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小説の中へ [11]



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投稿日 : 2009/02/24(Tue) 01:01 
投稿者 : ヨツケン  

「ビィーム!!」

カービィの杖から鞭状のビームが発生しメカクラッコの目に当たる、しかし目にビームを受けてもメカク
ラッコは一切怯まずにカービィに突進してくる。

「うわっ…と」

いきなりの反撃に驚きつつもカー
ビィは真上に跳び、過ぎて行くメカクラッコの後ろからビームを放ち、地面に降り立ち呟く。 

「ルナちゃん…大丈夫かな…」

――――

「水よ…彼の者を貫け、アクア・バレット」

ルナが呪文を唱えると何処からか水が湧き、弾丸と成ってドロッチェに遅い掛かる。

「フフフ…」

ドロッチェは少し笑うと、テレポートで水の弾丸をかわし、ルナの後ろに回るとステッキを振り、3つの星を飛ばす。

ヒュヒュヒュン…
「キャア!!」

3つの星の急襲を受け、
少女が痛みに声を上げる。

「フフフ…もう終わり
ですかな?」
「くっ、強い…」

体制を立て直し、少女が魔力を溜め無数の雷の矢を放つが、全てドロッチェに避けられる。

「次は此方の番ですよ…」

そう言うとドロッチェはステッキを構え、アイスビームを放つ、ルナは咄嗟にシールドを展開し、身を護る。

「くっ、此処で負けるわけには…」

ルナが胸元のペンダントを強く握り締め、呪文を唱える。

「ノヴァを導きし七つの星の光よ…闇を滅する為…その偉大な光を放たん…」

少女の周りに7つの星形の魔力が生まれ、ドロッチェを取り囲む。

「これは…ヤバい!!」
「セブンス・ブレード!!」

ドロッチェがテレポートでかわす前に、星形の魔力が剣の形になりドロッチェに全て突き刺さり爆発を起こす。

「勝った…かな?」
「やりますね、私がここまでダメージを受けるとは…」
「!!!」

爆発の中からドロッチェが現れる、全身怪我が有るがまだ気迫は消えて居ない。
「今日の所は退くとしましょう、でも次は…」

ドロッチェが指を鳴らすと、ドロッチェの姿が消えて気配も無くなる。

「私は負けるわけにはいかない…あの黒髪の男を倒すまでは」

「ルナさ〜ん」

ワドルディとカービィが走りよって来る
、後ろの方にメカクラッコの残骸が見える。

「ドロッチェは?」
「帰ったよ、私達も早くポップスターに還りましょ!」
「うん♪」

そして、3人は
ワープスターに乗り込みポップスターを目指す。


――――――――――――――――――――――――――
ロロロとラララの前に黒い剣を持った騎士の様なダークマターが現れる。

「誰だお前は!!」
「オ前達ガ、ロロロ・ラララカ…」

そう言ってそのダークマターはロロロ達に剣の先に溜めたエネルギーをぶつける。

ズバァァン!!
「うわぁぁ!!」
「フン、弱イナ…」

2つの球体が倒れたのを確認すると、ダークマタ
ーは何処かに飛び去る。

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投稿日 : 2009/02/24(Tue) 18:59 
投稿者 : tate  


 雲の隠れ家を飛び出したクラッコは、Mr.ブライトとMr.シャインが担当する、レインボ
ーリゾート辺境のツンドラ地帯にまっすぐ向かった。

 彼の息子は、Mr.ブライトとMr.シャインを呼びに向かったまま、一向に帰ってきていな
かった。
 あの子は生真面目だ、クラッコは空を飛びながら息子のことを思う。
 故にデデデ大王の指示に、頑なまでに忠実に従っているのだろう。Mr.ブライトとMr.シ
ャインが再配置され、既にクラッコJr.が二人をデデデ大王の元に連れて行く必要がなく
なっているのに、だ。
 Mr.ブライトとMr.シャインは、デデデ大王配下の中でも屈指の戦闘力を持つ。Mr.ブラ
イトはがさつでいい加減なところもあるが、Mr.シャインならばクラッコJr.を守ってくれ
るだろう。だからこそ、心配で眠れない日々を過ごしながらも、クラッコJr.の帰還を雲
の隠れ家でまんじりと待っていたのだ。
 それが……Mr.ブライトとMr.シャインが空の統制が出来なくなる程の窮地に陥ったと聞
き、もう我慢は出来なかった。

 そして、Mr.ブライトとMr.シャインが陣を敷くツンドラ地帯にものの数時間で急行した
クラッコは、薄明かりが照らし出す中、凍れる大地に無残に転がるポップスターの住人達
の姿を見た。
 大地のあちらこちらは焼け焦げ、大きな傷跡が穿たれている。激しい戦闘があったこと
は容易に推測できた。わなわなと震えながら、クラッコはMr.ブライトとMr.シャイン、そ
して息子の姿を探す。
 程なくして、クラッコは大地に横たわるMr.ブライトを、次いでMr.シャインの姿を見つ
ける。Mr.シャインの方が、クラッコの気配を察知したのか僅かに顔を上げた。
「ああ……クラッコ……」
「ブライト、シャイン! これは一体……」
 Mr.ブライトはピクリとも動かない。平素彼が体に纏っている炎が、今は全く見えてい
ない。
「申し訳ない……ダークマターの大群に紛れて襲ってきた太刀使い達を捌ききれず、この
有様……ううっ」
 Mr.シャインが切れ切れに状況を説明する。Mr.ブライトに比べ、Mr.シャインの方は傷
が浅い。「敢えて私には、致命傷となる攻撃を与えなかったように思えます」とMr.シャ
インが言った。
「シャイン――私の息子はどうした」
「クラッコ君ならば、随分前に雲の隠れ家に向かわせましたが……あっ! ちょっ!!」
 Mr.シャインの言葉を聞くや否やクラッコは向きを変えると、ばひゅーんと雲の隠れ家
に向かって飛んでいった。
「ちょっ……私達は置き去りですか……」
 依然としてひっくり返ったままのMr.ブライトを一瞥し、Mr.シャインは嘆息した。


 その頃、クラッコJr.とウィズ達は――

「えーJr.君、本当にこちらの方向であっているのかな?」
「ええと……そのはずです……」
「しかし、私達はもう何日空を彷徨っているのだろうね」
「あうぅ……確か、こっちにまっすぐ行けばお父さんのところに帰れるって、シャインさ
んは教えてくれたんですけど……」

 空の上で迷子になっていた。

 クラッコJr.にとっては、慣れないツンドラ地帯からの帰り道。Mr.シャインが示してく
れた道を外れてシャドーを回収したせいで、方向がわからなくなってしまっていたのだっ
た。
 道に迷ったことはウィズにもわかるのだが、だからといってウィズが雲の隠れ家の場所
を知る由もなく。そして方角を聞いた程度では、鏡の国の住人であるウィズに当りがつく
わけもなく。
 二人はふよふよと蛇行しながら空を飛んでいたのだった。
「あうう……どうにかしないと……うう、ごめんなさい…………」
 クラッコJr.の語尾が風にかき消されていく。すっかりしょげ返ったクラッコJr.に、ウ
ィズは優しく声を掛ける。
「下手に動くより、ここから君のお父さんに連絡を取った方がいいと思うけどね。何かそ
ういう手段はあるかな?」
 ふるふる、とクラッコJr.は目に涙を溜めながら、体を横に振った。
「ううーん……どうするかなぁ。空の様子もおかしいしねぇ」
 ウィズは蛇行する月と太陽を一瞥し、「さてはて困ったねぇ」とステッキをくるりんと
一回転させた。


 その後、クラッコJr.達は、ツンドラ地帯から鬼の形相で飛んできたクラッコに無事回
収されるのだが、それは彼らが暗転を繰り返す空の一点で待機することを決めてから、半
日以上経ってからのことだった。

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投稿日 : 2009/02/26(Thu) 04:39 
投稿者 : guri  


 月の光がゆらゆら揺れる。太陽はどうやら星の裏にいるらしい。仮初めの夜、カーテン
に燃え移った火が部屋を煌々と照らしている。雲で出来た壁が、シューシューと音を立て
水蒸気を発生させていた。
「ドロシア……こやつがあのドロシアなのか」
 デデデ大王は口を動かしつつも、視線はドロシアを見据えていた。以前プププランドを
襲った災厄の一つ、その首魁の名がドロシアであった。呆れる程平和なプププランド、看
板に偽りありかもしれない。
「うん、見た事あるから間違い無いよ」
「クラッコは何しとるんじゃ……まったく」
 デデデ大王が毒づく。外の警護は彼に任せていたハズだ、雲の世界における特権を考え
れば、侵入者などすぐに気がつくはずであった。だが、とうの昔にお空の彼方へすっ飛ん
でいったのを、デデデ大王はまだ知らない。
 とはいえ今は眼前の事態に対処せねば、と。ハンマーを握り直す。不穏な闖入者は紫の
ローブを身に纏い、同色のマフラーで顔を覆っている。深々と被った山高帽から、黄金色
の髪がサラリと覗く。その表情は窺い知れないが、隙間から覗く赤い目は二人を品定めし
てるようにも見える。
「フラービィ、コヤツはどんなヤツだ」
 と、小声で尋ねる。
「ペイントローラーが、無茶苦茶強くなったようなヤツだよ!気をつけて!!」
 簡潔に明瞭に、フラービィがアドバイスを送る。
「成る程、、ならば……」

――時間を与えるだけ厄介になるっ――

 ハンマーを握る手に力を込め、轟然とドロシアに突進する。それに呼応するかのように
ドロシアが巨大な筆を振るう、筆の先端が陽炎のように揺らめいたかと思うと、黄色に変
化し空中に一条のラインを描きひいた、さらに跳ねるように後退しつつ、二条三条と描き
加えてゆく。湾曲した刃は黄色に水色に薄く輝き、デデデ大王の前に縦横無尽に立ち塞が
った。
「ぬるいわぁ!!」
 裂帛の気合と共にハンマーを振るう。刃が乾いた音を立てて砕け散り、砕けた破片が液
体と化し床に小さな湖を作った。一本また一本と刃を砕きドロシアに迫る、五本程砕いた
ところで、ドロシアの背に壁があたる。くっ、と小さな呻き声が漏れたのは気のせいだっ
ただろうか。
「もらった!!」
 これ以上何か描かれる前に終わらせる!デデデ大王は大きくハンマーを振り上げ――
「デデデ!避けて!!」
 フラービィの悲鳴のような叫びが響く。とっさにハンマーの軌道を捻じ曲げる、重さで
よろめき思わずたたらを踏む。よろめいたその瞬間デデデ大王に激痛が走る。なんとか地
を踏みしめ向き直ると、絵の具の湖から翠の茨が幾重にも生えていた。左腕がローブごと
茨に貫かれている、フラービィの警告が無ければ身体ごと貫かれていただろう。茨を血が
伝い、顔が苦悶に歪む。

「……ちぇー、バレちゃった。いいアイディアだと思ったんだけどナー」
 相手の戦闘能力の喪失を見て取ったのか、ドロシアが口を開いた。
「ま、それなら動けないでしょ。先に邪魔したおチビちゃんを捕まえるとしますか」
 そう言い、フラービィの居る方へ歩き出す。
「ドロシアよ……お主、デデデ城を変化させた者だな……?」
 茨から腕を引き出すには時間がかかる、ハンマーも届かない。そのような状況でとった
手段は口だった。
「ん?そーよ、いい城で気に入ってるわ。もっとも、変なペンギンの絵がかかってたのは
ダサかったケドね」
「ダ、、ダサッ!?」
 デデデ大王の表情が痛みとは別の意味で歪む。
「……って、あー!!」
 ドロシアが唐突に破顔する。
「もしかして大王?あの城の持ち主?やったーやったー、いきなりチェックメイトじゃ
ん?」
「だとしたら、どうする……」
 ドロシアはうきうきと喜ぶと、筆を素早く振るい出す。
「そうと解れば、キッチリ始末つけないとねー、どんなのがいいかなっ」
 あっという間に、空中に荘厳な剣が描きだされる。ハンマーの届かぬ距離からこれを飛
ばすつもりなのだ。
「そぉねぇ……く、し、ざ、し。華麗でしょう?」
ジャーンと言った格好で、両手を広げドロシアが微笑む。
「……貴様如きに城はやれんなぁ」
 デデデ大王がフラービィを一瞥し、残った右腕でハンマーを構える。
「お主とワシどちらが丈夫か……

 勝負じゃ




   刹那

 部屋の半分が灰燼と帰した――












 夜のしじまに波音がさざめく。雲の隠れ家直下、グレープガーデンの海辺にそれは打ち
上げられていた。
「「おの、、れ、このままじゃ済まさないわよ・・」」
濡れたローブの塊がうにょうにょと蠢く、紫のローブの中には金髪の女性……ではなかっ
た。色とりどりの絵の具が球体となり、サイケデリックに混ざり合っている。だが決して
一色に混ざりきることなく、ひたすら攪拌されている。
 傷つき、人型を保てなくなったのだ。
「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!」
 陽気な掛け声と共に、ボールに乗った小さなピエロが現れた。
「「マルク・・?」」
 マルクと呼ばれたソレは、オシャレな革靴を履きこなし、頭には、赤と青の派手な二股
帽子をかぶっている。
「「なんで貴方がココに・・?ノヴァの探索に出てたハズじゃ・・・」」
「ノヴァはもう壊してきたのサ、これから報告に行く所なのサ」
 マルクはあっさりと言放つ。
「「さ、、流石ね。丁度いいわ、私をゼロ様のところへ連れて行って・・」」
「……お断りなのサ」
「「え・・」」
「ボク達はカービィに負けて力を失った。そこをゼロに助けられて、だからゼロの為に働
いている……でもね、そんなのはまっぴらゴメンなのサ」
 陽気な雰囲気はそのままに、言葉の端々に狂気が帯びる。
「ゼロもカービィも倒し、全部ボクのものにするのサ」
「「なっ・・」」
「その為には力がいっぱい必要……、キミの力も貰うのサ」
 ニヤリと嘲うと、マルクの身体が二つに割れる。割れた体の中から漆黒の空間が出現す
る。それはドロシアが抵抗する暇も無く、悲鳴ごと吸い込んだ。
 マルクは割れた鉢を何事も無かったかのように繋ぐと、ボールに乗り無邪気に歩き出す。
「これでノヴァもドロシアもボクのもの! ま、ゆるしてちょーよ」

    ほっほっほっほっ


 マルクの高笑いが海原に木霊した。

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投稿日 : 2009/02/26(Thu) 23:40 
投稿者 : tate  


 ぱちくり。
「あなたは誰ですかぁ〜?」
「うわぁ!!」
 海原に向かって高笑いをぶちかましていたマルクの背後に、ダークマターが一体浮かん
でいた。
「ななな、何なのさキミは!」


 それより少し……いや、かなり前のこと。
 ツンドラ地帯の防衛ラインを崩したチナツとビュートは、オレンジオーシャンに向かっ
ていた。オレンジオーシャンを襲撃するためではない。
 というのも――

「……そろそろ人間らしいものが食べたい」
 チナツは焼き魚の串を手に、ぼそっと言った。
「何だ、魚は人の食べ物ではないのか」
 ビュートはチナツを軽くあしらいながら、手にした焼き魚を黒丸の前に差し出した。
「ありがとうございますぅ〜」と礼を言い、黒丸は空に浮いたまま器用にビュートの手か
ら焼き魚を食べている。
「そうじゃなくて! こんな野営生活じゃなくて、暖かいベッドで寝て美味しいご飯が食
べたいの!」
 ゼロ配下であるチナツにとって、彼らの拠点はあまり快適ではなかった。それにどこか
の拠点の侵攻に出かければ、その道中はずっと野営をするしかない。「食料なんて現地調
達だ」とビュートが適当な獲物を狩ってくるので、飢えこそはなかったが、それ以外は何
もかもが不満だった。
「そういえば、ここに来る途中に街を見かけたんだけど、そこに行ってみない?」
「街……オレンジオーシャンのことか」
「アンタの服もボロボロでみすぼらしいことだし、いつまでもそのままでいるわけにもい
かないでしょ?」
 チナツは視線をビュートに向ける。Mr.ブライトと戦ったときのままの、焼け焦げた服
を彼は相変わらず纏っている……他に着る物もないからなのだが。そして服から除く腕や
体には、包帯がぐるぐるに巻きつけられていた。
 敵情視察か、とビュートが呟く。
「それも悪くはない」
「でしょでしょ? じゃあ行きましょ!」

 オレンジオーシャンの街並みが見えてきたところで、二人は最寄の森でワムバムジュエ
ルから降りた。
「これから我々は情報を仕入れてくる。黒丸、お前は街の外の様子を見てこい。それが終
わったら、ここに戻って来い。ワムバムジュエルはここで待機だ。私の指示があるまで動
くな」
 ビュートが指示を下し終えるのを待って、チナツは街に向かって歩き出した。


 カプセルJの修理のためにやってきていた一行は、オレンジオーシャンで無駄に足止め
を喰らっていた。
 カプセルJのメンテナンスなぞ、ものの数時間で終わるだろうと、作業が終わるまで待
っていたのだが、一日経っても二日経っても終わる気配がない。一度隠れ家に戻ろうか、
という話も出たが、戻っている間にメンテナンスが終わっても……という話になり、何と
なく帰還するタイミングを逸し、ズルズルとオレンジオーシャンに滞在している。
「そろそろ一週間か……」
「ですね……」
 そんな会話を交わしながら、カプセルJを除いた三人は、すっかり馴染みになってしま
った大衆食堂の暖簾をくぐる。相変わらずの喧騒が耳に入ってくる、今日も随分と混んで
いた。
 安い、ボリュームたっぷり、味はそこそこ、というこの大衆食堂は、オレンジオーシャ
ンの街でも有名処で、特に身銭の乏しい人々に人気があるのだそうだ。日替わりメニュー
の他に、定食のメニューもやたらとバリエーションがあり、一週間通い詰めの彼らも制覇
仕切れていない。
「今日は席の空きがないですね」
 ジャベリンナイトが周囲を見回す。と、「あそこが空いています」と隅っこの席を指差
した。そこには既に二人、人が座っていたが、三人が並んで座れるだけの椅子が空いてい
た。
「合席になってしまいますが」
「ま、いいんじゃね?」
 トライデントナイトが先客の元に、てくてくと歩み寄る。先客は、オレンジ色の髪が眩
しい少女と、眼鏡の青年の二人組みだった。少女の方が顔を上げた。
「なあ、合席してもいいかな?」
「全然。構わないわよ」
「おう、すまんな」
 かくして、トライデントナイト達は不思議な二人組みと同じテーブルで食事を取ること
となった。

「バル艦長、それは何定食だ?」
「ええと、お袋の手料理定食ですね。サトイモの煮っ転がしが大変美味しいですよ」
「ジャベリンは?」
「焼肉定食だ」
「昨日もそれだったじゃねーか。にしても、これだけのボリュームがこの値段とは、大し
た大盤振る舞いだぜ。こりゃ噂の人気店になっても仕方ないな。アンタらもそういう噂を
聞いた口だろ?」
 トライデントナイトが、対面に座る少女達に話しかけた。
 軽装の割にしっかりとした布地の衣服を纏った二人は、きっと外からの旅行者に違いな
い。こんなご時勢に旅行というのも不思議な気はするが、オレンジオーシャン土着の人間
はほとんどいないのだから、外部から流れてきた者には違いない。
 そうよ、と少女が会話のキャッチボールを受けてくれた。
「アタシ達もその噂を聞いてきてみたんだけど、まあそこそこいい感じよね。なんといっ
ても安い!」
「支払ったのは私なのだが」
「うるさい! 私だって円が使えれば払えるって言ったでしょ!」
「だから、『エン』とはどこの通貨だと言っているだろう」
 黙々と食事を口に運んでいた青年が口を挟んできた。
 トライデントナイトは改めて眼鏡の青年を眺める。服から覗く腕に見える包帯、腰に差
している二本の刀、一見細身には見えるが発達した上腕筋に大胸筋という見てくれからす
ると、青年も得物を振るってダークマター達の襲撃に抵抗しているのだろうか。
「なあ、アンタ」
 青年が視線をトライデントナイトに向けてきた。
「アンタ、その怪我や腰の刀を見る限り、アンタもダークマター達と戦っているクチ……
なのか?」
 食事を口に運んでいた青年の手が止まる。まんじりとトライデントナイトを凝視してい
たが、「そんなところだ」と一言答えた。


「アンタ酷いね」
 チナツは大衆食堂から外に出ると、一歩先を行くビュートに向かってそんなことを言っ
た。
「アイツら、アタシ達が敵側だって知ったらきっと動揺するよ」
 そのトライデントナイト達はまだ食堂で腹を満たしている。
「それがどうした。大体、嘘は吐いていない」
「ダークマター達と戦っている……確かにそうだけどさぁ」
 それは言葉の綾ってやつでしょ、とチナツは思ったが、ビュートに突っ込みを入れたと
ころで豆腐にかすがいである。
 それに根掘り葉掘り突っ込んで彼の逆鱗に触れ、オレンジオーシャンを廃墟にしてやる、
と言い出されても困る。黄昏の空の下に広がるこの街は、チナツにとってはそれほど居心
地の悪い街ではなかったし、虐殺の手伝いをさせられるのは……やはり気が引けた。
「この街には大した力を持つものはいないようだ」
「どういうことよ」
 青年が足を止めた。そして徐にチナツの方を向いた。
「ここで潰した方がいいと思われる力を持つ者はいないと言ったのだ。魔力に秀でた者の
有無まではわからないが。安心したか?」
「な、何でよ!?」
「露天商と親しくなっただろう」
 大衆食堂のことを教えてくれた青果を売っていた露天商のことだ。人好きのする優しい
性格の露天商に、ビュートの刺さるような視線と戦いながらも、チナツは長時間話し込ん
でしまったのだった。
「時間の無駄だったとでも言いたいの!?」
「逃げ惑う顔見知りの背を撃つことが出来るのか?」
 痛いところを突かれた。チナツは奥歯を噛み締める。顔見知りでなくても、無抵抗の者
を手に掛けることなどできるだろうか。
「この街で戦闘が起これば、一介の民草など呆気なく死ぬ。流れ弾で死ぬことだって有り
得る。その度にいちいち動揺されていては、足手纏いだ。割り切れることが出来ないのな
ら、不必要な縁は作るな」
「アンタだって」
「私が何だ」
「躊躇ったりとかは」
「これ以上堕ちることはないからな」
「どういう意味よ」
「私が最初に斬った人は養父だ」
 一方的に会話を打ち切ると、ビュートは踵を返し、街の外に続く街道の雑踏に紛れてい
ってしまった。


 慌てて向きを変えたマルクは、ぷかぷかと浮かぶダークマターを見遣った。
「私は黒丸ですぅ〜、ダークマターですぅ」
「いや、それは見ればわかるのサ」
「何かが空からこの辺に落ちたのでぇ〜、見に来たんですぅ〜」
「ふーん」
 マルクは考える。
 もっと力が必要なのサ。でもダークマターなんて取り込んでも、ボクの力にはならなさ
そうなのサ……
「って、そろそろ戻らないとぉ〜。ピエロさん、それじゃまたですぅ〜」
 黒丸と名乗ったダークマターは一方的に捲くし立てると、ぴゅーんと空の彼方に飛んで
いった。

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投稿日 : 2009/02/27(Fri) 23:56 
投稿者 : フラービィ  


襲撃後の雲の床や壁は黒く煤け、所々に赤い血や、マーブル模様の染みが付いている。
部屋の中の物はほとんどが吹き飛び、汚れさえなければ引っ越した直後の部屋さながらであろう。
「こんな状況でそんなことまで考えられる僕って一体……」
そんな部屋の中で、一つの大きな影がゆっくりと動いている。デデデ大王を背負った、フラービィだ。
部屋の半分ほどにしか爆発の被害が及ばなかったらしく、フラービィは難を逃れたらしい。
運動が苦手、ゆえに筋力の無い彼に、デデデ大王の巨体が重くのしかかるが、
それでもゆっくりと部屋の出口に移動していく。
その時、部屋の扉が勢いよく開き、多くのヒトが流れ込んできた。彼らの顔には不安と驚きが表れている。
「……遅すぎるよ。もう少し早く来てくれてもいいじゃん」
「すみません。それより、この惨状は一体……?」
「デデデの介抱を手伝ってくれるなら話してあげるよ」

雲の広間でデデデ大王の手当てをしつつ、フラービィが襲撃の経緯を話す。
「……では、そのドロシアという者は何者なんですか?」
「絵画が意思を持ったやつ……だったと思うんだけど。何で復活したのかな、しかもこんな時に」
その場にいた数人が不思議そうな目でフラービィを見つめる。
「どういった意味ですか?」
やっと一人が声を上げた。
「ドロシアは一度、カービィに倒されて元の絵画に戻ったはずなんだ。はずなんだ……けど、
 うん、やっぱりおかしい」
「一人で納得してないで全員に説明してください」
「んーと、説明すると長くなるから、ちょっと一呼吸置かせて。あと、みんな手が止まってるよ」
自分だって止まっているくせに、とその場にいるほとんどの人が感じたことは言うまでも無い。
無論、そのことにフラービィが気付かないわけも無い。が、そんなことはお構いなし、と言った感じで話し出す。
「まず、ドロシアが襲撃してきたのは二つの意味でおかしい」
「二つ?ドロシアの復活だけではないのか」
即座に群衆の中から一つの声が上がり、そうだそうだと賛同する者が次々に現れる。
「あのさ、ここってどこだかわかってる?雲の上だよ?しかも雲の世界は絶えずクラッコが見張ってる。」
「成る程。雲の上側の存在に敵が気付くはずが無いわけか」
「そういうこと。ドロシアが復活したことと、ここに感づいたことの二つが変だってわけ」
周囲から驚きの声が上がる。それを聞いてかフラービィの顔には少し笑みが表れていた。
「で、話を続けるけど、ドロシアがここに気付いたことは置いておくとして、
 ドロシアが復活したこと。これについて、実は仮説を立ててみたんだ。聞きたい?」
聞きたい、と周りが異口同音に言う。
「ゼロが今完全な状態にある、って言うのが大前提なわけだけど、ゼロが復活させたとしか考えられないんだ。
 ゼロが何を考えているのかはわからないけど、何をするにも人手がいる。
 人手って言ってもダークマターだけじゃ不十分。ダークマターじゃ普通は夢の泉の周囲にすら近寄れないから、
 スターロッドの破壊とかは不可能。ならば、他の生物とかを傘下に入れるほかは無い
 それでもって――」
何時まで続くのかと目を中に泳がせてる者や船を漕いでいる者もいるが、
熱心に聞いてくれる者もいるのを見て、自論の発表中ながら、フラービィは
若干ながら安堵の表情――不満そうな影が見えるが――を浮かべた。
「うん、長ったらしくなっちゃったね。ゴメン。
 でも、言いたいことは、ドロシアはゼロの部下になったかもしれない。
 そして、ダークマター以外の敵もいる可能性がある。この二つは覚えておいて」
さーて、手当てに戻ろうか、とどこからか声が聞こえて、その言葉が発端となりほとんどがデデデ大王の手当てに戻った。

「ここは、まだ大丈夫なんでしょうか」
フラービィの近くのワドルディがぼそっとつぶやく。休憩中の出来事だ。
「多分大丈夫。ドロシアしか来なかったし」
「それじゃ、他の敵が来る可能性だって――」
「今回ドロシアしか来なかったのは、ドロシアしかこの場所を知らなかったから。
 当のドロシアは逃げちゃったから、今後はどうなるかはわからないけど、
 少なくとも、今日明日で襲われることは無いと思うよ」
一日の概念が崩れちゃったけどね、と付け加える。
この部屋から見える外には雲以外何も無く、今は丁度太陽も月も見えない位置にあるようだ。
「ところで、クラッコはどこに行ったの?」
そのワドルディの声は、少なくとも周囲のヒトには聞こえたらしく、しかもそのヒトが、
クラッコが不在だということを広間にいる全員に言ってしまった。
フラービィは思わずため息をつく。あえて言わないようにしたのに、と誰にも聞こえないほどの声で呟いた。

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