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小説の中へ [3]



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投稿日 : 2008/12/01(Mon) 23:14 
投稿者 : フラービィ  


トンッ……
「うわわっ!?」
後ろから押されてレンガから雲へと倒れこんだ。もちろん、落下する心配は無い。
のだが、どうしても今までの世界の常識で考えてしまう。フラービィは目をつぶった。落ちる覚悟をして。
「…………」
だが、落ちていく感覚が無い。恐る恐る目を開けてみると、視界が全て真っ白だった。うつぶせに倒れていたのだ。
起き上がってみても、ズボッと突き抜けるわけでも無しに、ちゃんと立てた。
大丈夫だということを身をもって実感したら、後は怖がる必要など無い。カービィのところまで駆け足で向かった。そして一緒に歩き出した。
「あ、そうそう、たまに雲が途切れてるところがあるからね」
「え゛」
どうやって対処しろと言うのか。と聞いてみたところでよさげな答えは帰ってきそうにないが。
少しづつ雲の上を進んでいく。と、周囲より少し黒い雲があった。パッと見雷雲のようだ。
二人ともが触ろうとする。が、触れない。
「何これ……、こんな雲この辺りで見たこと無いよ」
「この色、どこかで見たような……!」
バタービルディング頂上で見た煙を思い出した。
「風であのちりや灰が巻き上がったんだ。そのせいで普通の雲になってる」
足場代わりになる雲は普通のでき方では発生せず、雲であって雲でないようなものである。密度がかなり高い。
が、ちりなどを核とした水滴の集まりである普通の雲は基本的に密度が低く、とても触れるような代物ではない。
「まあ、よけて先に進もう。」
どちらが言ったか、また歩き出した。さっきより少し速く。
……でももっと速く進めよお前ら。

「……トライデント?」
いつの間にやらトライデントナイトが消えた。いなくなって戦局が大きく変わるわけではないが、
近くで誰かが消えたとなるとかなりおかしい。ましてや戦場でだ。
だが、今はそれを気にしている場合ではない。さっきも書いたがここは戦場だ。
一瞬の隙が戦局を左右するといっても過言ではない。
何体ものダークマターを一度に貫く。貫かれたダークマターはすぐに霧散した。
が、次々と新しいダークマターが来る。ジャベリンナイトは三又の槍を構えなおした。
その空間とほぼ同じだが、やはり異質な、バトルウィンドウズによって作られた空間では
「あくまのきしは ナイフをなげた」
出ては引っ込む新手の敵に苦戦していた。出てくるときに攻撃しようとしても、すぐに引っ込まれてしまう。
しかも、引っ込まれた後すぐに攻撃が来るため、うかつに攻撃ができない。
しかし、流石は精鋭部隊。傷つきながらも少しづつあくまのきしの体力を削っている。
あくまのきしの体力もトライデントナイトの体力も比例するかのようにじわじわと減っていく。
が、まだこの戦いは長引きそうだ。

ワドルディが謎の飛行物体――ワムバムジュエル――を見つける少し前……
デデデ城から少し離れたところでビュートは手のひらから降りた。続けて黒丸も降りた。
「ワムバムジュエル、城に近づいてやつらの気をそらせ」
言い終わるか言い終わらないかのうちに宝石の塊はデデデ城へと向かっていた。
「さて、行くぞ黒丸」
城の中のヒトのほとんどの視線が上を向く中、城の入り口である鉄の扉を開けた。
それに反応した入り口付近のワドルディがビュートめがけて襲い掛かる。が、あっさりとやられた。
入り口から新たにダークマターが数体入ってきた。倒されたワドルディにいとも簡単に取り付く。
城を直接侵食するつもりのようだ。また数体入ってきた。

少しづつ、ポップスターに戦火が広がる……。

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投稿日 : 2008/12/03(Wed) 04:24 
投稿者 : tate  


 白い雲から受ける足裏の反発力にぞっとしない感覚を抱きつつ、フラービィはカービィ
と共に、とりあえずグレープガーデンの中央に居を構える城を目指していた。
 フラービィは改めて足元に視線をやる。先程見えた黒い煙がこの辺りの雲にも影響を与
えているということは、よほどの強風が吹いていたのでなければ、そろそろ先程の爆発が
あった場所が近いということなのだろう。
 前を行くカービィに声を掛けようと面を上げたフラービィの目に、カービィに襲い掛か
らんとする、雲の隙間から突き出た鋭い爪が写った。
「カービィ!」
 爪がその体を引き裂く前に、カービィはぴょーんと前方に大きく飛んだ。鋭い爪は虚空
を切り裂き、再び雲の下に戻っていく。
 ぽふっと雲の上に着地したカービィが振り向いた。
「今の何!? びっくりしたよ〜」
 鳩が豆鉄砲を食らったような顔を見せたカービィに、フラービィはあははと笑った。
 先程のは、フラービィの記憶が確かならガメレオアームの尻尾のように思えた。尻尾の
先に鋭く巨大な鍵爪が突いており、それを伸ばして相手を攻撃する……そんなパターンが
あったはずだ。
「怪我がないみたいで良かったよ。さっきのは、僕の記憶が確かなら、ガメレオアームの
尻尾だと思うよ」
「ガメレオアーム??? 何でグレープガーデンにいる……」
 不意に爆音が轟いた。先程、Mr.シャインとMr.ブライトの元で耳にしたのと同質の轟音
だった。同時に足元が大きく揺れ、それまでフラービィ達の足元を支えていた雲が吹き飛
び、弾力を失った。
「え……ええーーー!?」
 薄くなった雲はフラービィの体重を支えきれず、彼の体が重力に引かれて落下し始める。
地上までの距離はそれなりにあるが、このまま落ちたら……
 白衣が風に煽られてバタバタと悲鳴を上げている。その間隙から、スローモーションで
近づいてくるピンクの球体が見えた。普段の二倍近い大きさに膨らんだカービィが「フ
ラービィくん、捕まって!」と叫ぶ。
(「そんな状態で叫んだら、空気が抜けちゃうよ?」)
 こんな状況なのに、フラービィの頭は妙に冴えている。いや、こういう状況だからこそ、
なのかも知れない。
 そしてフラービィが思った通り、カービィの口から空気が抜け、がくんと彼の体が揺れ
る。慌てて空気を吸いなおしたカービィの足を、フラービィは掴んだ。
 頭上を見上げたフラービィの視界の隅を、黒い物体が掠める。
(「……何だ?」)
 周囲を一望する。彼の足元にはグレープガーデンの森が広がっているが、その森に飛行
船が次々と落下していく様子が見えた。白い幌が森の緑に飲まれる直前、ダークグレイの
煙に混じって黒い霧がぶわっと飛行船から立ち昇る。そして立ち昇った黒い霧は、球形を
取りながらまだ空に残っている飛行船へ襲い掛かった。
(「何かがグレープガーデンを襲撃しているのか……な?」)
 フラービィを捕まえたカービィは浮き上がろうと一生懸命もがいたが、二人分の体重を
支えきることは出来ず、ゆっくりとグレープガーデンに広がる森の一角に落ちていった。

 *

 墜落した飛行船から脱出し、森の一角で野営を張っていたバルとカプセルJは、穏やか
な一夜を過ごした。昼間、あれだけの飛行船が森に落下したとは思えないほどの静けさの
中で、疲れた体を休めることが出来た。
 木々の間隙から差し込んだ朝焼けに、バルが目を覚ました。焚き火の火は消え、隣で休
んでいたはずのカプセルJの姿はない。
 慌てて起き出し、辺りを見回していたバルの元に、カプセルJが上空から戻ってきた。
「よく休めたようだな」
「ええ、お陰様で。……何をしていたのです?」
「グレープガーデンがどうなったのかと思ってな。中々の酷い有様だ。飛行船はあらかた
この森に墜落していたよ。上空の城がどうなっているのかまでは解らないが、城だけ無事
……とは考え難い」
「そうですか……」
 そう言ってバルは口を閉ざした。
「さて、昨晩も言ったが、俺はこれから技師のところに向かう」
「どちらに向かわれるのですか?」
「オレンジオーシャンだ。その技師はプププランドに来た際には、必ずオレンジオーシャ
ンに滞在するんだ。何でも、プププランドに来たのならメタナイトの要塞は拝まざるを得
ない、そうでな」
「オレンジオーシャン……ですか!」
 突然トーンの上がったバルの声に、カプセルJは気圧されながら頷いた。
「ああ、オレンジオーシャンだ。……ひょっとして、行き先が同じなのか?」
 バルが徐に頷く。
「そうか、ならば旅は道連れ世は情け、だ。オレンジオーシャンまで一緒に行こうか」
「ええ、是非」
 バルとカプセルJの二人は野営の後を片付けると、朝焼けの空に向かって飛び立った。

-----

補足。
本文中に明記されている時間を拾って、時間軸をざっくりとあわせてみました。
ガメレオアームの襲撃だけがかなり先行してるんですが……そんなもんか。

バル達の飛行船が最初に落とされる(昼間)
 ↓
グレープガーデンに残っていたほかの飛行船が撃墜され、どんどん森に墜落する
 ↓
カービィ達、不慮の事故で森に落ちる     ←カービィ達は今ココ
 ↓
デデデ城・オレンジオーシャンで戦闘発生   ←デデメタとナイツ達は今ココ
 ↓
バルとカプセルJが野営(夜間)
 ↓
バル達、オレンジオーシャンを目指す(明け方)←バル艦長は今ココ

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投稿日 : 2008/12/03(Wed) 23:25 
投稿者 : 笹  


「カブーラーのつよさ、みせてやるっ!」
 デデデ城の誇る空中砲台カブーラーは一気に雲を突き抜け、
デデデ城上空、夕焼け空に浮かぶ巨大な顔の前に浮かび上がった。
巨大な顔はしばらく静止していたが、同じく静止したカブーラーをみると、
おもむろに虚空から巨大な左手を出現させる。
宝石で構成されたそれが、斜に差し込む夕日を乱反射させる。
「まずはこてしらべだっ。『トリプルシャッツォ砲』はっしゃ!」
 バンダナワドルディの声が響く。
カブーラーの下部に備えられた砲台から、三方向へ弾丸が発射された。
空に浮かぶ巨大な顔…ワムバムジュエルは攻撃を認識すると、自らの左手を前に差し出し、
それを盾として砲弾を防御した。手のひらで爆発が起きる。
「あたったっ!」
 しかしすぐに爆炎が晴れると、そこには無傷…かどうかは分からないが、
少なくとも遠目に見ると無傷に見える左手が浮かんでいた。
そのまま左手はカブーラーに向かって前進してくる。
捕まれる前に、カブーラーは高度を下げて回避した。
「かたい…さすがほうせき…なら『ゴルドー機雷』だっ」
 バンダナワドルディが手をぶんっと振る。
カブーラーの砲台から、巨大なゴルドー型の物体が射出された。
改めてカブーラーを捕獲しようとしたワムバムジュエルは、
行く手に現れたゴルドーを払いのけようと手を叩き付け、渋い顔をした。
「ふふふっ、いたいだろー」
「…おい」
 バンダナワドルディが少し得意げに笑う。
ワムバムジュエルは宙にふわふわ浮かぶゴルドーを少し眺めていたが、
左手を引き戻すと、今度は右手を出現させ、握り拳を作った。
「ん、なにをするき?」
「おい」
 そう言い終わるが早いか、ワムバムジュエルの右手がゴルドーの合間を縫い、高速で突っ込んできた。
カブーラーは咄嗟に回避行動に出るが間に合わず、拳を半分受けて大きくバランスを崩す。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
 広い室内に、小さなバンダナワドルディの叫び声が響き渡る。
「おいっ!!」
 とはいえこの程度で墜ちるカブーラーではなく、すぐに体勢を立て直した。
ワムバムジュエルを再び捕捉しようとすると、
先ほどまで輝いていたワムバムジュエルが、急に光を反射しなくなる。
と同時に、素早くカブーラーの上に回り込んだ。
これがもし暗闇だったら見失っていたところだろう。
ワムバムジュエルは再び左手を出現させると、大きな爆弾を降らせる。
「そんなこうげき、あたるもんかっ!」
「…………」
 しかしエンジンを搭載したカブーラーには、前進でかわせる攻撃は無効に近い。
カブーラーはそのまま加速、急旋回し、ワムバムジュエルと同高度に上昇した。
バンダナワドルディが、ボタンをポチッと押すようなモーションを取る。
「ひっさつ!『マグナムミサイ」
「はなしをきけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

きーーーーーん

 デデデ城の謁見室に、先ほどの比ではない大声が響き渡る。
その声にバンダナワドルディは思わず伏せた。
 少しして顔を上げると、デデデ大王が握っていたマイクが弾けるのが見えた。
ペイントローラー謹製、絵のマイクらしい。
「だ、だいおうさまっ、おきをたしかに!」
「ワシは正気だっ!お前は何をしているんだ!」
 デデデ大王が凄む。
「お、おうえんを……」
 デデデ城の広い謁見室、その天井に備え付けられた大型モニターには、
カブーラーとワムバムジュエルが戦っている様子が映し出されている。
デデデ大王の後方では、ペイントローラーがやれやれといった感じで目を閉じていた。
「応援はいいから、お前はペイントローラーを裏口に案内しろ!
 それから、『やつら』に出撃要請を出すんだ!」
「は、はいっ……え、うらぐち、ですか?」
「そう、裏口ダ。たのムヨ。」
「急ぐんだぞ!」
「は、はい!」
 バンダナワドルディは慌てて走り出すと、転びそうになりながら部屋を出ていった。
「では大王、また後ホド。」
 ペイントローラーがスケートで後に続く。

「やれやれ……」
 二人がいなくなったのを見届けると、デデデ大王は玉座にどっかりと座り直した。
天井のモニターを見上げると、引き続きカブーラーが戦い続けている。
各所に歪みが見え、ダメージを物語っているが、
マグナムミサイルが効いているのか、ワムバムジュエルも不機嫌そうな表情をしていた。
「……がんばれ、カブーラー」
 そう呟くと、袖の下で、握り拳を作る。

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投稿日 : 2008/12/04(Thu) 23:17 
投稿者 : フラービィ  


地上までの距離は三メートルほど――フラービィが通常サイズであれば――だろうか、
煙は薄いものの、においが少しづつ強くなり、ところどころでまだ真紅の炎がうごめいている。
その時だった、鉤爪がカービィを襲いに来る。カービィはまだ気づいていないが、フラービィのほうは気づいたようだ。
――まずい!――一瞬の判断で、フラービィは手を離した。
少しでもゆっくりと降りようと上に浮かぼうとしていたカービィと、手を離したフラービィの間を鉤爪が襲った。
ゆっくりと降りていたのがいきなり上に浮かんだため、カービィは少しバランスを崩した。
下向きにかかっていた力がなくなったことで、何かが脳を横切った。
「……まさか、落ちちゃった!?」

フラービィの着地は、お世辞にも成功したとはいえないものだった。足から着地した。
「イテテテ……、慣れない事はするもんじゃないな」
まだ足が少しビリビリしている。運動が苦手な彼にはかなり応えたであろう。
近くにはくすぶっている飛行船が一台。その周りには木々がうっそうと生い茂っている。
「う〜ん、どうしよう……」
その場に座り込んで上を見てみた。煙でよく見えない。
このままじっとしていても、何も進展は無い。が、何をするべきかがわからない。
と、ここで妙案を思いついた模様。バックパックの中からいろいろと取り出した。
数分後に、鏡と紐を取り付けたペットボトルが煙を突っ切って上空へと飛んでいった。
「これで大丈夫かな」
カービィが空にいれば……大丈夫!と自分に言い聞かせて、仰向けに寝転がった。

デデデ城一階には多数の操られたデデデの部下がうろうろしていた。
操ったやつに一階を探索させているようだが、一階にはもう誰もいないとわかると、全員で二階へと上った。
長い廊下が待っていた。その真ん中には、大きな目覚まし時計があった。いや、「いた」が正しい。
「何であんなものがあるんですかねぇ」
ビュートはやはり聞き流す。
「さっき取り付かせたやつに行かせろ。一番の雑魚にだ」
「ふぇ?なんでですかぁ」
「あれは一応生物だ」
ワドルディが目覚まし時計に近づいていく。
「あんな雑魚でいいんですかぁ」
「むしろ、そのほうが都合がいい」
目覚まし時計のMr.チクタクは、ワドルディが近づいてくる事に気付いた。が、何も反応を起こさない。
「な、何で何もしないんですかぁ?」
「警戒するに値しない、ということだ」
直後に鈍い音が廊下に響き渡った。Mr.チクタクが廊下に伏していた。ワドルディが何かをしたようだ。
他のダークマターがMr.チクタクに乗り移った。
城は二階まで部外者の侵入を許してしまった。

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投稿日 : 2008/12/05(Fri) 17:07 
投稿者 : guri  


「ええぃ何をしておる!P.ウィスプよ!」
デデデ大王がモニターを見てどなる。
「そんなコトいうてもなー陛下、もう十何年も倉庫に置いてあったやつやろ?」
デデデ大王が見てるのはカブーラーの内部モニター、
技師のP.ウィスプがわてわてと上に下に右左、修繕に奔走している。
「何とかせい!そのために、星系一の科学力と名高いメックアイから呼び寄せたのだ」
「モノには限度ってものが……」
そう言ってる間にも岩の当たる轟音が響く。
「一発いいの貰ったら落ちまっせ、覚悟しておくんなまし」
ワテは飛べるからいいですけどなー、と言いつつもテキパキと仕事をこなしていく。

「陛下、敵影に動きが!」
バンダナワドルディが慌てて注進する。
デデデ大王が、俯瞰モニターへ視線を移す。
するとそこには、握り拳を作っているワムバムジュエルの姿があった。
しかも赤く輝き、どうみても痛そうである。
「こりゃぁ、、やばいでんな……」
P.ウィスプの小さな呟きが王室に響いた。

「ええい、避けんかいっ!」
「もうやってますよって!」
カブーラーが急旋回をする。
予測した軌道では5m後方を通り過ぎるはず、であった。
だがしかし、握り拳は直前で手を開いた。
「やばっ、掴まれます!!」

ギィン!!

銀光が閃いた。
マントたなびかせ、カブーラーの上に立つ者一人。
見ると、親指と人差し指にあたる部分がバターの如く斬れている。
仮面の騎士メタナイトは、ワムバムジュエルと対峙した。



「ビュートさん、ジュエル君はどうするんですかぁ?」
「この城の目を引きつけておけばそれでいいさ、私がその間にこの城の主を倒せばそれで済む」
「さっすがですぅ」
カップルのようにわいわいとしつつ、赤絨毯の上を歩く一人と一匹。
そして、引きずられる者、一匹。
「は、、離せ……」
ビュートの手にはファイアーライオンの、鬣が握られていた。
「いいだろう」
ビュートの目が冷たく光った。

玉座の間、樫で出来た扉が粉砕される。
デデデ大王の横を何かが通り過ぎた。
ソレは機械を粉砕し、ガラスの破片が辺りを煌く。
「へ、、陛下お逃げ下さいませ……」
「ふぁ、ファイヤーライオン!!」
それだけ言うと、百獣の王は力なく地に伏せた。
通常であれば威勢よく燃えていたであろうその鬣は、今にも消え入りそうであった。
「へ、陛下ぁ」
バンダナワドルディが震えている。
デデデ大王はハンマーを手にとると、握り締めた。
「何者だ」

ぶち抜かれた穴から、悠々と一人と一匹、そして多数の黒い影が現れる。
「我が名はビュート。この国の主とお見受けした、我が主の為その身を頂く」
「……成る程、ゼロの手の者か」
デデデ大王はビュート達を見て取ると、全てが繋がった感じがした。
刀を構える人間――昔、一緒に冒険したアドに似ている――そのものは記憶にない。
だが、憑かれて禍禍しく変化している部下達、その脇で群れているダークマター達には見覚えがある。
幾度となく対峙してきた記憶が蘇る、おそらく夢の泉の異変もこいつらが原因だろう。
「よく分かったな」
ビュートはそれをあっさりと肯定した。
「……ワドルディ、仮面を持てい」
慌ててバンダナワドルディが厳つい仮面を持ってくる。
デデデ大王は、それを付けると小声で言う。
「お前は後ろから逃げれ、そしてカービィに現状を伝えるのだ」
残念だが我らはまた後手に回ってしまった、彼の力が必要となるやもしれん。
「へ、陛下わっ」
目の端に涙を浮かべ、デデデ大王にしがみ付く。
「命令だ、ゆけい!」

「ああっ、小さい子が逃げちゃいますよぉ」
黒丸が楽しそうに叫ぶ。
弾かれたようにファンファンとMrチクタクが、バンダナワドルディに襲い掛かる。
「ぬんっ!」
機械仕掛けのハンマーを地面に叩き付け、衝撃波が二匹を吹き飛ばす。
「お前達はここで食い止める、ポップスターの為に!」
「なっまいきー、やっちゃえー」
黒丸の号令で無数のダークマターが襲い掛かる。
デデデ大王はハンマーを垂直に地面に立てると、火炎を出し焼き尽くす。
だが、死角の頭上から黒い闇が覆い被さった。



「へいか……」


「……陛下!」

「陛下!」
「何だメタナイト、折角昼寝していたと言うのに」
メタナイトに揺り起こされ、デデデ大王はあくびをする。
「陛下は日頃からつかれすぎで御座います」
「疲れすぎ?ワシは元気だぞ、最近はカービィと大食い競争に嵌ってるぐらいでな」
ポンと太鼓腹を叩き、笑う。
「いいえ、疲れすぎではなくて憑かれすぎ、で御座います」
「ナヌ」
寝起きであまり回っていない頭で、メタナイトを見つめる。
何を唐突に、という顔だ。

「ダークマターに何度取り憑かれましたか、陛下」
目が据わっている、仮面付けてるのでよく分からんが。
以前クーデター起こされた時も、こんな顔だった気がする。
「ダークキャッスルの別荘へ遊び行った時に一度!アイスバーグにスキーに行って二度!
挙句の果てにはデデデ城でダーク・リムロに憑依されて三度!!」
慌てるデデデ大王に、ガンガンガンっと捲し立てる。
「と、言う訳で仮面をご用意させて頂きました、つい先程完成した物です」
「か、仮面……?」
「カービィがマジルテより持ち帰ったオリハルコンとトライフォースを材料に、
ホットヘッドとボンカースの協力の元、夢の泉で鍛えた一品で御座います」
「おま、神聖な場所でなんちゅう……」
「陛下の為、ひいてはポップスターの為で御座います、付けて下さいますね?」
その後、メタナイトの仮面講座が数時間続いたとか続かなかったとか。



「鬱陶しいわぁ!!」
デデデ大王は怒号と共に、頭にかぶさった闇を力づくで払いのけた。
仮面のおかげか、ダークマターに接触しても心が支配されるいつもの感覚が無い。
メタナイトよ、感謝するぞ。
デデデ大王は目の前のダークマターを一掃すると、ビュート達へと立ち向かった。

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投稿日 : 2008/12/06(Sat) 02:58 
投稿者 : tate   


そんなことどうでもいいじゃん、と言われるかもしれませんが、
指摘しないと後で私が泣きを見る羽目になりそうなので。

ビュートの一人称は「私」です。
黒丸は基本的にビュートのことは「さん」付けです。
カービィはフラービィのことを「フラービィ君」と呼びます。

キャラクターの口調は大切にしてください。
特に、一人称はそう簡単には変わらない『キャラの特徴』の一部です。
オリキャラに限らず、ゲーム中のキャラクターも同様です。

と言い捨てておしまいってのもアレなので
以下に、今のところわかっているキャラクターの人称をざっくり上げてみます。
揺れはあるので(特に敬称は会話の相手によって変わるでしょうから)、参考までに。

カービィ
 一人称   「ボク」
 →フラービィ「フラービィ君」
 →デデデ大王「デデデ」
 →メタナイト「メタナイト」
デデデ大王
 一人称   「ワシ」
 →メタナイト「メタナイト」
メタナイト
 一人称   「私」
 →デデデ大王「陛下」敬語を使う
フラービィ
 一人称   「僕」
 →カービィ 「カービィ」
笹さんのブレイドナイト
 一人称   「私」
ドロッチェ
 一人称   「私」
ビュート
 一人称   「私」

他のキャラは、当該記事を読んで把握してください(^^;

以前、仕事で小説(みたいなもの)を書いていたことがあります。
報酬の発生する仕事なので、リレー小説も同様だとは一概には言えないのですが、
キャラクターの一人称の間違いは、お客様からお怒りのメールと共に指摘される類の
『大きなミステイク』でした。
それぐらい、キャラクターの一人称は大切に思われているものです。

今後小説を書くときには、気をつけてみてください、というお話でした。

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投稿日 : 2008/12/07(Sun) 02:20 
投稿者 : 笹  


「せいっ!」
 バシュゥ…
 デデデ大王のハンマーをまともに受けて、一体のダークマターが消滅する。
 バチィン
「ぐっ!」
 中距離のダークマターが黒い電撃を放ち、それがデデデ大王の左肩を掠める。
「なんの…ッ!」
 ドン!…シュゥゥ…
 反射的にジャンプしたデデデ大王が落下の勢いを乗せたハンマー攻撃で反撃する。
ハンマーと絨毯に挟まれたダークマターが、何かを焼き焦がすような音を立てながら消滅した。

 ――勝てる!
 この程度の小さなダークマター、乗っ取られさえしなければ勝てるぞ!

 今まで散々苦汁を舐めさせられてきたダークマターだが、今回は行けそうだ。
マスクの下の顔に一瞬の笑みが浮かぶ。これはメタナイトに感謝せねばなるまい。
 と、そこにダークマターとは異質の物が飛んできて、爆発する。Mr.チクタクの音符爆弾だ。
「お前らも…」
 続いて巨大な物体が二つ、地面を転がってきた。
デデデ大王はマスクを少しずらすと、大きく口を開き、
転がってくる巨大な物体―ファンファンとグランドウィリー―を吸い込んだ。
そしてそれらを即座に吐き出す。
「目を醒まさんか!!」
 貫通弾となったファンファンとグランドウィリーはMr.チクタクを弾き飛ばし、
更に奥に集まっていたワドルディ兵達をもはねとばした。
それらの体から、一斉に黒い煙が噴出する。
そしてそれらはほぼ同時に球体に姿を変えると、波となってデデデ大王に体当たりを仕掛けてきた。
「うおおおおおおお」
デデデ大王はハンマーを水平に構えると、全身を使って回転を始める。
カービィのハンマー能力で言えばジャイアントスイングに当たるだろうか。
それはニューデデデハンマーと相乗効果を発揮し、雷をまとった竜巻へと変化する。
 バシュゥバシュゥバシュゥバシュゥバシュゥバシュゥぼよんバシュゥバシュゥバシュゥ――
 一斉に飛びかかったダークマター軍団は、デデデ大王に一撃を加えることもできず、
一方で逃げるにも風の流れに阻まれて叶わず、逆に一斉にほぼ全滅という痛手を負ってしまった。
「ふー、ふー、…ん?」
 回転を止め、自らの回転で少々異常を起こしている三半規管を宥めながら、
デデデ大王は一瞬前の不思議な感覚を思い出す。
 ぼよん……だと?…まるでカービィを叩いたときのような感覚だったが……
 辺りを見回すと、今の突撃に参加していなかった僅かなダークマターが距離をおきつつ様子を伺っていた。
と、その先の柱に何か黒い物がめり込んでいるのが見える。
「いたたたたぁ……
 ……弱いって聞いてた気がするのにぃ……」
 黒丸は、見事に柱にめりこんだ自らの体を気合いで引き剥がす。
そして振り向くと、デデデ大王と目があった。
「……お前か」
 デデデ大王の瞳が怪しく光る。

 ドゴッ…ひゅーーーーーーん
「あーーーーーれーーーーーーーーーー」
 この時、城の天井を突き破って天高くとばされる黒い丸を目撃した住人は、後日口を揃えてこう言ったという。
あれはさながら、カービィに負けたデデデ大王の軌道であった、と。

「ふん…」
 デデデ大王は満足げに息を吐くと、再び周りを見渡す。
残っていたダークマター達は今あけた天井の穴から逃げていったようだ。
先ほど跳ね飛ばした部下達も目を醒まし始めている。
 ……あの男は何処だ?
 戦いに夢中で気が付かなかったが、ビュートの姿が見えない。
 逃げたの…か?そんな奴には見えなかったが……
 デデデ大王は天井を見上げる。自ら開けた大穴に、一瞬、何かが光ったように見えた。
ワムバムジュエルだろうか…。

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投稿日 : 2008/12/07(Sun) 03:41 
投稿者 : tate   


 オレンジオーシャンの上空でビュートと言葉を交わしてから数刻もしない頃、ドロッチ
ェは闇ばかりが広がる空間にぽつんと浮かんでいた。
 ここは、ゼロが居るハイパーゾーンとカービィ達の暮らす宇宙を繋ぐバウンダリース
ペース。ハイパーゾーンへの出入りを許されていないドロッチェは、ここまでしか入り込
むことが出来ないのだ。
「ゼロ様、お話が」
『ドロッチェか……貴様からの供物は受け取った』
「いえ。そのことではなく、ポップスターの一件で」
『ポップスターか……』
 ええ、とドロッチェは大仰に両手を広げた。真紅のマントが闇の中で蠢く。
「ポップスターを任されているのは確かビュート君でしたね。その彼がデデデ城に攻めこ
もうとしている場面に出くわしたのですが、あれはゼロ様のご意思でしょうか? どうも、
彼の独断で動いているような印象を受けたのですが」
 フフフ……と闇の向こうからくぐもった笑いが聞こえてきた。
『ポップスターにおけるヤツの仕事は、スターロッドを破壊すること……』
「何と、左様でしたか。……夢の泉制圧後も、ポップスターは彼が担当を?」
『その後を任せるものは既に居る……』
 ドロッチェの後方に、紫色のローブに身を包んだ一人の魔女の姿がぼんやりと浮かび上
がった。
「彼はあまり拠点防衛には向いているようには思えなかったのですが、ゼロ様にはその程
度のことはお見通し、ということですか」
『納得したか、ドロッチェよ。ならば貴様は貴様の働きを見せよ』
「御意に……」
 ドロッチェは闇の中で、姿なき相手に対して深々と頭を垂れた。

 テレポートでバウンダリースペースから脱出したドロッチェは、顎に手を添えてしばし
黙考する。
 闇に属するゼロ達眷属は、ゼロほどの力を持つものならばともかく、ダークマター程度
では夢の泉から発せられる光のエネルギーに抗うことは難しいはずだ。つまりは、ポップ
スターを始めとした星々をダークマターを使って手中に収めるためには、まずは夢の泉か
ら溢れ出る光を止める必要がある。しかし、ダークマターでは夢の泉を制圧することは出
来ない。この矛盾をどう解決するのか。
 ゼロは、光の力の影響を受けないものを使うことにしたようだ。故に私やビュートのよ
うな、闇の眷属からは離れた存在も配下に従えているのか、成程ね。
 では手始めに、ポップスターで奮戦している同属でも手助けしてやろうか。
 ドロッチェは再びポップスターに向かった。

 *

 不意にデデデ大王の視界が影に覆われた。次いで頭上から大きなプレッシャーを感じ、
咄嗟に両手で握り締めていたニューデデデハンマーをかざす。
 耳障りな金属音と共に、大きな力がハンマーに掛かった。デデデ大王の立派な双腕です
ら、その圧力を支えるので精一杯だ。
「ちっ……」
「ビュートとやらか!?」
 ジャイアントスイングでダークマター達を吹き飛ばしている間に、ビュートに頭上に回
られていたようだ。デデデ大王は空中からの不意打ちを咄嗟に阻み、ハンマーを大きく打
ち振って敵を弾き飛ばす。その勢いに押されたビュートは舌打ちをしながら後方に飛んだ。
「その程度のウエイトでは、ワシは潰せんぞ」
 もう少しビュートが高く飛び上がっていたら、ハンマーごと床に叩きつけられていたか
もしれない。そんな内心の焦りを抑え、デデデ大王は余裕の笑みを作る。
「お前の連れてきたダークマター達はすべて消えた。お前一人で、このワシを打ち倒すこ
とが出来るか? 引くのなら今だぞ」
 その問い掛けには答えず、ビュートが床を蹴った。デデデ大王目掛けて一直線に駆け込
んでくる。
「甘いわ!」
 デデデ大王がハンマーを打ち下ろした。城の床を打ち据えたハンマーから発生した衝撃
波が、扇状に広がりビュートに襲い掛かる。しかし彼は足を止めることなく、発生した衝
撃波を右手にした太刀で薙ぎ払った。そして懐に飛び込み、脇に差していた小太刀を抜刀
する。
「うおっ」
 デデデ大王が大きく仰け反る。白銀の刃がその鼻先をかすめ、一線の血がデデデ大王の
顔面に走った。
 動揺するデデデ大王の様に表情を崩すことなく、ビュートは続けざまに太刀を振るう。
休むことなく打ち込まれる太刀の攻撃を、ハンマーの柄で何とかいなしながらもデデデ大
王は徐々に後退さりしていった。

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投稿日 : 2008/12/09(Tue) 23:32 
投稿者 : フラービィ  


一体のワドルディが草原を駆け抜けていく。青いバンダナがトレードマークの、デデデ大王の側近。
デデデ城からここまで全速力で走ってきたようだ。
「はあっ……はあっ……はあっ……」
呼吸すらままならないが、それでもまだ走ろうとする。カービィにこの事を伝える。その事で頭がいっぱいになっているようだ。
が、体が崩れ落ちた。心は前に進もうとしているのだが、体が言うことを聞かない。
仕方無しに近くの木陰で体を休める。西からの光が世界を朱に染めていく。
黒い物が一つ、また一つと飛んで行っては消えていくのもわかる。
ふと城の方を見やると、城の上部から黒い丸が、それはそれは見事な軌道を描いて吹っ飛んでいた。
心も体も少し落ち着きを取り戻したようで、再び走り始めようとした。ら、
「……ん、そこの君?何を急いでいるのかな?」
ウィリーが通りかかり、質問してきた。
「カービィさんの家に早く行きたいんです。急がないと……」
「オーケー、わかった。早く乗りな。」
言われるがままに後ろに乗る。と、自分の足で走っていたときとは比べ物にならない速さで走り出した。

異変の事を伝えられる当の本人は、グレープガーデンの森の上空をうろうろしていた。
「どこに落っことしちゃったんだろう……」
太陽が少し傾き、森から出てくる煙が少し赤黒くなっている。
太陽に背を向けていた時、前から光を一瞬感じた。驚いて目を瞑ってしまった。
恐る恐る目を開けてみると、長い紐が一本伸びていた。出ているのがどこかは煙のせいでよく見えない。
と、頭に何か硬い物がぶつかった。それを取って見ると、ペットボトルだった。
軽い鏡が貼ってあるのがわかったので、それをはがすと、裏側にメッセージが書いてあった。
「紐をたどっていってくれ byフラービィ」

紐の元にはもちろんフラービィ。寝転がってはいるが別に寝ているわけではない。体力温存である。
落ち着かないときには物事を整理する、というのが彼の持論。
いささか非現実的ではあったものの、今生きているのは紛れもなく現実である。
バタービルディングのことを思い出していたとき、頭の中に何かが引っかかった。
丁度その時、カービィが降りてきた。引っかかっていたものが意識の中に落ちていった。
「……どうしたの?」
「ううん、なんでもない。それより、早く行こう」
打ち上げの仕掛けをしまいこみ、立ち上がろうとした。ら、脚に激痛が走った。
思わずそこに倒れこむ。着地した直後はわからなかったが、脚に異常をきたしたらしい。
「た、立てない……」
すぐさま氷を取り出して激痛がした部分に当てる。かなり腫れていたようだ。
痛みが少しひくが、治まるまではかなり時間がかかりそうだ。

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投稿日 : 2008/12/09(Tue) 23:56 
投稿者 : 笹  


「やった!」
「ただ固いだけで、メタナイト様の剣が防げる物かっ!」
 屋上から空を見上げる二人の騎士――ソードナイトとブレイドナイトが歓声を上げる。
「我々も、いつかはああなりたいものだな」
 ブレイドナイトがソードナイトに向き直る。
「ああ、折角メタナイト様の配下にしていただけたんだ、強くならねばな!」
 ソードナイトが握り拳を作りながら答える。
「「メタナイト様!頑張って下さい!!」」
 そしてまた、空に向き直る。


 メタナイトは高く跳び上がると、翼を広げ、その場に滞空を始める。
対峙するワムバムジュエルの黒く淀んだ瞳がメタナイトを睨み付ける。
メタナイトはワムバムジュエルを見据えて微動だにしない。
 唐突に、ワムバムジュエルの切り落とされた指が再生し、
メタナイトにつかみかかろうとする。
メタナイトはその風圧に乗って一点宙返りをすると、
そのままの流れでワムバムジュエルの手の甲に大きな斬り傷を作った。
ワムバムジュエルの顔に一瞬苦痛が浮かぶ。
「……カブーラー…P.ウィスプ殿、下がってくれ」
「…は、はいなっ!」
 唐突の出来事に固まっていたP.ウィスプが動きを取り戻し、
わたわたとカブーラーの操作を始めた。カブーラーはすぐに後退を始める。


 ドゴッ…あーーーーーれーーーーーーーーーー……

 不意に、空を見上げて盛り上がる二人の騎士の耳に、謎の奇声が聞こえてくる。
二人が振り向くと、後方の足場――城の屋上に大穴があき、
なにやら黒い丸が天に舞い上がって星になるのが見えた。
「今のは……」
「この軌道だと陛下……ではなかったな」
「……しまった、下にも敵が居るのか?!」
「な…いくぞブレイドっ!」
「ああっ!」
 夢から覚めたように真顔になると、二人の騎士は我先にと階段を駆け下りていった。

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