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小説の中へ [2]



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投稿日 : 2008/11/19(Wed) 20:42 
投稿者 : guri  


ギィンッ
岩盤に鍔迫り合いの音が木霊する。
「そんな刀でよく戦えるな」
「ウィスピーウッズから授かった名刀さっ」
そう言いつつ、水色の剣士は地面を蹴った。


遥か、遥か上方で音が聴こえる。

ココチヨイ……

マジルテの奥深く、神秘の迷宮と呼ばれる場所で彼は聴いていた。
ブレイドナイトとビュートが、地底の木々で戦っている音である。
だがそれは彼には関係無い事だ、剣戟の音すら響かぬ水晶の迷宮で、
殺意のぶつかる音だけを楽しんでいた。

イイネイロ……♪

彼はゼロによって生み出された、数多いる部下の一人。
球体型のダークマターである。
彼はダークマターとしての本能のままに、
本隊から離れ、ふよふよと奥深くまで迷い込んだのだ。

地表近くの殺意も惹かれるものがあった、
だがどうせ、衰弱している体では何も出来やしない。
何より地底の奥深くで蠢く絶望が気になった、行ってみよう。
仲間はまだ眠っている、今のうち今のうち、そう思いながら。

ドコカナ……

煌く水晶が花のように咲いている。
横倒しになって転がっている宝箱の側にソレは居た。
「…から……た、から……」
宝箱を小さな岩型の手が、ひっしと抱きしめている。
虚空に浮かんだ顔が、やつれた表情で涙を流している。
「わしの…たから……なくなった…」
それを見付けた一つ目が、かすかに微笑んだ。

ミーツケタ……

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投稿日 : 2008/11/20(Thu) 06:02 
投稿者 : フラービィ  


発光物質でも存在するのか、地下でありながら明るい世界。昼夜の概念もないに等しい。……普段は、だが。
刀同士が打ち合う音が何度も木霊する。両者とも互角の戦いだ。が、不意にその均衡が破られた。
小太刀が水色の硬い鎧の隙間を切りつけた。鮮血が小太刀を、鎧を赤く染める。
「ぐっ……」
少しバランスを崩すも、それでも尚切りかかろうとする。が、首元に太刀を突きつけられた。
「もう一度だけ言おう、この地から立ち去れ」

「オト、ヤンダ……」
宝を抱きしめていた手の持ち主――ワムバムロックのことだ――に取り付き、上からしていた音に聞き入っていたのだが、
その音が不意に止んだことに、少しばかりの悲しみを覚えたようだ。憑依しているからこそである。
その後しばらくは岩が落ちる音などがその空間に響いた。好奇心の赴くままに様々な事を試しているようだ。
「キニイッタ……」
口調はまだ直っておらず、他のヒトが来たらばれるであろうが、とりあえず今の状況に満足したようだ。

「もう夜か……」
何とか地下から脱出できたが、辺りはもう暗くなっていた。未だに地下からはダークマターが飛んでは、
様々に散っていく。
簡易的に止血をし、ジャングルから離れる。
「次は絶対に、勝ってみせる……!」

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投稿日 : 2008/11/21(Fri) 03:08 
投稿者 : tate  


 ブレイドナイトは鎧に飛んだ血糊をふき取り、腰から下げた木刀を一瞥すると舌打ちを
した。
 洞窟『マジルテ』に眠るという伝説の剣――
 そんな噂を聞きつけた彼は、それを新たな得物とすべくマジルテにやってきたのだった。
しかし目標を達成するどころか、伝説の剣に迫る手がかりを一つでも手に入れることすら
出来なかった。
 洞窟の奥底から音もなく現れ、ポップスターの空へと消えていった無数のダークマター、
そして彼を容易く退けた二刀流の太刀使い。
 これまで通り、闇の眷属……平たく言えば、ゼロ達のことだ……とカービィ達の争いに
は我関せずのスタンスを貫いても良かったが、これまでと比較しても異常な事態に感じら
れる。何より、彼自身の目標を達成するためには、あの太刀使いが邪魔だ。
 短く斬り捨てられた兜の附物が夜風に揺れる。
 この一件、デデデ大王に報告しておいた方が良いだろう。
 顎に手を当て、しばらく考え込んでいたブレイドナイトは、すっと踵を返した。

 闖入者を撃退し、暗い窟の奥底に戻ったビュートは、側に現れた生命の気配に太刀を抜
いた。が、すぐにその気配の持ち主を解し、太刀を鞘に収めた。
「おおっと、おっかないね。一応は同属だ、斬らないでもらえるかな」
 手にしたステッキを小さく左右に振ったのは、ドロッチェだった。
 ビュートは眉根を寄せる。不快感を隠そうともしない相手を見て、ドロッチェは笑った。
「いやいや、申し訳ない。拠点ぐらいは結界を張っているものだと思ったのだが、全くの
無防備だったものだからね、テレポートで入ってきてしまったよ」
「……面妖な術を使う連中だ」
 ビュートは剣術には通じているが、ドロッチェが使うテレポートやアイスレーザーとい
った魔術は全く使用できない。ポップスターにやってくる際も、小型の宇宙船を使わざる
を得なかった身分としては、自身の手が届かない範疇で好き勝手振舞われるのは不愉快だ
った。
「お前は確か、ギャラクティック・ノヴァに連なる星々に向かったのではなかったのか。
本分を忘れ、ポップスターなどに現を抜かしていて大丈夫なのか?」
「これはこれは、なかなか手厳しい。だが我々のほうは首尾よく進んでいるよ。今も部下
達がフロリアでゼロ様に闇の力を送っているところだ。ビュート殿の方こそ大丈夫なのか
な?」
「……問題はない」
 ダークマター達が噴出している、闇に満たされた空間をビュートは見やった。ドロッチ
ェの視線も釣られて動く。彼らの眼前に在る闇の力は無尽蔵だ。
「ゼロ様から供給される闇の力、何処から送られて――?」
 ビュートが唇に人差し指を当てる。ドロッチェに対して、それ以上は言葉にするな、と
無言のメッセージを送る。
「確かに。我らが、主は何処から私達を見ているかは判らないというわけか」
 小さく笑うと、ドロッチェは「ではまた」と窟内から消えた。
(「ドロッチェめ……ヤツも忠誠心はさほど高くないようだ」)
 ふん、とビュートは鼻を鳴らすと、マジルテ内の哨戒に戻っていった。


 ところ変わって、こちらはバタービルディングを登っているカービィとフラービィ。
「……カービィ、一つ聞いてもいいかい?」
 目の前にあるピンク球にフラービィは問い掛けた。
「なぁに? フラービィ君」
「どうして僕らはバタービルディングを登っているの? 確かに、アイスクリームアイラ
ンドに黒い雲の手がかりは何もなかったけど」
 ぽふっぽふっと一段ずつ階段を登っていたカービィは足を止め、振り向いた。
「うーんとね、バタービルディングはこの辺りで一番高い建物なんだよ」
 そうだろうね、とフラービィは頷いた。
「だからね、黒い雲の手がかりを探すにはちょうどいいと思うんだよ。空から見れば辺り
一面も見られるし」
「うん。でも上空から地上を見るだけなら、こんな苦労をしなくても何か別の方法がある
と思うんだけど」
「例えば〜?」
 カービィが何処にあるかイマイチわからない首を傾げた。フラービィは自分が知る知識
の中から、二人が一緒に行動できて、かつ上空からポップスターを一望できそうな手段を
考える。
「そうだなぁ……空を飛べる乗り物とか。ワープスターやダイナブレイド、後は戦艦ハル
バードとか」
「う〜ん、ワープスターはのんびり空を飛べるようなものじゃないし、ハルバードはメタ
ナイトんところのだし、ダイナブレイドは何処にいるのかわからないし……」
「ハルバードはダメなの?」
 例に挙げた中では一番現実的な手段を、フラービィは改めて推す。
「う〜ん。メタナイトは、ハルバード貸してよ! なんて気軽にお願いできる相手じゃな
い感じ。そりゃ、この世界が大変なことになれば協力もしてくれると思うけど……とりあ
えずはバタービルディングをてっぺんまで登ろ! てっぺんまで行けば、ブライトやシャ
インにも会えるし、グレープガーデンに行くことも出来るから。ね?」
「う……うん、そうだね」
 帰りはどうするの? とそんな疑問も脳裏を掠めたが、フラービィは言葉にすることを
やめた。そして階段を登り始めたカービィの後を追って、彼も再び階段を登り始めた。

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投稿日 : 2008/11/23(Sun) 14:36 
投稿者 : フラービィ  


狭い階段――ヒトが一人通るのがやっとだ――で、フラービィは変わったことに気づいた。息苦しくない。
もちろん、ひたすら上に登っているので息は少し上がっているのだが、地上と同じ様な感じである。
こんな短期間で体が上空の空気に慣れることも無い。と考えれば、答えは一つであろう。
地上とここの酸素濃度はほとんど同じ。その答えが出たとき、フラービィは何か柔らかい物にぶつかった。
「ちょ、何――」
そこでフラービィは言葉をとぎらせた。柔らかい物、否、カービィの向こう側に黒い球体、ダークマターが三体ほど居座っていた。
二人は急いで下の階に降りる。その後を三つの球体が追いかけてきた。
「フラービィ君、使えそうなもので戦って!」
そういいながら持ってきていたナイフ(三話以来の)をコピーし、カッターの能力を得る。
「使えそうなものって言ったって……。」
バックパックを降ろして中を見る。頭の方を黒いものが掠めていったが何とかかわせたようだ。
すぐに目に入ったのはマッチ箱。これでどうしろって言うんだ……。と思ったがそれでもマッチ箱を握った。
その時、カービィのコピー能力がはずされ、能力を持った星が塔の外に落ちた。
それを見て、すぐにマッチを擦り、カービィの方に投げた。
「カービィ、吸って!」
大量の空気とともにマッチを吸い込んだ。カービィの頭の方から炎が発生した。ファイアだ。
少しの安堵感が感じられたが、安心している場合じゃない。
安堵感が落ち着きを持ってきたのか、少し冷静に戦いを見る。
炎は確かに効いているようだが、ダメージはそこまで大きくないようだ。
ということは……炎を強く!
バックパックの中を探した。目当てのものがなかなか見つからないようだ。
「……あった。」
探していたのはエタノール。酒の主成分だからといって薄めて飲んではいけない。
カービィに手招きをし、それに応じて戻ってきた。カービィがさっきまでいた場所に黒いものが残っていた。
カービィに火の付いたマッチを渡した。
「投げてって言ったら投げてね。」
首――どこにあるかはわからないが――から上を前に傾ける。
ダークマターはこっちを向いた。その時に持っていた液体をかける。
ダークマターが一瞬ひるんだ。その隙を見逃さずに
「投げて!」
エタノールに、投げられたマッチの火が引火し、大きな炎となる。
炎が収まったころには何も残っていなかった。
ちょっとした喜びのあまりハイタッチをしようとした。が、身長差のせいでできなかった。ま、いいか。
そしてまた階段を上り始めた。

闇の拠点と化したマジルテでは、相変わらずダークマターが発生している。
どこへ出て行くのか、そこを守る者にはわかっていない。もっとも、考えてもいないのだろうが。
高台の上で得物の手入れを行っている。いつ、何が起こるかは誰にもわからないから。
「……暇だ」
戦うことで暇をつぶしていたのだろうが、ダークマターを消し去ることはゼロの邪魔をすることと同じである。
ゼロの狙いこそわからないが、邪魔をすればほぼ確実に消されるだろう。
誰とも戦えず、ただただ暇を持て余す。ストレスがたまる一方である。
イライラを近くの木にぶつける。しかし木はあっけなく倒れてしまう。何のストレスの解消にもならない。
「待つしか……ないのか……」
侵入者をただただ待つ。考えてみればおかしな話ではあるが、そこは考えないのであろう。
再び得物の手入れを始めた。

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投稿日 : 2008/11/24(Mon) 03:46 
投稿者 : 笹  

多くのポップスターの住人にとっては、とてものどかな、そしてある意味いつも通りの昼下がり。

「助かった」
「急いでいる時はお互い様さ〜」

ブレイドナイトはストッと着地すると、自分を運んできてくれたバードンに一礼する。
視界に入るのは広大な海、そしていくつかの島々。ここはアイスクリームアイランドだ。
その常夏の世界に目もくれず、ブレイドナイトは真っ直ぐに無駄なく歩き出す。

小一時間も歩かないうちに、視界に大きな白い建物が入ってきた。
近づくにつれて横方向に細い縞が見え、木の板を組み合わせたシンプルな建物であることが分かる。
白く塗られたそれには、あとは扉と窓があるだけだ。窓の位置を見るに二階建てだろうか。

扉に近づくと、なにやら中からドタバタ音が聞こえる。
ノックしてみる。ドタバタ音が聞こえる。
もう一度ノックしてみる。ドタバタ音が聞こえる。
主の名を呼んでみる。ドタバタ音にかき消される。

「…失礼」

ブレイドナイトは扉を大きく開いた。
とたんにボールが飛んできて、さっと身をかわす。
続いておもちゃのような小さな自動車と、傘が飛び出してきた。扉の横に下がる。
またボール。小さい雷雲。ワドルディらしきもの。マイク。アイスドラゴンらしきもの。赤い謎の物体。

爆弾が飛び出してきたので、木刀を抜いて建物の中へ打ち返してみる。

どごん

短い爆音がして、建物の中が静かになった。
程なくして、煤けた人型の何かが扉から出てくる。

「誰ダイ。こんな酷いことをするノハ……」
「…ペイントローラー殿、お話がある」
「……ブレイドナイト?弟子との特訓に割り込むぐらいだから、よっぽど急用なんダネ?」

外でやれ外で。と思ったが口には出さず、一瞬額に手を当てるだけで済ます。
そして早速ことの次第を話し始めた。

・
・
・

「なント。裏側でそんなことがネェ。飛んでくるなり消える黒い雲は私も見ていたけドネ」
「ほぼ間違いなくマジルテから飛んでいった物だろう。
 消えていたのは、夢の泉の力に消されたか…あるいは潜伏したか…」
「とにかくこれはまズイ。大王に報告に行こウカ」
「…いや…私はマジルテに戻る。報告を頼みに来たんだ」

ブレイドナイトは今来た方角に顔を向ける。

「そりゃまたなンデ?みんなが来るまで待った方が安全だろウニ…」
「…………」

咎められる程ではないだろうが、無断で城を離れた身だ。
目的も果たせていないし、今はまだ帰るわけにはいかない。

「…まぁいイカ。じゃあ、何か描いて欲しい物はあるカイ?」
「……む。……そうだな……」

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投稿日 : 2008/11/26(Wed) 02:35 
投稿者 : tate  

「師匠、お客様?」
 屋内に戻ってきたペイントローラーに、ベレー帽の女の子が声を掛けた。彼女は雑巾を
片手に、カオスと化した部屋の中を片付けているところだった。
「客人というよりは、言伝を頼んできたといウカ……」
「何だぁ、お客様じゃないんだ。片付けて損しちゃった」
 女の子は雑巾をバケツの中に放り込むと、絵筆とパレットを手に取った。
「師匠! 特訓の続き、お願いします。今日中に回転パレットガードのこつを掴んでおき
たいです!」
「イヤ、だから先程も言ったとオリ、言伝を頼まれたわけデナ。すまないがアドレーヌ、
私が戻るまで、一人で訓練の続きをやっていてくれるカナ?」
 えー、とアドレーヌは抗議の声を上げた。
「伝言なら、あたしのアイスドラゴンに任せればいいじゃない」
「……いちいち文を書くのも手間だシナ、それに直々に大王に話した方が良いと思うノダ。
ということで、私は出かけてクル。くれぐれもサボらないよウニ」
「はぁ〜い。いってらっしゃい」

 ペイントローラーがブレイドナイトから言伝を預かっている間、デデデ大王達も遊んで
いたわけではない。
「夢の泉を中心とした同心円状に発生する闇、夢の泉に潜り込んだダークマター……わか
らん、わからんぞ!」
 王座に納まったデデデ大王は頭を抱えて身悶えした。
 今の彼らにわかっていることは、ゼロが原因と思しき闇がアトランダムに発生している
ことと、夢の泉にダークマターが潜り込んでしまっていること。前者はともかく、後者は
早いところ対処しなければならない。夢の泉から溢れ出る光の力がなくなったら、プププ
ランドはもちろんのこと、ポップスターもゼロの手に落ちるのは時間の問題だろう。
 ……そんな事態になったら、どこぞのピンク球が如何にかするかもしれんがな。
 カービィに助けを請わなければならないのも時間の問題か、などとぼんやり考えている
デデデ大王の下に、ソードナイトとブレイドナイトを連れてメタナイトがやってきた。
「お悩みのようですね、陛下」
「当たり前だ! こんな事態を目の前にして、のほほんと昼寝ができるか!」
「(……昨晩もぐっすりとお休みになられていましたからな)」
「(全く、その通り)」
 背後から聞こえてくる囁きを、わざとらしい咳払いで吹き飛ばすと、メタナイトはデデ
デ大王に書類を手渡す。
「あれからデータの再解析を行いました。夢の泉を中心とした同心円状に闇が発生してい
ることに変わりはないのですが、発生日時をデータにマージしたところ、不可解な事実が
見えてまいりました」
「不可解?」
「はい、お渡ししたレポートをご参照下さい。今まで、我々は夢の泉から何かが発生して
いるのだと思ってきました。しかし、時系列をきちんと追ってみたところ……」
 デデデはレポートに目を落とす。プププランドのマップの上に黒い点のマーキングが十
数個、その点を結ぶ円の傍らには細かい字で日時が書き込まれている。日付を表す数字は、
円の径が大きくなるにつれて若くなっていた。
「――闇の発生点が、徐々に夢の泉に近づいている?」
 メタナイトが無言で頷く。
「分析の結果、有意と思われる発生点のみを残したところ、その様な図が得られました」
 と、ソードナイトが補足する。
「闇が夢の泉に向かってプププランドを侵食している……と考えることも出来るかと思わ
れます」
 と、こちらはブレイドナイトの言葉。
 ううむ、とデデデ大王は渋面を作った。夢の泉が目的地なら、ダークマターを潜り込ま
せることに成功した時点で、敵の目的の半分は達成されたことにならないだろうか。
「……闇の発生源は?」
「これから監視領域を広げ、特定を急ぎます」
「うむ、この際ポップスターのみに限らず、周囲の星系まで監視領域を広げてしまえ!
急ぐのだぞ、メタナイト」
 はっ、と三体の騎士は敬礼をした。


 一体のダークマターがマジルテ内部をふよふよと漂っていた。鋭利な刃物で枝葉が無残
に切り落とされ、丸裸になった樹木の間隙をあっちに行きつつ、こっちに戻りつつ、うろ
うろしている。
 まだ枝葉がふさふさと残った大樹を眼前に、腰溜めに構える青年の姿を見つけたダーク
マターが叫んだ。
「ビュートさ〜ん! 大変ですぅ〜!!」
 青年が動く。素早く抜刀し、白銀の刃を横に振り抜いた。ダークマターにはその様な動
きにしか見えなかったが、次の瞬間、ふさふさと茂っていた大樹の枝葉は残らず地面に落
ちた。哀れ。
 振り返りはしなかったが、ビュートは一応呼び掛けに応えた。
「何だ黒丸」
「ダークマターの一つが、どうやらマジルテの先住民に入り込んでしまったようなのです
ぅ〜」
 ビュートは手にした太刀を鞘に戻し、改めて飛んできたダークマターに向き直る。漆黒
の球体の周囲からはオレンジ色の突起物、その中心には潤んだつぶらな瞳が一つ。それが
ビュートの顔の高さ辺りにあった。
「どういうことだ」
「ええとですね〜、暗い所を好むダークマターが、どうやらマジルテの最奥に居る先住民
に入り込んでしまったようですぅ」
「ゼロ様の作り出すダークマターは、自発的に行動を起こすような自我はないはずだろう、
お前を除いて」
「う〜〜〜ん、何ででしょうかぁ。イレギュラー?」
 花弁様の突起物がくるくるっと回る。
 ダークマターと、それらの意思が理解できないビュートを介在する存在として、ビュー
トが解することが可能な言語を話すダークマターをゼロから与えられたのは、ポップス
ターにやってくる前の話だ。与えられたそれに名前はない。名無しでは不便だから、便宜
上『黒丸』とビュートは呼んでいる。酷いネーミングセンスだが、当ダークマターが気に
している様子はない。
 そして黒丸曰く、「ダークマター達には自我はない」はずなのだが、闇を好むといった
原始的な走性は持っているということなのだろうか。
 ビュートは大げさに溜息を吐き、片眉を上げて見せた。
「まったく、お前の言うことは当てにならんな。……待てよ、同じ原理でこの星の生物を
ゼロ様の尖兵にすることは出来ないか?」
「はぇ? どういう意味ですかぁ?」
 ビュートはもっと近寄れ、とダークマターを手招きした。

---

話すダークマターは共有キャラ扱いでお願いします。
名前はありません。性別もありません。口調は、語尾が「〜ですぅ」になります。
ダークマターが話すこと自体に深い意味はないのですが、
ビュートは単身ではダークマターと意思疎通が出来ないことに気がついたので(^^;
ダークマター側から歩み寄ってくれないとダメとは、なんという残念性能。

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投稿日 : 2008/11/27(Thu) 06:48 
投稿者 : guri  



傾いた陽光が、海原を蜜柑色に染めている。
その海原に錨を下ろした船が一艘。
オレンジオーシャンの海賊達が、
日中の仕事の疲れを癒すかのように、酒宴に興じていた。
その中で樽を抱えて呑んでいるのが、船長のボンカースであった。
「今日もいい稼ぎだった!皆ご苦労さん、思い切りやってくれ!!」
海賊、とはいうものの、平和でぽけぽけなプププランドの民。
主に宝を探す、トレジャーハントが主な仕事である。
『いえっさ〜!!』
チリーやコックカワサキ達は、思い思いに樽やグラスを握り締め、
そして宴が始まった。

宴もたけなわ、思い出したようにチリーが言う。
「そういえばデデデ城が最近騒がしいみたいっすね」
「なぬ……デデデ城、デデデ城だとぅ!」
ボンカースは大袈裟に手を顔に当てると、心底嫌そうにかぶりを振った。
「ええ、妖しい影が動き回ってるとかで、異常が無いか聞きにきてましたよ」
「やめてくれやめてくれ、城の頼みで俺達が、どんな目にあったか忘れたか」
ナイトメアの事件の事であるが、詳しい事を彼等は知らない。
海賊としての戦闘力を買われ、カービィを食い止めるように命令されたのだ。
たかがピンク玉一人と安請け合いしたものの、
全員ぼっこぼこにされるわ、船は半壊するわ、食料庫は空になるわ……、
まぁ散々だったのだ。
「ええい、酒がまずくなる、もう二度と城には関わらんぞ!」
そういうとボンカースは、樽を一息で空にした。

「親分親分!変なクジラが近付いてきやすぜ!!」
顔を赤くしたボンカースの頭上から、慌てた部下の声が降ってくる。
見張り台のペンギーだ。
「あん……?クジラぐらい珍しいもんでもないだろう」
のんびり答えるボンカース。
「いや、ですが、赤くて、速くて、我らの船より大き」
その言葉が言い終わる暇もなく、ファッティホエールは船を粉砕した。


オレンジオーシャン上空、
人型と丸い影、そして煌びやかな宝石の塊が宙に浮かんでいた。
「黒丸、他の奴等はちゃんと動いてるだろうな?」
「もっちろんですよぅ、ガメレオアーム君はあっちの山のほうに、
スライム君と魔法使い君はこっちの村のほうに……」
黒丸はダークマターを統括する為に、離れていても位置を把握する事が出来る。
ビュート率いるダークマター部隊は、
マジルテに生息していた生物を中心に憑依・編成され、侵攻を開始した。

「いいのかい?こんな派手に暴れちゃって」
ブンッ
ビュートの、傍の空間が波紋を描いて歪む。
「またお前か……」
ビュートは眉を潜めると、虚空に現れたドロッチェを睨め付けた。
「私がゼロ様から受けた命令は撹乱だ、何も問題は無い」
「成る程成る程……」
ドロッチェはくくっと笑い、尋ねた。
「君はこれからどうするんだい?」
「……デデデ城だ」
ドロッチェの問いに投げ捨てるように答え、言った。

「行くぞ黒丸、ワムバムジュエル」

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投稿日 : 2008/11/28(Fri) 19:24 
投稿者 : フラービィ  

塔を登っていた二人は、ワープスターに乗っていた。
フラービィの「てっぺんに行くだけならワープスターを使った方が早い」と言う提案により、
バタービルディングにあったワープスターに乗って最上階まで行こうとしていた。発着場からパクってきたようだ。
誰がこういう発着場を作ったんだろう……。という声が聞こえたとか聞こえないとか。
操縦(?)しているのはもちろんカービィ。その後ろで何かごそごそと作業をしているのはフラービィ。
「そろそろ雲に突入するよ」
最上階は雲の上か。まあ、グレープガーデンの最初も雲のステージだったから、納得はいくな。
等と考えつつせっせと作業をしている。ちらっとアセチレンの文字が見えた。
そして最上階に着いた。雲より高く、地表がほとんど見えない。……もっとも、雲で覆われているということもあるのだが。
最上階にいたのは月と太陽。後ろを向いているため顔はわからない。まあ、普通の顔なのだが。
「「メずらしいお客さんだな」」
二つの声がはもる。そしてこっちを向いた。握手を求めてきているらしい動作をする。
何かを感じ取った……?考えが頭を巡るが、今はそれを考えている場合じゃない、と思い握手に応じようとした時だった。
後方で大きな爆発音がした。位置としてはグレープガーデンの辺りだろうか。
振り返って下を見ると、黒い煙がグレープガーデンの森の辺りからあがっていたのがかろうじて見えた。

グレープガーデンにあった飛行船群が炎上していた。エンジンをやられたのか、どんどん高度が低くなり、墜落したようだ。
そのそばにはガメレオアーム――心なしか色がくすんでいる――がいた。どうやらこいつがエンジンを破壊したらしい。
足の爪の間に入った部品を払い落とし、森の中へと消え去った。

ガメレオアームがグレープガーデンにいることは黒丸ぐらいしかわかっていないであろう。
「ガメレオアーム君が持ち場を離れてグレープガーデンに行ってますぅ」
その旨の報告をした。が
「撹乱できていそうならばそれでいい」
そっけなく答えられた。ワムバムジュエルの手のひらの上での短い応答だ。
「城まで後どれくらいで着く?」
「ええと、後一から二時間くらいあれば着くと思いますぅ」
本当は後二時間半ほどかかるのだが、黒丸にはわからない。
本当かどうかはこいつの言うことだからな……。まあ、話半分に聞いておくか。と思ったが、
本当だったら、流石に二時間も立ちっぱなしは疲れるだろう。と、大きな手のひらから足を投げ出して座った。
立っている時にはわからなかったが、心地よい風が彼らの間を縫って通り過ぎていく。

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投稿日 : 2008/11/30(Sun) 14:27 
投稿者 : 笹  


 「フラービィくーん、は〜やくぅ〜〜」
 50m程先でピンク色の球が手を振っている。
ピンク色の周囲は一面の白だ。
 「う、うん…」
 フラービィは足下を見る。
こちらの足下はレンガ色…そして一歩先は同じ真っ白だ。
 この世界には『足場になる雲』が存在することは知っている。
実際カービィが立っているのだから、この『白』は『足場になる雲』なのだろう。
そして、ここを進まないとグレープガーデンには行けない。
 そんなこと言ってもさぁ……
 水滴や氷晶の密度の低い集合体に、人間が立てるわけがない……
なまじここは雲より高いのだ。どうしても生存本能が働いてしまう。
 ピンク球と足下を交互に見やる。
そんなことをしているうちにふと気配を感じて後ろを見ると、太陽と月が……



 再びマジルテに向かうべく早足に進んでいるブレイドナイトは、
割と視界の開けた、明るい森に差し掛かっていた。
どうやらアイスクリームアイランドを出て、ベジタブルバレーに入ったらしい。
ここから中心地の方に向かえばウィスピーウッズの森だが、マジルテとは少し方角が異なる。
 ウィスピーウッズか……
 ふと思い出し、腰に下げた木刀を手に取ってみる。
あの時はとっさにこれで戦ってしまったが、
普通に考えれば木刀で真剣と互角に鍔迫り合いが出来るわけがない。
道の脇の大木に背を預け、腰を下ろす。
そして差し込む木漏れ日で刃の部分の透かしてみると、やはり小さな刃こぼれが無数にできていた。
 あの男、かなりの剣速だった。あれが『刀』使いと言うものなのだろうか。
 傷を負った左腕に触れてみる。応急処置の包帯の下の傷はすでに塞がっているようだ。
深くとも、適切に治療をすれば比較的早く回復する。…鋭い刃物による斬り傷の特徴だ。
 むしろ、刃が食い込む木刀だったからこそ、攻撃が捌けたのか…?
 ボロボロの鎧で武器も失い、ただひたすらにマジルテを目指す自分に、
何も言わずにウィスピーウッズがよこした木刀。
 あの大樹は、私に何を伝えたかったというのだろう。
 改めて、木刀を見る。
木刀は暖かな日差しを受け、どことなく光を放っているように見える。
それを見ていたら、不意に瞼が重くなってきた。
そういえば何日眠っていないのだろう。ブレイドナイトは、しばしの仮眠を取ることにした。

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投稿日 : 2008/12/01(Mon) 01:26 
投稿者 : tate  


 ファッティホエールに船を粉砕されたボンカース達が、藍色に染まる波間から、砕けた
木片にすがりつつ砂浜に流れ着いたのは、それから数刻後のこと。
「くっ……何故だ、何故なんだ」
 ボンカースの肩が小刻みに震えている。
 彼を取り巻いていた海賊達の顔から血の気が引いていく。そしてそれらの作る輪が徐々
に大きくなりだした頃、どこぞから取り出したのか、ボンカースがハンマーを振り回し始
めた。
「おのれーーーー! 城に関わらなくてもこの仕打ちっ、なんということだーーー!!」
 ボンカースの咆哮が木霊する夜空をふと振り仰いだチリーは、上空の闇が風に逆らって
流れていることに気がついた。
「お、親分! 空、見てくださいっす!!」
 ボンカースが振り仰ぐ。釣られて他の海賊達もわらわらと空を見上げる。
 いくつもの黒い靄のような、雲のようなものがメタナイト達のアジトの方角へ流れてい
る。形容するのであれば、あたかもメタナイト達のアジトに向かって飛んでいる、とでも
表せるだろうか。
「何か……メタナイトの要塞に向かっているみたいっすね……」
 ボンカースと同じ印象を持ったのか、チリーがそんなことを呟いた。

 *

 デデデ大王から闇の発生源を特定するように言い付かったメタナイトは、デデデ城内に
設けられた闇の観測所でモニタを睨み付けていた。彼の他に室内にいるのは、ブレイドナ
イトとソードナイトの二人。二人はメタナイトの指示に従い、広げた観測領域の精査をし
ている。
「む? これは……メタナイト様」
 ブレイドナイトが声を上げた。
「どうした」
 ポップスターのマップを凝視していたメタナイトはこめかみを軽く押し、頭を上げた。
そしてブレイドナイトの方を見やる。
「ギャラクティック・ノヴァを呼ぶために祈りを捧げる星々のエネルギーが、フロリアの
一星に流れ込んでいます。フロリアからエネルギーが流出している形跡はないのですが、
明らかに異常な事態だと考えられます」
 ブレイドナイトが指し示すモニタに、メタナイトの視線が向く。
 その時。
『メタナイト様、異常事態です!』
 不意に、サイドのモニタにアックスナイトの顔が表示された。オレンジオーシャンの要
塞に詰めているアックスナイトからの入電だ。その強張った表情に裏返った声、マイクが
僅かに拾う喚声――それらすべてが、尋常ならざる事態が起こっていることを伝えている。
「何が起こった」
『黒い球体の物体に、我々の基地が襲撃されています! 既にトライデントとジャベリン
が応戦していますが、どうにも状況が把握できません』
「何……相手の数は?」
『解りませんだスぅ! ワシも応戦に向かうだス』
 アックスナイトの背後から、メイスナイトの声が飛んできた。
「浮き足立つな! まずは現状の把握に尽力しろ。私も直に向かう」
『はい!』
 スツールから飛び降りたメタナイトに二人の部下の視線が集まる。
「今の話、聞いていたな? すまないが私は一端オレンジオーシャンに……? 何の音だ」
 ずずずずず……と遠くで分厚い鉄の扉が開く音がする。振動が彼らのいる部屋にまで伝
わり、天井から埃が零れ落ちてきた。


 メタナイトがオレンジオーシャンの異常に気がつく少し前――
 デデデ城の見張り塔には、常に槍を持ったワドルディが数体詰めている。それだけでは
ない、槍兵ワドルディ達は絶えず城を哨戒しており、赤くて丸々っとした体はデデデ城の
何処に居ても大概目にすることが出来る。
 遠眼鏡を手に、周囲を監視している見張り塔のワドルディが、何かがデデデ城に接近し
ていることに気がついた。

 一方、城内の謁見室にはデデデ大王とペイントローラーの姿があった。
「マジルテからダークマターが湧き出していた……だと?」
「ハイ。その様な情報を得ましたノデ、こうしてご報告に参った次第デス。私自身の目で
確認したわけではないのでスガ、信用できる筋からの情報ですノデ、およそ間違いはない
カト」
「ううむ、マジルテが……だがあそこは宝の守護者が何体も居たはずだが」
 実際には、宝そのものはどこぞのピンク球が根こそぎさらっていってしまったのだが、
宝を護る者達、つまりはワムバムロックやガメレオアーム、バトルウィンドウズといった
輩は相変わらずマジルテに居ついているはずだった。
 ピンク球には敵わなかったが、彼らも歴戦の猛者(多分)、ダークマターごときに遅れ
を取るとは思えなかった。
「調査を行う価値はあるカト思いマス」
「ふむ……ともかく、報告ご苦労であった。もう今日も遅い、城に泊まっていくか?」
「そうでスネ……」
 ではお言葉に甘エテ、とペイントローラーが言いかけたところに、バンダナを巻いたワ
ドルディが転がり込んできた。
「大王様、謎の飛行物体がデデデ城に接近中です! いかがいたしましょう?」
 謎の? と怪訝そうな顔付きをしたのも一瞬、デデデ大王は分厚い唇をぐにゃりと吊り
上げて言った。
「カブーラーを出せ、迎撃させるのだ! 遠慮はいらんぞ」
 と。

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ちょっと補足。
ビュートですが、彼は20代中盤です。
なので、子供っぽい言動は基本的にしないと思ってください。
ゼロサイドについているのも明確な目的があり(そのうちどこかで書きます)、
動物を得物の太刀で斬ることに対しては躊躇いがない、というキャラです。
ダークマターは得体の知れない良くわからないものだけど、まぁ利用はできるかな
と思っています。
以下は与太ですが、外見は↓のような感じです(一番上の眼鏡がビュート)。
- http://drawr.net/show.php?id=161278

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投稿日 : 2008/12/01(Mon) 09:00 
投稿者 : guri  


漆黒に染まった空を炎が舐める。
グレープガーデンの森は、数時間経った今も燻り続けていた。
飛行船の残骸がそこらかしこに散らばっている。
半日前まで優雅に空を舞っていたであろう布は、今は焦げ地に伏せている。
その中によろめく影が二つあった。
「ぉぉ、新入り、、か……生きてるか……?」
「ええ、なんとか……カプセルJさんこそ、よくご無事で……」
「まぁな、、丈夫な体だけが取り得だ……」
そう言うとカプセルJは、炎の光で赤く反射する体を軽く叩いた。
だが、その金属質のボディは所々欠け、軋んでいる。
二つの影は自然と肩を貸し合い、少しでも危険な場所から離れようと歩き出した。
とはいえ、熟練の整備技師と新入り、特に親しかった訳でもない。
二人とも、黙々と歩を進める事に専念した。

落下地点から適度な距離を取ると、二人は野営の仕度をする事にした。
草を集めながら、カプセルJが思い出したように言う。
「そういや、、よく逃げなかったな。脱出の機会なんて幾らでもあっただろうに」
事実、殆どの船員-特に飛べる者達-は我先にと逃げていた。
カプセルJは最後まで機関部に居たのだ。
羽の生えてる新入りは、少し逡巡した後に口を開いた。
「……これも天罰かな、と」
「天罰……?」
「ココに来る前の船で……一度逃げたのです」
「そうか……」
二人は集めた草の上に横になる。
鈴虫が鳴き、遠くでラブリーが歌う子守唄が聴こえる。
「お前さんはこれからどうするね?
俺はメックアイから来てる技師の所に行かなきゃならん。
多分フレームから総とっかえになるだろうがな……」
「昔の仲間達が、無事だと聞きました……許されないでしょうが、、謝りに行こうと思います」
「そうか……。元気でな」

「……っと、そういや名前を聞いていなかったな」
「バル、です」
そう言うとバルは目を閉じ、暫しの休息を取る事にした。
昔の仲間は何をしているだろうか……

☆☆☆

同時刻――
デデデ城屋上、闇の観測所の扉が勢いよく開けられた。
メタナイトは夜空を睨んだ。
デデデ城最大対空戦力のカブーラーと、夜空に浮かんだ顔が互角に撃ちあっている。
互角、いや若干押され気味か……
メタナイトはマントを翼へと変え、夜空へと踊り出る。
若干の心配を己の要塞へ向けつつ、まずは眼前の敵へと集中した。

メタナイト要塞の、入り口にあたる城門付近、
既にそこは混沌とした戦場であった。
「ハァッ!」
トライデントナイトの裂帛の気合が響く、
三又の槍に切り裂かれ闇の塊が二つ三つ霧散する。
彼等メタ・ナイツはメタナイト擁する精鋭部隊。
ダークマターが、何匹いようが遅れを取る事は無かった。
トライデントナイトとジャベリンナイト、
彼らの二本の槍は闇を切り開き、前線の戦局を優勢へと進めていた。
そして、トライデンナイトの姿が消えた。


ここは……

ここは、何処だ。
トライデントナイトは、現状の把握に全神経を向けていた。
先程まで要塞で先陣を切って戦っていたはず。
様々な音が入り乱れる戦場にいたはず。
その音が一瞬にして途絶え、それと同時に敵も、ジャベリンさえも消えた。
顔を上げると、城門が変わらずそびえ立っている。
だが何かが違う、無音の音が耳を包んで痛い。
ここは、何処だ。

ピピッ
『ヨウコソ、ワタシのクウカンへ』
唐突に無機質な文字が、虚空へと紡ぎ出される。
空間……?
似て非なる別の場所へ飛ばされたのか。
トライデントナイトは、油断無く当たりを見回す。
ピピピッ
『ワタシはバトルウィンドウズ
トライデントナイト、タタカッテもらうよ』
あくまのきしが、あらわれた!

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