はいコレ、アンタに。ドロッチェからよ」
 と手の平大の長方形の物体をビュートに差し出した。ビュートは何も言わずにそれを受
け取りはしたが、胡乱気な目で見つめていた。
 チナツにしてみれば、それはどこからどう見ても携帯電話なのだが、ビュートにはそれ
がわからないらしい。これまでの彼の不遜な態度とのギャップに、チナツは内心ほくそ笑
んだ。
 ピピピピピ、とビュートの手の中で長方形の物体が音を上げる。剣士はそれを持ったま
ま、まんじりと見遣るばかり。
 ふう、とチナツは大げさに溜息を吐いた。そして意地悪げに唇を吊り上げる。
「ソレの左についているボタンを押して、こう、片方を耳に当てる。そうすると、もう一
方は口元に来るでしょ。それで喋る」
 む、とビュートは一瞬眉を寄せたが、チナツの言うとおりにそれを操作した。素直にこ
ちらの言葉に従うビュートの姿に、チナツはまたもや面食らう。嫌味の一つや二つは飛ん
でくると思っていたのだが。

『やあ、ビュート殿。ようやく繋がったよ』
 長方形の物体から、ドロッチェの声が聞こえてきた。
「ドロッチェ……」
 ビュートの双眸がすっと細くなった。
『ポップスターの侵攻状況はどうかなと思ってね。あまりはかどっていないようだが』
「私が把握しているとでも?」
『思っていないとも。だが私の方でも、デデデ達がどこに逃げ込んだのか把握できずにい
てね。とりあえずは、彼らをいぶりだそうじゃないか。適当に暴れまわってみたらどうだ
ろう』
「適当なことを。お前は何をしている」
『カービィ君が宇宙に来たよ』
「カービィ……とは何者だ」
『平たく言えば、ゼロ様の最大の障壁かな。彼らを放置しておくわけにはいかないからね、
私はしばらくそちらに専念さ。それはそうとビュート殿、これは相談なのだがね――』
 次いで飛び出してきたドロッチェの言葉に、ビュートの視線が携帯電話に向いた。
「――悟られるぞ」
『そこまで気を抜いてはいない。考えておいてくれたまえ』

 ドロッチェと会話をするビュートを、チナツはちらちらと窺う。眉根を寄せたまま携帯
電話を手にしていたビュートの表情が僅かに崩れた。携帯電話を耳に当てたまま、視線を
僅かに落とす。ドロッチェが何を言ったのかは、生憎チナツには聞こえてこない。こうい
う時に携帯電話という媒体は不便だ、ともチナツは思う。
 そのまま二言三言ドロッチェと言葉を交わすと、ビュートは電話を切った。
「これから攻勢に出る。お前はどうする」
 不意にビュートがチナツに話題を振る。
「な……。もちろん同行するわよ。さっきも言ったとおり、アンタ達を手伝うのがアタシ
の仕事だから」
「黒丸、お前はダークマターの動きを調べろ。侵攻が停滞している場所を洗い出せ」
「わかったですぅ〜」
 ずっと頭の上に鎮座していた黒丸が、ふよふよと空に浮き上がった。
「で、どうするのよ」
「手始めにレインボーリゾート辺境のツンドラ地帯に向かう」

 この翌日、Mr.シャインとMr.ブライトが支えていたレインボーリゾート辺境の防衛ライ
ンは、ビュートとチナツの二人により壊滅させられた。

---
チナツがビュートに渡したのは、ドク謹製の遠隔通信装置です。
ドロッチェ団の間でしか使えない代物ということにお気をつけ下さい。
また、ドロッチェが宇宙にいるので、アクアリス組の続きを書かれる方は
その辺も考慮してやってください。


ビュートは地球人スケールで180cmぐらいあるので、
チナツと並ぶと、頭半分強ぐらい上背に違いがあるかとエスパー。

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投稿日 : 2009/02/21(Sat) 03:25 
投稿者 : guri  


「フラービィ、そのドライバーを取ってくれ」
「ほいほい」
 雲の隠れ家、ポカポカ陽気の昼下がり。
 デデデ大王は窓から差し込む明かりを頼りに、ハンマーの細かい調整をしていた。
「お主の世界の科学力は、メックアイを超えるようだな」
 フラービィが取り付けた物を何とか理解しつつ、デデデ大王が呟く。
「部分的だと思うけどね、僕らの世界じゃ……例えば自律したロボットなんかまだ作れないし」
 ギム、カプセルJ……ましてやハルバードなんて、どんな原理で浮かんでるのかすら不明だ。
「だが、部分的には上回っておるわけだ」
 デデデ大王はニヤリと笑う。
「その力、広範に役立てて貰うぞ。ここに居る以上、お主は我がデデデ王国の国民だからな」
「強引だね……戦うのは得意じゃないんだけどな」
「それは案ずるな、ワシが守る。国民だからナ」
 庇護されてる以上仕方ないか。
 フラービィは頭を掻くと、ゆったりと足を組みなおした。

 あーだこーだと小一時間。
 デデデ大王とフラービィは議論しつつも、テキパキと作業を進めていた。
 突如、部屋が暗くなる。
 おや曇りかな、とデデデ大王は考え……ハッと思い直す。
 隠れ家は空高い雲の家、これより上空には薄雲しか無いのだ。
「まさかっ……」
 デデデ大王は窓から乗り出し、空を見上げる。
「どーしたの?デデデ」
 トテトテと、フラービィもつられて空を覗く。
「い゛っ……」
 フラービィが空を見上げると、太陽と月が無軌道に動いている。
 まるで糸の切れた凧のように、ゆらりゆらりと。
 時折月が太陽に重なり、月食が発生する。
「ケンカ……してる訳じゃないよね」
 銀河を巡る話を思い出しながら、フラービィが問う。
「違うな。だがコレは……」
 デデデ大王は慌てて部屋に戻ると、携帯電話を取り出した。
 太陽のボタンを勢いよく押すと、耳に当てる。
「シャイン!ブライト!ワシだ、デデデだ!」
 だが。
 ザーザーと、飛んでこない電波を探す音だけが響く。
「どういう事……?」
「今通話したMrシャインとMrブライト、彼等は太陽と月の化身なのだ。
彼らが力を失った時、空の統制は無くなる……と言われておる」
「って事は……」
「コントロール出来ない程力を失ったか、あるいは……」


 二人の会話を盗み聞き、もとい聴こえてしまっていた者がいた。
 雲の世界を統べる者、クラッコである。
 彼は雲の世界で起こった事は、大体知ることが出来る、
 雲の全ては、彼の身体であり目であり耳なのだ。
 普段はそれを通じて雲の世界を治めているが、今回はそれが悪く作用した。

 クラッコは充血した眼を空へ向け、勢いよく上昇すると、
 ジェット気流に乗り、レインボーリゾートへ勢いよく駆け出した。

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投稿日 : 2009/02/21(Sat) 21:34 
投稿者 : ヨツケン  

「うーん…ん?」

カービィが長い眠りから覚め顔を擦る、すると何処からともなく良い匂いが漂って来る。 

「何の匂いだろう?」

まだ寝ているワドルディを起こさない様に、匂いに釣られて行って見ると其所では、エプロンドレスを着たルナが大鍋の前に立っている。

「おはよう〜」
「あっカー君おはよう!」
「ルナちゃん、何作ってるの?」

そう言いつつカービィは湯気が立ち上る大鍋を除き込む。

「ひ・み・つ♪」
「え〜教えてよ〜」
「ダ〜メ、もう直ぐ出来るからワド君起こして来て♪」
「は〜い」

そうしてカービィはワドルディを起こしに行く、一方のルナは料理を盛り付け始める。

「起こして来たよ〜」
「ルナさん、おはようございます」
「おはよう、ワド君♪」

ワドルディがまだ眠そうな顔でルナに挨拶をする、するとルナはカービィとワドルディの前にお膳を運んでくる。 

「美味しそ〜♪」
カービィ達の前に運ばれてきたお膳には、ご飯・お味噌汁(豆腐とワカメ)・鮭の塩焼き・お漬物が乗っていた。 

「頂きます!!」

そう言いつつカービィとワドルディは料理を食べ始める、ルナはエプロンドレスを脱ぎ何時ものローブに着替え、後から食べ始める。
「美味し〜い」

カービィが満足そうな顔で呟く。

「ありがと♪」

ルナも自分の出来映えに満足しながらご飯を頬張るって居た。

〜〜数分後〜〜
朝ごはんを食べた三人は、しばらく休んだ後、ポップスターに帰るためテントを片付けていた。

「ふー、大変ですね…」
「仕方ないよ、早く片付けてポップスターに帰ろ♪」
ワドルディが呟くとカービィがテントの反対側から覗き込む。

「結構テント畳むのって大変ですね…」
「そうだね〜、ってワドルディ後ろ!!」

カービィがワドルディを見ると、後ろから青い光線が迫る、ワドルディもそれに気付いたが時既に遅く、次の瞬間ワドルディは氷漬けになって居た。

「ワド君、大丈夫?」
「間違えましたね…」

そう言って、赤いシルクハットとマントを来たネズミが降りて来る。
「貴方は!!」
「そう、私は…」
ルナが聞くと、ドロッチェは答える様に呟く。
「イチゴショートのおじさんだ〜♪」

ズシャァ!!

ルナとドロッチェが盛大に転ける、カービィは皆何で転けてるの?っていう顔をする。 
「違いますよ、私の名前はドロッチェです、カービィ君」

早くも立ち直ったドロッチェがカービィに教える。

「ねぇ〜何でワドルディを氷漬けにしたの?」
「それは貴方達が私の敵だからですよ!!行きなさいメカクラッコ!!」

カービィの真上に来た、メカクラッコから稲妻が落ちる。 

「ホーリーリフレクト!!」
咄嗟にルナが魔法のシールドを張り稲妻を跳ね返す、ドロッチェは反射された稲妻をテレポートでかわす。
「なかなかやりますね…」
「貴方もね!!」

そう言いつつ2人の魔導師は魔力を溜める。

「カー君、そっちお願い!!」
「メカクラッコ、カービィ君を頼みます」

そうして2人の魔導師は空高くに舞い上がり、カービィは何かをコピーしてメカクラッコに向かって行く…

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投稿日 : 2009/02/22(Sun) 04:06 
投稿者 : あおかび  

「でーきたっと☆」

紫色のローブの魔女が一息つくと、巨大な絵筆がキャンバスから離れた。
筆についていたマーブル色の塗料がべっとりと床に垂れたが、魔女はそれを気にも留めなかった。

「こんな所だけどうまく描けたわね。てゆーか自画自賛?」

ドロシアが立っているのは、かつてデデデ城自慢のアトリエだった場所である。
しかしその面影は、今では微塵も残っていない。

それはアトリエに限ったことではない。
デデデ城そのものが、この魔女の手によって歪められていた。
それは、陥落した城のある意味正しい末路と言えなくも無い。

無意味な装飾、無秩序な造形、無遠慮な色彩――――
今のデデデ城は、ドロシアの描く『絵画の世界』の一部である。
今の主は、デデデ大王ではなく魔女ドロシアなのだ。

しかし、デデデ城を取り込んだだけでは飽き足らないのか、
彼女はまる1日費やして、プププランドをキャンバスに描いた。
所々歪められたりデフォルメされた箇所はあるけれども、地域の配置は寸分たりとも狂いがなかった。

これだけなら特筆する必要も無いタダの暇つぶしである。
実際、ドロシアはこれの他にも意味の無い暇つぶしをしてきている。
それを全て述べよと言われた日には、百科事典の厚さに匹敵する書物ができるだろう。

それらの無意味な暇つぶしと、この『プププランドの絵画』が明らかに異なる点、それは――――
『役に立つか立たないか』という、ただそれだけのことである。

この絵画は、レーダーの役目を果たしている。
ゼロに敵対せんとする者は、赤い斑点でこの地図に描かれる。
対して、ゼロに味方だと認識されている者は、青い斑点として地図上に現れる。

このアトリエのかつての所有者であったペイントローラーも、
その弟子であるアドレーヌもこんな代物を作ることは不可能だ。
さすがは魔女ドロシア、といったところである。

そのドロシアはというと、完成した絵画をじっと見つめていた。
別にナルティシズムに溺れていたわけではない。
絵の出来に納得がいかないわけでもない。

「――ここ、なんでこんなに集まっているのかしらねぇ」

空にぽっかり浮かんでいる雲の中。
そこに赤い点が集まっていたのである。
1つや2つという数ではない。

「いかにもあやしいけど、まぁいいか」

面倒だから行くのやめ、とドロシアは思った。
しかし、幸か不幸か、ここである考えが浮かんでしまった。

現在、怪しい雲を除けば他に赤い斑点はほとんど見当たらない。
他にも3つ4つ集中している箇所があるにはあるが、雲の中はそれとは比べ物にならないほど真っ赤である。
おそらく、対抗勢力の大半がそこに集中しているのだろう。

――――つまり、今のうちにここを潰してしまえたなら。
後々あちこちへ動く必要はなくなるのである。
口うるさいネズミ君を、傲岸不遜に迎えることができるのだ。

「この私が描いたんだから、間違いなんてあるわけがないのよねー。
 ま、行ってみますか」

思い立ったが吉日、ドロシアはおもむろに新たなキャンバスを何枚か取り出した。
そこに兵として使えそうな物を適当に描き殴った。

描き終わったキャンバスから黒煙がたちこみ、それが晴れると描かれた物たちが現れた。
自らの意思はない、使い捨ての兵士である。
わざわざ伝えてあることと言えば、「侵入者は排除せよ」ということぐらいである。

「それじゃ、見張り頼んだからね♪」

そして、絵画の魔女はデデデ城を後にした。

◇◆◇◆◇

眠りの世界に浸かっていたフラービィは、ハッと目を覚ました。
我ながらすっきりしたお目覚めだと、寝ぼけた頭で考えながら。

けれども、まだ眠ってからそれほど時間は経っていないはずだ。
いつもなら、これぐらいで起きた時は頭に濃い霧がかかっているはずなのに。
どうしてこの時に限って、いやにはっきりと目が覚めているんだろう。

このところの不規則な睡眠に慣れてしまったせいだろうかと考えた途端、
心臓を握りつぶされた感じがして、背筋がぞっと凍えた。

「違う。そうじゃなくて。
 ――――そうだ。デデデを起こさなきゃ」

幸いデデデ大王はすぐそばで眠っていた。
悪夢がばらまかれているというのに、大層ご機嫌ないびきである。

いや、そんなことを考えている暇はない。
切羽詰った表情でデデデ大王の巨体を揺すった。

「起きて、デデデ! 早く、早く!!」
「……王様殺すにゃ刃物は要らぬ。部下が全員辞めればいい……。
 ――ん、フラービィ!? ハンマーが完成したのか?」
「ごめん、まだ完全には終わってない。でも、とにかく持って!」
「そんなに慌てて、一体どうし――――」


――――刹那、こちらを目掛けて光弾が飛んできた。


デデデ大王は手に持ったハンマーを反射的に振るった。
ジャストミートしたのか光弾は打ち返され、四方へ飛び散った後に爆ぜた。
鼓膜の破れそうな轟音と、エアコンのそれとは比べ物にならない熱風がフラービィを襲った。
思わず耳をふさぎ、目を瞑る。

それらが収まり、視覚聴覚が解放されたとき、
そう遠くないところで、紫色のローブの魔女がたたずんでいた。

「ドロ、シア…………」

魔女は、不気味な笑い声を響かせていた。

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投稿日 : 2009/02/23(Mon) 01:57 
投稿者 : 笹  

 木漏れ日差し込む広大な森の昼下がり。その一角は、普段の情景からは想像も出来ない
程の張りつめた空気に支配されていた。
 若干開けた空間の中央にそびえ立つ大樹、それを真っ直ぐに見やる、一人の人影と……
人影より若干後方に浮かぶ、一体のダークマター。
「ははぁーはぁーはぁぁぁー!何のことはぁぁなぁいぃぃぃ。ずいぶぅぅん、手こずらせ
 てくぅれぇたようだがぁぁぁ?あたぁぁまぁさぇつかえぇぇばぁ、たったふたりぃぃぃ
 の戦力ぅでぇぇも、かてるのだぁぁぁぁ!」
 鱗を持ったやや大型のダークマターから、やけに響く、騒々しい音声が発せられる。
「まぁぁぁったく、相変わらずコモォォォンどもは、乗り移ってあばぁれることしかでき
 んのだなぁ?!コマァァァアンドである私が来て、僅かよぉぉぉぉっかでチェェェェッ
 クメイトォォォではないか」
 ダークマターはここまで言うと、再びリズムの狂った笑い声をあげる。それに対し苦情
を述べる者は居ない。静かな森の一角に、その異質な爆音のみが響き渡った。
「もぉぉう、暴れる気も失せたかぁぁぁぁ?でぇぇは、きさぁまにトドメをさしぃ、この
 森をぉぉぉ、ゼロ様ぁの支配下に、置くとしよぉぉぉぉう。やぁれぇぇぇぇ!!」
 ダークマターのこの一声に、今まで完全に沈黙し、微動だにしなかった人影が一歩前に
出た。その周囲に、異様な冷気が集まり始める。
 ダークマターらと向かい合う寡黙な大樹、ウィスピーウッズは、その様子……うつろな
目をしたMr.フロスティが冷気を集める様子を見て、ここ数日の戦いのことを思い出して
いた。

 ここベジタブルバレーは、平和なプププランドの中でも、特に環境が落ち着いていてと
ても過ごしやすいため、弱い物が集まり、助け合いながら暮らしてきた場所だ。しかしそ
れ故に余り大きな戦力はなく、かつデデデ城からも遠いため、何かあると、それが侵略戦
であろうとも、奪還戦であろうとも、真っ先に戦場となってきた。今回の事件でも、最初
に敵兵が現れたのは、もはや何日前のことだっただろうか。
 しかし、今回は、いつもとは違った。長く続いた『謎の黒雲』の飛行を見て、みんなで
非常事態に備えてきた。何かあればすぐにウィスピーウッズの森に集結し、力を合わせて
身を守る。その備えをしてきた。
 実際、この作戦は上手く行ったと言える。随分長い戦いの日々だったが、サーキブルな
どの戦える者を筆頭に迎撃を行い、もし取り憑かれても近場の仲間がすぐに気付けできる
状況を作り、時には森の動物たちの力も借りて応戦する。傷つけば森の恵みで回復し、仲
間の多さを生かして、状況を立て直す。そう、今までになく、みんな頑張ったのだ。
 しかし、ほんの三日前、今まで小さな黒雲ばかりだったダークマターの中に、ひときわ
大きく、オレンジの鱗を持ち、質量を感じさせる一体が確認された。コマンド、と名乗る、
今自らと対峙するダークマターが現れたことで、戦況は激変してしまった。
 一日で状況を把握したコマンドダークマターは、翌日、森の主力の一人であったMr.フ
ロスティを襲撃し、部下の一体を乗り移らせると、助けるまもなく撤退した。そして更に
翌日、コマンドダークマターはMr.フロスティに命じ、森を一角から手当たり次第に凍ら
せ始めた。冷気は、生命の体温を奪い、体力を削ぎ、活動する力を失わせる。森に生きる
動物も、森を支える植物も、冷気にはとても弱かった。丸一日で、戦線は崩壊してしまっ
た。今も、コマンドダークマターら背後の森には、痛々しい爪痕が見えている。

 これまでなのか。ここで敗北したら、またあの時のように、怒り我を忘れて、暴れ回る
ことになるのだろうか。その時果たして…またハートスターを集めてくれる英雄は、現れ
るのだろうか……。
 Mr.フロスティの前に、大きな氷塊が現れる。ウィスピーウッズは力はあるが、動きが
鈍い。防御手段にも乏しい。遠距離攻撃をすれば楽に倒せる……これもまた、作戦だった。

  ガサガサッ

「「「父さーーーん!!」」」
 不意に、ウィスピーウッズの背後の茂みが大きく揺れ、3つの、ウィスピーウッズと比
べたら苗木と称しても問題ないような小さな木が飛び出してきた。
 Jr.…?!絶対に出てくるなと言ったのに!
「なぁぁぁんだぁ?おまえぇぇぇらぁぁはぁぁぁ」
 コマンドダークマターは小さな乱入者を怪訝そうに睨み付ける。状況が変わったためか、
Mr.フロスティの動きが停止した。
「父さんは、この森の守り神なんだ!」
「絶対に、居なくなってはならない存在なんだ!」
「僕たちが守るんだ!」
 3つの苗木、ウィスピーウッズJr.達は、コマンドダークマターに対峙し、声を張り上げ
る。その枝は小さく小刻みに震え、目には涙が光る。それでも、しっかりとお互いの枝を
絡ませ、バリケードを作った。
「ふぅはぁーははぁーはぁっははぁぁー!わらぁわせるぅ、おまえらぁぁごとぉきに、な
ぁにができぃぃるというぅぅのだぁ!!」
 コマンドダークマターが、三度騒音を放つ。ウィスピーウッズは無言のまま、自らの根
で、Jr.達の前に大きな壁を作り出した。
「くくぅくぅ、そのねぇぇぇがぁ、おまぁぁえの一部であぁぁぁることぉは、知ぃぃぃっ
 ているぞ!的ぉぉが大きぃぃくなったぁ。Mr.フロォォスティ、やぁってしまぁえ!!」
 この一言に反応し、動きを止めていたMr.フロスティが動き出す。抱える氷塊の大きさ
はすでにダークマターサイズに匹敵し、後は投げるだけの状態だ。ウィスピーウッズの根
に、力がこもる。

  ガサガサッ

 今度は上から葉の揺れる音が聞こえる。コマンドダークマターはリンゴが降ってくる物
と思い、上に向き直した。ウィスピーウッズも何事かと上を見上げる。落ちてきた物は赤
いリンゴではなく、水色の金属塊。しかも自然落下より速い速度で…下方向に加速して降
ってきたため、両者共に反応が遅れる。

  タンッ

 水色の金属塊はそのままMr.フロスティの脳天に直撃し、Mr.フロスティは大きくバラン
スを崩して、仰向けに転倒した。その頭から、黒い雲状のダークマターが噴出する。水色
の金属塊は地面に一瞬接地すると、再びMr.フロスティの頭上に跳び戻り、黒い雲を横一
文字に切り裂いた。
「な、なぁぁぁにぃぃぃ?」
 リンゴの迎撃にと鱗爆弾を構えていたコマンドダークマターは、体制を立て直し、状況
把握に勤めようとする。
「貴様らは、思っていた以上に、どこにでも湧くんだな」
 しかし、自分の上に水色の金属塊、ブレイドナイトが乗っていることに気付いた時には、
ブレイドナイトの持つ淡い光を放つ長剣が、体を上から下へ真っ直ぐに貫通していた。

 漸く、森が静かになった。

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