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小説の中へ [5]



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投稿日 : 2008/12/28(Sun) 23:26 
投稿者 : あおかび  


「なんでぇこりゃ。ひでぇ有様だな……」

予想すらしていなかった光景を前にして、カプセルJは言葉を失った。
「拝まざるを得ない」という話であったメタナイトの要塞は、もはや原型を留めていなかった。
本来なら外敵を全く寄せ付けない外壁も、今は所々が穴だらけになっている。
侵入してくださいと腰を低くして言っているも同然だ。

「派手にドンパチやらかしやがったな。……ん、どうしたバル?」

一方、バルは口を堅く閉ざしていた。
鉛がのしかかっているようにうつむいているので、表情を察することはできない。

「おい、どうしたんだ。聞いてんのか、こら」
「…………」

ここには彼ら――メタナイツたちがいる。
バルは彼らとメタナイトに会うために、遠路はるばるここまで来たのだ。

バルは過去に戦艦ハルバードで艦長を務めていたことがある。
あの頃のメタナイトは、プププランドを制圧し人民を解放するという志を抱いていた。
それに賛同し、一緒にやらせてくれと懇願したのは今となっては懐かしい話。
メタナイツたちも当然その場にいた。

しかし、メタナイトの野望はピンクの悪魔によって見事に粉砕された。
翼を破壊され、エンジンも使い物にならなくなり、海へ真っ逆さまに落ちてゆくハルバード。
絶望と恐怖を包んでいた巨大な鉄の塊から、バルは、艦長は、真っ先に逃げ出したのだ。

そりゃそうだ。あの中にいれば、誰もが自分の行く末を案じないわけにはいかない。
そして、橙色の海が近づいてくるにつれ、気がおかしくなってくる。
避難と逃亡と安全の確保。それだけを残して他の単語は頭から消えうせる。
それはバルに限った話ではない。
誰もがそうならないわけがない、はずだった。

――あとから聞いた話では、メタナイツたちはあの鉄の塊の中に残ったらしい。
そして、その身が動かなくなるまでピンクの悪魔と戦い続けた。
結果として彼らは悪魔の侵入を許してしまい、メタナイトも敗れてしまった。
だが、それはあくまで結果でしかない。

メタナイトは言うまでもなく、彼ら――メタナイツも腕は立つ。
あのときの相手が規定外のピンク玉ではなかったら、返り討ちにしていたのは間違いない。
なまじっかな腕の輩がいくら集まろうが、彼らを倒すことは難しい。

主がいないときですら、メタナイツたちはこの要塞を守っている。
ただでさえ頑強な要塞が、彼らがいてもこうもなろうとは――――

見てみぬ振りをして逃げ出すのは簡単だ。
あのときのように、何もかもかなぐり捨ててここを退けばそれで済む。
多少の恩があるとは言え、隣にいるカプセルJは赤の他人だ。
バルが去ろうとしても、不愉快な顔はするものの咎めはしまい。

だが、あのときから何も変わらない。
部下に命令を出し、高みの見物をしていたあの頃と。

もし、立場が逆ならば――バルがこの要塞の中にいて、メタナイツたちが外にいるのなら。
彼らは、裏切り者の自分をおいて踵を返すだろうか。

「……それでも文句は言えませんね。むしろ、それが賢明でしょう」

物言わぬ姿に成り果てたかもしれない裏切り者の顔を見に、危険な戦場へ誰が足を踏み入れようか。
百害あって一利なしとは、まさにこのことだ。
彼らは、あのお調子者のピンクの悪魔とは違う。

「…………ですが」
「おい、さっきから何をぐちゃぐちゃ言ってやがる」

――――理屈で考えて、何になるんでしょう。

「カプセルJさん」
「ん、どうした?」
「中に入りましょう、今すぐに」
「……あぁ!? 俺らが敵と間違われてみろ。そしたらすぐに蜂の巣だぜ。
 大体、俺らは何も関係ないだろ!?」

これが普通だ。まったくもって論理的。
もしも立場が逆だとしたら、バルも同じように答えたに違いない。

このままこの普通の意見に従ってもいい。
いや、従ったほうがいいのだろう。
だが――――

「あなたの探している技師様があの中にいるかもしれません。
 会えなかったら、ここまで来た意味がないでしょう」
「……あ、あぁ、そういえばそうだな」

断られても勝手に行けばいいだけの話ではあるのだが。
カプセルJの返事を聞いて、バルはシニカルに笑った。

――――ワシは、相変わらず卑屈ですね。

「なら、とっとと行こうぜ」

カプセルJが先陣を切って歩き始めた。
磁石のように要塞に反発する足を動かしながら、バルは後をゆっくりついてゆく。

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投稿日 : 2008/12/30(Tue) 01:16 
投稿者 : 笹  


「……やっと来たか、カービィ」
「大王様っ!無事で良かったっ!!」
 デデデ大王がカービィ達を見据え、そう発する。
バンダナワドルディが弾かれたようにデデデ大王に駆け寄った。
デデデ大王の声には変わったところはない。だが。
「大王…様…?」
デデデ大王の目は、まっすぐにカービィ達の方に向けられ、微動だにしなかった。
「……。デデデ、ワドルディから、何か大変なことになってるって聞いたけど…?」
 一呼吸置いてから、カービィが早速の質問を放つ。
「ああ。ダークマターの大群が攻め込んできて…城が落ちた」
「落ちた…って」
 あっさりと言うデデデ大王に、カービィが言葉を失う。
フラービィもウィリーも、何も言うことが出来ない。
バンダナワドルディが、ぽよん、としりもちを付いた。
「降りてきてくれ、クラッコ」
「はい」
 今までと違う声がしたかと思うと、真上に浮かぶやや低空の雲から、
小さな雲が…といってもカービィよりは遙かに大きいが…降りてきた。すぐ近くに待機していたらしい。
「使ってばかりですまないな。全員を雲の上まで運んでくれ」
「いえいえ、おやすいご用です」
「え、ええっ?!お城に行くんじゃないの?
 ダークマターがいるんでしょ?」
 そのやりとりを聞いたカービィが、言葉を取り戻す。
デデデ大王は、クラッコに向けていた視線をカービィに戻した。
「……お前がいれば何とかなるかも知れない、がな…
 今は、そんなに気軽に動ける状態ではないんだ」
「でも、ダークマターがいるなら急がないと!」
 食い下がるカービィとデデデ大王の間に、すっとフラービィの手が割り込む。
「……カービィ……デデデ大王…様の言う通りかも知れない。
 少なくとも僕たちは状況を良く分かっていないんだし、焦りは禁物だよ」
「う、うーん、でも……」
「今、メタナイトが要塞の再確認に行っている。
 とにかく、戻ってくるまで待ってくれ」
「メタナイトが……分かったよ、デデデ」
 デデデ大王の言に、カービィが漸く納得する。
要塞と聞いてクラッコが少し目を伏せ、それを誤魔化すように声を発した。
「さあ皆さん、行きましょう。雲の隠れ家にご案内します」
 クラッコとデデデが踵を返し、前方に見えるやや丸みがかった雲の方角に歩き出す。
バンダナワドルディが慌てて追いかけた。
「どうでも良いけど、フラービィ君はこの国の人じゃないのに、デデデを大王様って呼ぶんだね」
 カービィが振り向き、更に首?を上に向けてフラービィに問う。
「うん。僕もあんまりそう言うつもりはなかったんだけど、
 いざ本人を前にしてみたらそう呼ばなきゃいけない気がしてね。流石王様ってところだね」
「ふぅーん……」
 カービィは良く分からないや、と言う表情をした後、先頭を行くデデデ大王を小走りで追いかけていった。

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投稿日 : 2008/12/30(Tue) 02:27 
投稿者 : ヨツケン  


「ここかな?闇の気配がしてた場所は…」
少女が魔法の羽を消し、要塞にふわりと舞い降りる。
「あれ?時空が曲がった痕跡がある…」
少女が魔法で要塞の闇を内を探知しながら進む… 
「誰も居ないなぁ…」
そんな事を言いつつ、少女が曲がり角に差し掛かったその時…

ドカッ!!

誰かにぶつかって転ぶ。
「痛〜い…もう誰!?」
痛いお尻を押さえつつ、ぶつかった人の方を見る。
「すいません、お怪我はありませんか?」
凛々しい顔をした鳥が謝る…
「お前は誰だ?」
少し壊れた機械が聴いてくる…
「私?私はルナ、職業は闇狩り…貴方達は?」
「俺はカプセルJだ」
「私はバル、そうですか…ではルナさん、此処で何があったか知りませんか?」バルと言った鳥が真面目な顔つきで聞いてくる。
「ううん知らない…けど何があったか知りたいなら監視カメラの映像を見てみたら?」
少女が監視カメラを指差しながら言う。
「監視カメラですか…一様見に行って見ますか、ありがとうございますルナさん」
バルがルナに礼を言い、司令室に向かう、その後をカプセルJが着いて行く…
「あの…私も付いていって良い?此処に来た闇が何をしたのか気になるし…」
バルが悩み、カプセルJと少し話し合う。
「良いですよ、一緒に行きましょう…」
そう言ったバルの後を少女とカプセルJが付いて行く… 

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投稿日 : 2008/12/30(Tue) 09:03 
投稿者 : あおかび  


カプセルJとバルの一行は、ルナを加えて要塞内を探索していた。
ルナはまるで狼の中にいる1匹の白兎、であろうか。
このむさ苦しい面子の中で彼女は貴重な1輪の花であった。

「この調子だと司令室までラクショウですね♪」
「その通りだな、嬢ちゃん」

バルは改めて辺りを見渡してみた。
戦火の爪あとは、えぐく、くっきりと残されている。
――少し具体的に書くのなら、備品や壁は完膚なきまで破壊されており、様々な武具が散らばっており、血痕が所々に飛び散っている。
先ほどまで戦があったというのは想像に難くない。
今でも、曲がり角の先に突然矢が飛んできたり剣が飛び込んできたりしてもおかしくはない状況だ。
だが、今のところ流れ弾を受けるようなことはなかった。

それ以上に気になるのは、人の気配が全くしないことである。
敵兵はおろか、味方兵の姿さえ見かけていない。
血溜りはあっても、そこに誰かが倒れていることもない。
「仮に」全員撤退していたというなら、バルは心から安心するに違いない。
事実、バルはそう考えようとしていた。

しかし、1つ歩を進めるたびに得体の知れない焦燥感が積み重なっていく。
額に重く冷たい汗が現れるたびに、バルは手の甲で何度も拭った。

「どうしたの? なんか具合悪いの?」
「……このところ寝不足でしてね」

それだけの嘘を聞いて、ルナは「ふーん」と納得した。
その仕草は、まだ年端も行かない少女のそれであった。

満月を見ている錯覚に陥る純白のローブ、
流れ星の降り注ぐ夜が四六時中映し出されているように眩しい蒼い瞳、
穢れの知らない海を湛えている薄く蒼い髪の毛。
そんなあどけない容姿を持つ彼女は、本来こんな血生臭い所にいるべきではない。
むしろ、何処かのダンスパーティを楽しんでいる方が似合っているとバルは思う。

――此処に来た闇が何をしたのか気になるし…

しかし、彼女は自身を「闇狩り」だと言っていた。
そして、目の前に広がる惨状とは呼べない不可思議な光景。
それがどうも頭に引っかかる。
さらに性質の悪いことに、そのもやもやが自分の頭から消え失せる気配はない。

――――

司令室への扉は開いていた、というよりは壊されていた。
本来なら自動で開く仕組みになっているのだが、これも戦争のオマケだろうか。
戦闘中にここまで壊されてたのか、動かなくなってから開けるために壊されたのかは分からないのだが。
咳払いをしてから、バルは慎重に中へ入っていった。
少し訝しげな表情を見せたカプセルJ、特に何も考えていないようなルナが続いて入る。

バルが奥へ向かって少し進むと、人影がいくつか現れた。
そこから1歩進むとそれぞれの影がくっきりしてきた。
また1歩、さらに1歩進むと、彼らが誰であるかはっきり分かった。
――アックスナイト、メイスナイト、ジャベリンナイト、トライデントナイトたち、メタナイツである。

「お、お前ら――」

理性が何かを言い出すより先に、バルは彼らのもとへ真っ直ぐ駆けていった。
背を向けていたメタナイツは、走ってくるバルの方に向き直った。
バルの足は、さらにさらに、速くなっていく。
涙と鼻水で顔が崩れている気がしないでもないが、そんなことはバルの知ったことではない。


「――待って! そいつらからすぐに離れて!」

凛とした声が響き、バルの足は瞬時に石化した。
再会の喜びが遥か遠くへ消えてゆく……。
声のした方向を振り向くと、そこには鬼気迫る形相をしたルナがいた。
声といい、顔といい、その瞬間のバルには誰なのか分からなかった。

「――シンニュウシャ」

何かが風を切る嫌な音が聞こえた。
それに続いて、ジャラジャラと鎖がぶつかり合う金属音がする。
そして、その風と不快な音は次第にバルの顔に近づいてゆく。
バルが音を感じる方向に向き直ったとき、巨大な鉄球が押しつぶさんとばかりに目と鼻の先に飛んできていた。

いつしか、命を奪う音しか聞こえなくなり、身体を切り裂くような風しか感じなくなっていた。
逃げようとしても足は断固として動かず、泣こうとしても顔のしわすら動いてくれない。
停止した時間の中で、鉄球だけがバルの顔めがけてゆっくり飛んでくる。
彼には、ただ目を瞑ることしかできなかった。
言葉に出来ない後悔が、既に遅い罪悪感が彼の心を埋め尽くす――



自分の骨が砕ける嫌な音がした。
身体が吹き飛ばされる、さらに、硬いものに叩きつけられた。
痛い。とても痛い。涙が出るほど痛い。
――これが死ぬ間際というものですか。二度と経験したくないですね。
しかしおかしなことに、バルは自分の目を「開くことができた」のだ。


「何ぼさっとしてやがる! そんなに死にてぇのか、お前って奴は!」

耳をつんざく怒声によって我に返った。
同時に、視界が蘇ってきた。

バルは指令室の壁に叩きつけられていた。
右を見ると、彼に鉄球を投げつけていたメイスナイトが隣でのされていた。
カプセルJのジェットダッシュによる体当たりによって、メイスナイトごと吹き飛ばされたようだ。
地面に落ちている鎖つきの鉄球を見て、バルは寒気を感じた。

ふと入り口の方を見ると、いつの間にか要塞の兵士達が集まっていた。
誰もが見えない糸に操られているように動き、生気を感じることはできない。
まさか自分達を助けに来てくれたとは思えない。

「こいつら、闇に乗っ取られているわね。カプセルJさん、そっちはお願い!」
「おお! 任せとけ」

バルの目の前にいるカプセルJが勇ましく答えた。
自分の名が呼ばれていないのを聞いて安心したのか落ち込んだのかバルもよく分からなかった。

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投稿日 : 2008/12/31(Wed) 14:20 
投稿者 : ヨツケン  

「カプセルJさん、行きますよ!!」
「おぉ、こっちは任せろ」
カプセルJがエネルギーを貯め、ザコ兵士に向かって突進してゆく… 
「バルさんは少し休んどいて!!」

そう言いつつ、ルナは右手に魔力を貯める…

----此処じゃ強い魔法は使えない…だからといって、手加減すればこっちが殺られる…

--メタナイツが得物を構える--

なら…
気絶する程度に魔力を調整して、身体から闇を追い出す!!

「痛いけど我慢してね…」
言ったとたんに、ルナに向かって斧と槍が飛ぶ…

「ホーリーリフレクト…」
ルナは光で斧を弾き、まだ投げる体勢から戻って無いアックスナイトに魔法を当て、気絶させる…槍が肩を掠め飛んで行く…

「っ…あと…ふたり…」

ちらっとカプセルJの方を見ると、ザコ兵士に体当たりを食らわせていた。

「私も頑張らないと…」

ルナが血の滴る肩を押さえつつ魔法を無数に放つ、ふたりはそれを避け槍を投げる…ルナは槍を避けつつ、呪文を唱える…

「星の光よ…降り注ぎて闇を滅さん…スターライトレイン!!」

ふたりの上に光が溢れ、其処から数多の光が降り注ぐ…
「グワァア!!」

「終わった…カプセルJさん終わりましたよ〜」
「あぁ、こっちも今終わった!」

カプセルJが最後のひとりに体当たりをしながら言う。
「・・・」
ルナの後ろのアックスナイトが立ち上がる…

ブン…

アックスナイトの投げた斧がルナに後ろから迫る!!
「ルナさん!!危ない!!」

それに気付いたバルが飛び出す!!

ザクッ!!「グワ!!」

バタ…

バルが斧を受け、倒れる…「バルさん!!」
「こいつ…!!」

カプセルJがアックスナイトに体当たりをかます…

バルの意識が途切れる…

----あぁ、私はまた此処に来てしまった…
だが、良かった…最後に誰かを守れて…

…バルさん!!…
…バル!!…
…艦長!!…
誰かが私を呼んで居る?…

バルが眼を覚ます…
「艦長!!…」
メタナイツがバルを取り囲んで泣いていた。

「お前達!!…私を許してくれるのか?」「もちろんダス!!艦長は何時までもわしらの艦長ダス!!」

メタナイツ達が泣きながら頷く…

「ありがとう…」

何時も冷静なバルが泣き出す
「ルナの回復呪文が間に合って良かったな…」「そうですね…グスッ」

ルナが蒼い眼を潤ませながら泣き出す…

「嬢ちゃんまで泣くなよ…泣いて無いの俺だけじゃん…」

泣けないカプセルJを残して皆で泣きましたとさ…

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